ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

文字サイズ
特大
429 / 656
14章

閑話【酒は飲んでものまれるな】

その日、ベイカー、セバス、アラン、コジロー、ムサシは夜集まって酒を酌み交わしていた…

「コジローは少なめにしておけよ!」

ベイカーが注意すると

「はい、ミヅキ作ってくれた酒ならそんなに酔わずに楽しめますので大丈夫です」

チビチビと飲みながら頷くと…

「へー?どんなやつだ?」

ベイカーが興味津々にコジローのコップを覗き込むと…

「梅酒と言うらしいです。梅を酒とさとうで付けてそれを水で割って飲むそうです。酒の量を調節できるので俺にはちょうどいいんですよ」

「へぇ~俺も飲んでみたいな」

ベイカーがコップを差し出すと

「ベイカーさんなら…そんなに割らなくても大丈夫ですかね…」

コジローは梅酒、八の水、二で作ってやるとベイカーの前に置く。

「サンキュ!」

ベイカーは受け取るとゴクゴクと一気に飲むと…

「うっま!甘くて飲みやすいな、あいつ…本当になんなんだ…なんで子供が酒の作り方知ってんだよ…」

ブツブツ文句を言っている。

「やっぱりミヅキは凄いです…」

しみじみとコジローが頷きながらつぶやくと

「お前…やっぱりミヅキが…そういう意味で好きなのか?あいつまだ子供だぞ?」

ベイカーがじっとコジローを見つめると

「な、何言ってるんですか!違いますよ!ミヅキは恩人です…そんな気持ちじゃないです!確かに可愛いですし守りたいし、ずっと抱いていたいと思いますが…それはベイカーさんだって一緒ですよね!」

