ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

文字サイズ
特大
422 / 656
13章

562.合間の話3

二人はミヅキを見ると…

「こんなに店に貢献してるんだ、ちょっとここで俺達の相手してくれてもいいんだぜ」

ミヅキの腕を掴もうとすると、横からコジローさんが男の腕を掴んだ。

「すみません、うちはそういう店じゃないんで」

コジローさんが男の腕をギュッと掴むと

「痛えな!離せ!」

男が腕を振り払う。

「もういい!早くしろ!これももう持って帰るから包め!」

食べていた丼をガンッ!と叩きつける!

「はい…こちらでお包みします」

コジローさんが受け取ると

「ミヅキは奥に行ってな、シルバさんが心配していたぞ」

「うん、コジローさんありがとう…気をつけて」

ミヅキはそっとコジローに触るとコジローさんの強ばっていた表情が緩んでニコッと笑った顔を見せてくれた。

ミヅキは言われた通りにムツカを連れて奥に引っ込む。

ルンバさんとファルさんがしっかりと私達を間に挟んで守るように立つと商品を包んで男達に渡した。

「ほらよ、全部で銀貨八枚と銅貨四枚だ」

ドサッと男達の前に置くと金を要求する、男達はチラッとお互いを見た次の瞬間店の外めがけて走り出した!

「じゃあな!」

男達が笑いながら走り去る!

強化魔法を使っているのかなかなか足が早い、コジローさんが後を追うと…

【シルバ!お願い捕まえて!】

【おう!きっちり丼を取り返してくるぞ!】

シルバが駆け出した!

【シルバ…丼じゃなくて男達の確保ねー!】

【確保?足の一つくらい無くてもいいよな?】

【だ、ダメだよ!セバスさんに引き渡すからなるべく無傷でね!】

【ふー…仕方ない…】

シルバはスピードをあげた!

先に男達を追いかけていたコジローが男達を追い詰めようとしていると…

「いい加減に諦めろ!」

「くっそ…こいつなかなか早いぞ…」

男達は追いつかれそうになると持っていた丼を一つコジローに投げつけた!

「喰らえ!」

コジローは馬鹿にしているのか…と呆れて避けようとすると…

【コジロー!拾え!】

シルバの慌てた声が聞こえる!

【えっ!】

コジローは驚いたがどうにか飛びついて落とさず丼をキャッチすると…

【お前らー!ミヅキの飯を投げやがって!許さん!】

シルバはバッと二人に飛びかかると男達を前脚で踏み潰す!

