ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

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14章

574.獣人の国

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ミヅキ達は最短ルートだとアルフノーヴァさん達と出くわしそうなので少し遠回りをしながら獣人の国を目指した。

「楽しみだなぁ~やっぱりみんなケモ耳に尻尾があるのかな?」

ミヅキはニコニコとご機嫌に笑いながらベイカーさんとコジローさんに聞くと

「お前、シリウスさんやユリウスさんみたいなの想像してるだろ?」

ベイカーさんがため息混じりにミヅキを見つめると

「うん、違うの?まぁシリウスさんやユリウスさんほどかっこいい獣人だらけとは思ってないよ」

「いや、そこじゃねぇよ…ミヅキ、初めてシリウス達に会った時の反応忘れたか?」

「初めて…あれは…デボットさんに捕まった監禁部屋だったな…」

ミヅキはシリウスさんとの出会いを思い出す。

「あー…」

ベイカーがなんとも言えない顔をする…

「はは!デボットさんなんて今は私のお世話係みたいな事やってるね」

なんだかおかしくなって笑っていると

「笑い事かよ…自分を監禁して売ろうとした奴を従者にするなんて…」

「でも罪は償ったし今ではベイカーさんだって信頼してるでしょ?」

「まぁ、そうだが…ってデボットじゃねぇよ!シリウスとユリウス!獣人の話だろ?」

「ああ…最初ね…んー?どうだっけ?なんか普通に耳とか触らして貰った気がするけどなぁ~」

思いだし考えてみるがずっと礼儀正しくて優しかった印象しかない。

「あいつらは…特別なのかな…本来は獣人達は人を嫌ってるものだからな!」

「酷い扱いをしてたからだよね、でもレオン達が頑張ってだいぶその関係も良くなったんでしょ?」

「そう聞いているが…全部が全部そうなった訳じゃないだろうからな。ちゃんと気をつけるんだぞ!」

ベイカーさんが念をおすと

「そっか…そうだよね。わかった!触らして貰う前にちゃんと嫌か聞くね」

ミヅキが神妙な顔で的外れな事を言う…

「だから…触られる事が嫌いな奴も人間嫌いもいるって事だ!」

「ああ、そっちね!」

ミヅキは本当にわかってコクコクと頷いた。

プルシアに運んでもらい、悠々と獣人の国に順調に近づいていた。



その頃、王宮では…

「わかった、ミヅキ達は無事王都を出たのだな?」

「はい、門番にも確認しましたが帰るからみんなによろしくと言伝を残していったそうです。料理長には新しいレシピのお土産を置いていっていただけたとか…」

『おおー!』

その言葉にどよめきがおきる!

「いや、今日の料理は楽しみですな!」

「いや、全く。あの者の新しい料理は久しぶりですね」

話を聞いていた大臣達から笑みがこぼれると

「何を言っている…それどころではないだろうが。まぁミヅキにバレる事無く帰って貰えたのはよかったが…」

ギルバート王はふぅとため息をつく。

「そうですね、獣人の国に行っているレオンハルト様達があんな事になるとは…」

大臣達も今起きている騒動を思いだしため息が漏れる。

「アルフノーヴァがとりあえず向かってくれたから…上手いこと収めてくれると思うが」

ギルバートは頭を抱えると

「全くこちらから手を差し出したのをいい事にまさかレオンハルトに自分の娘を婚約者候補として差し出してくるとは…」

「最近はレオンハルト様は獣人達の為に奴隷解放など動いてましたからね…獣人達には今や大変な人気です…ですからこうやって外交に出したと言うのにまさか婚姻を結ぼうとは…」

「獣人達からすればそれほど強い繋がりが欲しいのだろう…しかしレオンハルトの気持ちも聞かずになんとも答えられん」

「いや!その前にレオンハルト様はこのウエスト国の王位継承ですよ!やはり婚約者はキチンと選ばねば…決して獣人が悪いとは言いませんが…」

大臣の言葉にギルバートも頷く。

「わかっている。私も本人達が納得しているのであれば前向きに考えるが…こればっかりはどうもな…とりあえずアルフノーヴァからの連絡を待とう。先方にも今は落ち着き待つように伝えてあるからな」

「そうですね…私達と致しましては…ミヅキ様がお相手なら…と考えておりますが、やはり難しいのでしょうか?今回もバレないように注意を払っていましたが…」

「確かにミヅキが娘になってくれれば申し分ないが…そればっかりは命令する事は出来ないからな…」

「爵位…でしょうか?」

大臣が聞くと

「そんなものどうとでもなる。それよりも本人の気持ちだ…アレを悲しませれば…周りの奴らが黙って居ないからな…」

ミヅキの後ろに渦巻く邪悪なオーラを立ち込める従魔や従者達を思うと背筋が寒くなる。

「それにあの子には私も本当の娘の様に幸せになってもらいたいとも思っている。今まで見返りも求めずにこの国に貢献してくれているのだからな」

「そうですね、今や隣国達との友好な関係も表沙汰にはなっておりませんがミヅキさんの功績かと…」

宰相が苦笑すると

「まぁとりあえず、今回の獣人の国との騒動はミヅキにはもちろん関係者達にも極秘にしておくように!レオンハルトが惚れている少女など獣人達には知れてもろくな事にならないだろうからな!」

「それは勿論!この事はここだけで留めてありますから…」

皆を見渡すと各々頷く。

その様子にギルバートは若干嫌な予感がするものの、ミヅキが帰った事もあり気の所為だと思い込んだ…

レオンハルト、アルフノーヴァ…頼んだぞ…

ギルバートは獣人の国の方を祈るように見つめた。


ブルッ…

「どうされましたか?」

馬車に乗って獣人の国を目指していたアルフノーヴァは急に悪寒に襲われた…

心配した従者が話しかけてくると

「いえ…気の所為だろう。今なにか嫌な気配がした気がしたんだけど…」

すると馬車が急にUターンして中のアルフノーヴァ達が転びそうになる。

アルフノーヴァは咄嗟に物に捕まって難を逃れるとすぐに外を確認するべく窓から覗くと、そこにはこの馬車を襲おうとしているのか魔物の群れが押し寄せて来ていた!

馬車はそれを回避して逃げている所のようであった。

「アルフノーヴァ様!大丈夫ですか!」

外から兵士達の声がすると

「私は大丈夫だ!この魔物の群れは?」

「わかりません!突然横からあらわれました!襲う…と言うよりは逃げているように感じます!」

「逃げる…一体何から?」

魔物達が来た方を見つめるが特段何も感じない…

「では魔物の気を逸らして下さい!その間に御者は反対方向へ馬を走らせなさい」

「はい!」

「は、はぁーい!」

御者は震えながら声を出すと、兵士達が魔物の前へと飛び出した!

その隙に魔物達からのルートから外れると、魔物は馬車には目もくれずそのまま通り過ぎていった…

「大丈夫ですか!?」

兵士が駆け寄ると

「ええ、私は問題ありません。中の従者が転んで怪我をしたので手当を…あなたは大丈夫ですか?」

御者を見るとコクコクと頷くが体が震えていて手網を逃げれそうにない…

「今日はここで夜を明かしましょう…早朝早くに獣人の国を目指します」

アルフノーヴァの言葉に皆頷くと馬を休ませて水場など探しに行く…アルフノーヴァは一人、魔物の来た方向を眺めていた。
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