12 / 74
11、帷の内
しおりを挟む
寝室で、就寝のためだろう衣服を脱いでいるアギレオの背と出会い、今戻ったと声を掛けて、自分もその傍らで着ているものを解く。
「おう。魔術師様はなんだって?」
「うん、問題無い。腫れが引いてからもう一度見ようと言って、湿布をしてくれた」
これか、と晒す包帯の上から手を触れられ、少し目で追う。冷てッと声を上げるのに、思わず口元を綻ばせ。
「氷の魔術だろう。少しずつぬるくなっているから、明日の朝には冷たくないだろうが」
「なるほど。取り替えなくても冷やせんのか、便利なこった」
ブーツを脱いでしまおうと寝台に腰を下ろす隣にアギレオが座って、脇腹の辺りに巻きつけられる腕に、目だけで振り返る。
「冷やしてんのに温めねえ方がいいか?」
気の早い男のせいで脱ぎそびれた下衣のまま、膝を絡めるようにして身を寄せ、遠い方の手を伸ばして、角に指を絡めるようにアギレオの頭を抱き。
目を合わせて、口を開いて、合理的に考えればやめておくべきなのかと考え及び、また口を閉じて目を逸らす。逡巡しながら、持て余すように髪に指を絡め、後ろ頭からこめかみを撫で。頬骨から頬をなぞりおりて、唇を弄れば、指に息を吹きかけられる。
目を戻せばアギレオが浮かべている片笑みに、どちらとも言い出せない唇を少し尖らせてしまう。
鏡合わせのように、顎を掌で掬うようにして唇のあわいに親指を這い込まされ。目を伏せてその指を小さく吸って。
手を離しながら、なんだよ?と面白がるよう笑う顔に、自分で困って少し額を擦り。
「…媾いたい」
ンッ!?と跳ね上がる声に、顔を寄せて唇を指で撫で、ためらって吐息し。唇を湿らせた自分の呼気が熱く、身体に熱が宿る。
「……性交したい。…抱いて欲しい、アギレオ、」
寝台に沈む肉の奥であらぬ場所が、むずつく。
優柔不断の唇に唇を重ねられ、唇の形を確かめ合うよう交わすのももどかしく、浅ましいよう舌を求めて彼の歯列を舐めて。
「ん、ぅ、……ギレオ、、ン、だが、」
舌同士を擦り付け、唾液を削ぎ合うはざまに息をつぐよう、ためらいの理由を打ち明けようとして、欲望に負け離せぬ唇。
うン?と、鼻でつく息に混じらせ問い返す声とともに、離される顔を眉下げて目で追う。
濡れた唇を指で拭い。
「こじらせてしまうと、明日ケレブシアに見てもらうのに、弁明が苦しい…」
ブフッと噴き出されるのに、顔を背ける。つまらないことなのは、承知だが。
「まあ、お前暴れるからなあ。肩か…、確かに、どう押さえつけても悪くしそうじゃあるな」
暴れると言われるほどではないはずだ、と抗議する声も取り合わず、顎を摩るアギレオの顔を見つめ。
よし、来い来いと腕を引かれて招かれ、身を転じて膝で這って寝台へ上がる。
向き合いに重ねる唇が、互いに残りの衣服を脱ぎ捨てるために離れては、また擦り寄せ。舌を差し出して絡め、離れる距離を惜しむように舌先同士でくすぐり合う。
腰を抱き寄せられ、膝で跨ぐようにアギレオの胡座の上に腰を下ろして。
血液の流れを遡るよう、耳の下から首筋へと、産毛を揺らすような微かさで下りていく指に息がこぼれる。
肩の先まで遊んだ指が気を変えたように鎖骨の内側へと戻り、胸の筋肉を包むよう、指を広げて掌で淡く包まれれば、快さともどかしさで身が捩れ。
途切れさせるように息を継ぎながら、彼のしたのを真似て追うよう、肩を摩り、胸を揉んで返す手は、だが焦れるのを隠せず強く擦りつけてしまう。
「は――…」