グリッと力を込めると…メキメキ…と何かが折れる音がした。

「ぎゃー!」

「ど、どいてくれ~!」

【シルバさん、こいつらミヅキに手を出そうとしてましたよ】

コジローは男達が奪った丼をひとつ残らず回収するとシルバに声をかける。

【なんだと…】

シルバの踏みつける力が強くなると…男達は泡を吹いて気絶した…

「おーい!大丈夫!」

ミヅキ達がシルバ達の元に駆けつけると

「無事回収したよ」

コジローさんが笑顔で丼を見せると

「だから丼じゃなくて犯人の方ね」

ミヅキが苦笑すると

【何言ってる!ミヅキの作った飯の方が無事か優先するべきだろ!】

「まぁ犯人もシルバさんが捕まえてくれましたよ」

「ありがとう!二人ともコレでベイカーさん達の疑いも晴れるね!」

犯人を縛ろうとすると…

「ぎゃぁ!痛い!痛い!」

シルバに踏まれたところの骨がどうやら折れていたようで痛がって意識を取り戻し地面をのたうち回る。

「あれ?怪我してるの?」

ミヅキが聞くと

「大丈夫、少し転んだだけだ」

コジローさんがギュッと縄を男達の口に咥えると…

「大人しくしていろ…それ以上喚くならもっと折ってやろうか…」

コジローはミヅキを触ろうとしていた腕を逆方向に曲げた…

「ふうんんんん!」

口を塞がれ声にならない声をあげるがその声はミヅキ達には届かなかった…


店に戻るとセバスさん達を呼びに行ってもらう。

知らせを受けたセバスさんがベイカーさん達を連れて駆けつけると…

「はい!この人達が真犯人です!」

ミヅキが再び気絶している二人を突き出す。

「これが…俺達の偽物?」

白目を向いて気絶している男達を見下ろして見るが、あまり似ていない二人にアラン達もさすがに戸惑う。

「ちゃんと店で自分達の事をアランとベイカーだと名乗っていました」

「はい、俺達もしっかりと聞いています」

ルンバさんやファルさんが頷くと

「他にもいたお客さんに聞いてもらえば分かります」

「なるほど…」

セバスさんが頷くと…

「しかし、お店とはなんですか?」

セバスさんがにっこりと笑ってミヅキの方を見た。

「あっ…えっと…今度お店を出そうかなぁ~って…」

ススス…と隣のデボットさんの後ろに隠れると…

「おい、ここに居れば大丈夫だって言ったじゃないか!」

デボットさんがミヅキを見ると

「ちゃんと家に居ましたよ」

チラッと伺うように覗き込む。

「静かにしてるようにとも言ったはずですが?」

「無理はしてません!それに…ベイカーさん達が無実の罪で捕まってるのに、同じメンバーとして何もしないでいられませんでした…」

ミヅキがしゅんとすると

「セバスさん、ミヅキもちゃんと考えてました。追うのは俺達に任せて…まぁこいつらが少しちょっかいかけてきましたが…」

コジローさんが言うと

「「「ちょっかい?」」」

セバスさん達が男達を見下ろす…

「食い逃げに、偽装行為、さらに罪を重ねるとは…すみませんがこの人達をギルドに連れて言って貰えますか?」

セバスさんと一緒に来ていたギルドの職員にお願いすると…

「直々に拷も…尋問致しましょう」

「セバス、俺も付き合うぜ」

「セバスさん俺もいいよな、被害者だからな!」

アランとベイカーはボキボキと指を鳴らすと男達を掴んで引きずっていってしまった…

「ま、まぁ無事解決でいいかな?」

ミヅキが微妙な表情で振り返ると…

「そうだな…後はあの人達に任せよう」

「それがいいですね」

デボットさん達は頷くとミヅキを連れてお店へと戻って行った。

お店に待たせていたお客さん達にミノタウロス丼を振舞っていると…

「いやぁこんな店が出来て最高だな!また明日も通おうかな!」

ご機嫌に笑うお客さんに…

「ごめんなさい、このお店今日だけの限定なんですよ」

ミヅキが苦笑しながら謝った。

『ええぇ!!』

食べていた客達が驚きの声をあげた!

「今日限定…この味もう食べられないってこと?」

「まじかよ…すみません!持ち帰りを五個お願いします!」

「あっこっちも…えっと…うちは八個で!」

次々に注文が入る。

「あっ…すみませんけど今作ってる分で終わりになるから…一人三個まででいいですか?」

あまりの注文の数に並んでる人達の分が足らなくなりそうになっていた。

「あと三回しか食べられないのか…」

ガックリときているお客さん達の為に

「ドラゴン亭と黒猫亭ならこの味また食べれますよ」

ルンバさんとファルさんを見ると

「この二人そこの店主さんなんです」

「やった!じゃあ次はそっちに食いに行くな!」

「よかった…コレで落ち着いて食えるわ」

お客さん達もほっとひと息ついて丼を堪能した。


すっかりお店の料理が無くなり後片付けをしていると、ベイカーさんとアランさんがスッキリした顔で戻ってきた。

「おかえりなさい!」

ミヅキが二人に気がついて駆け寄ると

「ただいま!ミヅキありがとうな犯人捕まえてくれて」

ベイカーさん嬉しそうにミヅキを抱き上げる!

「よかった二人とも容疑が晴れて、でもなんであの人達ベイカーさん達のフリしてたの?」

「それが、あいつらが好きになった女がどうやら俺達を見かけたらしくて…なぁ…」

ベイカーさんが言葉を濁すと

「ん?」

ベイカーさんのはっきりしない答えにミヅキが首を傾げる。

「俺達に惚れた女に惚れての逆恨みだとよ!これだからモテる男はつらいよな!」

アランさんがドンッとベイカーの背中を叩くと

「へぇ…そうなんだ」

ミヅキがふーんと二人を見つめる。

「まぁそれで腹いせに俺達に変装して食い逃げやらナンパやらしてたらしい」

「あの人達はどうなったの?」

「ああ、セバスさん達がきっちりと罰を与えるって言ってたからな…もうこの町には近づかんだろ」

「二人とも災難だったね。でも少し暴食控えた方がいいんじゃないの?」

「そうだな…それが原因で信じて貰えなかったからな」

ベイカーとアランが頷くと…

「ミヅキー!ミノタウロス丼の残りは全部シルバ達にあげちゃって良かったんだよな?」

コジローさんが偽物の男達から回収した丼の事を聞いてくると…

「なに!ミノタウロス丼!」

「そういやお店を開いたって言ってたな!俺達の分はあるのか!」

二人が食いつくと…

「ねぇ…つい一分前に言った言葉はどうしたの?」

全く反省のない二人に呆れると

「それとこれは話が別だ!」

「そうそう、ミヅキの飯は別腹だからな」

ベイカーとアランは丼を求めて駆け出した…が!そのほとんどはシルバ達の胃袋に既に収まっていた…

感想 6,830

あなたにおすすめの小説

【完結】私の出産日に初恋の人を選んだ夫、あなたを彼女に返品します 表紙

【完結】私の出産日に初恋の人を選んだ夫、あなたを彼女に返品します

「子供っぽい嫉妬はやめろ」私が命懸けで出産した日、夫のヴィンセント侯爵は初恋の人の所へ行ってしまった。理由を説明して欲しいと言うと、子供っぽい嫉妬をやめろと厳しい声で言われてしまう。しかも初恋の相手がいきなりやってきて「侯爵様は昔から私を命懸けで助けてくれるんです」と悪びれもせずに言い放った。妻よりも初恋相手を優先する夫は必要ないので私は夫を初恋相手へ返品した。すると生まれてから一度も人に頭を下げたことのないヴィンセントが、ボロボロになって私に頭を下げてきて⋯⋯。
恋愛 連載中 長編
文字数:94,149
過保護すぎる家族に囲まれて育ったら、外の世界が危険すぎました 〜冷酷公爵の父と最強兄たちに溺愛される日々〜 表紙

