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1章妖精の愛し子
40.
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リリーフィアはリューティシアに促されてサクラ達の待つ部屋へと向かった。
「サクラ、おいしいなの」
「よかった、ゆっくりと食べていいからね」
もぐもぐと、頬をぱんぱんに膨らませながら食べているリリーフィアを眺める妖精達。
「ところでサクラ。 この材料、どうしたの? 妖精はご飯を食べないからここにはなかったはずだよ?」
「それなら料理する部屋にいっぱいあったけど…?」
首をかしげたサクラが指差した部屋の中には、食材が山になってあった。
しかもその山、一山どころではなく、部屋の半分ほどは食材の山脈で埋め尽くされていた。
「はっ…?」
自分から質問したにも関わらず、その光景を見て固まったシャラーティル。
リューティシアはそんなシャラーティルを見て笑いこけ、フィーディアンは部屋の様子にため息をついた。
「これをやったのは誰だ。 妖精には食に関する者はいないはずだ」
─ガサ、ガサゴソ
「誰だ、隠れず出てこい」
フィーディアンはパッと取り出した鞘付きの剣を食材の山に向ける。
そんな中、食材の山からぴょこっと顔を見せたのは、可愛らしい小さな小さな馬だった。
その大きさはフィーディアンの手のひらにのれるほど小さく、そして一生懸命はばたいていた。
「それやったの僕だよ。 愛し子様が来るって聞いて、ご飯用意しなきゃと思ったんだよ」
背中に生える純白の翼は、羽ばたく度にキラキラとした光の粒を落とす。
「ペガサスの子供か… 食材の件は感謝する。 こちらではどうにもならなかったからな。 ところでペガサスの子、親はどうした?」
「それがね、はぐれちゃったの… 人の国の森に住んでたんだけど、ママが人に連れてかれちゃった」
ペガサスの子の翼は、気持ちと比例するかのようにどんどんと羽ばたきが弱まっていく。
ちょこんと山の上に座ったペガサスの子は、フィーディアンのことを潤んだ瞳で見上げる。
「おねがい、僕のママを助けて。 お手伝いならするから…
だからおねがい妖精さん!」
ペガサスの子にチラリと向けた視線をすぐさま外すフィーディアン。
「……」
「あれれ、黙っちゃってどうしたのフィーディアン?」
「別に…」
フィーディアンのぶっきらぼうな発言に対して、にやにやと不敵な笑みを浮かべるシャラーティル。
「どうせ今回も断れないんじゃない? 別に了承してもいいと思うよ。 僕には関係ないしね」
なんだかんだ言って頼まれたことを断れたことがほとんどないフィーディアンである。
シャラーティルの言うことはもっともなので、今回も断ろうとは思っていない。
「サクラ、おいしいなの」
「よかった、ゆっくりと食べていいからね」
もぐもぐと、頬をぱんぱんに膨らませながら食べているリリーフィアを眺める妖精達。
「ところでサクラ。 この材料、どうしたの? 妖精はご飯を食べないからここにはなかったはずだよ?」
「それなら料理する部屋にいっぱいあったけど…?」
首をかしげたサクラが指差した部屋の中には、食材が山になってあった。
しかもその山、一山どころではなく、部屋の半分ほどは食材の山脈で埋め尽くされていた。
「はっ…?」
自分から質問したにも関わらず、その光景を見て固まったシャラーティル。
リューティシアはそんなシャラーティルを見て笑いこけ、フィーディアンは部屋の様子にため息をついた。
「これをやったのは誰だ。 妖精には食に関する者はいないはずだ」
─ガサ、ガサゴソ
「誰だ、隠れず出てこい」
フィーディアンはパッと取り出した鞘付きの剣を食材の山に向ける。
そんな中、食材の山からぴょこっと顔を見せたのは、可愛らしい小さな小さな馬だった。
その大きさはフィーディアンの手のひらにのれるほど小さく、そして一生懸命はばたいていた。
「それやったの僕だよ。 愛し子様が来るって聞いて、ご飯用意しなきゃと思ったんだよ」
背中に生える純白の翼は、羽ばたく度にキラキラとした光の粒を落とす。
「ペガサスの子供か… 食材の件は感謝する。 こちらではどうにもならなかったからな。 ところでペガサスの子、親はどうした?」
「それがね、はぐれちゃったの… 人の国の森に住んでたんだけど、ママが人に連れてかれちゃった」
ペガサスの子の翼は、気持ちと比例するかのようにどんどんと羽ばたきが弱まっていく。
ちょこんと山の上に座ったペガサスの子は、フィーディアンのことを潤んだ瞳で見上げる。
「おねがい、僕のママを助けて。 お手伝いならするから…
だからおねがい妖精さん!」
ペガサスの子にチラリと向けた視線をすぐさま外すフィーディアン。
「……」
「あれれ、黙っちゃってどうしたのフィーディアン?」
「別に…」
フィーディアンのぶっきらぼうな発言に対して、にやにやと不敵な笑みを浮かべるシャラーティル。
「どうせ今回も断れないんじゃない? 別に了承してもいいと思うよ。 僕には関係ないしね」
なんだかんだ言って頼まれたことを断れたことがほとんどないフィーディアンである。
シャラーティルの言うことはもっともなので、今回も断ろうとは思っていない。
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