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11章
382.開けゴマ
【シ、シルバ?】
ミヅキは恐る恐るシルバの顔色を伺うと…
【なんだ?】
シルバからは怒った様子も心配する様子も伺えなかった…
(あれ?けっこう長く記憶を見てたような…)
【シルバ…怒ってるの?】
ミヅキはもう一度シルバに話しかけてみると
【なんだ?何か不味い事をしたのか?やっぱりこの人形壊しておくか?】
シルバがジロリとゴーレムを見ると
【だ、駄目!この子がエヴァさんに渡す贈り物なんだから!】
【こいつが?】
シルバが疑う様にゴーレムを見ている。
【この子の中にある物をエヴァさんに渡して欲しいみたい】
【…なんでそんな事がわかるんだ?】
【えっ…あっーと…なんかゴーレムちゃんが見せてくれた】
【見せる?しかもゴーレムちゃんだと!】
[ゴーレムちゃん…]
「えっ?そのくらいいいよねぇ」
ミヅキがゴーレムに笑いかけると
[お好きな様にお呼び下さい]
「じゃあ…ゴーレムから…取って…レムちゃん!」
[レム…]
「そう、レムちゃんってどうかな?それとも雄一郎さんに付けてもらった名前があるのかな?」
(記憶ではずっとゴーレムって呼んでたけど…)
レムはギシギシと首を振る。
「なら今日からあなたの名前はレムちゃんね!」
[登録…しました…]
「うん!よろしくね」
ミヅキが笑うと…
【ミヅキー】
コハクが大声で叫びながらミヅキの元に戻ってきた!
【コハク?】
【ミヅキ…エヴァが…】
プルシアも言葉を濁すと…
【エヴァさん?エヴァさんがどうしたの!】
食べ物を届けに行っていたふたりの様子にミヅキは嫌な予感がした…
【シルバ!みんな!エヴァさんの所に行くよ!】
【ミヅキ乗れ!】
シルバが言うと、ミヅキはレムをギュッと抱きしめるとシルバに飛び乗り、急いでエヴァさんがいる雄一郎さんのお墓に向かった!
「エヴァさーん!」
雄一郎さんのお墓に身を預ける様に寄りかかっているエヴァさんを見つけてミヅキが呼ぶが反応がない…
「エヴァさん!」
ミヅキはシルバから降りるとエヴァさんに駆け寄った!
エヴァさんの肩を揺すると…エヴァさんの髪がサラッと風に揺れる…その間から見える肌はカサカサに乾き、ひび割れていた。
「酷い…なにこれ…」
ミヅキは痛々しいエヴァさんの頬を震える手でそっと触った。
「ミヅキ…?」
エヴァさんがうっすらと瞳を開けた…
「エヴァさん!よかった…これ…どうしたの?」
ミヅキが泣きそうな顔でエヴァさんを見ると
「ふふ…私よりよっぽど痛そうな顔だな」
エヴァさんが微笑んだ…
「これは…禁忌の魔法を使ってきた代償だよ…わかっていて使ったんだ…だからミヅキが悲しむ事は無いよ…出来ればミヅキに見つかりたくは無かったが…」
エヴァさんが今にも崩れそうな手でミヅキの頬を撫でると涙を拭いてくれた。
「待って…まだエヴァさんに渡してない物があるの…お願い…もう少し一緒にいたい…」
ミヅキはエヴァさんにそっと抱きつくと
「渡したい物?」
ミヅキはレムをエヴァさんに渡す。
「これが…渡したい物?」
エヴァがゴーレムを受け取ると…
[エヴァ様確認合言葉を]
レムがエヴァを認識した。
「〝開けゴマ〟」
ミヅキが日本語で合言葉を唱えた。
「えっ…」
エヴァさんがミヅキの言葉に反応した…
[合言葉を確認]
レムが答えると身体が開き…中からあの小瓶が出てきた…エヴァが小瓶を掴むと
「これは?」
「ねぇ…レムちゃん…あの記憶ってエヴァさんにも見せることってできるのかな?」
ミヅキが元に戻ったレムに聞くと…
[魔力を込めていただければ可能です]
