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フィッティング
しおりを挟む衣装を渡され、ドレッシングルームに押し込まれた。
大人しく渡された衣装を身に着ける。相変わらず丁寧な針仕事で着心地は文句のつけようがない。
姿見で確認してからカーテンの向こうに戻ると、二人の真剣な目とぶつかった。
「わたくしの軍服はどうしてもシルエットが直線的ですので、フィエンには逆に曲線的なシルエットになったら、私と並んだときに良いのではないでしょうか?」
「素晴らしいです、どんなイメージですの?教えてくださいませ!」
エリーの言葉に姉上の目が輝いた。
紳士服はどうしてもシンプルにそしてストイックなイメージがついて回る。
何か良いアイディアでも浮かんだのだろうか。
「例えば、シャツに少しドレープがあったほうがいいかしら……?」
「でしたら、タイはこちらのほうが……。」
オシャレに夢中になる女性は輝いている。
それから僕は小一時間着せ替え人形になるのだった。
「今回も良い品を選べましたわ。お義姉さま、ありがとうございました。」
「エリューシア様も目の付け所が斬新で、私も勉強になりました。」
ようやっと衣装を選び終わったので、休憩の時間を取ることにした。
「あとは、アクセサリーですわ。」
応接間でお茶を飲んでいると、エリーは言った。
「わたくし先日の夜会で学びましたの。アクセサリーは大事ですわ。ご令嬢方がどんなに目でフィエンを追っていても、わたくしとわたくしたちの手に輝く指輪を見るたびに残念そうに引いていきましたもの。」
「えっ」
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