「うん?まぁ…そうだな…なんか違う気もするが…じゃあコジローの好きな女のタイプってのはどんな人なんだ?」

「えっ?好きな…」

コジローはうーんと考えると…

「そうですね…他人の気持ちを慮れる人がいいですね。人の痛みをわかる人…綺麗…よりは可愛い人が好きです」

「それって…」

「ベイカーさん」

隣で聞いていたムサシがベイカーの肩を掴むと無言で首を振る…

皆まで言うなと言うように…

ベイカーは苦笑すると

「じゃあムサシはどんな人がタイプだ?」

「俺ですか?俺は…俺の容姿を好きって言ってくれる人なら…あとは動物が好きな人がいいかな…」

「おい…」

ベイカーが呆れて声をかけると

「え?…あっ、あれ?」

自分で言ってて気がついたのか頬を染める。

 話が広がり今度はアランが答えると

「俺は料理が美味いの一択だな!あと、出来れば掃除洗濯が得意なやつならなおのこといい!」

「それって…セシルさ…」

「やめとけ!」

ベイカーが止めると

「セ、セバスさんはどうだ?」

「私ですか?」

セバスは酒を飲むと考えるようにゆっくり言葉にする。

「そうですね…自分をしっかりと持っていて、しかしそれを押し付けるわけでなく…全てを包み込んでくれるような方がいいですね…」

「そんなやついるか!?」

アランがつっこむと

「あとは…泣き顔が可愛らしい人がいいですね」

「「「「えっ…」」」」

「相手が泣き出すまでいじめてさしあげて、泣きならがごめんなさいと上目遣いに謝ってきたところを目一杯可愛がってあげたいです」

「そ、そうか…セバスさん…ちょっと飲みすぎてない?」

ベイカーが伺うように聞くと…

「あっ!こいつ隠れて何本も酒瓶空けてやがる!」

アランがセバスの後ろに隠れていた酒瓶を見つけると…

「まさか…これがセバスさんの酔った姿か…」

ゴクッと唾を飲み込む…

「なんか一気に酔いが覚めました…」

コジローがブルっと震えると

「この事はここだけの秘密にしておこう…いいか、ここで聞いた事は他言無用だ」

「「はい」」

コジローとムサシが頷くと

「はぁ?別に大丈夫だろ。セバスの好きなタイプなんてどうでもいいわ!それにこいつ毎回こんな事言ってるぜ」

アランが笑うと

「ええ、そうですよね。アラン…ほら、コップが空ですよ。もっと飲みなさい…」

セバスがアランの頭を掴むとグイッと酒をコップに注ぎ込む。

「飲め」

にっこりと笑うと

「な、何言ってるんだよ…さぁそろそろお開きにしようか…」

席を立とうとすると

「俺の酒が飲めないのか?」

ガシッと頭を掴んで押さえつける。

「わかったよ!一杯だけだからな!」

アランがゴクッと一気に飲み干すと…

トクトクトク…

さらに注ぎ込む…それを永遠と繰り返していると

「わかった!俺が悪かった!もう勘弁してくれ…な?」

アランが泣きそうになりながらセバスに謝ると

「そうですね、このくらいにしておきますか」

満足そうに微笑んだ。

「怖っ…」

ベイカー達は見ては行けないものを見てしまった気分にサッと顔を逸らす。

「あれ?ベイカーさんも飲みますか?」

セバスさんの声にベイカー達はアランさんを置いて振り返ることなく逃げ出した!

次の日…怖々セバスさんとアランさんに会いに行くと…

「おはようございます」

セバスさんは何事もなかったかの様に仕事をしていた…

「あれ?」

ベイカーは拍子抜けすると

「セバスさん…アランさんは?」

「アランですか?昨日酔いつぶれたようなのでギルマスの家に放り投げて来ましたよ。そのあとは知りませんが」

「セバスさん…昨日の記憶…ってあり、ます、よね?」

伺うように聞くと

「なんの事ですか?」

セバスさんがわけが分からないと顔をしかめると…

「あっ、無いならいいんですよ」

ベイカーがほっとしてギルドを出ようとすると…

「コジローさんとムサシさんに言っておいて下さいね、ミヅキさんは嫁には出しませんよと…」

「へ?」

ベイカーは振り返るが、セバスはもう既に仕事をしていて忙しそうで話を聞ける雰囲気ではなかった…

「まさか…あれは演技?それとも本心…」

ベイカーは寒気がするとアランの様子を見にギルマスの家へと向かった。

ギルマスの家には二日酔いで頭を抱えるアランさんがウンウンと唸っていた…


注意⚠お酒を強要する行為は犯罪です!決して真似をしないでくださいね!
感想 6,830

あなたにおすすめの小説

【完結】私の出産日に初恋の人を選んだ夫、あなたを彼女に返品します 表紙

【完結】私の出産日に初恋の人を選んだ夫、あなたを彼女に返品します

「子供っぽい嫉妬はやめろ」私が命懸けで出産した日、夫のヴィンセント侯爵は初恋の人の所へ行ってしまった。理由を説明して欲しいと言うと、子供っぽい嫉妬をやめろと厳しい声で言われてしまう。しかも初恋の相手がいきなりやってきて「侯爵様は昔から私を命懸けで助けてくれるんです」と悪びれもせずに言い放った。妻よりも初恋相手を優先する夫は必要ないので私は夫を初恋相手へ返品した。すると生まれてから一度も人に頭を下げたことのないヴィンセントが、ボロボロになって私に頭を下げてきて⋯⋯。
恋愛 連載中 長編
文字数:94,149
過保護すぎる家族に囲まれて育ったら、外の世界が危険すぎました 〜冷酷公爵の父と最強兄たちに溺愛される日々〜 表紙

過保護すぎる家族に囲まれて育ったら、外の世界が危険すぎました 〜冷酷公爵の父と最強兄たちに溺愛される日々〜

過保護な父と兄たちに囲まれて育った少女。 初めての外は危険だらけ——のはずが、全部“秒で解決”。 溺愛×コメディ×ほんのり成長の、ほっこり家族物語。
恋愛 完結 短編
文字数:20,369
転生先で冒険者専門のお弁当屋さん始めます〜助けてくれた冒険者兄弟にお礼をしたかっただけなのに、大繁盛してしまいました〜 表紙

