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10章
354.イチカ
「ふぅ~、どうにか終わりました!」
イチカが汗を拭うと
「お、終わった…」
ユキさんがバタンッ!と後ろに倒れ込んだ…
「ユ、ユキさん!」
ミヅキが声をあげると
「ユキさん大丈夫ですか?料理はまだまだこれからですよ」
イチカがユキさんを優しく抱き起こすと手を握る。
「ユキさんが頑張ってくれたおかげでこんなにも早く出来ました!私が言った事をきちんと守ってくれて…ユキさんありがとうございます」
イチカがお礼を言うと…
「イチカちゃん…」
ユキさんがイチカの手を握り返す。
「だからもう少し頑張って下さいね!」
イチカがにっこりと笑うと、ユキさんの顔がサーと青ざめた…
「えっと…ユキさん頑張ろ…今度はこの煮た油揚げにご飯を詰めていくよ…これで完成だからね…」
ちらっとユキさんを見ると…屍の様にフラフラとしながらコクコクと頷いていた…
(よし…ほっとこう…)
ミヅキは切り替えると
「一個作るね!まぁ詰めるだけだから簡単なんだけどね」
ミヅキが煮汁をよく吸った揚げを掴むとセバスさん達が混ぜてくれた酢飯を掴んで中に詰めていく。
「あんまり詰めすぎると袋が破けちゃうからね、袋の口を閉じて下にしてお皿に乗っければ…おいなりさんの完成です!」
「可愛い形ですね!コハクちゃんの耳みたい、おにぎりよりは小さめなんですね」
イチカがミヅキの作ったおいなりさんをマジマジと見つめる。
「ま、まぁ破けちゃっても問題無いからね、沢山あるから頑張って詰めよう!」
「「「「おー!」」」」
「お…おぉ」
女性陣とミシェル隊長でテーブルを囲みながらおいなりさんを作っていると…
「それで…イチカはポルクスさんとどうなの?」
口が暇になり気になっていた事を聞くと
「えっ…ポルクスさんとは…今回帰ったら…ちゃんと思いを伝えようかと…」
イチカが珍しく恥ずかしそうに答えると
「よかった~ポルクスさんはいい人だよ!お仕事も一生懸命するし!ちょっと頼りなさげだからイチカみたいなしっかり者がそばにいてくれれば安心だね~」
ミヅキが笑いかけると、イチカの顔色が曇る…その様子にミヅキが気がつくと
「どうしたの?何か嫌だった?」
二人して手が止まると…
「いえ…私…奴隷に落ちてもうあのまま死ぬんだと思っている所にミヅキ様に救われて…あの時にミヅキ様に全てを捧げようと決めたのに…そんな私が幸せになってもいいのかと…ミヅキ様のそばを離れていいのかと…」
イチカが喋りながら落ち込んでいってしまう。
「いいんだよ」
ミヅキが軽く言うと…イチカが顔をあげる、そこにはいつもの様に嬉しそうに笑うミヅキがいた。
「大丈夫、イチカが幸せなら私も嬉しい!それにイチカがポルクスさんと一緒になったって私とイチカの関係が終わるわけじゃないでしょ?いつでも会いたい時に会えばいいんだよ」
ね!っとミヅキが笑いかけるとなんでもない事の様においなりさんを作り始めた。
「あーびっくりした、イチカが悲しそうな顔をするからポルクスさんが何かしたのかと思ったよ~」
ミヅキが笑うと…
「ふふふ…」
イチカの顔に明るさが戻る。
「そうですね…私のこの思いは一生変わりません」
ミヅキに宣言すると
「うん!ポルクスさんとずっと仲良くいてね!」
イチカは苦笑すると…
「はい…」
嬉しそうに頷いた。
「イチカ、もしポルクスさんに不満があったら直ぐに言ってね!」
ミヅキが言うと
「そうですね…少し…不満があります」
イチカの言葉にみんなが集中すると
「あら…私の可愛い弟子に何したのかしら…」
ミシェル隊長がの髪がビリッと電気が走ると…
「ポルクスさん…何かした?」
ミヅキがイチカを見つめる
「実はポルクスさん…」
ゴクッとみんながイチカを見ると
「なーんにも手を出して来ないんですよ」
イチカがつまらなそうにため息をつく…
「えっ…」
「はぁ!」
ミヅキが唖然とすると、ミシェル隊長がガタンッ!と椅子から立ち上がる!
