文字の大きさ
大
中
小
215 / 639
11章
375.墓参り
次の朝…ムサシさんに案内されて昔の里の人達が眠っているお墓に案内されると…
「…じゃあ俺は戻るから…この場所も他所の連中はたどり着けないからゆっくりとしてくれ…」
「俺達も少し離れてる…だからミヅキはしっかりとエヴァさんのそばにいるんだぞ」
ベイカーがミヅキを見ると
「ありがとう…ベイカーさんちゃんと見えるところに居るようにするからね」
ミヅキはエヴァさんと手を繋ぐとゆっくりとお墓に向かって歩いて行った…
「ここだ…」
一番奥にあった古いお墓の前に立つと…
(これだけ他と違うお墓だ…)
他の隣の墓が正方形の墓石に対して、雄一郎の墓は大きな長方形の形になっていた…
墓石には〝雄一郎〟と漢字で掘られていた…
「これは…ユウイチロウのだね」
エヴァが墓石の字を見て笑うと
「エヴァさん読めるの!?」
ミヅキが驚いてエヴァを見た。
「いや、何度かこの文字を見せてもらったことがあるんだ…その時に自分の名前だと言っていた」
懐かしそうに雄一郎の文字を触っていると…
「あれ…?」
墓石の横の隅に小さい文字で何か掘られている事に気がついた…
「ミヅキ…これ…」
エヴァが文字を指さすと、そこには
『この文字が読める者へ…こうじげんばにて開閉の呪文を唱えよ』
「工事現場?」
うーん…でも掘ってある文字はひらがなだしな…
ミヅキは悩みながらもとりあえず雄一郎さんのお墓に手を合わせた…
(雄一郎さん…エヴァさんをやっとここまで連れてきたよ…)
ミヅキが目を開けて隣を見ると…エヴァさんはまだ雄一郎さんに話しかけていた…
エヴァさんが手を合わせている間にミヅキが雄一郎さんの残した言葉の意味を考えていると…
エヴァさんがようやく顔をあげた…
「ごめんね…待たせて…」
エヴァさんの顔を見ると目が赤くなっていた…
「ううん…もういいの?」
ミヅキが心配そうに聞くと
「ああ、今まで言えなかった文句を全部言ってきたよ…ミヅキ…ありがとう連れてきてくれて…」
エヴァはそっとミヅキに抱きついた…
ミヅキは優しくエヴァさんを受け止めてた…。
しばらくエヴァさんの好きにさせておくと…
「ミヅキ…私はここに残るよ…」
エヴァさんがミヅキに抱きついたままボソッと呟いた…
「そっか…寂しいな…エヴァさんと別れるの…」
ミヅキがわかっていたかの様に答えると
「ごめんね…」
「なんで謝るの?」
「……」
エヴァはそっとミヅキを離すと
「私はしばらくここにいたい…ミヅキはベイカーさん達と戻っててくれ…」
エヴァが笑ってミヅキにお願いする
「わかった…」
ミヅキが頷くと、エヴァがホッとしたように息を吐いた…すると…
「でも、また来るね」
ミヅキはシルバに掴まりながらベイカーさんの元へと戻って行った…
ミヅキ達が見えなくなると、エヴァは雄一郎の墓に寄り添って座り込んだ…
「疲れたよ…」
エヴァはそっと呟くと瞳をゆっくりと閉じた…。
エヴァは度重なる禁忌の魔法を使っていたせいでもう寿命が残りわずかとなっていた…
ミヅキの前では決して見せないようにと気を張っていた体の衰えが雄一郎の墓の前に来れた事でホッとして一気に押し寄せてきていた。
服をめくり腕を見ると、体にひび割れが出来ていた…
「禁忌の魔法を使った時は後悔など無いと思っていたが…」
ミヅキに会ってしまった。
「人の痛みに敏感な子だ…知人の死など受け入れ難いだろう…まして普通の死に方で無ければ尚の事…」
(ミヅキの前で死にたくない…せめてあの子が王都に発つまでは…)
エヴァは縋るように雄一郎の墓を抱きしめた。
ミヅキは雄一郎の残した本を手にエヴァさんに渡して欲しいという物を探していた…
【うーん…工事中…雄一郎さん何処か建設でもしてた?】
パラパラ…と本をめくるが書いてあることは醤油や味噌など調味料の作り方についてだけ…後は錬金術についての事が少し書いてあるだけだった…。
「もう!雄一郎さんもう少しヒント残しておいでよ!」
シルバの上で天を仰ぐと後ろから付いてくるベイカーさんと目があった…
「どうした?そのここに来た目的は達成出来たのか?」
ベイカーさんがミヅキを見ると…
「この顔みて…そう思う?」
眉間にシワを寄せてベイカーを軽く睨むと
「何を探してるのか知らんが見えるところに居てくれよ」
ベイカーはミヅキ達から少しだけ距離をとって付いてきていた…。
(ベイカーさんて…私が秘密にしてる事とか何も聞いてこないなぁ…)
「ベイカーさんになら…いつか打ち明けてもいいよね」
ミヅキはシルバの上で寝転びながら呟くと…
「何か言ったか?」
ベイカーが聞き返すと…
「ベイカーさん!」
ミヅキがガバッと起き上がった!