噛みつくように唇を奪い、舌で押し退けるように歯列を割らせ、アギレオの口の中へと舌を押し込む。他人臭い、けれどもう馴染んだ味と匂いの唾液を舐め啜り、応じる舌に舌を絡ませては吐息し。
勃起し始めの互いのペニスを合わせるように握られ、腰を揺らして擦りつけ。
「ン、ふゥ、」
濡れた感触が尻に触れて、背が伸び、途端にどう動くべきか判らなくなる。混じる先で吐息が笑っているのに気づいて、下唇に歯を引っ掛けてやって。
「アギレオ…」
「そのまま…暴れず大人しくしてろ…」
「んっ」
グッと強く押しつけられた指が、皮膚を濡らす練り薬のぬめりを借りて尻の穴に入り込む。
「…ぁ、…」
擦り寄せるように腕を伸ばしてアギレオの頭を抱き、頬を擦り寄せる。ヂリッと痛みの走る肩に薄く強張ったのを、見逃さぬ手に掴んで下ろされ、痛めた左は下げて脇から背を抱く。
未だにどこか倒錯的な、だがもう身に染みついた、尻の穴を内側から解される快に痺れる。
短く上擦る吐息に勝手に声が混じって。
固い筋肉をじっくりと柔らげながら奥へと進む指に身はとろけて、反り返るほど勃起したペニスが、濡れる。
「ぁぅッ」
皮膚を薄くしたように敏感になった亀頭に、垂れるぬめりを塗り広げられ、顎が浮く。
尻の中を指で捏ね回し、出入りする動きで擦られ、尿道口を弄るように勃起をいじめられて背が撓む。
「ぁ、あ、ぁァ、あっあ、」
悦楽の中に渦を巻き始めるような熱に、息が上がる。
「は…、ぁ、…アギレオ、」
肘で少し肩を突っ張るようにして身を離し、混色の瞳を覗き込んで額を寄せ。ン?と言う代わりのよう上がる眉に、目を伏せて鼻先もすりつける。
「…も…入れてくれ…」
ごく柔く、啄まれる唇に微かにチュと音が伝わり、腰の裏が震う。
「…もう?」
ひそめた低い囁きに頷きを繰り返し、膝を起こして尻を上げ。
「……中に、欲しい、」
じくじくと熱に疼くような内で指をクルリと回され、声が跳ねる。確かめるように指を開いて穴を拡げられるのに、応えるよう、力を抜いて開かれるに任せ。
「そんな無理矢理したら、…明日レビにバレるぜ?」
ビクッと、背が強張ったのが、その言葉になのか、深く突き刺された指になのか自分で判じかねて淡く混乱する。
指が抜かれ、濡れた穴に押しつけられる亀頭の丸い熱に、力が抜ける。
はやく。
「っ、い、いい、いいから…っ」
「――なァにが」
息づく穴を押し開くように食い込むペニスが、けれどまた離れて、縋りつく背に指を立て。
「んッ、……ぁ」
「お前の可愛いレビに知られてもいいのか? 見てもらった怪我も庇わねえで、尻の穴に俺のチンポ欲しがってたって?」
可愛いレビ、という声に辛うじて、睫毛まで銀色の美しい半エルフの顔を思い出しても、その続きまでは理解できない。
浅く穴を開いては、また逃れ離れていく肉棒の丸みを求めて尻を押しつけ。
「いっ、いい、知られてもいい、…入れて、いれて、」
「――しょうがねえな、…悪いエルフめ」
「あッ」
ぐぷりと、音は耳からではなく腹の内から肉を伝わり、一番狭いところを裂くよう拡げる太さに、唇がわななく。
「ああぁ…」
最初の息苦しさを通り抜け、複雑なおうとつが腹の内を弄って満たしていくのに、息が抜けて唇が勝手に開いてしまう。
「ほら、腰浮かすな。…力抜け…」
背を掻き下りるよう指を立てて身を引き下ろされることにすら、ゾクゾクと肌が痺れ、胸から乳首に伝わるように感じる。
脚の間から腹の内をじっくりと埋めていく熱杭に、皮膚の裏が熱い。
