ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

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14章

582.寝台馬車

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ミヅキはお風呂上がりのジュウト達に近づくと、ジュウトが変な顔をしてこちらをみている。

「何?なんか梅干し食べたみたいな変な顔してるよ?」

ミヅキが顔を顰めてジュウトを見つめると…

「これ…洗ってくれたんだな…」

ジュウトはみんなの服と自分の服を見せると

「洗ったのはムーだけどね、ムーは汚れだけ取るのとか得意なんだよ」

笑って教える。

「風呂も気持ちよかった…ありがとう…感謝する」

ジュウトが頭を下げると…

「えっ!なになに?どうしたの気持ち悪いよ!熱でも出た?」

ミヅキはジュウトのおでこを触るが別に熱くはない…

ジュウトはミヅキの手を振り払うと

「な、なんだよ!人が感謝してお礼を言ったのに!」

ジュウトがミヅキを睨むと

「あっそうなの?なんか噛み付いて来るのが普通になってたからびっくりしちゃった。でもいきなり素直になるとか気持ち悪いんだけど」

あははと笑っていると

「やっぱり…変な奴…しかも失礼なやつだ!」

ジュウトがジロっとミヅキを見つめる。

「よく言われる~」

ミヅキはサラッとながすと無視して

「じゃあ後は寝る場所ね、案内するから来てね」

ジュウトには構わずに小さい子達に声をかける。

「お、おい!話は終わってないぞ!」

「わかったよ~後で聞くからとりあえず小さい子達を寝かせてあげようよ…ほらみんな眠そうだよ?」

ミヅキが指さすと、ルーク達は目を半分くらいにしてフラフラとしていた…お腹がいっぱいになり、お風呂でさっぱりとして気も緩み一気に眠気が襲ってきたようだ。

「兄ちゃん…眠い…」

「ま、待て!今葉っぱを引いてやるから!」

ジュウトは大きな木の葉を引いてその上に寝かせようとすると…

「ジュウト、馬車の中使っていいよ」

ミヅキに声をかけられて馬車の中を想像する…あの冷たい柵の中で汚い床にこいつらを寝かせたくなかった…

「悪いがあの中はこいつら嫌がると思う…なら外で野宿の方がいいよ」

少しあたりの優しくなったジュウトが断りを入れると

「大丈夫、馬車改造したからちょっと見てみてよ。それでも嫌なら無理には勧めないよ」

ミヅキはにっこり笑ってこっちだと手招きした。

ジュウトは仕方なくついて行く…小さい子達も限界が近くなると…

「ほら、これどうかな?」

ミヅキが指し示す先には自分達が乗っていた馬車の面影はなかった…

「なんだよこれ…なんでこんなに大きいんだ?」

「説明すると長くなるから…とりあえず子供寝かせよ?みんな~この中に入れるかな?」

ミヅキが優しく声をかけると

「ん~…」

ルークが目を擦りながら目の前の階段を見る…

ルークは階段を登るとそこには白い布が引かれた気持ちよさそうなマットが広がっていた…

「床一面寝れるようにしておいたから好きな場所で寝てね」

ルークはよたよたとマットの上を這って進むとパタンと力尽きて眠ってしまった…

他の子達も中に入ると自分の場所を見つけては丸くなったりして眠ってしまう。

その様子を見て

「大丈夫そうだね」

ミヅキはジュウトに笑いかけた。

「一緒に…ねよ…」

小さい子達がミヅキの手を取ると馬車の中へと引っ張って行く

「ごめんね…私は寝れないんだ…」

ミヅキが眉毛を下げて断ると

「別にいいよ…だってこれだってお前が作ってくれたんだろ?俺達が駄目なんて言えないだろ」

ジュウトが顔を逸らしながら了承すると

「でも…」

ミヅキはまだ一緒に寝るのを躊躇っている。

「俺達がいいって言ってるんだからいいだろ!来いよ!」

