ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

文字の大きさ
318 / 675
11章

442.アラン

しおりを挟む
「アランさん…さっきあの男の刑罰について聞きに来ましたよね?」

「な、なんの事だ?」

アランが顔を逸らすと

「あっ…なんかセシルが呼んでる気がする…」

アランがふらっとセシルの元に行こうとするのをベイカーがガッチリと肩を掴んで止める。

「セシルさんなら向こうでみんなと楽しくラーメン食べてるよ…それよりもアランさんに聞きたいんだけど?まさかあの話ミヅキにしてないよな?」

「べ、ベイカーくんちょっと肩が痛いよ…それにほら、せっかくのミヅキの飯が冷めちゃうよ」

ベイカーは飯を収納にしまう。

「ほら、これで大丈夫だアランさんもそれしまえばいいだろ」

ベイカーがアランが大事そうに持つ焼き飯をチラッと見ると

「アラン隊長…私が預かっておいてあげるよ!二人はゆっくり話があるみたいだから…ごゆっくり~」

ミヅキがアラン隊長から焼き飯を奪うとくるっと後ろを向く。

「待て、ミヅキ…お前にも話があるからな…」

ギクッ!

ミヅキは足を一瞬止めると…ばっ!と走り出す!

「ミヅキ!待て!」

「ミヅキ!狡いぞ!」

アランは逃げ出したミヅキに便乗して油断したベイカーから逃れるとミヅキと反対方向に逃げる!

「シルバ!アランを捕まえろ!」

【なんでお前の言うことなんか…】

シルバが嫌だと欠伸をしていると…

「捕まえてくれたらさっきミヅキから貰った飯をやるぞ!」

【なに!それなら話は別だ!】

シルバはアランを追いかけた!

ベイカーはあっさりとミヅキを捕まえると…

「なんで逃げた?やましい事があるんだな?」

ベイカーはミヅキをしっかりと抱きしめて顔を覗き込むと…

「アランさんから聞いたのか?村長の処罰を…」

「う、うん…」

「はぁ…」

ベイカーがため息をつくと

「ミヅキがそんな事知る必要ないだろ…だから黙ってたのに…」

「だって…秘密にされると気になるよ!」

「そりゃそうかも知れないが…どうするんだよ…」

「何が?別にいいと思うよ私が罰を執行する訳じゃないし」

ミヅキがケロッと答えると

「おま…まぁ女と男の解釈は違うのかな…実際やったのは受付嬢だしな…」

「えっ!お姉さん達が切ったの!」

「知らなかったのか?」

うんとミヅキが頷くと

「しまった…流石のアランさんもそこまでは話して無かったのか」

ベイカーが顔を顰めると

「そっか…お姉さん達凄いね…なんか怒らせたら怖そうだもんね!セバスさんみたい」

「それだよ…お前セバスさんになんて言うんだよ。ミヅキに去勢なんて話したなんて知れたら…」

「わ、私も怒られる!」

「まぁそうなるな…」

「べ、ベイカーさん…ここは手を組みましょう」

ミヅキが手を差し出す…

「ベイカーさんも私に口を滑らせたし…あとはアラン隊長の口を封じれば大丈夫です!みんな知らなかった…これで平和です」

ミヅキが真剣な顔でベイカーを見つめると…

「確かに…このままだと俺にもとばっちりがきそうだな…しょうがないさっきの飯をシルバの分と大盛りで手を打とう!」

「交渉成立だね!」

ミヅキとベイカーはガッチリと手を組んだ!


「くっそ!まだ追いかけてくる…」

アランはその頃シルバから逃れようと全速力で走っていた…

城壁を飛び越えて王都を飛び出してもなおシルバは追いかけてきている。

【ハッハッハっ!まだ逃げる気か?諦めてたらどうだ!】

シルバがどんどん間合いを詰めると…

「やばい!追いつかれる!」

アランはサッと身を翻して横に逸れる!

【チッ…】

アランを前脚で捉えようとしていたシルバは肩透かしをくらう。

「ま、待て!シルバ!話し合おう!」

アランが両手でシルバを制止させるとシルバがジリジリとにじり撚っていた脚を止める。

「ベイカーから何かで頼まれたんだろ?俺はその倍を出すぞ!」

ピクッ!

シルバの耳が反応する…

【いや…待てよ、ミヅキの飯をこいつが頼んで作ってくれるとは限らんな…】

シルバが再び歩き出すと

「ほら!今流行ってる王都ドッグ知ってるか?あれを百本やろう!」

【あーあれか…あれならミヅキの飯の方がいいな】

シルバはニヤッと口角を上げるとアランに襲いかかった…


ミヅキとベイカーはアランとシルバが戻って来るのを待っていると…シルバがアランの首根っこを噛みながら戻ってきた…

ダランと腕を垂らしているアランに思わずミヅキが駆け寄る!