「アギレオ…」
首すら立てておられぬ心地で、褐色の肩に耳を預けて首筋に歯先を擦りつけ。
「ン…? 気持ちいいか。すげえ動いてんな、中」
鼻から抜くように吐息に混じる声で頷き、気持ちいい、と与えられた言葉をなぞるよう彼の肌に潰し。
尻を上げて動こうとするのを、腰を掴んで下ろされ、瞬けば雫が落ちた。
「ぅん……?」
肉の向こうに見透かしたように、男のペニスを抱えた腰の裏を撫でられれば、ゾクッと背が伸びる。
「イキたきゃイッてもいいから、大人しくしてろ」
「ん、グッ、ァッ」
頷きかけたところに、弾みをつけるように奥を突かれ、声が潰れる。
「っぁ、ッ、ぅ、――ィっ、、あ、待て、ま、」
陰茎の砲身と反りに肉筒のひだをこじられ、弾みをつけるよう深いところを叩かれるたびに奥へと沈み、目の前が赤く染まっては溶ける。
「ま、だめ、ぁ、アっ、ッ、ぎ、アギレオ、っギレオ、待、深…ッ」
打ちつけられるような衝撃の薄い殻が剥がれ、どろりと溢れてくる甘美な官能が濃い。
「ンぐッ…!」
イク、と、思う間もないほど。
頂を極めてもなお揺すりをかけられ、尻から腰の裏を満たす濡れた甘快が広がり、満たされるたび我が身の境が解けて見失う。
「はっ、ぁっ、あ、ァッ、あ、ぃや、いや…」
こわい。
足りない。そのまま殺して欲しい。愛しい。甘い、熱い、気持ちいい、痺れる、気持ちいい。
己をヒトに留めている何かが破れたよう、形も脈略もない不確かな感情ばかりが湧いては落ちていく。縋るよう呼ぶ名を、口に出来ているかも分からない。
「アッ、ぃ、――んィッ!」
腹の深いところが意の及ばぬようオルガズムを極め、引き絞ってしまう身に肩と胸が痛んで、絶頂を深くする。
ああ、と、低く色気に満ちた溜息が遠く聞こえて、愛する男が自分の腹の中で射精していると知れる熱さに、小さくまた絶頂してしまう。
「嗚呼…」
感極まるような声が勝手に零れて、乱れた身体を持て余し、汗にまみれた胸と背に縋る。
跳ねる息が収まるのを互いに待って、身を絡めたままで耳をそばだて。吐息や、鼓動、不意に思わぬところから聞こえる粘った水音に、身を委ね。
よ、と、声を一つでシーツに下ろされ、足を手繰り腰を抱き上げ身を伸ばされる。
まだ縮みきっていないペニスを抜かれて擦れるのに、小さく身震いした。
横臥に向き合うよう、やれやれといった風に身を横たえるアギレオに手を伸ばし、耳を覆って耳殻の内の迷路に指を遊ばせる。
「くすぐってえ」
笑って撓む双眸を見つめ。
「もっとしてくれ、アギレオ…」
「なんだ。今日はしつけえな、お前」
眉を上げて笑う顔に、頷く。
「それから…」
声が喉に絡んでしまって、浅く咳払いする間に、跳ねる片眉に目を細める。
「…奥でイカせないでくれ。…朝、足が立たなくなる…」
ぴたりと。凍りつきでもしたように動きを止める顔を、見つめ。弄っていた耳から辿って顎から頬を撫で。
「めちゃくちゃイッてたくせに、おま、……。…ああ。だからか」
そう、と、少し頬を緩めて頷いた。まだ、腿の内や尻が痺れている気がする。
よいしょ、と身を起こして乗り越えられ、背に回られるのに振り返ろうとするのが、後ろから抱き締められて叶わない。
「…他には? 喋れる内に言っとけよ」
横臥の上になった方の脚を持ち上げられ、笑いながら頷くのが、尻の谷間に擦りつけられる半勃起の感触に吐息で溶ける。
さり気なく肩の位置を気に掛け腕を逃がしてくれる手を取り、その指にくちづけた。
「おう。魔術師様はなんだって?」
