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14章
668.胸騒ぎ
私はシンク達にシルバの事を頼み王子のリクエストの卵焼きを作りにギルドの厨房に一人で向かった。
扉を押して入るとシーンとしている、防音がしっかりとしていて外の騒がしい音も遮断されている。
静かな空間で落ち着くと材料を取り出して早速作り出す。
「まずは卵を混ぜてさとうと少しの塩…あとは出汁も少しだけ…」
カシャカシャと切るように混ぜると卵焼き用のフライパンを取り出す。
「ついでにみんなの分も焼いとくかな…」
絶対に足らなくなると思うと少し嬉しくて何度か繰り返して多めに卵焼きを作っていると…
ガタッ…
扉が開く音がした。
今はみんな料理を食べるの事に夢中のはずなのに、そう思いつつ誰が来たのかなと後ろを振り返ると…
「やっと見つけた…」
そこには頭の毛がうっすらと残っているガルバドゥスが目をギラつかせて立っていた。
「えっ?なんで?」
この人アトラス様達が捕まえて牢屋にぶち込んだって言ってたのに…
「だ、誰か…!!」
私は声をあげたがここはギルドの厨房のなか…しかも防音ということもあり声が外に届くとは思えなかった。
「おっと…声をあげるな!これが何かわかるか?」
しかも脅すように黒い魔石を見せつけた。
「なんでまだ持ってるの…取り上げたはずなのに…」
「体に埋め込んで隠し持ってたんだ、いざと言う時の為に…」
「そんな事したらもう人に戻れなくなるよ!!」
哀れみの目を向ける…この人はもう黒い魔石にどっぷりとハマってしまっているように見えた…まるで麻薬に取り憑かれた廃人のようだ…
「もう戻れないんだよ!ならお前を連れてあの人のところに行くまでだ!お前を連れていけばきっと私を認めてくださる…そうすればもっとたくさんこの魔石をくれるはず…魔石があれば俺はなんでも出来るんだ!」
「あの人…?」
「お前と同じ顔のあの人だ!」
「アナテマ…」
兄と言ったアナテマの顔が浮かんだ。
「お前が獣人の国に来ることを教えてくださったのもあの人だ!アトラスを幽閉してお前の邪魔をするようにと…そうすればこの国は私のものになったのに…同じ顔のお前がきっと何か秘密を握っているんだろ?」
「知らない…私は関係ない…あの子…アナテマとは」
「そんなわけないだろそんな同じ顔をしておいて」
ニタリと可笑しそうに笑われた…その顔に思わず後ずさりするが、強がってキッ!と睨みつけた!
「ここにはアトラス様達もいるし私の仲間も沢山いる!私だって大人しく捕まるわけないよ!」
「そんなのわかってる…」
ガルバドゥスはクックックと笑うと魔石を掲げた。
何する気!?
私は防壁を張ろうとすると…
「馬鹿め!ここが何処か忘れたか?」
魔法を使おうとするのに発動しない…
「なんで?」
「ここは獣人の国のギルドだ!部屋には色々な仕掛けがしてあるんだよ!」
【シンク!プルシア!コハク…みんな!】
シンク達に声をかけるが反応がない。
エリクサーの話をする時みたいな遮断する魔法がかかっているようだった。
「叫んでみるか?お前の声は誰にも届かんぞ~」
ガルバドゥスがニタニタ笑いながらじわじわとその距離を縮めてくる。
ここの防音の事も承知のようだった…
「うっ!みんなー!!アトラス様!」
ダメ元で大声で叫びながら扉に走った!
ガチャガチャと扉の取っ手に手をかけるが開かない…あいつが扉に鍵をかけたようだ。
「無駄無駄~」
【ムー!レム!……】
「シルバ…ベイカーさん…」
壁側に追い詰められると最後に浮かんだのはしょげているあの二人の顔だった…
◆
【ミヅキ…?】
シルバはミヅキに呼ばれた気がしてスクッと立ち上がる…
アランには反省中だから動くなと言われたがじっとなどしていられなかった。
全身が何故かゾワゾワする…
「どうした?」
ベイカーが俺の様子に声をかけてきた。
【シルバ~!反省した?】
するとシンク達が様子を見にこちらに向かってくる…しかしそこにミヅキの姿はない。
ベイカーも俺の反応がシンク達だと感じたようで一人ミヅキの元に行こうかとあっちはあっちでソワソワしていた。
【シンク…ミヅキはどうした?】
【どうした?じゃないよ!シルバの事を怒ってるけど…心配そうに様子見てきてって頼まれたんだよ!】
【主人をあんなに心配させてどうする】
シンクとプルシアから呆れられるが今はそれよりもミヅキが気になる…
【俺は…今ミヅキから拒否されて話せん…お前たちミヅキは今どうしてるか話してみてくれ!】
俺の様子にシンクが首を傾げながら声をかけているようだ…が怪訝な顔が返ってきた。
【あれ?ミヅキと繋がれない…】
【ミヅキ?ミヅキ!】
プルシアも試して見るが反応がないようだ。コハクも同様に首を傾げる。
【嫌な予感がする…】
俺はいてもたってもいられずにギルドの方に駆け出した!
