文字サイズ
小
中
大
特大
439 / 656
14章
572.リングス商会
「失礼…マルコさんはいますかね?」
男が声をかけると従業員は目の前の執事をサッと見て微笑む。
「はい、お約束がありますでしょか?」
身なりから上客そうに見えるが一応確認の為に質問すると
「あっすみません、近くをよったものですから顔を出そうと…」
困った様に笑うと
「そうですか…申し訳ありませんがお約束がないと…」
申し訳無さそうに頭を下げる。
「もし、良ければお名前をお聞かせ頂けますか?」
「そうですか…ではディアナと…」
「えっ?」
従業員がマジマジと目の前の男性を見つめていると…
「こんにちは!」
ちょこっと後ろから可愛い男の子が顔を出す。
その顔を交互に見るとハッと顔を強ばらせた。
「あっ!す、すみません!すぐに呼んで来ますね!」
従業員はペコッと頭を下げると小走りで裏へと向かった!
言葉通り少しもしないうちにマルコさんが慌ててかけてきた!
「お、お待たせ致しました!」
笑って待っている三人を見ると…
「これは…お久しぶりですね。こちらにどうぞ」
にっこり笑って個室へと案内した。
部屋に入るなり…
「どうしたんですか!?その格好!しかも来たと思ったらもう飛び立ったって聞きましたよ!なんでいるんですか!」
店での落ち着いた態度は消えて質問を投げかけてくる。
「ごめんなさい、なんか目立つから変装してました!さっきこの格好で学校の見学に行ってきましたよ。いい感じになってましたね!リュカ達が頑張ってくれてるみたい」
ミヅキが帽子を取って笑うとマルコさんは苦笑して一緒に席に座ると
「そうですね、人もどんどん増えて来ています。講師になりたいと言われる方も多くて…あっそういえばデボットさんとレアルさんは今日は?」
「あの二人はお留守番です!マルコさんによろしくって言ってました」
「そうですか…あの二人がいてくれると面接とか楽になるんですけどね…」
マルコさんが残念そうにため息をつく。
「今は面接は誰が?」
「私達だけでは大変なので、ギースさん達にお願いしています。リバーシの方は最初に入った従業員達の優秀な者を昇格致しまして任せています」
「へー?誰だろ?」
ミヅキが誰がいたかなと首を傾げると
「責任者はファングさんです」
マルコさんがにっこりと笑うと
「ファングさん…あー!あの手が優しい人か!いいですね!」
グッと親指を立てる。
「ええ、一時病気で老けて見えましたが今は若々しくなりしっかりと職務を全うしていますよ」
「そっか~なら安心ですね!」
「子供達も第一期の子供達はほぼ独立しておりますし、今はミトくんやラバくん達が下の子の面倒も見ていますよ」
「ミト達が!はぁ…子供の成長は早いですね…」
ミヅキがしみじみと言うと、ベイカーさん達が呆れてミヅキを見つめる。
「お前…自分だってそう歳の変わらない子供だろうが…」
「あはっ!そうだったね」
ミヅキは頭に手を当てて笑って誤魔化した。
「ま、まぁそういう事ですので王都の方は順調ですよ!」
「よかった…」
ミヅキがほっと胸を撫で下ろすと
「マルコさんにおまかせしておいてよかったです!ありがとうございました」
「いえ、お礼を言うのはこちらですよ…」
マルコさんが微笑むと…
「それはそうと王子の噂は聞きましたか?」
マルコさんが話題を変える。
「えっ?王子?レオンハルトの事?」
ミヅキが首を傾げると
「あっそうだ!確か獣人の国に言ってるんだよね?」
「そうですね…」
「さっき王宮にも寄ったけど国王には会ってないんだよね~なんか先に街を見て来いって…」
マルコさんはじっと何かを考えていると
「マルコさん?」
様子のおかしなマルコさんに話しかける。
「あっ…いえなんでもありません。王子も自分で出来ることを頑張っていると聞きましたよ」
「へー!じゃあ会ったら楽しみだな!」
ミヅキが笑っているのをマルコさんは複雑な思いで見つめていた…すると扉をノックする音が聞こえた。
「はい」
マルコさんが立ち上がって扉を開くと…そこにはムサシさんが立っていた。
「ムサシさん!」
「兄さん!」
ミヅキとコジローが立ち上がって声をかけると
「ああ、客ってのはコジロー達か」
笑って部屋に入ってくる。
「なんかムサシさん…オドオドした感じが無くなったね?」
しっかりと上を向いて目と目を合わせて話している様子にミヅキがじっと見ると
「ここに連れてきてもらったおかげかな、ここにいると自分が至極普通に感じるからな」
「兄さんは元からずっと普通だよ」
コジローが嬉しそうに答える。
「そうだな、ここで一番普通じゃないのはこいつだもんな」
ベイカーが笑ってミヅキの頭を掴むと
「えー!?私?」
ミヅキが驚いてみんなを見回す。
するとみんなが納得するように頷いていた…ミヅキは一人納得出来ずに頬を膨らませていた!