「うん、問題無い。腫れが引いてからもう一度見ようと言って、湿布をしてくれた」
これか、と晒す包帯の上から手を触れられ、少し目で追う。冷てッと声を上げるのに、思わず口元を綻ばせ。
「氷の魔術だろう。少しずつぬるくなっているから、明日の朝には冷たくないだろうが」
「なるほど。取り替えなくても冷やせんのか、便利なこった」
ブーツを脱いでしまおうと寝台に腰を下ろす隣にアギレオが座って、脇腹の辺りに巻きつけられる腕に、目だけで振り返る。
「冷やしてんのに温めねえ方がいいか?」
気の早い男のせいで脱ぎそびれた下衣のまま、膝を絡めるようにして身を寄せ、遠い方の手を伸ばして、角に指を絡めるようにアギレオの頭を抱き。
目を合わせて、口を開いて、合理的に考えればやめておくべきなのかと考え及び、また口を閉じて目を逸らす。逡巡しながら、持て余すように髪に指を絡め、後ろ頭からこめかみを撫で。頬骨から頬をなぞりおりて、唇を弄れば、指に息を吹きかけられる。
目を戻せばアギレオが浮かべている片笑みに、どちらとも言い出せない唇を少し尖らせてしまう。
鏡合わせのように、顎を掌で掬うようにして唇のあわいに親指を這い込まされ。目を伏せてその指を小さく吸って。
手を離しながら、なんだよ?と面白がるよう笑う顔に、自分で困って少し額を擦り。
「…媾いたい」
ンッ!?と跳ね上がる声に、顔を寄せて唇を指で撫で、ためらって吐息し。唇を湿らせた自分の呼気が熱く、身体に熱が宿る。
「……性交したい。…抱いて欲しい、アギレオ、」
寝台に沈む肉の奥であらぬ場所が、むずつく。
優柔不断の唇に唇を重ねられ、唇の形を確かめ合うよう交わすのももどかしく、浅ましいよう舌を求めて彼の歯列を舐めて。
「ん、ぅ、……ギレオ、、ン、だが、」
舌同士を擦り付け、唾液を削ぎ合うはざまに息をつぐよう、ためらいの理由を打ち明けようとして、欲望に負け離せぬ唇。
うン?と、鼻でつく息に混じらせ問い返す声とともに、離される顔を眉下げて目で追う。
濡れた唇を指で拭い。
「こじらせてしまうと、明日ケレブシアに見てもらうのに、弁明が苦しい…」
ブフッと噴き出されるのに、顔を背ける。つまらないことなのは、承知だが。
「まあ、お前暴れるからなあ。肩か…、確かに、どう押さえつけても悪くしそうじゃあるな」
暴れると言われるほどではないはずだ、と抗議する声も取り合わず、顎を摩るアギレオの顔を見つめ。
よし、来い来いと腕を引かれて招かれ、身を転じて膝で這って寝台へ上がる。
向き合いに重ねる唇が、互いに残りの衣服を脱ぎ捨てるために離れては、また擦り寄せ。舌を差し出して絡め、離れる距離を惜しむように舌先同士でくすぐり合う。
腰を抱き寄せられ、膝で跨ぐようにアギレオの胡座の上に腰を下ろして。
血液の流れを遡るよう、耳の下から首筋へと、産毛を揺らすような微かさで下りていく指に息がこぼれる。
肩の先まで遊んだ指が気を変えたように鎖骨の内側へと戻り、胸の筋肉を包むよう、指を広げて掌で淡く包まれれば、快さともどかしさで身が捩れ。
途切れさせるように息を継ぎながら、彼のしたのを真似て追うよう、肩を摩り、胸を揉んで返す手は、だが焦れるのを隠せず強く擦りつけてしまう。
「は――…」
噛みつくように唇を奪い、舌で押し退けるように歯列を割らせ、アギレオの口の中へと舌を押し込む。他人臭い、けれどもう馴染んだ味と匂いの唾液を舐め啜り、応じる舌に舌を絡ませては吐息し。