「アラン隊長!」

【シルバ!何したの!】

ミヅキに怒鳴られてシルバは慌てて口を開く!

【ミ、ミヅキ!】

シルバが口を開くとアランが頭からゴン!と地面に落ちた…

「アランさん…」

さすがにベイカーも心配すると…

「う、うん…」

頭を打った衝撃でアランが目覚めた。

「アラン隊長…大丈夫?」

「えっ…俺は…」

アラン隊長が頭を抱えると…

「ここは何処だ…?俺は何を…」

アランは目の前にいたミヅキとベイカーを見つめると

「君たちは…いったい…誰だ?」

「「えっーーーー!!!」」

ミヅキとベイカーは驚きのあまり叫び声をあげた!


とりあえずアラン隊長をみんなの元に連れていくと、部隊兵のみんながアラン隊長を取り囲む。

「アラン隊長!俺の事も分かりませんか?」

「アラン隊長!俺に金を貸したことも忘れちゃったんですか!困ります!」

「アラン隊長この前賭けた負けの分も忘れたんですか!」

兵士達がアラン隊長に詰め寄ると

「アラン隊長…」

セシルさんが心配そうに声をかける…

「そんな事されても困ります、アラン隊長にもらわないといけない書類のサインもたくさんあるんですからね!」

「えっ…」

アランはみんなの迫力に怯えた顔を見せると

「ほら!行きますよ!そのうちに思い出すでしょ!」

セシルさん達はアラン隊長を引きずって連れて帰っていった…。

「アラン隊長大丈夫かな?」

【シルバ何したの?】

【何って…捕まえようとしたら抵抗してくるからついちょっと小突いたら…】

シルバがゴニョゴニョと語尾を濁らせる。

【たら?】

ミヅキがジロっとシルバを見ると

【いやぁ避けた拍子にいい所に当たっちまってな、まぁアランなら大丈夫だろうと思って…】

【もう!シルバは強いんだから手加減しなきゃ!】

【いや、手加減してたら逃げられそうだったからな!】

「なんかシルバが小突いた所が悪かったのかな?アラン隊長…あのままでいいのかなぁ…」

ミヅキが不安そうにしていると

「うーん…みんなの方が付き合いも長いし扱いもわかってるだろ…何かあればまた来るだろそれよりも…」

ベイカーはミヅキをチラッと見る。

「約束の物よろしくな」

【そうだ!ベイカー俺との約束も忘れるなよ!】

シルバがベイカーに吠える!

「あっ!アラン隊長の焼き飯…渡すの忘れてた…」

「ならついでに俺が貰っておくよ」

ベイカーが焼き飯を貰おうとすると

「駄目だよ!これはアラン隊長の分!アラン隊長に明日渡して来るよ」

ミヅキはそう言うとベイカーとシルバの分の焼き飯を作ってあげた…。

美味しそうに食べる二人を見ながら…

(アラン隊長も前に作ってあげたご飯でも食べさせたら戻るかなぁ…)

ミヅキはラーメンの残りも収納にしまっておいた…。



アラン隊長が記憶を無くしてとりあえず連れて帰ったセシルはアランを部屋まで案内すると…

「ここがアラン隊長の部屋です。とりあえず今日はもう休んで下さい。明日また迎えにあがりますから」

「え、えっと…」

アランが申し訳なさそうにセシルを見ると

「何か?」

「君の…名前は…」

「はぁ?」

セシルがマジか…とアランを見つめる。

「私はセシルですよ、あなたはアラン隊長!この王都の第五部隊の部隊長です…って本当に忘れてるんですか?」

いつものお巫山戯かと思っていたセシルが聞くと

「す、すまん」

アラン隊長が謝る…その様子に…

「ま、まぁ一日寝れば治るかも知れませんし…明日八時には迎えに来ますから…」

「ああ…わかった。よろしく頼む」

アランはお礼を言うと

「では…おやすみ」

挨拶をして部屋に入っていった…

セシルはその様子に口を開けたまましばらく唖然としていた…。

「な、なんだあの礼儀正しいアラン隊長は…」

セシルはぶるっと背筋に寒気が走ると…

「まぁ明日には戻ってるだろ…」

そそくさと部屋に戻っていった…
しおりを挟む
感想 6,829

あなたにおすすめの小説

転生したら幼女でした!? 神様~、聞いてないよ~!

