ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

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14章

587.反省

「クソ…」

ケンタウロス達の足が止まる。

【はは!どうしたんだもう終わりか!】

シルバが笑っているとケンタウロスの弓持ちが構えた!

シルバに狙いを定め…た振りをして後ろにいたジュウト目掛けて矢を放った!

「シネ」

ケンタウロスがニヤリと笑うと

バシッ!

シルバは横を通り過ぎる矢をハエでも払うかのようにたたき落とした。

「エ…」

「え…」

ケンタウロスとジュウトの声が被った。

【弱い物から仕留めるのは狩りの基本だが俺はそんな事はしないな】

シルバは笑うとケンタウロスのリーダー目掛けて駆け出した!

「クッ…ヒクゾ」

ケンタウロス達は逃げる選択をした、脚には自信がある。

どうも自分達より強い相手だったが逃げ切れると思い背を向け走り出した!

リーダーのケンタウロスは仲間達を誘導する為に先頭を突き走る。

慣れた森の木々の間をスルスルとすり抜けスピードをあげた。

「ヨシ…ココマデクレバ…」

仲間達がついてきているか後ろを振り返る、しかしそこには誰もいなかった。

「ア、アイツラワ!」

ケンタウロスが脚を止めようとすると…

【なんだ?追いかけっこは終わりか?】

すぐ目の前にあのフェンリルが現れた…その瞬間首に痛みが走ったと思うと目の前が暗くなった。

シルバはケンタウロス達の首に前足で手刀をくらわした。

【よし、こいつで最後だな】

シルバは点々と倒れているケンタウロスの脚を噛むとシンク達が待つ場所へと戻って行った。

【捕まえたぞー!】

シルバの声と共に大きな物体が飛んでくる!

見るとケンタウロスが投げ飛ばされてきた。

「あっ!危ない!」

ジュウトが目を閉じて手で頭を覆うと身構えた。

ドサッ!

