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おうちでコスプレえっち♡
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しおりを挟む「じゃあ、始めよっか」
翌朝、僕たちは2人で少し遅めの朝食をとったあと、テレビを観ながらくつろいでいた。
ホットミルクがはいったコップを2つテーブルに置くと、突然「あ」とひとつ大きな音を発したももが寝室に戻っていったのだ。何か気になることでもあったのだろうかとその姿を見送って、コップからほのかに立っている湯気でふうふうと遊んでいたときだった。
語尾にハートでもついていそうな声を背後から突然掛けられ、嫌な予感にびくびくしながら振り返るとももが有無を言わせぬ顔で笑っていた。
嫌な予感を示唆するように、その手には見覚えのある無地の白い紙袋が提げられている。
何を、というには白々しく、それでも素直に受け止められない僕は聞かずにはいられない。
「な、何を?」
「もー、昨日言ったでしょー? 今日はゆきの再教育するって」
「本当にやるの…?」
「あたりまえでしょ!現場の雰囲気を再現してこその教育だし」
「そうだけど、でも別にわざわざ着替えまでする必要ないんじゃ」
「あのねぇ、ゆき。こういう服着てお店に出たとき、また同じことされたらどうするの? ちゃんと自分で対処できる?」
「それは……」
「あの気持ち悪いゲス野郎以外にもちょっかい出されてるよね? うちの店でバイトするなら、もう少し上手くあしらえるようにならないと」
今日はももの口車には乗せられないぞと身構えていたら、別の角度から痛いところを指摘されてしまった。思いもよらず真剣な顔を向けられれば、なんの反論もできない。
「俺が助けることもできるけど、ゆきが自分で断れなきゃ意味ないんだからね。それに、店長とか周りのスタッフにも迷惑かけたくないでしょ? これはゆきの元教育係として言ってるの」
「そ、そっか……そうだよね…。いつまでも皆に甘えてられないもんね…!」
「そうそう。俺がしっかり手取り足取り教えてあげるから、ね? はい、じゃあこれ着てきて!」
「えっ、あ、わかった」
あれ? いつのまにか、もものいいように転がされてない? 大丈夫、僕?
そんな疑念を抱きながら反論できない僕は、結局いつものようにももの口車に乗せられるのだった。
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