ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

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14章

650.従魔

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「アルフレッド!!」

バイオレッド様がアルフレッド様に駆け寄り声をかけた。

椅子にもたれ掛かるように座っていたアルフレッド様は大きな声にゆっくりとその目を開いた。

「ん…あれ…ここは?」

その目は澄んだ青に戻りバイオレッド様は目に涙を浮かべてガシッと抱きついた!

そしてウォンウォンと大声で泣き出した。

「アルフ~よかった~よかったよー!」

「えっ?お姉様?なに?どうしたの?」

アルフレッド様は状況が全く分からないようで困惑している。

そして周りを見ると…

「え?誰?」

アルフノーヴァさんと私、それにレオンハルト王子を見て固まった。

まぁそうだよね…

「あっ!レオンハルト王子!あっそうだ!僕レオンハルト王子を迎えに行こうとしてて…あれ?それでどうしたんだっけ?」

どうやら洗脳をかけられた時の記憶は全く無いようだ。

「ちょっとお待ち下さい、今は皆を呼んで来ますから」

アルフノーヴァさんが立ち上がった。

「あっ大丈夫ですか?私が呼んできますよ!」

アルフノーヴァさんの代わりに行こうとする。

「大丈夫だよ、誰かさんのおかげで体力も回復したからね」

パチッとウインクされる。

アルフノーヴァさんが扉の前にいたみんなを呼んでくると同じように体力が戻っていたことにロブさんとロバートさんが困惑している。

ディムロスじいちゃんとコジローさん、ユリウスさんとシリウスさんは何となく察したようで私をチラッと見ていた。

私はそっぽを向いてシラをきった。

「はぁ…まぁみんな元気そうでよかったわい」

じいちゃんがため息をつきながら笑っていた、そして私の方に近づいて頭に手を置くと…よくやったと小さい声で褒めてくれた。

「アルフレッド様!」

ロブさんは元気そうな王子に安堵している。

「ロブさん?なんでここに?それに…その頭どうしたの?」

泣いているバイオレッド様をどうにかアルフレッド様から離して事の顛末を説明すると…

「そういえばレオンハルト王子を迎える前にガルバドゥス大臣から変わったお茶をもらったような…それを飲んでから記憶が…」

アルフレッドが頭を押さえながら思い出すように話した。

「それ私ももらった!ウエストの国のお茶だから話の種に飲んでおくようにって…」

「それも後々ウエスト国のせいにしようとしていたのかもな…」

「きっと洗脳をしやすくする為の薬かなんかが入っていたんだろうね」

ディムロスじいちゃんとアルフノーヴァさんの言葉にバイオレッド様がわなわなと震える。

「あの禿げ大臣!!前から気に食わなかったがここまでするとは!アルフレッド行くよ!お父様を助けないと!」

「はい!」

私達はすっかり元に戻った二人の後をついて城門を目指した。

今度はシリウスさんに抱っこされながら走っていると…

「なんか…さっきまでの音が静かになったね」

嫌な静けさに悪い予感しかしない。

「………。」

皆が無言になる。

「ま、まさかお父様達が捕まって…」

バイオレッド様の顔が曇ると

「「「それはない!」」」

ウエスト国の面々がそれを否定した…

「むしろやりすぎてないか不安しかないわ」

じいちゃんが苦笑している。

「ですね…シルバさん達…地形を変えてないといいですが…」

コジローさんが神妙な顔をする。

「そうだな、どうしますか?全ての獣人が消えていたら…」

アルフノーヴァさんが冗談なんだか本気なんだか嫌な事を言っている。

「「有り得なくない」」

シリウスさんとユリウスさんが双子らしくハモった。

「だ、大丈夫だよ!みんなそこまでしないよ、絶対!…いや多分…やっぱりだといいな…」

私もどんどん自信がなくなる。

「「「えっ?」」」

私達の反応に王子達と王女はギョッとしていた。


私達は速度をあげて城の門に近づくと…

「お、おい大丈夫か?」

点々と獣人達が倒れている、バイオレッド様が倒れていた獣人の兵士に声をかけると…

「バ、バイオレットさ…ま…お逃げ…下さい…あれは…無理で…す…敵わない…」

そういうとガクッと気を失った…

「あれ…また化け物がいるのか?お父様は大丈夫なのか!」

「化け物だって…誰の事だろうね…」

私の従魔のシルバ達ではないのは確かだ!だってみんなあんなに可愛いもん。

化け物には見えないからみんなじゃない!

私は大丈夫と自分に言い聞かせる。

「もしかしたらまたあの子の化け物がいたのかな?」

「急いで向かおう!」

門を抜けて城門前の広場に行くと…

【ガッハハハ!この程度か獣人共!もっと抗ってみろ!】

【つまんな~い~!もっと強いヤツはいないの~?】

【ふむ…この程度か…これなら私は必要なかったな】

倒れ込む獣人達の山の上に立ちシルバが高らかに笑っていた…

シンクはその上を優雅に飛ぶ…周りには明らかに火傷した獣人達が倒れていた。

その後ろではプルシアが獣人達を冷たく見下ろしていた。

その姿はどう見ても悪者……

【シ、シルバ…?シンク?プルシア?】

私は唖然と三人の名前を呼んだ…

【ミ、ミヅキ!!】

【えっ?ミヅキ…】

【おかえり、早かったな】

シルバは慌てて屍らしき蠢く山から降りてこちらにかけてくる、シンクは不味いと驚いた顔をした後、目をクリクリにして飛んできた。

プルシアは気にした様子もない…

【シルバ?これは何かな?私あんまり無理しないで…って言ったよね?】

【こ、これは…ほとんどはシンクとプルシアが…】

シルバがふたりを見ると

【シルバの嘘つき!これほとんどシルバじゃん!】

【そうだ、嘘は良くないぞ。確かに私達も参加したが半分はシルバだぞ】

【ば、ばか!お前達…静かにしろ!】

シルバがシンク達を睨みつけるように黙れと合図を送った。

【シルバ~!】

私はシルバ達の前で腰に手を当てて軽く睨みつけた。

シルバは耳を垂れて尻尾をシュンと下げる。

シンクが甘えるように首を傾げて私を見上げる…

プルシアも何か不味いと思ったようで小さくなっていた。

すっごく可愛いが駄目だ!ここで流されたら!

【もう!みんなご飯抜き!…は可哀想だから…今日はおかわりなしだよ!】

【そ、そんなぁ~】

シルバが一番ガックリと項垂れた…可哀想だが仕方ない…

【だいたいベイカーさん達は何してたの!?しかもアトラス様もいないし!】

キョロキョロと周りを見ると

【気がついたらいなかったぞ…なぁ?】

シルバが元気なく答えると

【シルバが投げつけた獣人にぶつかって頭を打っていたような…あまり気にしてなかったからわからんな】

プルシアが教えてくれた…

【えっ…じゃあまさかあの人達の中に…?】

私は倒れた獣人達を見つめた。
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