「わかった…エヴァさんレムちゃんのここを触って…」
ミヅキはエヴァの手を取るとレムの紋章の上に手を乗せその上から自分の手を添えた。
そのまま先程の様に魔力を流すと…エヴァさんの瞳に涙が溢れた…
「エヴァさん…」
ミヅキがエヴァさんの手を握りしめると
「ミヅキ…ユウイチロウが…」
溢れ出る涙を拭うこともせずにエヴァさんは雄一郎さんの名前を呼ぶ…
「ユウイチロウ…ユウイチロウ…」
「エヴァさんも雄一郎さんの記憶見えたんだね…雄一郎さんずっと…ずっとエヴァさんの事を思ってたよ」
「ああ…ああ」
エヴァさんが何度も頷くと
「これをどうしてもエヴァさんに渡したかったみたい…ほら…私達同郷だから…頼まれてたんだ…」
エヴァが小瓶を見つめると…
「エヴァさん…これが何か鑑定してもいい?」
コクコク…
エヴァさんが頷くとミヅキは鑑定をしてみた。
《エリクサー(劣化版)》
エリクサーを作ろうとして出来たまがい物。
寿命がどんなに有ろうが無かろうが70年となる。
「なんだこれ?」
ミヅキが黙り込むと少し落ち着いたエヴァさんが話しかけてきた。
「ミヅキ?なんだったんだ?」
「うーん…雄一郎さんエリクサーを作ろうとしたみたい…だけど失敗して劣化版が出来たらしい…」
「劣化版?」
「うん…飲むとどんな人も寿命が70年になるみたい…なんで70年?」
[ご主人様がその薬を作った歳になった模様です]
レムが補足してくれる。
「なるほど…雄一郎さんエリクサーは作れなかったのかな?」
[はいその過程で出来たのがその薬です…ご主人様は永遠の命を手に入れてエヴァ様と一緒になる事を考えましたが…上手くいきませんでした。しかしその薬が出来たことで人として生きて行く道をエヴァさんに示したかったようですが…]
「会えないまま雄一郎さんの寿命が来ちゃったんだ…」
(でもそれが今ならエヴァさんの命を伸ばせる…)
ミヅキはエヴァさんと小瓶を見ると
「エヴァさん、雄一郎さんはきっと人として満足する人生を歩んで欲しいんだと思うな…私ももう少しエヴァさんと歩みたい」
「ミヅキ…」
「今…そんな形で死んじゃったら…悲しすぎるよ」
エヴァは小瓶を見つめると…パキンッと蓋を開けた。
小瓶の中味を一気に飲み干すと…
「ユウイチロウが作ったものを捨てるわけにはいかないからね」
エヴァさんが微笑むと…体が淡く光り出した…ひび割れていた皮膚がみるみるうちに元の綺麗な肌に戻っていった。
エヴァが自分の手や体を確認すると…
「さっきまでのだるさが嘘みたいに無くなった…」
「よかった…これでエヴァさんは人として普通の人生を送ることができるね!その先で…雄一郎さんがきっと待ってるよ」
「そうだね…」
エヴァはあと少しミヅキと過ごせる日々を思い穏やかに笑った…
[任務完了]
レムが言うと…
「レムちゃんはこれからどうするの?」
[休眠に入ります。ご主人様の命令が下されるまで…]
(それって…)
ミヅキが悲しそうにレムを見ると…
「レムちゃん…これって…ご主人様の書き換えって出来ないの?」
[.........可能…です]
「レムちゃんはご主人様変わるのは嫌かな?」
[嫌?すみません意味が理解出来ません…ゴーレムに意思はありませんので]
「そっか…ならご主人様を書き換えよう!エヴァさんが新しいご主人様になるのはどうかな?」
「私が?」
[エヴァ様は既に登録されています…そちらを先に削除しますか]
「えっ?登録?どういう事だ?」
「エヴァさんレムちゃんに前に会ってたの?」
「いや…」
エヴァが記憶に無いと首を振ると…
「レムちゃん、エヴァさんはなんて登録されてるの?」
[ご主人様の伴侶として登録されています]
レムの言葉にエヴァとミヅキは言葉を失った…