【待って!僕らも行くよ!】
シンク達が後を追うと…
「シルバ…?アランさん俺行くわ!なんかシルバの様子が変だから」
ベイカーがそう言うと後からついてくる。
【ミヅキは王子のご飯作るのにギルドの厨房に一人で行ったんだよ!】
シンクが先を先導する為に前に出るとその後をついて行きながら牙を剥き出す!
【なぜ一人にした!】
【シ、シルバに言われたくないよ!ミヅキが獣人達もいるしギルド内だから一人で大丈夫って…でも残ればよかった…】
シンクも軽率だったとうなだれた。
【そうだよな…俺にお前達を責める資格はない…それ以前の問題だ…すまん】
シンク達に素直に謝る。
【ごめん…言いすぎた。シルバも反省してるよね…ミヅキと話せないなんて…僕なら無理!】
【そうだな】
【ないちゃう…】
プルシアとコハクが想像したのか顔を顰めて同意した。
【もうしばらくは肉は食わん…それよりも何よりミヅキに触れて欲しい…あの手が恋しい】
【僕達も一緒謝ってあげるから!早くミヅキの所に行こう!】
シンクが加速した!
ギルドの建物に着くとベイカーに扉を開けてもらう。
俺達の様子からディムロスとロブも着いてきた。
【こっち!】
シンクがスイスイと建物内を飛び回ると…
「おかしい…」
ロブが首を傾げる。
「どうした!?」
ディムロスが聞くと
「なんかギルド内に魔法のロックがかけられた後がある…」
「ロックしてたんじゃないのか?」
ベイカーが聞くと
「いや、獣人達が来るから重要な部屋以外は臭いも消して出入りが自由に出来るようにしておいたんだ…」
「ギルドに誰かいないのか!」
「今みんなで飯食っとるからな…多分ほぼ空だ」
【ミヅキ!】
嫌な予感がドンドン強くなる…
ドカンっ!
シルバは堪らずに天井を突き破り厨房を目指した!
扉を押して入るとシーンとしている、防音がしっかりとしていて外の騒がしい音も遮断されている。
静かな空間で落ち着くと材料を取り出して早速作り出す。
「まずは卵を混ぜてさとうと少しの塩…あとは出汁も少しだけ…」
カシャカシャと切るように混ぜると卵焼き用のフライパンを取り出す。
「ついでにみんなの分も焼いとくかな…」
絶対に足らなくなると思うと少し嬉しくて何度か繰り返して多めに卵焼きを作っていると…
ガタッ…
扉が開く音がした。
今はみんな料理を食べるの事に夢中のはずなのに、そう思いつつ誰が来たのかなと後ろを振り返ると…
「やっと見つけた…」
そこには頭の毛がうっすらと残っているガルバドゥスが目をギラつかせて立っていた。
「えっ?なんで?」
この人アトラス様達が捕まえて牢屋にぶち込んだって言ってたのに…
「だ、誰か…!!」
私は声をあげたがここはギルドの厨房のなか…しかも防音ということもあり声が外に届くとは思えなかった。
「おっと…声をあげるな!これが何かわかるか?」
しかも脅すように黒い魔石を見せつけた。
「なんでまだ持ってるの…取り上げたはずなのに…」
「体に埋め込んで隠し持ってたんだ、いざと言う時の為に…」
「そんな事したらもう人に戻れなくなるよ!!」
哀れみの目を向ける…この人はもう黒い魔石にどっぷりとハマってしまっているように見えた…まるで麻薬に取り憑かれた廃人のようだ…
「もう戻れないんだよ!ならお前を連れてあの人のところに行くまでだ!お前を連れていけばきっと私を認めてくださる…そうすればもっとたくさんこの魔石をくれるはず…魔石があれば俺はなんでも出来るんだ!」
「あの人…?」
「お前と同じ顔のあの人だ!」
「アナテマ…」
兄と言ったアナテマの顔が浮かんだ。
「お前が獣人の国に来ることを教えてくださったのもあの人だ!アトラスを幽閉してお前の邪魔をするようにと…そうすればこの国は私のものになったのに…同じ顔のお前がきっと何か秘密を握っているんだろ?」
「知らない…私は関係ない…あの子…アナテマとは」
「そんなわけないだろそんな同じ顔をしておいて」
ニタリと可笑しそうに笑われた…その顔に思わず後ずさりするが、強がってキッ!と睨みつけた!