落ちる音がして目を開くと目の前にケンタウロスが山積みにされていた…

【こいつらなら馬車を引くのにちょうどいいだろ!?】

シルバが得意げにケンタウロス達を足蹴にする。

【でも…こいつら気絶してるけど、どうやって連れていくの?】

シルクが聞くと

【プルシア頼む】

シルバがプルシアを見た。

【まぁしょうがないか…】

プルシアは元の大きさに戻るとケンタウロス達を脚で掴んだ。

【じゃあ私は先にこいつらを運ぶからな、そこの獣人をちゃんと連れて帰ってくれよ】

プルシアはシルバ達にジュウトを頼むと空へと飛び立った。

「な、な、ななんだあれ!」

ジュウトはプルシアの本当の姿に腰を抜かす。

「プルシアだよ」

コハクが当たり前のように答えると

「あのドラゴン…チビドラゴンじゃなかったんだ…えっ…そんなの連れてるあいつってなんなんだ…」

目の前の大食いのフェンリルもケンタウロスをあっという間に捕まえてきた…こいつらって俺が思うよりヤバいやつらなんじゃ…

ジュウトは今になって体が震えてきた…

怯えるジュウトを連れて森から戻ってくると既に帰って来ていたプルシアは小さく戻っていた。

「おかえりなさい!怪我はないかな?」

笑顔で迎えるミヅキはシルバ達に確認する。

【こんなヤツらに怪我なんかする訳ないだろ、それにあいつも無事だぞ】

シルバがニヤリと笑ってジュウトを見せる。

そこには顔を青くするジュウトがいた。

「え?ジュウトどうしたの?顔色悪いよ」

ミヅキが心配して近づくと

「だ、大丈夫だ…」

サッと目を逸らされる。

避けられる仕草にミヅキは驚いた。

噛み付くジュウトに慣れていただけに怯えるように目をそらされた事にショックだった…

「ジュウトどうしたの?もしかして私…やりすぎた?」

ジュウトの様子にミヅキが伺うように聞く。

「あ、いや…別に…俺なんの役にも立てなかったから…今回の仕事はなんにもしてないから…契約は…また今度…」

目を逸らしたままそういうと、ルーク達のところに行こうとする。

「待って!ジュウトどうしたの?」

ミヅキはたまらずにジュウトの手を取ると

「ひっ!」

ジュウトは怯えるようにその手を振り払った。

「わ、悪い」

ミヅキが固まってる間にジュウトは慌てて逃げ去った。

ミヅキは伸ばした手をそのままにジュウトを見送った…

【ミヅキ?大丈夫か?】

動かないミヅキにシルバが近づくと…

【シルバ…】

ミヅキは涙を溜めてシルバを見る…

【ミ、ミヅキ!どうしたんだ!?】

シルバの慌てた声にシルク達も寄ってきた。

【どうしたの~?】

シンクがいつものミヅキの肩に止まると

【シンク、プルシア…みんな…どうしようジュウトに嫌われちゃった…私意地悪しすぎちゃったかなぁ…】

確かにジュウトの反応が面白くていつもより意地悪だった気はしていだか、あんなに嫌われるとは…ジュウトなら大丈夫と高を括っていた自分に嫌気がした。

【ごめんなさい…みんな私向こうで少し反省してくる…】

ミヅキはトボトボと歩くと一人その場を離れた。

【おい!なんでミヅキはあんなに落ち込んでいるんだ!】

【わ、わかんないよ~!あのジュウトって子と話してでしょ?なんか意地悪したって反省してたけど…あんなの意地悪にならないでしょ!】

【ミヅキのあんなに落ち込んだ顔は見てられん】

シルバはキッとジュウトの方を睨んだ!

【コジロー!ちょっとこい!】

シルバはコジローを呼ぶとジュウトの元に向かう。

「ど、どうしたんですか?」

コジローが怒っているシルバに恐る恐る伺うと

【ミヅキが何やらあの獣人の小僧と揉めたらしい!意地悪しすぎたと落ち込んでいるんだ!】

「え?ミヅキが?」

【ああ、俺たちの言葉ではミヅキの憂いは晴れないだろう…今のミヅキを元気づけられるのは悔しいがあいつだけだ!何が気に食わなかったのか聞き出せ!】

「えっ!」

慌てるコジローの首根っこを噛むとジュウトを見つけて投げつけた!

「わぁー!」

コジローの叫び声にジュウトはぼぅとしながら振り返る。

すると目の前にコジローが飛んできた!

「ぎゃぁー!」

ジュウトはコジローの下敷きになると

「す、すまん!大丈夫か?」

コジローはすぐに立ち上がってジュウトを抱き上げる。

「だ、大丈夫…」

驚いたジュウトがコジローを見ると…ビクッ!と顔を強ばらせた!

後ろにはフェンリルが怖い顔をしてこちらを睨みつけていたからだ。

「ヒィ…」

ジュウトは耳と尻尾を垂れ下げてコジローの後ろに隠れる。

【おい!何故隠れる】

シルバがジュウトに近づくこうとすると逃げるようにコジローを盾にする。

二人でコジローの周りをグルグルと回っていると

「ちょ、ちょっと二人とも落ち着いて!シルバさん一度私が話を聞きますからここは待っていてください」

シルバは渋々頷くと、少し離れてどかっと座り込み様子を伺う。

シルバが離れたのでジュウトは少しほっとすると

「で?なんで急に怖がったんだ?いつもの勝気なお前はどうした?」

コジローがあからさまに様子のおかしなジュウトに聞くと

「えっ…いや…その…」

ジュウトはしどろもどろになりながらケンタウロスを捕まえた時に感じた事を話した。

「俺…とんでもない人達に失礼な態度取っちゃったんじゃないかと思って…これ以上不敬な事をしたら…殺されるだけじゃすまないんじゃないかって…」

コジローはジュウトの話を聞いてため息をついた。

「なんだ…そんなことか…」

「そんなことって!だってあのフェンリル、普通じゃないし…あのドラゴンだって見た事ない…よく見たらあの鳥もたまに燃えてるし…絶対おかしい!」

そこはコジローも納得する。ウンウンと同意するように頷くと

【おい!】

シルバから声がかかった。

「ああ、すみませんでした」

コジローはシルバに謝るとジュウトに向き合う。

「ジュウト…今更何言ってるんだよ。今までいっぱい生意気な事を言ってただろ?誰かそれで怒ったか?」

ふと考えてブンブンと首を振る。

「でも…ミヅキってあのフェンリル達の主人なんだろ?ミヅキに何かしたら…俺…殺される?」

「今までミヅキの何を見てきたんだよ。あの子がそんなことすると思うのか?今だってお前の避ける態度に傷ついて一人反省しているぞ」

「えっ?」

「それを心配してシルバさん達がお前のところに来たんだ」

見るとあんなに強いフェンリル達がウロウロと不安そうに落ち着きなく動き回っていた。

「ミヅキの言葉や行動に裏なんてないよ…まぁ違う意味ではあるかも知れないが…」

「なんて言ったの?」

ジュウトが聞き返すとコジローは笑って誤魔化した。

「ミヅキ達がその気になればお前達なんて一瞬で…ってのはわかるよな?」

ジュウトが頷く。

「それをしないのはなんでだと思う」

ジュウトはじっと考える。

あいつは本当に最初っから本当の事を言っていたのか…

「わかったらお願いだからミヅキと話してきてくれ」

コジローが冷や汗を流してジュウトに頼む…見ると後ろでは我慢できないシルバ達から圧が出ていた。

「わかった」

ジュウトは頷くと急いでミヅキを探しに行った。

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