その拍子に溜めていた雷魔法がどこかに飛んでいった…
「あらヤダ…思わず興奮して雷魔法が出ちゃったわ…」
見ると遠くに飛んでいったようで、街には落ちていなさそうだ…
「師匠~気をつけて下さい!」
イチカが注意すると
「あなたが変な言い方するからでしょ!」
ミシェル隊長が怒ると
「だって…ポルクスさん何にもしてこないから最初は私の事興味ないと思ってましたよ…なんかいい雰囲気になっても直ぐに仕込みに行っちゃうし…」
イチカが不満そうにギュッギュッと油揚げにご飯を詰める。
「そっか~ポルクスさん度胸無さそうだもんね~」
ミヅキが笑うと
「だから私からしてやりましたけどね!」
イチカがふふと頬を染める
「した?したって何を!?」
ミヅキが驚いて聞くと
「あーあれね!あれは凄かったわ!」
「そうね!イチカちゃんかっこよかったわ」
ミシェル隊長とユキさんがウンウンと頷く。
あっユキさんが復活してきた!いや!それよりも…
「何?何があったの?」
ミヅキが三人を見ると
「ミヅキにはまだ早いからね~」
ユキさんが教えられないなと口を噤むと
「そうねぇ…ミヅキちゃんにはまだ早そうね…」
ミシェル隊長もダメダメと教える気は無いようだ。
ミヅキはイチカを見ると
「それはポルクスさんに聞いてみて下さいね」
そう言うと三人は口を閉ざしてしまった。
ミヅキが教えて貰えぬままムスッとしていると、じいちゃんとセバスさんが寄ってくる。
「ミヅキどうしたんだ?可愛い顔が台無しだぞ」
膨れる頬をつつくと
「そんな顔も可愛いですけどね」
セバスが笑う
「そんなのは当たり前だ!ただ笑った方が可愛いって言っとるだけだ!」
二人がまた言い争いをすると
「じいちゃん達は知ってるの?イチカがポルクスさんにした事?」
ミヅキが矛先を変えると
「いえ!私は知りません」
セバスが真っ先に答えると
「えっ?えっと…わしもほらもう年だし…忘れぽくてなぁ…」
じいちゃんが目をそらすと
「本当に?じいちゃんいつも年寄り扱いするなって言ってるのに…」
ミヅキが怪しんでいると
「ミヅキ本当ですよ、ギルマスはもうヨボヨボのおじいさんなんです…昨日食べた物も忘れるぐらいのボケ老人なんですよ…だからきっと覚えてるわけがありませんよ」
セバスが頷くと…
「貴様…」
ディムロスがセバスを睨むが…
「本当に?忘れちゃったの?」
ミヅキが疑うように見ていると
「そ、そうじゃ…セバスの…言う通りだ…」
悔しそうに同意する。
「ふーん…」
ミヅキが疑いながら二人を見比べていた。
余計な話もしながらおいなりさんを作り終えると、いいタイミングでベイカー達が戻ってきた。
「見ろ!美味そうな肉を取ってきたぞ!」
ベイカーが狩ってきた魔獣を収納から取り出すと…
「おお、イエローベアーだな!珍しい」
黄色い熊みたいな魔獣を見せる。
「凄い…」
ピースが驚いて魔獣を見つめると
「俺はこれだ!」
アラン隊長は緑色の巨大なトカゲを取り出す
「グリーンウォータードラゴンですね、まぁまぁですかね…しかし…なんであなたそんなに焦げてるんですか?」
セバスさんがアランを見つめる。
「本当だ…アラン隊長、頭ちりちりだよ?大丈夫?」
ミヅキが心配そうにすると…
「いや…こいつを捕まえてる時にどっからか攻撃を受けてな…誰かが雷魔法を放ったみたいなんだ、近くを警戒したが何もいなかったんだよな…」
アランがおかしいなぁと首をひねっていると…
「雷魔法…」
ミシェルとイチカが顔を見合わせる。
「師匠…」
「しっ!」
ミシェル隊長が素早くイチカの口を塞ぐ。
「私もミヅキちゃんに言わなかったんだから…ねぇ…イチカもわかるわよね?」
ミシェル隊長がコソッと呟くと…イチカが黙ってコクコクと頷いた。
イチカが汗を拭うと
「お、終わった…」