ミヅキはベイカーにエヴァさんと雄一郎の事を少し濁しながら説明すると…
「ふーん…それで夢の中に出てきたそのユウイチロウってのがミヅキにお願いしてきたと…」
「う、うん…」
ミヅキがそーっと顔を下に向けると…
(なんか…嘘ついてる時の顔だな…でも言いたくないと…それでもここまで話してくれた事を喜ぶべきかな)
ベイカーは苦笑すると
「お前は夢見も持ってるんだな」
ポンッとミヅキの頭をいつも通り撫でると
「夢見?」
ミヅキがベイカーを見つめる。
「夢で人の事を占ったり、人の過去や未来を見たりする人の事だ…まぁ余りいないから他の奴らには内緒にしておけよ」
「は、はい…」
「それでミヅキはそのユウイチロウが遺した物が見つからないと…」
「そうなの…一応このメモは見つけたんだけど…」
ミヅキは墓石に刻まれていた文字をこの世界の文字に直してベイカーに見せると…
「なになに… 『この文字が読める者へ…こうじげんばにて開閉の呪文を唱えよ』こうじげんばってなんだ?」
ベイカーが聞きなれない言葉に繰り返し読み上げると…
「ベイカーさん、工事現場だよ、こうじげんばじゃあ麹みたい…」
ミヅキが話の途中でピタッと停止した。
「ミヅキ?」
ベイカーが急に止まったミヅキを心配して声をかけようと手を伸ばすと…
ガシッ!
ミヅキがベイカーの手を掴んだ!
「そうだよ!麹だよ!醤油と味噌に欠かせない!これなら文字を解読されても確かに私にかわからない!」
ミヅキが嬉しそうにベイカーに話しかけると
「ってことは…あの洞窟かな?あそこで作ってたって書いてあったもんね…」
ブツブツと呟くと…
「ベイカーさん!きっとあそこだ!行こう!」
ミヅキはシルバに場所を言うと初めてムサシさんにあった場所に急いで向かっていった!
「…じゃあ俺は戻るから…この場所も他所の連中はたどり着けないからゆっくりとしてくれ…」
「俺達も少し離れてる…だからミヅキはしっかりとエヴァさんのそばにいるんだぞ」
ベイカーがミヅキを見ると
「ありがとう…ベイカーさんちゃんと見えるところに居るようにするからね」
ミヅキはエヴァさんと手を繋ぐとゆっくりとお墓に向かって歩いて行った…
「ここだ…」
一番奥にあった古いお墓の前に立つと…
(これだけ他と違うお墓だ…)
他の隣の墓が正方形の墓石に対して、雄一郎の墓は大きな長方形の形になっていた…
墓石には〝雄一郎〟と漢字で掘られていた…
「これは…ユウイチロウのだね」
エヴァが墓石の字を見て笑うと
「エヴァさん読めるの!?」
ミヅキが驚いてエヴァを見た。
「いや、何度かこの文字を見せてもらったことがあるんだ…その時に自分の名前だと言っていた」
懐かしそうに雄一郎の文字を触っていると…
「あれ…?」
墓石の横の隅に小さい文字で何か掘られている事に気がついた…
「ミヅキ…これ…」
エヴァが文字を指さすと、そこには
『この文字が読める者へ…こうじげんばにて開閉の呪文を唱えよ』
「工事現場?」
うーん…でも掘ってある文字はひらがなだしな…
ミヅキは悩みながらもとりあえず雄一郎さんのお墓に手を合わせた…
(雄一郎さん…エヴァさんをやっとここまで連れてきたよ…)
ミヅキが目を開けて隣を見ると…エヴァさんはまだ雄一郎さんに話しかけていた…
エヴァさんが手を合わせている間にミヅキが雄一郎さんの残した言葉の意味を考えていると…
エヴァさんがようやく顔をあげた…
「ごめんね…待たせて…」
エヴァさんの顔を見ると目が赤くなっていた…
「ううん…もういいの?」
ミヅキが心配そうに聞くと
「ああ、今まで言えなかった文句を全部言ってきたよ…ミヅキ…ありがとう連れてきてくれて…」
エヴァはそっとミヅキに抱きついた…
ミヅキは優しくエヴァさんを受け止めてた…。
しばらくエヴァさんの好きにさせておくと…
