ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

文字サイズ
特大
225 / 656
10章

368.やり残し

ミヅキ?と思われる少女の話と、捕まえていた罪人の話を聞くと…概ね話の筋は一致していた…所々おかしな箇所もあったが少女の意見を参考に話がまとまった…

「では、罪人の一人はもう死亡でいませんが…もう一人は部隊を不名誉除隊。役職を全て取り上げて奴隷落ち、そして飛竜島に島流し…という事でどうでしょうか…」

クラウスが刑罰を言うと

「飛竜島?島流しとは?」

ギルバートが聞くと

「飛竜達が多く生息する島がありまして…人が住めるような場所ではありません…そこに武器も持たせずに放り込みます…後は自分で生き延びるしかありません」

「へぇ…そんな罰が?でも上手く行けば生き残れますよね?」

セバスが聞くと

「普通の人ならほぼ生存は不可能です…」

クラウスが答えると…

「そして…罪人と共に私もそこに行きたいと思っています…」

「えっ!クラウスが?」

ピースが驚きクラウスを見ると、レミオロンが悲しそうに顔を顰めた…

「部下のした事は上司である私の責任でもあります…それに今回の事で私はエヴァさんに対して罪をおかしましたから…」

「そうですか…まぁそれがここの国での罪に対しての罰なら何も言うことはありません…ミヅキ…さんはどうですか?」

セバスがミヅキに聞くと

「ぼく?うーん…よくわかんないけど…セバスがそれでいいならいいよ」

ミヅキがうん、と頷くと

「では、近いうちに刑を執行したいと思っています…ピース王子の無事も確認できましたし…私の役目は今日で終わりですね」

クラウスはそう言うと剣を抜き王へと剣を返上した…

「誰か、私を地下牢に連れて行ってくれ。今日をもって私は罪人となる」

クラウスが元部下に頼むと…

「隊長…」

部下達が戸惑ってしまった…

「もう隊長ではない、ではレミオロン様、ピース様…これからのサウス国をよろしくお願い致します…ピース様の次期国王となる日を楽しみにしております…頑張って下さい」

クラウスは皆に頭を下げると、部隊兵に連れられ部屋を出ていった…。

「…すみませんがもう一人のクラークはサウス国の病気が沈静化しましたら罪人として捌きます…それまでは働く事をお許し下さい…」

レミオロンが頭を下げると…

「僕からもお願いします…クラークがいないとこの国の病気を治すことは難しいんです…他の苦しんでいる子供達の為にも…」

ピースもみんなに頭を下げてお願いすると

「ピース王子に免じてそこは妥協致しましょう…しかし今後はこの様な事が無いようにお願いしますよ」

セバスが仕方なしに納得すると

「はい…ギルバート様もよろしいでしょうか?」

「直接関わった彼らが了承するなら私が何か言うことはない」

「ありがとうございます、寛大なご処遇に感謝致します」

レミオロンがギルバートに頭を下げると、サウス国の皆もそれにならいウエスト国へと頭を下げた…

「他の細かい話はギルバート様よろしくお願いします、我らはもう戻りますので…これでもうここに来るのは最後ですね」

セバスが頭を下げるとギルバートが頷いた

「では明日この国を発って帰国しよう、君らは戻って帰国の準備を…」

『はい』

ギルバートと部隊長部隊兵を残しセバスとミヅキ達は屋敷に戻ることになった…

ピースはおもむろにミヅキに近づくと…

「コハクくん、凄い上手だったよ。本物のミヅキみたいだ」

ピースはコハクにだけ聞こえる声で囁くと

「えへへ…」

コハクがミヅキらしくニコッと笑った。



その頃本物のミヅキとベイカー、シルバ達は教会に向かっていた…

「ここだろ?ミヅキが世話になった教会って…」

ベイカーが案内すると…

「そう!ここだよ!みんないるかなぁ~」

ベイカーが教会の扉を開くと…

【俺は外にいる…シンクはミヅキといてくれ】

【了解】

シンクはベイカーの肩に止まるとミヅキが後ろから松葉杖をついて入っていく、すると奥からマリアさんが姿を現した。

「何か御用でしょうか?」

ベイカーに話しかけて後ろの子供を見ると…

「ミヅキさん!」

ミヅキの姿を見て驚いて駆け寄ってきた!