ユキさんがバタンッ!と後ろに倒れ込んだ…
「ユ、ユキさん!」
ミヅキが声をあげると
「ユキさん大丈夫ですか?料理はまだまだこれからですよ」
イチカがユキさんを優しく抱き起こすと手を握る。
「ユキさんが頑張ってくれたおかげでこんなにも早く出来ました!私が言った事をきちんと守ってくれて…ユキさんありがとうございます」
イチカがお礼を言うと…
「イチカちゃん…」
ユキさんがイチカの手を握り返す。
「だからもう少し頑張って下さいね!」
イチカがにっこりと笑うと、ユキさんの顔がサーと青ざめた…
「えっと…ユキさん頑張ろ…今度はこの煮た油揚げにご飯を詰めていくよ…これで完成だからね…」
ちらっとユキさんを見ると…屍の様にフラフラとしながらコクコクと頷いていた…
(よし…ほっとこう…)
ミヅキは切り替えると
「一個作るね!まぁ詰めるだけだから簡単なんだけどね」
ミヅキが煮汁をよく吸った揚げを掴むとセバスさん達が混ぜてくれた酢飯を掴んで中に詰めていく。
「あんまり詰めすぎると袋が破けちゃうからね、袋の口を閉じて下にしてお皿に乗っければ…おいなりさんの完成です!」
「可愛い形ですね!コハクちゃんの耳みたい、おにぎりよりは小さめなんですね」
イチカがミヅキの作ったおいなりさんをマジマジと見つめる。
「ま、まぁ破けちゃっても問題無いからね、沢山あるから頑張って詰めよう!」
「「「「おー!」」」」
「お…おぉ」
女性陣とミシェル隊長でテーブルを囲みながらおいなりさんを作っていると…
「それで…イチカはポルクスさんとどうなの?」
口が暇になり気になっていた事を聞くと
「えっ…ポルクスさんとは…今回帰ったら…ちゃんと思いを伝えようかと…」
イチカが珍しく恥ずかしそうに答えると
「よかった~ポルクスさんはいい人だよ!お仕事も一生懸命するし!ちょっと頼りなさげだからイチカみたいなしっかり者がそばにいてくれれば安心だね~」
ミヅキが笑いかけると、イチカの顔色が曇る…その様子にミヅキが気がつくと
「どうしたの?何か嫌だった?」
二人して手が止まると…
「いえ…私…奴隷に落ちてもうあのまま死ぬんだと思っている所にミヅキ様に救われて…あの時にミヅキ様に全てを捧げようと決めたのに…そんな私が幸せになってもいいのかと…ミヅキ様のそばを離れていいのかと…」
イチカが喋りながら落ち込んでいってしまう。
「いいんだよ」
ミヅキが軽く言うと…イチカが顔をあげる、そこにはいつもの様に嬉しそうに笑うミヅキがいた。
「大丈夫、イチカが幸せなら私も嬉しい!それにイチカがポルクスさんと一緒になったって私とイチカの関係が終わるわけじゃないでしょ?いつでも会いたい時に会えばいいんだよ」
ね!っとミヅキが笑いかけるとなんでもない事の様においなりさんを作り始めた。
「あーびっくりした、イチカが悲しそうな顔をするからポルクスさんが何かしたのかと思ったよ~」
ミヅキが笑うと…
「ふふふ…」
イチカの顔に明るさが戻る。
「そうですね…私のこの思いは一生変わりません」
ミヅキに宣言すると
「うん!ポルクスさんとずっと仲良くいてね!」
イチカは苦笑すると…
「はい…」
嬉しそうに頷いた。
「イチカ、もしポルクスさんに不満があったら直ぐに言ってね!」
ミヅキが言うと
「そうですね…少し…不満があります」
イチカの言葉にみんなが集中すると
「あら…私の可愛い弟子に何したのかしら…」
ミシェル隊長がの髪がビリッと電気が走ると…
「ポルクスさん…何かした?」
ミヅキがイチカを見つめる
「実はポルクスさん…」
ゴクッとみんながイチカを見ると
「なーんにも手を出して来ないんですよ」
イチカがつまらなそうにため息をつく…
「えっ…」
「はぁ!」
ミヅキが唖然とすると、ミシェル隊長がガタンッ!と椅子から立ち上がる!