ミヅキは恐る恐るシルバの顔色を伺うと…
【なんだ?】
シルバからは怒った様子も心配する様子も伺えなかった…
(あれ?けっこう長く記憶を見てたような…)
【シルバ…怒ってるの?】
ミヅキはもう一度シルバに話しかけてみると
【なんだ?何か不味い事をしたのか?やっぱりこの人形壊しておくか?】
シルバがジロリとゴーレムを見ると
【だ、駄目!この子がエヴァさんに渡す贈り物なんだから!】
【こいつが?】
シルバが疑う様にゴーレムを見ている。
【この子の中にある物をエヴァさんに渡して欲しいみたい】
【…なんでそんな事がわかるんだ?】
【えっ…あっーと…なんかゴーレムちゃんが見せてくれた】
【見せる?しかもゴーレムちゃんだと!】
[ゴーレムちゃん…]
「えっ?そのくらいいいよねぇ」
ミヅキがゴーレムに笑いかけると
[お好きな様にお呼び下さい]
「じゃあ…ゴーレムから…取って…レムちゃん!」
[レム…]
「そう、レムちゃんってどうかな?それとも雄一郎さんに付けてもらった名前があるのかな?」
(記憶ではずっとゴーレムって呼んでたけど…)
レムはギシギシと首を振る。
「なら今日からあなたの名前はレムちゃんね!」
[登録…しました…]
「うん!よろしくね」
ミヅキが笑うと…
【ミヅキー】
コハクが大声で叫びながらミヅキの元に戻ってきた!
【コハク?】
【ミヅキ…エヴァが…】
プルシアも言葉を濁すと…
【エヴァさん?エヴァさんがどうしたの!】
食べ物を届けに行っていたふたりの様子にミヅキは嫌な予感がした…
【シルバ!みんな!エヴァさんの所に行くよ!】
【ミヅキ乗れ!】
シルバが言うと、ミヅキはレムをギュッと抱きしめるとシルバに飛び乗り、急いでエヴァさんがいる雄一郎さんのお墓に向かった!
「エヴァさーん!」
雄一郎さんのお墓に身を預ける様に寄りかかっているエヴァさんを見つけてミヅキが呼ぶが反応がない…
「エヴァさん!」
ミヅキはシルバから降りるとエヴァさんに駆け寄った!
エヴァさんの肩を揺すると…エヴァさんの髪がサラッと風に揺れる…その間から見える肌はカサカサに乾き、ひび割れていた。
「酷い…なにこれ…」
ミヅキは痛々しいエヴァさんの頬を震える手でそっと触った。
「ミヅキ…?」
エヴァさんがうっすらと瞳を開けた…
「エヴァさん!よかった…これ…どうしたの?」
ミヅキが泣きそうな顔でエヴァさんを見ると
「ふふ…私よりよっぽど痛そうな顔だな」
エヴァさんが微笑んだ…
「これは…禁忌の魔法を使ってきた代償だよ…わかっていて使ったんだ…だからミヅキが悲しむ事は無いよ…出来ればミヅキに見つかりたくは無かったが…」
エヴァさんが今にも崩れそうな手でミヅキの頬を撫でると涙を拭いてくれた。
「待って…まだエヴァさんに渡してない物があるの…お願い…もう少し一緒にいたい…」
ミヅキはエヴァさんにそっと抱きつくと
「渡したい物?」
ミヅキはレムをエヴァさんに渡す。
「これが…渡したい物?」
エヴァがゴーレムを受け取ると…
[エヴァ様確認合言葉を]
レムがエヴァを認識した。
「〝開けゴマ〟」
ミヅキが日本語で合言葉を唱えた。
「えっ…」
エヴァさんがミヅキの言葉に反応した…
[合言葉を確認]
レムが答えると身体が開き…中からあの小瓶が出てきた…エヴァが小瓶を掴むと
「これは?」
「ねぇ…レムちゃん…あの記憶ってエヴァさんにも見せることってできるのかな?」
ミヅキが元に戻ったレムに聞くと…
[魔力を込めていただければ可能です]
「わかった…エヴァさんレムちゃんのここを触って…」
ミヅキはエヴァの手を取るとレムの紋章の上に手を乗せその上から自分の手を添えた。
