ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

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13章

510.決定

次の日ミヅキとベイカーがアランとパーティを組んだ事が町中で噂になっていた…

「まぁ…いつも一緒にいたし…しょうがないよね」

「そうだな…密かに狙っていたがやっぱりあの鉄壁を崩すのは至難の業だ」

ギルドではヤダル達とベネット達がガックリと肩を落として話していた。

「なかなかパーティを組まないから何か考えがあるのかと思って声をかけないでいたのが仇となったな…」

ミクロムがヤダルを励ますように肩に手を置くと

「ミヅキちゃんにはあのくらいの人達じゃないと無理だよ」

苦笑する。

「しかし…あのパーティ名はどうなんだ?」

「あぁ…〝食いしん坊万歳〟だっけ?ちょっと酷いよな」

クスッと笑うと

「ミヅキちゃんもあんまり気に入って無いから変えるって言ってたわよ」

「そうなのか!?じゃあ何になるんだろう…きっと国中が知る名前になるだろうからな…食いしん坊万歳じゃ不味いよな~」

「でも…凄くあってる気もする…」

ミリアナが言うと

「私もそう思ってた!だってこの前アランさんがミヅキちゃんが作ったご飯、次から次に食べてるところ見たわ!」

「えっ?俺はベイカーさんが食ってるところを見たぞ?」

「いや!あの従魔達も凄いぞ、特にシルバさんが桁違いだな!」

ヤダル達の会話に他の冒険者達も加わってきた。

「まさに暴食だよな~ここら辺の魔物を食いつくしそうだな」

「まぁあの美味い飯の前ならそうなるのもわかるけどな」

ヤダル達がミヅキと一緒に食べたご飯を思い出す。

「いいなぁ~ヤダル達は一緒に依頼を受けたから食べた事あるんだろ?」

「あれは美味かった…でもその後他の飯が物足りなくなって大変だったな」

「そうね!でも最近町のご飯も美味しくなってきたよね?この前王都行った時も食が盛んになってたわ」

王都に行ったことのある冒険者達が頷き合う。

「なんかあれもミヅキちゃんじゃないかって私は睨んでいるのよね…」

ベネットが神妙な顔で頷くと

「えー?でもすっげえ美人のディアナ様って人が色々と手を貸したって言ってたぞ?」

「俺もそう聞いた!知り合いがディアナ様を見たらしくすっげえ綺麗だったって…俺も会ってみてぇなぁ~」

男の冒険者達がいいなぁ~と羨ましそうにしていると

「あら、私はミヅキちゃんみたいな可愛い子の方がいいわ!」

「そうよね~!ミヅキちゃんが本気になれば同じ事くらい軽く出来そうだわ!」

「いや!わかるよミヅキちゃんだって可愛いし凄いのは!でもさぁ…ほらまだ幼い子供だろ?やっぱり大人の魅力にはまだ叶わないだろ?」

「はぁ…これだから馬鹿な男共は…色気にまんまと騙されて…そんなんだから依頼の金を悪い女に取られちゃうのよ」

呆れていると…

「な、なんでそれを!」

「私達の情報力を舐めないでよ…こんな噂あっという間に広まるからね」

女性冒険者達が不敵に笑う…

「怖っ…、や、やっぱりミヅキちゃんぐらいの子を相手にしてる時が一番いいな…」

「「「同感だ…」」」

キャピキャピと話す女達に怯えながら男達はギルドを出ていった…

入れ違うようにミヅキがシルバ達とギルドに来ると…

「あっ!ミヅキちゃん!」

噂をしていた本人をみてベネット達が声をかける。

「ベネットさん!皆さんこんにちは~」

ミヅキがベネットさん達のテーブルに近づくと

「今、ちょうどミヅキちゃんの話をしてたの!ミヅキちゃんベイカーさん達とパーティ組んだのね」

「えっもう知ってるんですか?」

ミヅキが驚いていると

「残念だわ…ミヅキちゃんには是非ともうちのパーティに入って欲しかった…」

残念そうにしているベネットさん達に…ミヅキは嬉しそうに笑いかける。

「ありがとうございます。私あんまりそう言う声がかからなかったから敬遠されてるのかと思ってました!」

「「「えっ?」」」

パーティのリーダー達が耳を疑う。

「ミヅキちゃん…もしかしてパーティに誘われた事なかったの?」

「うん、また依頼一緒に受けようねとかはあったけどパーティはなかったなぁ~だから今回強引だけどアランさんが組んでくれて少し嬉しかったです!」

ニコニコと笑っていうミヅキにみんなは後悔しかなかった…

「そ、そうなのね…それは…本当に…本当に残念だわ」

ベネットさんがどうにか言葉を絞り出すと…

「でもアランさん変な名前つけちゃって…それだけはいただけなくて…」

「あぁ〝食いしん坊万歳〟ね~」

みんなもクスッと笑うと

「それなんで今日は名前を変えに来たんです」

「へー!何したの?聞いてもいいかしら?」

みんなが興味津々でミヅキに近づくと

「はい!〝マーブリング〟って名前にします」

「マーブリング?聞いたことないわね…」

わかる?と隣の冒険者を見るがみな一様に首を傾げる。

「マーブリングって水面に絵の具を垂らして、作った模様を紙などに写する技法のことなんだけど私達一人一人色んな色が混ざりあって一つしかないチームになれたらなって思ってつけたの…どうかな?」