「ミヅキさん、無事だったのね!よかった…熱を出してラウロ先生が王宮に連れて行ってから行方知れずだと聞いていたのよ…」

マリアさんがミヅキを抱きしめようとして手を差し出すのをベイカーが止めた。

「あっ…」

マリアさんが思わず手を引っ込めてベイカーを見ると

「この子はうちの子です…こちらで世話になったと聞いて挨拶に来ました」

そう言うとミヅキを抱き上げた…

「ベイカーさん?」

ベイカーの態度にミヅキが驚いていると

「ミヅキはこの国で何度も誘拐されましてね…すみませんがこの国の人に抱かれると不安なんですよ…失礼ですがこれで勘弁して下さい」

ベイカーがマリアさんに謝ると

「そうでしたか…それはこの国の者として謝罪します…本当に恥ずべき事ですね…ミヅキさん…ごめんなさいね」

マリアさんがミヅキに頭を下げると

「い、いえ!マリアさんは悪くないです!むしろ感謝してます…誘拐されてどうしようもない時に助けて頂いて…ラウロ先生とマリアさん、アイシャ達にお礼と…お別れを言いに来ただけですから」

「お別れ…」

マリアさんが驚きベイカーを見ると

「ええ、こうしてミヅキが見つかりましたので国に連れて帰ります…ミヅキがどうしてもここに来たいと言うので連れてきただけですから」

「そうですか…ミヅキさんお父さんと会えてよかったわね、国に帰ってもミヅキさんのこれからをお祈りしておきますね」

マリアさんがミヅキに微笑むと

「今、アイシャ達を呼んでくるわ、あの子達も喜ぶわ、ミヅキさんの事を凄く心配していたから」

マリアさんが教会から出ていくと…

「ベイカーさん!マリアさんにあたりがキツくない?」

ミヅキが睨むと

「お前…忘れたのか?この国で何度も誘拐と迷子を繰り返した事を!ここであんな弱そうな人に抱かれてまた誰かに攫われでもしたらどうするんだ!」

ベイカーがミヅキをギュッと抱きしめると

「この国を出るまでは油断できん!しばらくは大人しく抱かれていろ」

降ろす気のないベイカーさんにミヅキはため息をついた…

【諦めなよミヅキ、みんな心配なんだよ…もちろん僕やシルバ達もね、しばらくは誰も離れないと思うよ】

シンクが言うと

「ミヅキー!」

「ミヅキが来たって…本当だ!ミヅキだ!」

「無事だったんだな!」

「よかったー」

アイシャ達が嬉しそうな笑顔でミヅキに駆け寄っていった!

「そのおっちゃんがミヅキの大切な人ってやつか?」

「お、おっちゃん…」

ベイカーがアークの言葉にショックを受けていると

「ぶっ…ア、アーク…この人はベイカーさん、私の親代わりの大切な人だよ」

ミヅキが笑いながら紹介すると

「よかったな…お前は捨てられたんじゃなかったんだ」

アーク達が優しい笑顔を浮かべた…

「うん…私の勘違いだったんだ」

ミヅキが言うとマリアさんが誘拐された事を伝えると

「まじかよ…ミヅキ大変だったな…それなのに悪かったな捨てられたんじゃないかなんて言って…」

「ううん、私もその時は誘拐されたの知らなかったからいいんだよ、それより今日来たのはみんなにお礼をしに来たんだから!」

ミヅキがベイカーを見ると渋々頷く。

「いいよそんなのミヅキにはもうパンの作り方とか教えて貰ったし」

「そうだよ!あれから凄い評判で毎日売り切れてるんだぜ」

「そうなの?みんなが喜んでくれてるならよかったよ…じゃあ違うレシピはいらないかな?」

ミヅキがレシピを書いた紙を渡そうとすると…

「「「「いる!」」」」

みんなが手を差し出した!

「ミヅキの新しい料理だろ!食べたい!」

「もう食べれないと思ってたから嬉しい!」

みんなが集まってミヅキを取り囲むと…

「みんなが作れるように簡単なメニューだよ…サウス国に来るのはしばらく無いと思うから」

「そ、そうなのか?」

みんなが寂しそうに差し出していた手を下ろすと…

「レシピはいらないから…また会いたいな…」

ミーナがボソッと言うと

「そうだな…レシピより、またミヅキに会いたいよ」

みんながミーナの言葉に同意すると

「みんな…ありがとう、また来れるように私もベイカーさん達を説得するね!」

「お、おい…ミヅキ」

ベイカーが困ったようにミヅキを見ると、すかさずみんなが

『お願いします!ベイカーさんまたミヅキを連れてきて下さい!』

ベイカーに頭を下げた。

「ミヅキ~知らないぞ…俺はよくてももう一人の怖い保護者はどうするんだよ…」

ベイカーの言葉にミヅキの頭にもう一人の顔が浮かぶ…

「そ、そこは…ベイカーさんも一緒に頼んで!」

お願いします!と手を合わせると

「他にも説得しなきゃいけない奴らが沢山いるからな…」

ベイカーは、はぁ…と疲れたようにため息をついた。
感想 6,830

あなたにおすすめの小説

【完結】私の出産日に初恋の人を選んだ夫、あなたを彼女に返品します 表紙

【完結】私の出産日に初恋の人を選んだ夫、あなたを彼女に返品します

「子供っぽい嫉妬はやめろ」私が命懸けで出産した日、夫のヴィンセント侯爵は初恋の人の所へ行ってしまった。理由を説明して欲しいと言うと、子供っぽい嫉妬をやめろと厳しい声で言われてしまう。しかも初恋の相手がいきなりやってきて「侯爵様は昔から私を命懸けで助けてくれるんです」と悪びれもせずに言い放った。妻よりも初恋相手を優先する夫は必要ないので私は夫を初恋相手へ返品した。すると生まれてから一度も人に頭を下げたことのないヴィンセントが、ボロボロになって私に頭を下げてきて⋯⋯。
恋愛 連載中 長編
文字数:94,149
過保護すぎる家族に囲まれて育ったら、外の世界が危険すぎました 〜冷酷公爵の父と最強兄たちに溺愛される日々〜 表紙