過保護すぎる家族に囲まれて育ったら、外の世界が危険すぎました 〜冷酷公爵の父と最強兄たちに溺愛される日々〜

過保護な父と兄たちに囲まれて育った少女。 初めての外は危険だらけ——のはずが、全部“秒で解決”。 溺愛×コメディ×ほんのり成長の、ほっこり家族物語。
恋愛 完結 短編
文字数:20,369
転生先で冒険者専門のお弁当屋さん始めます〜助けてくれた冒険者兄弟にお礼をしたかっただけなのに、大繁盛してしまいました〜 表紙

転生先で冒険者専門のお弁当屋さん始めます〜助けてくれた冒険者兄弟にお礼をしたかっただけなのに、大繁盛してしまいました〜

保育士として働いていた莉子は、ある日の仕事中に暴走してくる車から子どもたちを守り、死んでしまう。 しかし、目が覚めるとそこは深い森の中。 ここはどこだろうと彷徨い歩いているうちに狼のような獣に襲われかけたものの、間一髪のところで冒険者の兄弟、ベクターとゼノに助けてもらった。 家族が宿屋をやっているから、と行くあてもない莉子を拾ってくれた二人。 やってきたのは、リーベル王国の国境付近にある街、ベルン伯爵領。 そこにある人気の宿屋に身を置くことになった莉子は、様々な事情を知りながら身を寄せることへのお礼のため、ベクターとゼノにお弁当を作ろうと決意して──?
ファンタジー 連載中 長編
文字数:124,638
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか? 表紙

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
ファンタジー 完結 長編
文字数:148,101
『死ぬほど愛されたい』と願ったら、最強の公爵家に転生して家族の愛が重すぎます!〜赤ちゃん令嬢は『慈愛の眼』で今日もデレを解析中〜 表紙

『死ぬほど愛されたい』と願ったら、最強の公爵家に転生して家族の愛が重すぎます!〜赤ちゃん令嬢は『慈愛の眼』で今日もデレを解析中〜

元・社畜SE、今世は国宝級の赤ん坊!? 最強の父様とお兄様が過保護すぎて、一歩歩くだけで国が揺れちゃいます!
ファンタジー 完結 長編
文字数:187,096
捨てられた三歳の聖女ですが、辺境伯家に拾われたら家族全員が過保護でした 表紙

捨てられた三歳の聖女ですが、辺境伯家に拾われたら家族全員が過保護でした

神殿で無能と決めつけられ、三歳で捨てられた少女リリア。 辺境伯家に保護された彼女は、厳つい辺境伯やお兄様たち、領民にまで溺愛されながら幸せな日々を送ることに。 けれど実はリリアは、数百年に一人現れる伝説級の聖女だった。 これは捨てられた幼女聖女が、たくさんの愛に包まれながら成長していく物語。
ファンタジー 完結 短編
文字数:36,970
悪役令嬢ですが、兄たちが過保護すぎて恋ができません 表紙

悪役令嬢ですが、兄たちが過保護すぎて恋ができません

乙女ゲームの悪役令嬢・セレフィーナに転生した私。 破滅回避のため、目立たず静かに生きる――はずだった。 しかし現実は、三人の兄による全力溺愛&完全監視生活。 外出には護衛、交友関係は管理制、笑顔すら規制対象!? さらに兄の親友である最強騎士・カインが護衛として加わり、 静かで誠実な優しさに、次第に心が揺れていく。 「恋をすると破滅する」 そう信じて避けてきた想いの先で待っていたのは、 断罪も修羅場もない、安心で騒がしい未来だった――。
恋愛 完結 短編
文字数:14,447
初夜のあとに愛する人がいると言われたので祝福で身体の時間を一日戻しました 表紙

初夜のあとに愛する人がいると言われたので祝福で身体の時間を一日戻しました

夫婦となって初めて迎えた夜、セレンティアは夫リオールから「俺には、愛する人がいる」と告げられる。 彼が初夜を済ませた理由は、三年後に白い結婚として婚姻無効を申し立てられないようにするためだった。 けれどリオールは知らなかった。セレンティアの祝福《一日回帰》が、自分自身の身体にも使えることを。 セレンティアは自分の身体の時間を一日前へ戻し、三年間、侯爵家の妻として務めを果たすことを決める。 夫に愛されるためではない。三年後、白い結婚としてこの家を出ていくために。
恋愛 完結 短編
文字数:12,593