そのまま先程の様に魔力を流すと…エヴァさんの瞳に涙が溢れた…
「エヴァさん…」
ミヅキがエヴァさんの手を握りしめると
「ミヅキ…ユウイチロウが…」
溢れ出る涙を拭うこともせずにエヴァさんは雄一郎さんの名前を呼ぶ…
「ユウイチロウ…ユウイチロウ…」
「エヴァさんも雄一郎さんの記憶見えたんだね…雄一郎さんずっと…ずっとエヴァさんの事を思ってたよ」
「ああ…ああ」
エヴァさんが何度も頷くと
「これをどうしてもエヴァさんに渡したかったみたい…ほら…私達同郷だから…頼まれてたんだ…」
エヴァが小瓶を見つめると…
「エヴァさん…これが何か鑑定してもいい?」
コクコク…
エヴァさんが頷くとミヅキは鑑定をしてみた。
《エリクサー(劣化版)》
エリクサーを作ろうとして出来たまがい物。
寿命がどんなに有ろうが無かろうが70年となる。
「なんだこれ?」
ミヅキが黙り込むと少し落ち着いたエヴァさんが話しかけてきた。
「ミヅキ?なんだったんだ?」
「うーん…雄一郎さんエリクサーを作ろうとしたみたい…だけど失敗して劣化版が出来たらしい…」
「劣化版?」
「うん…飲むとどんな人も寿命が70年になるみたい…なんで70年?」
[ご主人様がその薬を作った歳になった模様です]
レムが補足してくれる。
「なるほど…雄一郎さんエリクサーは作れなかったのかな?」
[はいその過程で出来たのがその薬です…ご主人様は永遠の命を手に入れてエヴァ様と一緒になる事を考えましたが…上手くいきませんでした。しかしその薬が出来たことで人として生きて行く道をエヴァさんに示したかったようですが…]
「会えないまま雄一郎さんの寿命が来ちゃったんだ…」
(でもそれが今ならエヴァさんの命を伸ばせる…)
ミヅキはエヴァさんと小瓶を見ると
「エヴァさん、雄一郎さんはきっと人として満足する人生を歩んで欲しいんだと思うな…私ももう少しエヴァさんと歩みたい」
「ミヅキ…」
「今…そんな形で死んじゃったら…悲しすぎるよ」
エヴァは小瓶を見つめると…パキンッと蓋を開けた。
小瓶の中味を一気に飲み干すと…
「ユウイチロウが作ったものを捨てるわけにはいかないからね」
エヴァさんが微笑むと…体が淡く光り出した…ひび割れていた皮膚がみるみるうちに元の綺麗な肌に戻っていった。
エヴァが自分の手や体を確認すると…
「さっきまでのだるさが嘘みたいに無くなった…」
「よかった…これでエヴァさんは人として普通の人生を送ることができるね!その先で…雄一郎さんがきっと待ってるよ」
「そうだね…」
エヴァはあと少しミヅキと過ごせる日々を思い穏やかに笑った…
[任務完了]
レムが言うと…
「レムちゃんはこれからどうするの?」
[休眠に入ります。ご主人様の命令が下されるまで…]
(それって…)
ミヅキが悲しそうにレムを見ると…
「レムちゃん…これって…ご主人様の書き換えって出来ないの?」
[.........可能…です]
「レムちゃんはご主人様変わるのは嫌かな?」
[嫌?すみません意味が理解出来ません…ゴーレムに意思はありませんので]
「そっか…ならご主人様を書き換えよう!エヴァさんが新しいご主人様になるのはどうかな?」
「私が?」
[エヴァ様は既に登録されています…そちらを先に削除しますか]
「えっ?登録?どういう事だ?」
「エヴァさんレムちゃんに前に会ってたの?」
「いや…」
エヴァが記憶に無いと首を振ると…
「レムちゃん、エヴァさんはなんて登録されてるの?」
[ご主人様の伴侶として登録されています]
レムの言葉にエヴァとミヅキは言葉を失った…
感想 6,830
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