その後コジローさんとムサシさんは二人で兄弟で話があると席を外し、ミヅキはマルコさんと他の料理や商品の話をする。
「ほぉ…エルフの国ですか…聞いた事はありましたがそんな近くにあったんですね」
「まぁでもかなり魔力高くないと行けないから普通の人は行けませんね。それにあんまり広めるとエルフの人達にも迷惑かけちゃうから」
「なるほど…ではこの事はここだけの話に…しかし…」
マルコさんがじっとミヅキを見つめると
「その豆腐の唐揚げと蜂蜜を使ったレシピは是非とも教えて下さいね!あと可能ならエルフ産の蜂蜜も卸したいですね…」
「は、はい…あっあとこの皮入りますか?」
ミヅキはベイカーさん達と討伐したデットサルコスクスの皮を取り出すと
「ちょっと硬くて加工しにくいかもしれないけど…鰐皮って人気ありそうですよね?」
「こ、これは…」
マルコさんが皮を受け取ると
「大きさといい硬さといい最高ですね…しかしよく切れましたね」
「それはこれを使ってね!」
ミヅキは神木のナイフを見せる。
「これは…大変希少価値が出るかも知れません…そうだ!これを使った商品をリバーシ大会の賞品にしてもよろしいでしょうか!?」
「あー…別に私はなんでも…それマルコさんのお土産ですけど商品にしちゃっていいんですか?」
「もちろんです!切れ端はきっちりと使わせてもらいます」
ニヤリと笑う。
「それともしかしたら、ジンとユウくんって言う子が学校に来るかもしれないんですよ…いつ来るかわからないけど結構しっかりした子達でもし来たら面倒見てあげてください」
「わかりました。ミヅキさんに目を付けられるなんて幸せな子達ですね。王都に来た際は連絡致しますね」
「お願いします!」
ミヅキはとりあえず伝えるべき事を伝えて力を抜くと…
「それで…ミヅキさんその首から下げてるネックレスですけど」
マルコさんの目がキランと光った。
男が声をかけると従業員は目の前の執事をサッと見て微笑む。
「はい、お約束がありますでしょか?」
身なりから上客そうに見えるが一応確認の為に質問すると
「あっすみません、近くをよったものですから顔を出そうと…」
困った様に笑うと
「そうですか…申し訳ありませんがお約束がないと…」
申し訳無さそうに頭を下げる。
「もし、良ければお名前をお聞かせ頂けますか?」
「そうですか…ではディアナと…」
「えっ?」
従業員がマジマジと目の前の男性を見つめていると…
「こんにちは!」
ちょこっと後ろから可愛い男の子が顔を出す。
その顔を交互に見るとハッと顔を強ばらせた。
「あっ!す、すみません!すぐに呼んで来ますね!」
従業員はペコッと頭を下げると小走りで裏へと向かった!
言葉通り少しもしないうちにマルコさんが慌ててかけてきた!
