幼なじみ公爵の伝わらない溺愛

柴田

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 射精感が遠ざかったのを見計らい、ダリアは再び陰茎をくわえた。
 ヘンリーが顔を歪めて、ぐう、と呻く。その様子を眺めるのはとても気分がよく、そしてダリアを興奮させた。ヘンリーがつらそうに身悶えるほど、苦しげな表情を浮かべるほど、ダリアの行為はエスカレートしていく。「ダリアになら何をされてもうれしい」だなんて嘯くヘンリーが、どこまで許すのか試したくなった。

「ダリア、出る……っ、うう……!」
「まだよ。まだ出しちゃだめ」

 根元を手でぎゅっと握ったまま、射精したそうにはくはくと開閉を繰り返す鈴口に舌先を捻じ込む。
 息を詰め声にならない嬌声を上げるヘンリーは、喉を反らしてシーツに後頭部を擦りつけた。いっそのこと自分で擦ろうと手を伸ばそうとしても、拘束具に阻まれてただもぞもぞと身悶えることしかできない。「出しちゃだめ」とダリアに言われると、余計に射精感が差し迫った。

 今度は手で陰茎を根本から先端までねっとりと扱き上げてもらえたかと思えば、射精の寸前でまた離れていってしまう。切なげな声が漏れてしまい、ヘンリーは唇を噛み締めた。
 快感を追いかけて腰が揺れるさまが惨めで、きっとヘンリーにとっては屈辱的に違いない。しかしながら未だにヘンリーはダリアに請うようなまなざしを向けるだけで、そこに倦厭や拒絶の色は少しも滲んでいなかった。

「もうイきたい……ッダリア、お願いだよ」
「あら、まだ我慢できるわよね。ヘンリーは私に何をされてもうれしいんでしょう? だったらいつまででも耐えられるはずよ」
「っ……ぁ、あ!」

 先走りと唾液で濡れそぼった亀頭を、手のひらで包み込んでくちゅくちゅと撫でまわす。そうするとヘンリーは内腿まで震わせて、たまらず声を上げた。


 幾度も寸止めして結局射精させてあげないまま、ダリアはヘンリーの上に跨る。

 腕を拘束されて身動きもままならず、ヘンリーは快感を逃がすことさえ難しかっただろう。シーツに頬を押しつけるヘンリーは息も絶え絶えの様子だった。顔は赤く火照り、目はうつろに蕩けていて、だらしなく涎を垂らしている。
 柔和な笑みを決して崩さないあのヘンリーが、されるがままになぶられてこんな姿になってしまったことに、ダリアは興奮が隠せなかった。
 おなかの奥がジンと熱くなる。疼いて疼いてたまらなかった。

 ダリアは下着を脱ぎ捨てると、今度はヘンリーの顔の上に跨る。ワンピースの裾をたくし上げてヘンリーを見下ろす。秘所からとろりと蜜が垂れていった。

「奉仕して」

 ぐっしょりと濡れた秘所をヘンリーの顔に押しつける。するとうつろだったヘンリーの瞳がダリアを見上げ、三日月型にしなった。

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