「ミヅキ…私はここに残るよ…」
エヴァさんがミヅキに抱きついたままボソッと呟いた…
「そっか…寂しいな…エヴァさんと別れるの…」
ミヅキがわかっていたかの様に答えると
「ごめんね…」
「なんで謝るの?」
「……」
エヴァはそっとミヅキを離すと
「私はしばらくここにいたい…ミヅキはベイカーさん達と戻っててくれ…」
エヴァが笑ってミヅキにお願いする
「わかった…」
ミヅキが頷くと、エヴァがホッとしたように息を吐いた…すると…
「でも、また来るね」
ミヅキはシルバに掴まりながらベイカーさんの元へと戻って行った…
ミヅキ達が見えなくなると、エヴァは雄一郎の墓に寄り添って座り込んだ…
「疲れたよ…」
エヴァはそっと呟くと瞳をゆっくりと閉じた…。
エヴァは度重なる禁忌の魔法を使っていたせいでもう寿命が残りわずかとなっていた…
ミヅキの前では決して見せないようにと気を張っていた体の衰えが雄一郎の墓の前に来れた事でホッとして一気に押し寄せてきていた。
服をめくり腕を見ると、体にひび割れが出来ていた…
「禁忌の魔法を使った時は後悔など無いと思っていたが…」
ミヅキに会ってしまった。
「人の痛みに敏感な子だ…知人の死など受け入れ難いだろう…まして普通の死に方で無ければ尚の事…」
(ミヅキの前で死にたくない…せめてあの子が王都に発つまでは…)
エヴァは縋るように雄一郎の墓を抱きしめた。
ミヅキは雄一郎の残した本を手にエヴァさんに渡して欲しいという物を探していた…
【うーん…工事中…雄一郎さん何処か建設でもしてた?】
パラパラ…と本をめくるが書いてあることは醤油や味噌など調味料の作り方についてだけ…後は錬金術についての事が少し書いてあるだけだった…。
「もう!雄一郎さんもう少しヒント残しておいでよ!」
シルバの上で天を仰ぐと後ろから付いてくるベイカーさんと目があった…
「どうした?そのここに来た目的は達成出来たのか?」
ベイカーさんがミヅキを見ると…
「この顔みて…そう思う?」
眉間にシワを寄せてベイカーを軽く睨むと
「何を探してるのか知らんが見えるところに居てくれよ」
ベイカーはミヅキ達から少しだけ距離をとって付いてきていた…。
(ベイカーさんて…私が秘密にしてる事とか何も聞いてこないなぁ…)
「ベイカーさんになら…いつか打ち明けてもいいよね」
ミヅキはシルバの上で寝転びながら呟くと…
「何か言ったか?」
ベイカーが聞き返すと…
「ベイカーさん!」
ミヅキがガバッと起き上がった!
ミヅキはベイカーにエヴァさんと雄一郎の事を少し濁しながら説明すると…
「ふーん…それで夢の中に出てきたそのユウイチロウってのがミヅキにお願いしてきたと…」
「う、うん…」
ミヅキがそーっと顔を下に向けると…
(なんか…嘘ついてる時の顔だな…でも言いたくないと…それでもここまで話してくれた事を喜ぶべきかな)
ベイカーは苦笑すると
「お前は夢見も持ってるんだな」
ポンッとミヅキの頭をいつも通り撫でると
「夢見?」
ミヅキがベイカーを見つめる。
「夢で人の事を占ったり、人の過去や未来を見たりする人の事だ…まぁ余りいないから他の奴らには内緒にしておけよ」
「は、はい…」
「それでミヅキはそのユウイチロウが遺した物が見つからないと…」
「そうなの…一応このメモは見つけたんだけど…」
ミヅキは墓石に刻まれていた文字をこの世界の文字に直してベイカーに見せると…
「なになに… 『この文字が読める者へ…こうじげんばにて開閉の呪文を唱えよ』こうじげんばってなんだ?」
ベイカーが聞きなれない言葉に繰り返し読み上げると…
「ベイカーさん、工事現場だよ、こうじげんばじゃあ麹みたい…」
ミヅキが話の途中でピタッと停止した。
「ミヅキ?」
ベイカーが急に止まったミヅキを心配して声をかけようと手を伸ばすと…
ガシッ!
