幼なじみ公爵の伝わらない溺愛

柴田

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 悔しげに唇を噛んだダリアを見て、ヘンリーはクスリと笑う。
 無駄な試みを続けようとするダリアがかわいくて仕方ない。幼い頃からダリアの行いをすべて受け止めてきたのだから、こちらは相当年季が入っている。今更何をされようとヘンリーの愛が揺らぐことはなかった。ダリアにされて許せないことを敢えてあげるとしたら、それはヘンリーのもとから去ることのみだ。

 ダリアがヘンリーを試したいというのなら、いくらでも付き合う気概はある。
 このようなことなら、なおさら歓迎だった。
 以前のように叩いたって、罵ったって、鞭で打たれたって、本当に監禁されたってかまわないのだ。
 そうしていつか、ヘンリーの無限の愛に気づけばいい。

 ヘンリーは身体を起こすと、クッションに上体を寄りかからせた。ずっと腕が身体の下敷きになっていたせいで少し痛む。けれどこの痛みがダリアの独占欲の証だと思えば、それは甘美なものに変わる。ヘンリーを閉じ込めたいと願ったダリアがはめた枷だ。重ければ重いほどダリアの執着を感じられるような気がした。

「もう罰はおしまい?」
「……っ終わりじゃないわ」

 ヘンリーの手のひらの上で転がされているとも気づかずに、負けず嫌いなダリアはワンピースを脱ぎ捨てた。ダリアはヘンリーを跨いで膝立ちになる。
 ヘンリーの陰茎は、一度精を放ったとは思えないほど硬く張り詰め勃起していた。
 ダリアは棹に陰唇を擦りつけると、前後にスライドするように腰を蠢かす。

 ふっくらとした陰唇に挟まれ、熱く濡れた秘所全体で裏筋を刺激されると、ヘンリーは思わず息を詰めた。視線を落とせば、淫らに揺れる細い腰と、ダリアの股の間で陰茎がにゅりにゅりと擦られる卑猥な光景が目に入る。前を見れば、豊かな胸が動きに合わせてふるんっと揺れる様子が視界いっぱいに広がっていた。
 ドクン、と陰茎が大きく跳ねる。
 口淫で何度か達したダリアの中は、さぞふわふわとろとろに蕩けていることだろう。柔らかく溶けているのに、陰茎を挿入すると抱擁するように包み込んでくれる蜜壺の心地よさを、ヘンリーだけが知っているのだ。

「はぁ……っ、すごくぬるぬるだ」
「ヘンリーの出したものよ」
「男はこんなに濡れないよ、ダリア」
「……ッ、うるさいわね」

 にゅち、ぬち、と陰茎を股で擦られる。気持ちいいけれど、早くダリアの中に入りたくてひどくもどかしかった。少し位置をずらせば、ダリアの中に先端が埋まっていきそうだ。ヘンリーは無意識のうちに腰を揺らめかせる。
 ヘンリーが焦れているのを感じ取り、ダリアはほくそ笑んだ。腰を上げ、くぷりと先端を沈める。そしてヘンリーが期待のこもった熱い吐息をこぼすのを見ては、からかうように下半身を離した。
 再び秘裂で陰茎の裏側を擦りながら、腹筋をひくつかせるヘンリーを見下ろす。

「挿入れさせてくださいって、言いなさいよ」
「挿入れさせて、ダリア」
「…………プライドとかないの?」
「ダリアの中に入りたい」
「…………黙って」

 焦らして焦らしてそのうえで懇願させてやろうと企んでいたのに、あっさりしすぎて拍子抜けだ。
 ヘンリーは頬を火照らせて上目遣いで見上げてくる。まるで捨てられた仔犬だ。あざといとしか思えない表情にくわえ、さらには腰をへこへこと動かして陰茎を擦りつけられ、ダリアは低く呻いた。

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