「お、お待たせ致しました!」
笑って待っている三人を見ると…
「これは…お久しぶりですね。こちらにどうぞ」
にっこり笑って個室へと案内した。
部屋に入るなり…
「どうしたんですか!?その格好!しかも来たと思ったらもう飛び立ったって聞きましたよ!なんでいるんですか!」
店での落ち着いた態度は消えて質問を投げかけてくる。
「ごめんなさい、なんか目立つから変装してました!さっきこの格好で学校の見学に行ってきましたよ。いい感じになってましたね!リュカ達が頑張ってくれてるみたい」
ミヅキが帽子を取って笑うとマルコさんは苦笑して一緒に席に座ると
「そうですね、人もどんどん増えて来ています。講師になりたいと言われる方も多くて…あっそういえばデボットさんとレアルさんは今日は?」
「あの二人はお留守番です!マルコさんによろしくって言ってました」
「そうですか…あの二人がいてくれると面接とか楽になるんですけどね…」
マルコさんが残念そうにため息をつく。
「今は面接は誰が?」
「私達だけでは大変なので、ギースさん達にお願いしています。リバーシの方は最初に入った従業員達の優秀な者を昇格致しまして任せています」
「へー?誰だろ?」
ミヅキが誰がいたかなと首を傾げると
「責任者はファングさんです」
マルコさんがにっこりと笑うと
「ファングさん…あー!あの手が優しい人か!いいですね!」
グッと親指を立てる。
「ええ、一時病気で老けて見えましたが今は若々しくなりしっかりと職務を全うしていますよ」
「そっか~なら安心ですね!」
「子供達も第一期の子供達はほぼ独立しておりますし、今はミトくんやラバくん達が下の子の面倒も見ていますよ」
「ミト達が!はぁ…子供の成長は早いですね…」
ミヅキがしみじみと言うと、ベイカーさん達が呆れてミヅキを見つめる。
「お前…自分だってそう歳の変わらない子供だろうが…」
「あはっ!そうだったね」
ミヅキは頭に手を当てて笑って誤魔化した。
「ま、まぁそういう事ですので王都の方は順調ですよ!」
「よかった…」
ミヅキがほっと胸を撫で下ろすと
「マルコさんにおまかせしておいてよかったです!ありがとうございました」
「いえ、お礼を言うのはこちらですよ…」
マルコさんが微笑むと…
「それはそうと王子の噂は聞きましたか?」
マルコさんが話題を変える。
「えっ?王子?レオンハルトの事?」
ミヅキが首を傾げると
「あっそうだ!確か獣人の国に言ってるんだよね?」
「そうですね…」
「さっき王宮にも寄ったけど国王には会ってないんだよね~なんか先に街を見て来いって…」
マルコさんはじっと何かを考えていると
「マルコさん?」
様子のおかしなマルコさんに話しかける。
「あっ…いえなんでもありません。王子も自分で出来ることを頑張っていると聞きましたよ」
「へー!じゃあ会ったら楽しみだな!」
ミヅキが笑っているのをマルコさんは複雑な思いで見つめていた…すると扉をノックする音が聞こえた。
「はい」
マルコさんが立ち上がって扉を開くと…そこにはムサシさんが立っていた。
「ムサシさん!」
「兄さん!」
ミヅキとコジローが立ち上がって声をかけると
「ああ、客ってのはコジロー達か」
笑って部屋に入ってくる。
「なんかムサシさん…オドオドした感じが無くなったね?」
しっかりと上を向いて目と目を合わせて話している様子にミヅキがじっと見ると
「ここに連れてきてもらったおかげかな、ここにいると自分が至極普通に感じるからな」
「兄さんは元からずっと普通だよ」
コジローが嬉しそうに答える。
「そうだな、ここで一番普通じゃないのはこいつだもんな」
ベイカーが笑ってミヅキの頭を掴むと
「えー!?私?」
ミヅキが驚いてみんなを見回す。
するとみんなが納得するように頷いていた…ミヅキは一人納得出来ずに頬を膨らませていた!
