ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

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14章

641.最下層の化け物

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ロブさんが扉を開く…すると中から雄叫びが聞こえてきた!

『グウオオオオ!!』

ビリビリと肌に感じる。

「な、なんの声?」

私は今までに感じた事の無い感覚にぎゅっとじいちゃんに抱きついた。

「なんか…ヤバそうなのがいそうだな…」

嫌な予感のする方に進んでいくと大きなドーム状の広場に出た…いやに暑くて明るい…

見ると地面にはマグマが流れその上に点々とある足場にシルバよりも大きな魔獣と黄金色の毛を持つ獣人が立っていた!

魔獣は頭が三つある真っ黒な獣だった…

「ケルベロス?」

頭が三つと言えば…そう思ってつぶやくと…

「「「グウルルルル!!」」」

魔獣が気配を感じたのかこちらを向いた、その顔は私が想像していたよりも数倍恐ろしいかった…

犬の様な顔かと思っていたがそれは人の顔だった…

「人面…犬?」

感情のない黒い大きな瞳が六つこちらを見つめる。

「なんだありゃ…」

「ミヅキ…」

ベイカーさんは顔を顰めて、じいちゃんは私をぎゅっと抱き直した。

「じいちゃん…あれなに?魔物?」

「わからん…わしもあんな醜いモノを見るのははじめてだ…」

見るとじいちゃんの額からも汗が滴っていた。

暑さからなのか…冷や汗なのかわからない。

「全く情報がない…みんな気をつけろよ…」

じいちゃんが声をかけると…

「アトラス!」

ロブさんが黄金色の獣人に声をかけた!

てことはあの魔物の前に立つ獣人…あの人が王様。

しかしその姿に目を塞ぎたくなった…彼は右腕と右足を無くしていた。
持っている長剣を杖代わりにしてかろうじて立っている状態だった。

「アトラス!大丈夫か!?」

ロブさんの声に今にも倒れそうだったアトラスさんが顔をあげた。

アトラスさんはライオンの獣人だった!黄金色の鬣を持っている。

しかしその姿は今にも死んでしまいそうだ、体中から赤い血が流れ左目も閉じている。

「その…声は…ロブか…」

アトラスさんから声がする…もしかして目が…

「ガルルル!!」

「グウルル!!」

「ギャアオオ!!」

三つ頭の魔獣がアトラスさん目掛けて前足を振り下ろした!

「グッ…」

アトラスさんは剣を振り上げると三つ頭の手を弾き飛ばす!

「す、凄い力!」

アトラスさんの倍以上ある手を剣で弾くがアトラスさんはそのまま倒れた、支えていた剣を使いバランスが崩れたようだ!

【シルバ!お願い!】

【任せろ!あいつを倒せばいいんだな!】

【まって!その前にあの人を助けてあげて!】

シルバは頷くとマグマの上の足場を颯爽とかけるとアトラスさんの首根っこ部分の服を咥えた!

そしてそのままこっちに戻ってこようとUターンすると…

ブオン!

凄まじい風を着る音と共に三つ頭がシルバに向かって腕を振り回した!

【グッ!】

シルバはアトラスを庇って軽く脇腹に一発くらってしまった!

しかしその後はサッと避けると私達のところに戻ってアトラスを下ろした。

【シルバ!】

私はじいちゃんに下ろしてもらってシルバに駆け寄る!

【ご、ごめんシルバ無理させて!怪我見せて!】

シルバのやられた場所をそっと撫でて回復させようとすると…

【ミヅキ!駄目だ、グゥ…】

シルバが止めた!

【なんで?だってシルバが…】

私に泣きそうな顔にシルバはいつものように顔を舐めると私を落ちつかせてくれた…

【今ミヅキは魔力が枯渇している。そんな状態で回復魔法などすればどうなるか…】

シルバは私が魔力を使う事を許してくれなかった。

【でもシルバが!】

【僕の回復じゃそのくだけた骨は元に戻せないよ】

シンクが急いで飛んで来るとシルバに回復魔法をかける。

しかしシンクでは骨を治すのは無理だと言う。

「アトラス!アトラス!」

後ろではロブさんがアトラスさんに声をかけていた!

「大丈夫か!?すまん遅くなって」

「その声はやっぱりロブだな…全く…来るのが遅いぞ…」

アトラスさんは弱々しそうな声でハハと小さく笑った…

【ミヅキ、俺はいいからあっちを見てやれ…あいつはもう駄目だ…どんどん生命力が漏れ出ている…あのままでは死ぬぞ】

【でも…シルバが!】

【俺は死なないから大丈夫だ…】

【でも…】

私はシルバがこんなにも傷つくのを初めてみた…シルバから手を離せずにいると

「そうだ!エリクサー擬き!」

私は急いで収納を漁った!

「コレでもない!コレでもない…あった!これ!」

エリクサーの失敗作を出した!

「えっと…確か怪我だけ治すのと…欠損部分も治すのがあったはず!」

私は鑑定をすると怪我だけ治す方をシルバに飲ませた!

【な、なんだこれ!凄い美味い!】

シルバがペロンと舌なめずりをすると…ぽわぁ…とシルバの体が淡く光る。

【痛みが…引いていく】

シルバが脇腹を見つめた。

【よかった…】

私はシルバにぎゅっと抱きつくと、シルバがそのまま立ち上がって私をアトラスさんのところに連れていく!

【ミヅキ!そいつも治すんだろ!あいつの相手は俺達に任せておけ!】

そういうとシルバ、シンク、プルシアそれにコハクやレムまで飛び出した!

【ムーはここにいな】

ここに来てからずっと怯えてるムーを服の中に隠すとアトラスさんの元に駆け寄った!

「ロブさん!アトラス様にこれを!」

私はエリクサー失敗作を見せた。

「そ、それはじゃ…」

「これは大丈夫!欠損部分が治るから!」

「た、助かる!」

ロブさんは受け取るとアトラスの口にエリクサーを流し込んだ…

もう声も発しないアトラスは零しながらもどうにかエリクサーを飲み込んだ。

「どう?」

「アトラス!大丈夫か!?」

「アトラス様…」

ロブさんやロバートさんが心配そうに見つめていると…シルバと同じようにアトラスの体が光り出す!光は無くなった腕や足に集中すると…そのまま光が形となってアトラスの腕と足は元に戻った。

「よ、よかった…ちゃんと効いた…」

私はほっと息を吐いてペタッと座り込んだ。

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