饕餮
ファンタジー
  書籍化決定!   2024/08/中旬ごろの出荷となります!   Web版と書籍版では一部の設定を追加しました! 今井 優希(いまい ゆき)、享年三十五歳。暴走車から母子をかばって轢かれ、あえなく死亡。 救った母親は数年後に人類にとってとても役立つ発明をし、その子がさらにそれを発展させる、人類にとって宝になる人物たちだった。彼らを助けた功績で生き返らせるか異世界に転生させてくれるという女神。 一旦このまま成仏したいと願うものの女神から誘いを受け、その女神が管理する異世界へ転生することに。 そして女神からその世界で生き残るための魔法をもらい、その世界に降り立つ。 だが。 「ようじらなんて、きいてにゃいでしゅよーーー!」 森の中に虚しく響く優希の声に、誰も答える者はいない。 ステラと名前を変え、女神から遣わされた魔物であるティーガー(虎)に気に入られて護られ、冒険者に気に入られ、辿り着いた村の人々に見守られながらもいろいろとやらかす話である。 ★主人公は口が悪いです。 ★不定期更新です。 ★ツギクル、カクヨムでも投稿を始めました。

転生幼女はお願いしたい~100万年に1人と言われた力で自由気ままな異世界ライフ~

土偶の友
ファンタジー
 サクヤは目が覚めると森の中にいた。  しかも隣にはもふもふで真っ白な小さい虎。  虎……? と思ってなでていると、懐かれて一緒に行動をすることに。  歩いていると、新しいもふもふのフェンリルが現れ、フェンリルも助けることになった。  それからは困っている人を助けたり、もふもふしたりのんびりと生きる。 9/28~10/6 までHOTランキング1位! 5/22に2巻が発売します! それに伴い、24章まで取り下げになるので、よろしく願いします。

異世界カフェ食堂で皿洗いをしますと思ったら日本料理を創造する力が与えられていた!(もふもふ聖獣猫のモフにゃーと楽しく日本料理を創造します)

なかじまあゆこ
ファンタジー
可愛いもふもふ達とアリナは異世界でスローライフをします。 異世界召喚された安莉奈は幼女の姿になっていた。神様に与えられた能力を使い眷属聖獣猫モフにゃーや魔獣のライオン魔獣鳥に魔獣の日焼けとお料理を創造します! 熊元安莉奈(くまもとありな)は黄色のバスに乗せられ異世界召喚された。 そして、なぜだか幼女の姿になっていた。しかも、日本の地球人だったことを忘れていたのだ。 優しいモリーナ夫妻に養子として引き取れた安莉奈はアリナになった。 モリーナ夫妻はカフェ食堂を経営していたが繁盛しておらず貧乏だった。料理が出来ないアリナはお皿洗いなどのお手伝いを小さな体ながらしていたのだけど。 神様から日本料理を創造する力が与えられていた! その力を使うと。 地球では辛い生活を送っていた安莉奈が異世界ではアリナとしてお父さんに激愛され幸せに生きている。 エブリスタ、小説家になろうにも掲載しています。

幼子は最強のテイマーだと気付いていません!

akechi
ファンタジー
彼女はユリア、三歳。 森の奥深くに佇む一軒の家で三人家族が住んでいました。ユリアの楽しみは森の動物達と遊ぶこと。 だが其がそもそも規格外だった。 この森は冒険者も決して入らない古(いにしえ)の森と呼ばれている。そしてユリアが可愛い動物と呼ぶのはSS級のとんでもない魔物達だった。 「みんなーあしょぼー!」 これは幼女が繰り広げるドタバタで規格外な日常生活である。

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

夢のテンプレ幼女転生、はじめました。 憧れののんびり冒険者生活を送ります

ういの
ファンタジー
旧題:テンプレ展開で幼女転生しました。憧れの冒険者になったので仲間たちとともにのんびり冒険したいとおもいます。 七瀬千那(ななせ ちな)28歳。トラックに轢かれ、気がついたら異世界の森の中でした。そこで出会った冒険者とともに森を抜け、最初の街で冒険者登録しました。新米冒険者(5歳)爆誕です!神様がくれた(と思われる)チート魔法を使ってお気楽冒険者生活のはじまりです!……ちょっと!神獣様!精霊王様!竜王様!私はのんびり冒険したいだけなので、目立つ行動はお控えください!! 初めての投稿で、完全に見切り発車です。自分が読みたい作品は読み切っちゃった!でももっと読みたい!じゃあ自分で書いちゃおう!っていうノリで書き始めました。 【5/22 書籍1巻発売中!】

そんなに嫌いなら、私は消えることを選びます。

秋月一花
恋愛
「お前はいつものろまで、クズで、私の引き立て役なのよ、お姉様」  私を蔑む視線を向けて、双子の妹がそう言った。 「本当、お前と違ってジュリーは賢くて、裁縫も刺繍も天才的だよ」  愛しそうな表情を浮かべて、妹を抱きしめるお父様。 「――あなたは、この家に要らないのよ」  扇子で私の頬を叩くお母様。  ……そんなに私のことが嫌いなら、消えることを選びます。    消えた先で、私は『愛』を知ることが出来た。

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。