転生先で冒険者専門のお弁当屋さん始めます〜助けてくれた冒険者兄弟にお礼をしたかっただけなのに、大繁盛してしまいました〜

保育士として働いていた莉子は、ある日の仕事中に暴走してくる車から子どもたちを守り、死んでしまう。 しかし、目が覚めるとそこは深い森の中。 ここはどこだろうと彷徨い歩いているうちに狼のような獣に襲われかけたものの、間一髪のところで冒険者の兄弟、ベクターとゼノに助けてもらった。 家族が宿屋をやっているから、と行くあてもない莉子を拾ってくれた二人。 やってきたのは、リーベル王国の国境付近にある街、ベルン伯爵領。 そこにある人気の宿屋に身を置くことになった莉子は、様々な事情を知りながら身を寄せることへのお礼のため、ベクターとゼノにお弁当を作ろうと決意して──?
ファンタジー 連載中 長編
文字数:124,638
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか? 表紙

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
ファンタジー 完結 長編
文字数:148,101
悪役令嬢ですが、兄たちが過保護すぎて恋ができません 表紙

悪役令嬢ですが、兄たちが過保護すぎて恋ができません

乙女ゲームの悪役令嬢・セレフィーナに転生した私。 破滅回避のため、目立たず静かに生きる――はずだった。 しかし現実は、三人の兄による全力溺愛&完全監視生活。 外出には護衛、交友関係は管理制、笑顔すら規制対象!? さらに兄の親友である最強騎士・カインが護衛として加わり、 静かで誠実な優しさに、次第に心が揺れていく。 「恋をすると破滅する」 そう信じて避けてきた想いの先で待っていたのは、 断罪も修羅場もない、安心で騒がしい未来だった――。
恋愛 完結 短編
文字数:14,447
『死ぬほど愛されたい』と願ったら、最強の公爵家に転生して家族の愛が重すぎます!〜赤ちゃん令嬢は『慈愛の眼』で今日もデレを解析中〜 表紙

『死ぬほど愛されたい』と願ったら、最強の公爵家に転生して家族の愛が重すぎます!〜赤ちゃん令嬢は『慈愛の眼』で今日もデレを解析中〜

元・社畜SE、今世は国宝級の赤ん坊!? 最強の父様とお兄様が過保護すぎて、一歩歩くだけで国が揺れちゃいます!
ファンタジー 完結 長編
文字数:187,096
捨てられた三歳の聖女ですが、辺境伯家に拾われたら家族全員が過保護でした 表紙

捨てられた三歳の聖女ですが、辺境伯家に拾われたら家族全員が過保護でした

神殿で無能と決めつけられ、三歳で捨てられた少女リリア。 辺境伯家に保護された彼女は、厳つい辺境伯やお兄様たち、領民にまで溺愛されながら幸せな日々を送ることに。 けれど実はリリアは、数百年に一人現れる伝説級の聖女だった。 これは捨てられた幼女聖女が、たくさんの愛に包まれながら成長していく物語。
ファンタジー 完結 短編
文字数:36,970
初夜のあとに愛する人がいると言われたので祝福で身体の時間を一日戻しました 表紙

初夜のあとに愛する人がいると言われたので祝福で身体の時間を一日戻しました

夫婦となって初めて迎えた夜、セレンティアは夫リオールから「俺には、愛する人がいる」と告げられる。 彼が初夜を済ませた理由は、三年後に白い結婚として婚姻無効を申し立てられないようにするためだった。 けれどリオールは知らなかった。セレンティアの祝福《一日回帰》が、自分自身の身体にも使えることを。 セレンティアは自分の身体の時間を一日前へ戻し、三年間、侯爵家の妻として務めを果たすことを決める。 夫に愛されるためではない。三年後、白い結婚としてこの家を出ていくために。
恋愛 完結 短編
文字数:12,593