勃起し始めの互いのペニスを合わせるように握られ、腰を揺らして擦りつけ。
「ン、ふゥ、」
濡れた感触が尻に触れて、背が伸び、途端にどう動くべきか判らなくなる。混じる先で吐息が笑っているのに気づいて、下唇に歯を引っ掛けてやって。
「アギレオ…」
「そのまま…暴れず大人しくしてろ…」
「んっ」
グッと強く押しつけられた指が、皮膚を濡らす練り薬のぬめりを借りて尻の穴に入り込む。
「…ぁ、…」
擦り寄せるように腕を伸ばしてアギレオの頭を抱き、頬を擦り寄せる。ヂリッと痛みの走る肩に薄く強張ったのを、見逃さぬ手に掴んで下ろされ、痛めた左は下げて脇から背を抱く。
未だにどこか倒錯的な、だがもう身に染みついた、尻の穴を内側から解される快に痺れる。
短く上擦る吐息に勝手に声が混じって。
固い筋肉をじっくりと柔らげながら奥へと進む指に身はとろけて、反り返るほど勃起したペニスが、濡れる。
「ぁぅッ」
皮膚を薄くしたように敏感になった亀頭に、垂れるぬめりを塗り広げられ、顎が浮く。
尻の中を指で捏ね回し、出入りする動きで擦られ、尿道口を弄るように勃起をいじめられて背が撓む。
「ぁ、あ、ぁァ、あっあ、」
悦楽の中に渦を巻き始めるような熱に、息が上がる。
「は…、ぁ、…アギレオ、」
肘で少し肩を突っ張るようにして身を離し、混色の瞳を覗き込んで額を寄せ。ン?と言う代わりのよう上がる眉に、目を伏せて鼻先もすりつける。
「…も…入れてくれ…」
ごく柔く、啄まれる唇に微かにチュと音が伝わり、腰の裏が震う。
「…もう?」
ひそめた低い囁きに頷きを繰り返し、膝を起こして尻を上げ。
「……中に、欲しい、」
じくじくと熱に疼くような内で指をクルリと回され、声が跳ねる。確かめるように指を開いて穴を拡げられるのに、応えるよう、力を抜いて開かれるに任せ。
「そんな無理矢理したら、…明日レビにバレるぜ?」
ビクッと、背が強張ったのが、その言葉になのか、深く突き刺された指になのか自分で判じかねて淡く混乱する。
指が抜かれ、濡れた穴に押しつけられる亀頭の丸い熱に、力が抜ける。
はやく。
「っ、い、いい、いいから…っ」
「――なァにが」
息づく穴を押し開くように食い込むペニスが、けれどまた離れて、縋りつく背に指を立て。
「んッ、……ぁ」
「お前の可愛いレビに知られてもいいのか? 見てもらった怪我も庇わねえで、尻の穴に俺のチンポ欲しがってたって?」
可愛いレビ、という声に辛うじて、睫毛まで銀色の美しい半エルフの顔を思い出しても、その続きまでは理解できない。
浅く穴を開いては、また逃れ離れていく肉棒の丸みを求めて尻を押しつけ。
「いっ、いい、知られてもいい、…入れて、いれて、」
「――しょうがねえな、…悪いエルフめ」
「あッ」
ぐぷりと、音は耳からではなく腹の内から肉を伝わり、一番狭いところを裂くよう拡げる太さに、唇がわななく。
「ああぁ…」
最初の息苦しさを通り抜け、複雑なおうとつが腹の内を弄って満たしていくのに、息が抜けて唇が勝手に開いてしまう。
「ほら、腰浮かすな。…力抜け…」
背を掻き下りるよう指を立てて身を引き下ろされることにすら、ゾクゾクと肌が痺れ、胸から乳首に伝わるように感じる。
脚の間から腹の内をじっくりと埋めていく熱杭に、皮膚の裏が熱い。
「アギレオ…」
首すら立てておられぬ心地で、褐色の肩に耳を預けて首筋に歯先を擦りつけ。
「ン…? 気持ちいいか。すげえ動いてんな、中」
鼻から抜くように吐息に混じる声で頷き、気持ちいい、と与えられた言葉をなぞるよう彼の肌に潰し。