過保護すぎる家族に囲まれて育ったら、外の世界が危険すぎました 〜冷酷公爵の父と最強兄たちに溺愛される日々〜

過保護な父と兄たちに囲まれて育った少女。 初めての外は危険だらけ——のはずが、全部“秒で解決”。 溺愛×コメディ×ほんのり成長の、ほっこり家族物語。
恋愛 完結 短編
文字数:20,369
転生先で冒険者専門のお弁当屋さん始めます〜助けてくれた冒険者兄弟にお礼をしたかっただけなのに、大繁盛してしまいました〜 表紙

転生先で冒険者専門のお弁当屋さん始めます〜助けてくれた冒険者兄弟にお礼をしたかっただけなのに、大繁盛してしまいました〜

保育士として働いていた莉子は、ある日の仕事中に暴走してくる車から子どもたちを守り、死んでしまう。 しかし、目が覚めるとそこは深い森の中。 ここはどこだろうと彷徨い歩いているうちに狼のような獣に襲われかけたものの、間一髪のところで冒険者の兄弟、ベクターとゼノに助けてもらった。 家族が宿屋をやっているから、と行くあてもない莉子を拾ってくれた二人。 やってきたのは、リーベル王国の国境付近にある街、ベルン伯爵領。 そこにある人気の宿屋に身を置くことになった莉子は、様々な事情を知りながら身を寄せることへのお礼のため、ベクターとゼノにお弁当を作ろうと決意して──?
ファンタジー 連載中 長編
文字数:124,638
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか? 表紙

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
ファンタジー 完結 長編
文字数:148,101
『死ぬほど愛されたい』と願ったら、最強の公爵家に転生して家族の愛が重すぎます!〜赤ちゃん令嬢は『慈愛の眼』で今日もデレを解析中〜 表紙

『死ぬほど愛されたい』と願ったら、最強の公爵家に転生して家族の愛が重すぎます!〜赤ちゃん令嬢は『慈愛の眼』で今日もデレを解析中〜

元・社畜SE、今世は国宝級の赤ん坊!? 最強の父様とお兄様が過保護すぎて、一歩歩くだけで国が揺れちゃいます!
ファンタジー 完結 長編
文字数:187,096
捨てられた三歳の聖女ですが、辺境伯家に拾われたら家族全員が過保護でした 表紙

捨てられた三歳の聖女ですが、辺境伯家に拾われたら家族全員が過保護でした

神殿で無能と決めつけられ、三歳で捨てられた少女リリア。 辺境伯家に保護された彼女は、厳つい辺境伯やお兄様たち、領民にまで溺愛されながら幸せな日々を送ることに。 けれど実はリリアは、数百年に一人現れる伝説級の聖女だった。 これは捨てられた幼女聖女が、たくさんの愛に包まれながら成長していく物語。
ファンタジー 完結 短編
文字数:36,970
悪役令嬢ですが、兄たちが過保護すぎて恋ができません 表紙

悪役令嬢ですが、兄たちが過保護すぎて恋ができません

乙女ゲームの悪役令嬢・セレフィーナに転生した私。 破滅回避のため、目立たず静かに生きる――はずだった。 しかし現実は、三人の兄による全力溺愛&完全監視生活。 外出には護衛、交友関係は管理制、笑顔すら規制対象!? さらに兄の親友である最強騎士・カインが護衛として加わり、 静かで誠実な優しさに、次第に心が揺れていく。 「恋をすると破滅する」 そう信じて避けてきた想いの先で待っていたのは、 断罪も修羅場もない、安心で騒がしい未来だった――。
恋愛 完結 短編
文字数:14,447
初夜のあとに愛する人がいると言われたので祝福で身体の時間を一日戻しました 表紙

初夜のあとに愛する人がいると言われたので祝福で身体の時間を一日戻しました

夫婦となって初めて迎えた夜、セレンティアは夫リオールから「俺には、愛する人がいる」と告げられる。 彼が初夜を済ませた理由は、三年後に白い結婚として婚姻無効を申し立てられないようにするためだった。 けれどリオールは知らなかった。セレンティアの祝福《一日回帰》が、自分自身の身体にも使えることを。 セレンティアは自分の身体の時間を一日前へ戻し、三年間、侯爵家の妻として務めを果たすことを決める。 夫に愛されるためではない。三年後、白い結婚としてこの家を出ていくために。
恋愛 完結 短編
文字数:12,593