「ここにはアトラス様達もいるし私の仲間も沢山いる!私だって大人しく捕まるわけないよ!」
「そんなのわかってる…」
ガルバドゥスはクックックと笑うと魔石を掲げた。
何する気!?
私は防壁を張ろうとすると…
「馬鹿め!ここが何処か忘れたか?」
魔法を使おうとするのに発動しない…
「なんで?」
「ここは獣人の国のギルドだ!部屋には色々な仕掛けがしてあるんだよ!」
【シンク!プルシア!コハク…みんな!】
シンク達に声をかけるが反応がない。
エリクサーの話をする時みたいな遮断する魔法がかかっているようだった。
「叫んでみるか?お前の声は誰にも届かんぞ~」
ガルバドゥスがニタニタ笑いながらじわじわとその距離を縮めてくる。
ここの防音の事も承知のようだった…
「うっ!みんなー!!アトラス様!」
ダメ元で大声で叫びながら扉に走った!
ガチャガチャと扉の取っ手に手をかけるが開かない…あいつが扉に鍵をかけたようだ。
「無駄無駄~」
【ムー!レム!……】
「シルバ…ベイカーさん…」
壁側に追い詰められると最後に浮かんだのはしょげているあの二人の顔だった…
◆
【ミヅキ…?】
シルバはミヅキに呼ばれた気がしてスクッと立ち上がる…
アランには反省中だから動くなと言われたがじっとなどしていられなかった。
全身が何故かゾワゾワする…
「どうした?」
ベイカーが俺の様子に声をかけてきた。
【シルバ~!反省した?】
するとシンク達が様子を見にこちらに向かってくる…しかしそこにミヅキの姿はない。
ベイカーも俺の反応がシンク達だと感じたようで一人ミヅキの元に行こうかとあっちはあっちでソワソワしていた。
【シンク…ミヅキはどうした?】
【どうした?じゃないよ!シルバの事を怒ってるけど…心配そうに様子見てきてって頼まれたんだよ!】
【主人をあんなに心配させてどうする】
シンクとプルシアから呆れられるが今はそれよりもミヅキが気になる…
【俺は…今ミヅキから拒否されて話せん…お前たちミヅキは今どうしてるか話してみてくれ!】
俺の様子にシンクが首を傾げながら声をかけているようだ…が怪訝な顔が返ってきた。
【あれ?ミヅキと繋がれない…】
【ミヅキ?ミヅキ!】
プルシアも試して見るが反応がないようだ。コハクも同様に首を傾げる。
【嫌な予感がする…】
俺はいてもたってもいられずにギルドの方に駆け出した!
【待って!僕らも行くよ!】
シンク達が後を追うと…
「シルバ…?アランさん俺行くわ!なんかシルバの様子が変だから」
ベイカーがそう言うと後からついてくる。
【ミヅキは王子のご飯作るのにギルドの厨房に一人で行ったんだよ!】
シンクが先を先導する為に前に出るとその後をついて行きながら牙を剥き出す!
【なぜ一人にした!】
【シ、シルバに言われたくないよ!ミヅキが獣人達もいるしギルド内だから一人で大丈夫って…でも残ればよかった…】
シンクも軽率だったとうなだれた。
【そうだよな…俺にお前達を責める資格はない…それ以前の問題だ…すまん】
シンク達に素直に謝る。
【ごめん…言いすぎた。シルバも反省してるよね…ミヅキと話せないなんて…僕なら無理!】
【そうだな】
【ないちゃう…】
プルシアとコハクが想像したのか顔を顰めて同意した。
【もうしばらくは肉は食わん…それよりも何よりミヅキに触れて欲しい…あの手が恋しい】
【僕達も一緒謝ってあげるから!早くミヅキの所に行こう!】
シンクが加速した!
ギルドの建物に着くとベイカーに扉を開けてもらう。
俺達の様子からディムロスとロブも着いてきた。
【こっち!】
シンクがスイスイと建物内を飛び回ると…
「おかしい…」
ロブが首を傾げる。
「どうした!?」
ディムロスが聞くと
「なんかギルド内に魔法のロックがかけられた後がある…」
「ロックしてたんじゃないのか?」
ベイカーが聞くと
「いや、獣人達が来るから重要な部屋以外は臭いも消して出入りが自由に出来るようにしておいたんだ…」
「ギルドに誰かいないのか!」
「今みんなで飯食っとるからな…多分ほぼ空だ」
【ミヅキ!】
嫌な予感がドンドン強くなる…
ドカンっ!
シルバは堪らずに天井を突き破り厨房を目指した!
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