尻を上げて動こうとするのを、腰を掴んで下ろされ、瞬けば雫が落ちた。
「ぅん……?」
肉の向こうに見透かしたように、男のペニスを抱えた腰の裏を撫でられれば、ゾクッと背が伸びる。
「イキたきゃイッてもいいから、大人しくしてろ」
「ん、グッ、ァッ」
頷きかけたところに、弾みをつけるように奥を突かれ、声が潰れる。
「っぁ、ッ、ぅ、――ィっ、、あ、待て、ま、」
陰茎の砲身と反りに肉筒のひだをこじられ、弾みをつけるよう深いところを叩かれるたびに奥へと沈み、目の前が赤く染まっては溶ける。
「ま、だめ、ぁ、アっ、ッ、ぎ、アギレオ、っギレオ、待、深…ッ」
打ちつけられるような衝撃の薄い殻が剥がれ、どろりと溢れてくる甘美な官能が濃い。
「ンぐッ…!」
イク、と、思う間もないほど。
頂を極めてもなお揺すりをかけられ、尻から腰の裏を満たす濡れた甘快が広がり、満たされるたび我が身の境が解けて見失う。
「はっ、ぁっ、あ、ァッ、あ、ぃや、いや…」
こわい。
足りない。そのまま殺して欲しい。愛しい。甘い、熱い、気持ちいい、痺れる、気持ちいい。
己をヒトに留めている何かが破れたよう、形も脈略もない不確かな感情ばかりが湧いては落ちていく。縋るよう呼ぶ名を、口に出来ているかも分からない。
「アッ、ぃ、――んィッ!」
腹の深いところが意の及ばぬようオルガズムを極め、引き絞ってしまう身に肩と胸が痛んで、絶頂を深くする。
ああ、と、低く色気に満ちた溜息が遠く聞こえて、愛する男が自分の腹の中で射精していると知れる熱さに、小さくまた絶頂してしまう。
「嗚呼…」
感極まるような声が勝手に零れて、乱れた身体を持て余し、汗にまみれた胸と背に縋る。
跳ねる息が収まるのを互いに待って、身を絡めたままで耳をそばだて。吐息や、鼓動、不意に思わぬところから聞こえる粘った水音に、身を委ね。
よ、と、声を一つでシーツに下ろされ、足を手繰り腰を抱き上げ身を伸ばされる。
まだ縮みきっていないペニスを抜かれて擦れるのに、小さく身震いした。
横臥に向き合うよう、やれやれといった風に身を横たえるアギレオに手を伸ばし、耳を覆って耳殻の内の迷路に指を遊ばせる。
「くすぐってえ」
笑って撓む双眸を見つめ。
「もっとしてくれ、アギレオ…」
「なんだ。今日はしつけえな、お前」
眉を上げて笑う顔に、頷く。
「それから…」
声が喉に絡んでしまって、浅く咳払いする間に、跳ねる片眉に目を細める。
「…奥でイカせないでくれ。…朝、足が立たなくなる…」
ぴたりと。凍りつきでもしたように動きを止める顔を、見つめ。弄っていた耳から辿って顎から頬を撫で。
「めちゃくちゃイッてたくせに、おま、……。…ああ。だからか」
そう、と、少し頬を緩めて頷いた。まだ、腿の内や尻が痺れている気がする。
よいしょ、と身を起こして乗り越えられ、背に回られるのに振り返ろうとするのが、後ろから抱き締められて叶わない。
「…他には? 喋れる内に言っとけよ」
横臥の上になった方の脚を持ち上げられ、笑いながら頷くのが、尻の谷間に擦りつけられる半勃起の感触に吐息で溶ける。
さり気なく肩の位置を気に掛け腕を逃がしてくれる手を取り、その指にくちづけた。
0
あなたにおすすめの小説
女子にモテる極上のイケメンな幼馴染(男)は、ずっと俺に片思いしてたらしいです。
山法師
BL