その後コジローさんとムサシさんは二人で兄弟で話があると席を外し、ミヅキはマルコさんと他の料理や商品の話をする。
「ほぉ…エルフの国ですか…聞いた事はありましたがそんな近くにあったんですね」
「まぁでもかなり魔力高くないと行けないから普通の人は行けませんね。それにあんまり広めるとエルフの人達にも迷惑かけちゃうから」
「なるほど…ではこの事はここだけの話に…しかし…」
マルコさんがじっとミヅキを見つめると
「その豆腐の唐揚げと蜂蜜を使ったレシピは是非とも教えて下さいね!あと可能ならエルフ産の蜂蜜も卸したいですね…」
「は、はい…あっあとこの皮入りますか?」
ミヅキはベイカーさん達と討伐したデットサルコスクスの皮を取り出すと
「ちょっと硬くて加工しにくいかもしれないけど…鰐皮って人気ありそうですよね?」
「こ、これは…」
マルコさんが皮を受け取ると
「大きさといい硬さといい最高ですね…しかしよく切れましたね」
「それはこれを使ってね!」
ミヅキは神木のナイフを見せる。
「これは…大変希少価値が出るかも知れません…そうだ!これを使った商品をリバーシ大会の賞品にしてもよろしいでしょうか!?」
「あー…別に私はなんでも…それマルコさんのお土産ですけど商品にしちゃっていいんですか?」
「もちろんです!切れ端はきっちりと使わせてもらいます」
ニヤリと笑う。
「それともしかしたら、ジンとユウくんって言う子が学校に来るかもしれないんですよ…いつ来るかわからないけど結構しっかりした子達でもし来たら面倒見てあげてください」
「わかりました。ミヅキさんに目を付けられるなんて幸せな子達ですね。王都に来た際は連絡致しますね」
「お願いします!」
ミヅキはとりあえず伝えるべき事を伝えて力を抜くと…
「それで…ミヅキさんその首から下げてるネックレスですけど」
マルコさんの目がキランと光った。
感想 6,830
あなたにおすすめの小説
【完結】私の出産日に初恋の人を選んだ夫、あなたを彼女に返品します
「子供っぽい嫉妬はやめろ」私が命懸けで出産した日、夫のヴィンセント侯爵は初恋の人の所へ行ってしまった。理由を説明して欲しいと言うと、子供っぽい嫉妬をやめろと厳しい声で言われてしまう。しかも初恋の相手がいきなりやってきて「侯爵様は昔から私を命懸けで助けてくれるんです」と悪びれもせずに言い放った。妻よりも初恋相手を優先する夫は必要ないので私は夫を初恋相手へ返品した。すると生まれてから一度も人に頭を下げたことのないヴィンセントが、ボロボロになって私に頭を下げてきて⋯⋯。
過保護すぎる家族に囲まれて育ったら、外の世界が危険すぎました 〜冷酷公爵の父と最強兄たちに溺愛される日々〜
過保護な父と兄たちに囲まれて育った少女。
初めての外は危険だらけ——のはずが、全部“秒で解決”。
溺愛×コメディ×ほんのり成長の、ほっこり家族物語。
転生先で冒険者専門のお弁当屋さん始めます〜助けてくれた冒険者兄弟にお礼をしたかっただけなのに、大繁盛してしまいました〜
保育士として働いていた莉子は、ある日の仕事中に暴走してくる車から子どもたちを守り、死んでしまう。
しかし、目が覚めるとそこは深い森の中。
ここはどこだろうと彷徨い歩いているうちに狼のような獣に襲われかけたものの、間一髪のところで冒険者の兄弟、ベクターとゼノに助けてもらった。
家族が宿屋をやっているから、と行くあてもない莉子を拾ってくれた二人。
やってきたのは、リーベル王国の国境付近にある街、ベルン伯爵領。
そこにある人気の宿屋に身を置くことになった莉子は、様々な事情を知りながら身を寄せることへのお礼のため、ベクターとゼノにお弁当を作ろうと決意して──?
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。
そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった!
亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。
「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」
「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」
おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。
現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。
お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、
美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
『死ぬほど愛されたい』と願ったら、最強の公爵家に転生して家族の愛が重すぎます!〜赤ちゃん令嬢は『慈愛の眼』で今日もデレを解析中〜
元・社畜SE、今世は国宝級の赤ん坊!? 最強の父様とお兄様が過保護すぎて、一歩歩くだけで国が揺れちゃいます!
捨てられた三歳の聖女ですが、辺境伯家に拾われたら家族全員が過保護でした
神殿で無能と決めつけられ、三歳で捨てられた少女リリア。
辺境伯家に保護された彼女は、厳つい辺境伯やお兄様たち、領民にまで溺愛されながら幸せな日々を送ることに。
けれど実はリリアは、数百年に一人現れる伝説級の聖女だった。
これは捨てられた幼女聖女が、たくさんの愛に包まれながら成長していく物語。
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
悪役令嬢ですが、兄たちが過保護すぎて恋ができません
乙女ゲームの悪役令嬢・セレフィーナに転生した私。
破滅回避のため、目立たず静かに生きる――はずだった。
しかし現実は、三人の兄による全力溺愛&完全監視生活。
外出には護衛、交友関係は管理制、笑顔すら規制対象!?
さらに兄の親友である最強騎士・カインが護衛として加わり、
静かで誠実な優しさに、次第に心が揺れていく。
「恋をすると破滅する」
そう信じて避けてきた想いの先で待っていたのは、
断罪も修羅場もない、安心で騒がしい未来だった――。