その拍子に溜めていた雷魔法がどこかに飛んでいった…
「あらヤダ…思わず興奮して雷魔法が出ちゃったわ…」
見ると遠くに飛んでいったようで、街には落ちていなさそうだ…
「師匠~気をつけて下さい!」
イチカが注意すると
「あなたが変な言い方するからでしょ!」
ミシェル隊長が怒ると
「だって…ポルクスさん何にもしてこないから最初は私の事興味ないと思ってましたよ…なんかいい雰囲気になっても直ぐに仕込みに行っちゃうし…」
イチカが不満そうにギュッギュッと油揚げにご飯を詰める。
「そっか~ポルクスさん度胸無さそうだもんね~」
ミヅキが笑うと
「だから私からしてやりましたけどね!」
イチカがふふと頬を染める
「した?したって何を!?」
ミヅキが驚いて聞くと
「あーあれね!あれは凄かったわ!」
「そうね!イチカちゃんかっこよかったわ」
ミシェル隊長とユキさんがウンウンと頷く。
あっユキさんが復活してきた!いや!それよりも…
「何?何があったの?」
ミヅキが三人を見ると
「ミヅキにはまだ早いからね~」
ユキさんが教えられないなと口を噤むと
「そうねぇ…ミヅキちゃんにはまだ早そうね…」
ミシェル隊長もダメダメと教える気は無いようだ。
ミヅキはイチカを見ると
「それはポルクスさんに聞いてみて下さいね」
そう言うと三人は口を閉ざしてしまった。
ミヅキが教えて貰えぬままムスッとしていると、じいちゃんとセバスさんが寄ってくる。
「ミヅキどうしたんだ?可愛い顔が台無しだぞ」
膨れる頬をつつくと
「そんな顔も可愛いですけどね」
セバスが笑う
「そんなのは当たり前だ!ただ笑った方が可愛いって言っとるだけだ!」
二人がまた言い争いをすると
「じいちゃん達は知ってるの?イチカがポルクスさんにした事?」
ミヅキが矛先を変えると
「いえ!私は知りません」
セバスが真っ先に答えると
「えっ?えっと…わしもほらもう年だし…忘れぽくてなぁ…」
じいちゃんが目をそらすと
「本当に?じいちゃんいつも年寄り扱いするなって言ってるのに…」
ミヅキが怪しんでいると
「ミヅキ本当ですよ、ギルマスはもうヨボヨボのおじいさんなんです…昨日食べた物も忘れるぐらいのボケ老人なんですよ…だからきっと覚えてるわけがありませんよ」
セバスが頷くと…
「貴様…」
ディムロスがセバスを睨むが…
「本当に?忘れちゃったの?」
ミヅキが疑うように見ていると
「そ、そうじゃ…セバスの…言う通りだ…」
悔しそうに同意する。
「ふーん…」
ミヅキが疑いながら二人を見比べていた。
余計な話もしながらおいなりさんを作り終えると、いいタイミングでベイカー達が戻ってきた。
「見ろ!美味そうな肉を取ってきたぞ!」
ベイカーが狩ってきた魔獣を収納から取り出すと…
「おお、イエローベアーだな!珍しい」
黄色い熊みたいな魔獣を見せる。
「凄い…」
ピースが驚いて魔獣を見つめると
「俺はこれだ!」
アラン隊長は緑色の巨大なトカゲを取り出す
「グリーンウォータードラゴンですね、まぁまぁですかね…しかし…なんであなたそんなに焦げてるんですか?」
セバスさんがアランを見つめる。
「本当だ…アラン隊長、頭ちりちりだよ?大丈夫?」
ミヅキが心配そうにすると…
「いや…こいつを捕まえてる時にどっからか攻撃を受けてな…誰かが雷魔法を放ったみたいなんだ、近くを警戒したが何もいなかったんだよな…」
アランがおかしいなぁと首をひねっていると…
「雷魔法…」
ミシェルとイチカが顔を見合わせる。
「師匠…」
「しっ!」
ミシェル隊長が素早くイチカの口を塞ぐ。
「私もミヅキちゃんに言わなかったんだから…ねぇ…イチカもわかるわよね?」
ミシェル隊長がコソッと呟くと…イチカが黙ってコクコクと頷いた。
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