ミヅキがベイカーの手を掴んだ!
「そうだよ!麹だよ!醤油と味噌に欠かせない!これなら文字を解読されても確かに私にかわからない!」
ミヅキが嬉しそうにベイカーに話しかけると
「ってことは…あの洞窟かな?あそこで作ってたって書いてあったもんね…」
ブツブツと呟くと…
「ベイカーさん!きっとあそこだ!行こう!」
ミヅキはシルバに場所を言うと初めてムサシさんにあった場所に急いで向かっていった!
感想 6,830
あなたにおすすめの小説
過保護すぎる家族に囲まれて育ったら、外の世界が危険すぎました 〜冷酷公爵の父と最強兄たちに溺愛される日々〜
由香過保護な父と兄たちに囲まれて育った少女。
初めての外は危険だらけ——のはずが、全部“秒で解決”。
溺愛×コメディ×ほんのり成長の、ほっこり家族物語。
一夜の過ちで懐妊したら、幼なじみの冷酷皇帝に溺愛されました
由香没落貴族の娘・柳月鈴は、宮廷で医官見習いとして働いていた。
ある夜、皇帝即位の宴で酒に酔い、幼なじみだった皇帝・李景珩と再会する。
遠い存在になったはずの彼。
けれど、その夜をきっかけに月鈴の運命は大きく動き出す。
冷酷と恐れられる皇帝が、なぜか彼女だけには甘すぎて――。
私の作るおにぎりが、騎士団の士気を異常に上げています(犯人は副団長)
星乃和花おにぎりを配っただけで、騎士団の士気が異常値になりました。
団長は警戒、監察部は呪術検査、国まで動きかけるのに――副団長だけが平然と断言。
副団長「彼女のご飯は軍事物資です」
私「えっ重い」
胃袋で落ちた策略家副団長の“最適化溺愛”に巻き込まれ、気づけば専属補給係(=婚約)寸前!?
ほのぼの爆笑&甘々の騎士団ラブコメです。
(完結済ー本編16話+後日談6話)
【完結】悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
本編完結済です。
もっちもっち感謝祭で、リクエストいただいたお話を更新しています。
皆さまの応援のおかげで『もふもふ獣人に転生したら、最愛の推しに溺愛されています』書籍化、心から、ありがとうございます!
皆の動画をつくりました!
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです!
表紙や動画にAIを使っていますが、小説にはAIを使っておりません
異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?
すずなり。ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。
一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。
「俺とデートしない?」
「僕と一緒にいようよ。」
「俺だけがお前を守れる。」
(なんでそんなことを私にばっかり言うの!?)
そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。
「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」
「・・・・へ!?」
『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。
※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。
ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?
来栖とむブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。
そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった!
亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。
「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」
「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」
おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。
現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。
お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、
美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
一妻多夫の獣人世界でマッチングアプリします♡
具なっしー前世の記憶を持つソフィアは、綿菓子のような虹色の髪を持つオコジョ獣人の令嬢。
この世界では男女比が極端に偏っており、女性が複数の夫を持つ「一妻多夫制」が当たり前。でも、前世日本人だったソフィアには、一人の人を愛する感覚しかなくて……。
そんな私に、20人の父様たちは「施設(強制繁殖システム)送り」を避けるため、マッチングアプリを始めさせた。
最初は戸惑いながらも、出会った男性たちはみんな魅力的で、優しくて、一途で――。
■ 大人の余裕とちょっと意地悪な研究者
■ 不器用だけど一途な騎士
■ ぶっきらぼうだけど優しい元義賊
■ 完璧主義だけど私にだけ甘えん坊な商人
■ 超ピュアなジムインストラクター
■ コミュ力高めで超甘々なパティシエ
■ 私に一生懸命な天才年下魔法学者
気づけば7人全員と婚約していた!?
「私達はきっと良い家族になれます!」
これは、一人の少女と七人(…)の婚約者たちが、愛と絆を育んでいく、ちょっと甘くて笑える逆ハーレム・ラブコメディ。
という異世界×獣人×一妻多夫×マッチングアプリの、設定盛りだくさんな話。超ご都合主義なので苦手な人は注意!
※表紙はAIです
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。