ジュウトはミヅキの手を引っ張ると馬車の中へと入った。

ミヅキの手を引いていた子達はミヅキの横ですぐに寝てしまうと…

「ふぁ~!ふわミミが…顔に触れてる…」

寝ている子の耳がちょうどほっぺに当たっていた…

ミヅキは気持ちよさそうに顔を緩ませていたと思うと…

「すーすー…」

寝息が聞こえる…

「えっ…嘘だろ…」

ジュウトは見るとそこには幸せそうに眠るミヅキがいた…

「さっきまで起きてたのに…」

あまりの寝る速さに驚いていると…ノソノソ…ミヅキの従魔達が馬車に入ってきた…

びっくりして身動き出来ずに見ていると…各々ミヅキのそばに行って眠り出す。

「な、なんだ?ミヅキと寝るだけ?」

なんの反応もない従魔にジュウトは諦めて少し離れて自分も眠りについた。

風呂で少し寝たがやはり疲れていたのか清潔で気持ちのいいベッドにジュウトもすぐに心地よい眠りに落ちていった。


ジュウトはその夜久しぶりに両親の夢を見た…幼い頃に生き別れた両親の顔はおぼろげだったがあの優しく頭を撫でてくれる感触だけは覚えていた…

夢の中の両親は微笑んでジュウトの頭を撫でる…心地よいリズムにジュウトは身をあずけていた。

そのうちに両親の手は耳へと伸びる、少しくすぐったいが愛おしげに触るその手は決して嫌ではなかった。
自分から擦り寄り…もっと撫でてと頼むとその手は今度は尻尾に移動する…尻尾…さすがの両親も尻尾は触らんだろ!

ジュウトはハッ!と目を覚ますと…

「うーん…気持ちいい…うへへ…」

すぐ隣ではミヅキがヨダレを垂らしてニヤニヤしながら自分の尻尾を撫でていた…

「な、ななな何してる!」

ジュウトは慌てて自分の尻尾をミヅキから離す。

ミヅキは目が覚めたのか起き上がるとキョロキョロと回りを見ている。

「お前!何触ってるのか分かってるのか!」

ジュウトが怒ると

「あー…もふもふ、みっけ…」

ミヅキはジュウトの頭を見つめると抱きついてきた。

「や、やめろ!」

寝ぼけているようでミヅキはガッチリとジュウトの頭を掴むと優しく耳を触りだした…

あまりのくすぐったさにジュウトは思わずミヅキを押した!

ポスンッ!

ミヅキは後ろにひっくり返ると…

「あれ?私のもふもふは?」

今度こそ目が覚めたのか寂しそうに回りを探している。

「そんなのは…ない!」

ジュウトは顔を真っ赤にしてミヅキを睨みつけた!

「あれ?おはよう~」

ミヅキは目の前のジュウトに挨拶をしたがジュウトは頭から毛布を被って無視していた。

「変なの?」

ミヅキは馬車のベッドから出てもう既に起きているベイカーさんやコジローさんに挨拶をする。

はぁ~とあくびをしていると

「ミヅキ、向こうで寝るなら寝るって言っといてくれよ。慌ててコジローと探しただろ」

ベイカーさんから朝からお叱りを受ける。

「ごめんね、獣人の子に頼まれてちょっと横になったら寝ちゃった」

へへと笑うと

「まぁシルバ達が教えてくれたからいいけど…奴隷商人もまだそこにいるからな気をつけろよ」

「はーい!それで?朝ごはんは何にする?」

ミヅキは話を変えるべくベイカーさんに聞くと

「そりゃ肉だろ!」

ニヤリと笑う。

「昨日もその前も肉だよ!アランさんじゃないしそんなに肉ばっかり食べられないよ!」

ミヅキが却下すると

【肉じゃないのか…】

もう一名ガッカリと肩を落としている子がいた…

「ほ、ほら他の獣人の子達もいるし、今日はお肉はお休み。また今度ね」

【まぁミヅキの飯ならなんでも美味いからな…大丈夫だ】

シルバは頷くと

【じゃあ肉が駄目なら…ラーメンで!あっチャーハンでもいいな!もしくはカレーも捨てがたい】

シルバが悩んでいる…

【シ、シルバ…それも朝から食べるようなメニューじゃないからね…】

ミヅキの言葉にシルバは衝撃を受けた!
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