ミヅキが伺うようにみんなを見ると

「素敵!さすがミヅキちゃんね!アランさんの食いしん坊万歳とはえらい違いだわ!」

「本当に…あー!私達もチーム名変えようかしら!」

冒険者のお姉さんたちがちょっと本気で考えている。

「えっなんで?私みんなのチームの名前大好きです!戦女の剣ってかっこいいし、ブレイブメイデンとか皆さんの雰囲気にピッタリだし…雪の海のマーメイドって素敵です!」

みんなのチーム名を答えると

「そ、そうかしら…」

恥ずかしそうに頬を染める。

「皆さんに考えて貰えばよかったです!アランさんなんかに頼まないで…」

はぁとため息をつくと

「もう…本当にミヅキちゃんて…」

困ったように笑ってミヅキを見つめる。

「ミヅキちゃんの考えたのもとっても素敵よ」

「うんうん!本当に!」

お姉さんたちが嬉しそうに褒めてくれると自信が出てきた!

「よかった~なんか物足りない感じもあったんですけど…」

そんな話をしていると…

「おーいミヅキ!早く来てくれ!」

ベイカーさんがギルドの外から声をかける!

「あっ!待って!まだ名前変えてないから!」

ミヅキが慌てて用紙を貰うと

「ミヅキちゃんごめんね、私達が話しかけちゃたから…あっ!よかったら私達が紙を出しておくわよ」

「いいんですか?」

「ええ!コレでいいのね?」

ベネットさん達が紙を受け取ると…

「よかったら何か付け足しといて下さい!皆さんの名前も凄く素敵だから」

ミヅキが笑ってお願いすると

「「「任せておいて!」」」

「素敵なのを考えておくわ!」

ミヅキは笑って手を振ってベイカーさんの元に向かった!


「はぁ…ミヅキちゃんと話すと癒されるわ…」

「同感~」

「でも名前何にする?ミヅキちゃんなら…天使とか聖女とか女神とか似合うけど…」

「いいわね!あとは…何かミヅキちゃんの綺麗な髪のイヴとかどうかしら?」

「それなら宝石みたいな宝だからジェムとかわ?」

「ジェムマーブリング…かっこいいんじゃない!」

「ちょっと待って!他にも何かないか調べて来るわ!」

「あっ!私も」

みんなが席を少し離した隙に…男の冒険者達が戻ってきた…

「あれ?ベネット達は?」

荷物だけテーブルに残され彼女達の姿がない…不審に思ってテーブルを見ると…

「なんだこれ?」

ミヅキ達のギルドチームの名前を変える用紙を見つける。

「あっ!食いしん坊万歳って書いてあるぞ」

笑っていると隣にマーブリングの文字を見つける。

「マーブリングってなんだ?」

「さぁ?聞かない言葉だな…しかし食いしん坊万歳を変えるならこの言葉を入れとかないとなぁ~」

冒険者のひとりが言葉を足すと…

「おい!いいのかよ」

注意するが

「これはただの落書きだろ?あいつらがどうせなんかいい名前でもないか考えてたんじゃないのか?」

「それもそうか…」

「落し物なら受付に預けて置こうぜ」

「そうだな…」

冒険者達はで紙を受付に持っていくと…

「これ、落ちてたよ」

笑ってお姉さんに紙を渡す。

「ありがとうございます」

受け付けのお姉さんは受け取ると紙を見る…それはギルド名変更用紙でキチンと名前が変えられていた…

「あら…処理し忘れた用紙かしら…」

お姉さんはサインを確認してしっかりと判を押すと名前変更は処理された。

その後戻ってきたベネット達が大騒ぎして紙を探すが見つからず…受け付けに出されたのを知ったのは半日もすぎた後だった…

どうにか頼み込んで返してもらおうとするが本人達でないと紙は貰えず…慌ててミヅキちゃん達を探しに行くと、ミヅキ達はもう既に町をでてどこかに出かけてしまい、いつ帰って来るかもわからない…

ベネット達は恐る恐るどんなチーム名になったのかを聞くと…

「食いしん坊万歳から変更され…〝暴食のマーブリング〟となっております」

間違ってない…間違ってないけど…

ベネット達はミヅキちゃん達が早く帰ってくるのを祈りながら待っていた…
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