南野奏夜(みなみの そうや)、総合大学の一年生。彼には同じ大学に通う同い年の幼馴染がいる。橘圭介(たちばな けいすけ)というイケメンの権化のような幼馴染は、イケメンの権化ゆえに女子にモテ、いつも彼女がいる……が、なぜか彼女と長続きしない男だった。
彼女ができて、付き合って、数ヶ月しないで彼女と別れて泣く圭介を、奏夜が慰める。そして、モテる幼馴染である圭介なので、彼にはまた彼女ができる。
そんな日々の中で、今日もまた「別れた」と連絡を寄越してきた圭介に会いに行くと、こう言われた。
「そーちゃん、キスさせて」
その日を境に、奏夜と圭介の関係は変化していく。
売れ残りオメガの従僕なる日々
灰鷹
BL
王弟騎士α(23才)× 地方貴族庶子Ω(18才)
※ 第12回BL大賞では、たくさんの応援をありがとうございました!
ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。
無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。
臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式の話
八億児
BL
架空の国と儀式の、真面目騎士×どスケベビッチ王。
古代アイルランドには臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式があったそうで、それはよいものだと思いましたので古代アイルランドとは特に関係なく王の乳首を吸ってもらいました。
巳山のお姫様は何を願う。
ありま氷炎
BL
巳山家の深窓のお姫様。
「彼女」には秘密があった。
阿緒の本当の性別は男であった。
幼馴染の多津(たつ)に拒絶され、己の体を呪う阿緒(あお)。
そんな阿緒を見守る従者の寒凪(かんなぎ)。
多津(たつ)は、秘密を抱えた阿緒(あお)の許婚になるが、その態度は告白を受けた日から変わってしまった。
隣国の赤の呪術師が、男を女に変えることができる秘術を使えると聞き、多津、阿緒、寒凪は隣国へ旅に出る。
オメガ転生。
桜
BL
残業三昧でヘトヘトになりながらの帰宅途中。乗り合わせたバスがまさかのトンネル内の火災事故に遭ってしまう。
そして…………
気がつけば、男児の姿に…
双子の妹は、まさかの悪役令嬢?それって一家破滅フラグだよね!
破滅回避の奮闘劇の幕開けだ!!
経理部の美人チーフは、イケメン新人営業に口説かれています――「凛さん、俺だけに甘くないですか?」年下の猛攻にツンデレ先輩が陥落寸前!
中岡 始
BL
社内一の“整いすぎた男”、阿波座凛(あわざりん)は経理部のチーフ。
無表情・無駄のない所作・隙のない資料――
完璧主義で知られる凛に、誰もが一歩距離を置いている。
けれど、新卒営業の谷町光だけは違った。
イケメン・人懐こい・書類はギリギリ不備、でも笑顔は無敵。
毎日のように経費精算の修正を理由に現れる彼は、
凛にだけ距離感がおかしい――そしてやたら甘い。
「また会えて嬉しいです。…書類ミスった甲斐ありました」
戸惑う凛をよそに、光の“攻略”は着実に進行中。
けれど凛は、自分だけに見せる光の視線に、
どこか“計算”を感じ始めていて……?
狙って懐くイケメン新人営業×こじらせツンデレ美人経理チーフ
業務上のやりとりから始まる、じわじわ甘くてときどき切ない“再計算不能”なオフィスラブ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる