文字の大きさ
大
中
小
519 / 639
14章
668.胸騒ぎ
私はシンク達にシルバの事を頼み王子のリクエストの卵焼きを作りにギルドの厨房に一人で向かった。
扉を押して入るとシーンとしている、防音がしっかりとしていて外の騒がしい音も遮断されている。
静かな空間で落ち着くと材料を取り出して早速作り出す。
「まずは卵を混ぜてさとうと少しの塩…あとは出汁も少しだけ…」
カシャカシャと切るように混ぜると卵焼き用のフライパンを取り出す。
「ついでにみんなの分も焼いとくかな…」
絶対に足らなくなると思うと少し嬉しくて何度か繰り返して多めに卵焼きを作っていると…
ガタッ…
扉が開く音がした。
今はみんな料理を食べるの事に夢中のはずなのに、そう思いつつ誰が来たのかなと後ろを振り返ると…
「やっと見つけた…」
そこには頭の毛がうっすらと残っているガルバドゥスが目をギラつかせて立っていた。
「えっ?なんで?」
この人アトラス様達が捕まえて牢屋にぶち込んだって言ってたのに…
「だ、誰か…!!」
私は声をあげたがここはギルドの厨房のなか…しかも防音ということもあり声が外に届くとは思えなかった。
「おっと…声をあげるな!これが何かわかるか?」
しかも脅すように黒い魔石を見せつけた。
「なんでまだ持ってるの…取り上げたはずなのに…」
「体に埋め込んで隠し持ってたんだ、いざと言う時の為に…」
「そんな事したらもう人に戻れなくなるよ!!」
哀れみの目を向ける…この人はもう黒い魔石にどっぷりとハマってしまっているように見えた…まるで麻薬に取り憑かれた廃人のようだ…
「もう戻れないんだよ!ならお前を連れてあの人のところに行くまでだ!お前を連れていけばきっと私を認めてくださる…そうすればもっとたくさんこの魔石をくれるはず…魔石があれば俺はなんでも出来るんだ!」
「あの人…?」
「お前と同じ顔のあの人だ!」
「アナテマ…」
兄と言ったアナテマの顔が浮かんだ。
「お前が獣人の国に来ることを教えてくださったのもあの人だ!アトラスを幽閉してお前の邪魔をするようにと…そうすればこの国は私のものになったのに…同じ顔のお前がきっと何か秘密を握っているんだろ?」
「知らない…私は関係ない…あの子…アナテマとは」
「そんなわけないだろそんな同じ顔をしておいて」
ニタリと可笑しそうに笑われた…その顔に思わず後ずさりするが、強がってキッ!と睨みつけた!
「ここにはアトラス様達もいるし私の仲間も沢山いる!私だって大人しく捕まるわけないよ!」
「そんなのわかってる…」
ガルバドゥスはクックックと笑うと魔石を掲げた。
何する気!?
私は防壁を張ろうとすると…
「馬鹿め!ここが何処か忘れたか?」
魔法を使おうとするのに発動しない…
「なんで?」
「ここは獣人の国のギルドだ!部屋には色々な仕掛けがしてあるんだよ!」
【シンク!プルシア!コハク…みんな!】
シンク達に声をかけるが反応がない。
エリクサーの話をする時みたいな遮断する魔法がかかっているようだった。
「叫んでみるか?お前の声は誰にも届かんぞ~」
ガルバドゥスがニタニタ笑いながらじわじわとその距離を縮めてくる。
ここの防音の事も承知のようだった…
「うっ!みんなー!!アトラス様!」
ダメ元で大声で叫びながら扉に走った!
ガチャガチャと扉の取っ手に手をかけるが開かない…あいつが扉に鍵をかけたようだ。
「無駄無駄~」
【ムー!レム!……】
「シルバ…ベイカーさん…」
壁側に追い詰められると最後に浮かんだのはしょげているあの二人の顔だった…
◆
【ミヅキ…?】
シルバはミヅキに呼ばれた気がしてスクッと立ち上がる…
アランには反省中だから動くなと言われたがじっとなどしていられなかった。
全身が何故かゾワゾワする…
「どうした?」
ベイカーが俺の様子に声をかけてきた。
【シルバ~!反省した?】
するとシンク達が様子を見にこちらに向かってくる…しかしそこにミヅキの姿はない。
ベイカーも俺の反応がシンク達だと感じたようで一人ミヅキの元に行こうかとあっちはあっちでソワソワしていた。
【シンク…ミヅキはどうした?】
【どうした?じゃないよ!シルバの事を怒ってるけど…心配そうに様子見てきてって頼まれたんだよ!】
【主人をあんなに心配させてどうする】
シンクとプルシアから呆れられるが今はそれよりもミヅキが気になる…
【俺は…今ミヅキから拒否されて話せん…お前たちミヅキは今どうしてるか話してみてくれ!】
俺の様子にシンクが首を傾げながら声をかけているようだ…が怪訝な顔が返ってきた。
【あれ?ミヅキと繋がれない…】
【ミヅキ?ミヅキ!】
プルシアも試して見るが反応がないようだ。コハクも同様に首を傾げる。
【嫌な予感がする…】
俺はいてもたってもいられずにギルドの方に駆け出した!
【待って!僕らも行くよ!】
シンク達が後を追うと…
「シルバ…?アランさん俺行くわ!なんかシルバの様子が変だから」
ベイカーがそう言うと後からついてくる。
【ミヅキは王子のご飯作るのにギルドの厨房に一人で行ったんだよ!】
シンクが先を先導する為に前に出るとその後をついて行きながら牙を剥き出す!
【なぜ一人にした!】
【シ、シルバに言われたくないよ!ミヅキが獣人達もいるしギルド内だから一人で大丈夫って…でも残ればよかった…】
シンクも軽率だったとうなだれた。
【そうだよな…俺にお前達を責める資格はない…それ以前の問題だ…すまん】
シンク達に素直に謝る。
【ごめん…言いすぎた。シルバも反省してるよね…ミヅキと話せないなんて…僕なら無理!】
【そうだな】
【ないちゃう…】
プルシアとコハクが想像したのか顔を顰めて同意した。
【もうしばらくは肉は食わん…それよりも何よりミヅキに触れて欲しい…あの手が恋しい】
【僕達も一緒謝ってあげるから!早くミヅキの所に行こう!】
シンクが加速した!
ギルドの建物に着くとベイカーに扉を開けてもらう。
俺達の様子からディムロスとロブも着いてきた。
【こっち!】
シンクがスイスイと建物内を飛び回ると…
「おかしい…」
ロブが首を傾げる。
「どうした!?」
ディムロスが聞くと
「なんかギルド内に魔法のロックがかけられた後がある…」
「ロックしてたんじゃないのか?」
ベイカーが聞くと
「いや、獣人達が来るから重要な部屋以外は臭いも消して出入りが自由に出来るようにしておいたんだ…」
「ギルドに誰かいないのか!」
「今みんなで飯食っとるからな…多分ほぼ空だ」
【ミヅキ!】
嫌な予感がドンドン強くなる…
ドカンっ!
シルバは堪らずに天井を突き破り厨房を目指した!
扉を押して入るとシーンとしている、防音がしっかりとしていて外の騒がしい音も遮断されている。
静かな空間で落ち着くと材料を取り出して早速作り出す。
「まずは卵を混ぜてさとうと少しの塩…あとは出汁も少しだけ…」
カシャカシャと切るように混ぜると卵焼き用のフライパンを取り出す。
「ついでにみんなの分も焼いとくかな…」
絶対に足らなくなると思うと少し嬉しくて何度か繰り返して多めに卵焼きを作っていると…
ガタッ…
扉が開く音がした。
今はみんな料理を食べるの事に夢中のはずなのに、そう思いつつ誰が来たのかなと後ろを振り返ると…
「やっと見つけた…」
そこには頭の毛がうっすらと残っているガルバドゥスが目をギラつかせて立っていた。
「えっ?なんで?」
この人アトラス様達が捕まえて牢屋にぶち込んだって言ってたのに…
「だ、誰か…!!」
私は声をあげたがここはギルドの厨房のなか…しかも防音ということもあり声が外に届くとは思えなかった。
「おっと…声をあげるな!これが何かわかるか?」
しかも脅すように黒い魔石を見せつけた。
「なんでまだ持ってるの…取り上げたはずなのに…」
「体に埋め込んで隠し持ってたんだ、いざと言う時の為に…」
「そんな事したらもう人に戻れなくなるよ!!」
哀れみの目を向ける…この人はもう黒い魔石にどっぷりとハマってしまっているように見えた…まるで麻薬に取り憑かれた廃人のようだ…
「もう戻れないんだよ!ならお前を連れてあの人のところに行くまでだ!お前を連れていけばきっと私を認めてくださる…そうすればもっとたくさんこの魔石をくれるはず…魔石があれば俺はなんでも出来るんだ!」
「あの人…?」
「お前と同じ顔のあの人だ!」
「アナテマ…」
兄と言ったアナテマの顔が浮かんだ。
「お前が獣人の国に来ることを教えてくださったのもあの人だ!アトラスを幽閉してお前の邪魔をするようにと…そうすればこの国は私のものになったのに…同じ顔のお前がきっと何か秘密を握っているんだろ?」
「知らない…私は関係ない…あの子…アナテマとは」
「そんなわけないだろそんな同じ顔をしておいて」
ニタリと可笑しそうに笑われた…その顔に思わず後ずさりするが、強がってキッ!と睨みつけた!
「ここにはアトラス様達もいるし私の仲間も沢山いる!私だって大人しく捕まるわけないよ!」
「そんなのわかってる…」
ガルバドゥスはクックックと笑うと魔石を掲げた。
何する気!?
私は防壁を張ろうとすると…
「馬鹿め!ここが何処か忘れたか?」
魔法を使おうとするのに発動しない…
「なんで?」
「ここは獣人の国のギルドだ!部屋には色々な仕掛けがしてあるんだよ!」
【シンク!プルシア!コハク…みんな!】
シンク達に声をかけるが反応がない。
エリクサーの話をする時みたいな遮断する魔法がかかっているようだった。
「叫んでみるか?お前の声は誰にも届かんぞ~」
ガルバドゥスがニタニタ笑いながらじわじわとその距離を縮めてくる。
ここの防音の事も承知のようだった…
「うっ!みんなー!!アトラス様!」
ダメ元で大声で叫びながら扉に走った!
ガチャガチャと扉の取っ手に手をかけるが開かない…あいつが扉に鍵をかけたようだ。
「無駄無駄~」
【ムー!レム!……】
「シルバ…ベイカーさん…」
壁側に追い詰められると最後に浮かんだのはしょげているあの二人の顔だった…
◆
【ミヅキ…?】
シルバはミヅキに呼ばれた気がしてスクッと立ち上がる…
アランには反省中だから動くなと言われたがじっとなどしていられなかった。
全身が何故かゾワゾワする…
「どうした?」
ベイカーが俺の様子に声をかけてきた。
【シルバ~!反省した?】
するとシンク達が様子を見にこちらに向かってくる…しかしそこにミヅキの姿はない。
ベイカーも俺の反応がシンク達だと感じたようで一人ミヅキの元に行こうかとあっちはあっちでソワソワしていた。
【シンク…ミヅキはどうした?】
【どうした?じゃないよ!シルバの事を怒ってるけど…心配そうに様子見てきてって頼まれたんだよ!】
【主人をあんなに心配させてどうする】
シンクとプルシアから呆れられるが今はそれよりもミヅキが気になる…
【俺は…今ミヅキから拒否されて話せん…お前たちミヅキは今どうしてるか話してみてくれ!】
俺の様子にシンクが首を傾げながら声をかけているようだ…が怪訝な顔が返ってきた。
【あれ?ミヅキと繋がれない…】
【ミヅキ?ミヅキ!】
プルシアも試して見るが反応がないようだ。コハクも同様に首を傾げる。
【嫌な予感がする…】
俺はいてもたってもいられずにギルドの方に駆け出した!
【待って!僕らも行くよ!】
シンク達が後を追うと…
「シルバ…?アランさん俺行くわ!なんかシルバの様子が変だから」
ベイカーがそう言うと後からついてくる。
【ミヅキは王子のご飯作るのにギルドの厨房に一人で行ったんだよ!】
シンクが先を先導する為に前に出るとその後をついて行きながら牙を剥き出す!
【なぜ一人にした!】
【シ、シルバに言われたくないよ!ミヅキが獣人達もいるしギルド内だから一人で大丈夫って…でも残ればよかった…】
シンクも軽率だったとうなだれた。
【そうだよな…俺にお前達を責める資格はない…それ以前の問題だ…すまん】
シンク達に素直に謝る。
【ごめん…言いすぎた。シルバも反省してるよね…ミヅキと話せないなんて…僕なら無理!】
【そうだな】
【ないちゃう…】
プルシアとコハクが想像したのか顔を顰めて同意した。
【もうしばらくは肉は食わん…それよりも何よりミヅキに触れて欲しい…あの手が恋しい】
【僕達も一緒謝ってあげるから!早くミヅキの所に行こう!】
シンクが加速した!
ギルドの建物に着くとベイカーに扉を開けてもらう。
俺達の様子からディムロスとロブも着いてきた。
【こっち!】
シンクがスイスイと建物内を飛び回ると…
「おかしい…」
ロブが首を傾げる。
「どうした!?」
ディムロスが聞くと
「なんかギルド内に魔法のロックがかけられた後がある…」
「ロックしてたんじゃないのか?」
ベイカーが聞くと
「いや、獣人達が来るから重要な部屋以外は臭いも消して出入りが自由に出来るようにしておいたんだ…」
「ギルドに誰かいないのか!」
「今みんなで飯食っとるからな…多分ほぼ空だ」
【ミヅキ!】
嫌な予感がドンドン強くなる…
ドカンっ!
シルバは堪らずに天井を突き破り厨房を目指した!
感想 6,830
あなたにおすすめの小説
過保護すぎる家族に囲まれて育ったら、外の世界が危険すぎました 〜冷酷公爵の父と最強兄たちに溺愛される日々〜
由香過保護な父と兄たちに囲まれて育った少女。
初めての外は危険だらけ——のはずが、全部“秒で解決”。
溺愛×コメディ×ほんのり成長の、ほっこり家族物語。
一夜の過ちで懐妊したら、幼なじみの冷酷皇帝に溺愛されました
由香没落貴族の娘・柳月鈴は、宮廷で医官見習いとして働いていた。
ある夜、皇帝即位の宴で酒に酔い、幼なじみだった皇帝・李景珩と再会する。
遠い存在になったはずの彼。
けれど、その夜をきっかけに月鈴の運命は大きく動き出す。
冷酷と恐れられる皇帝が、なぜか彼女だけには甘すぎて――。
私の作るおにぎりが、騎士団の士気を異常に上げています(犯人は副団長)
星乃和花おにぎりを配っただけで、騎士団の士気が異常値になりました。
団長は警戒、監察部は呪術検査、国まで動きかけるのに――副団長だけが平然と断言。
副団長「彼女のご飯は軍事物資です」
私「えっ重い」
胃袋で落ちた策略家副団長の“最適化溺愛”に巻き込まれ、気づけば専属補給係(=婚約)寸前!?
ほのぼの爆笑&甘々の騎士団ラブコメです。
(完結済ー本編16話+後日談6話)
【完結】悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
本編完結済です。
もっちもっち感謝祭で、リクエストいただいたお話を更新しています。
皆さまの応援のおかげで『もふもふ獣人に転生したら、最愛の推しに溺愛されています』書籍化、心から、ありがとうございます!
皆の動画をつくりました!
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです!
表紙や動画にAIを使っていますが、小説にはAIを使っておりません
異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?
すずなり。ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。
一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。
「俺とデートしない?」
「僕と一緒にいようよ。」
「俺だけがお前を守れる。」
(なんでそんなことを私にばっかり言うの!?)
そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。
「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」
「・・・・へ!?」
『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。
※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。
ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?
来栖とむブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。
そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった!
亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。
「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」
「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」
おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。
現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。
お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、
美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
一妻多夫の獣人世界でマッチングアプリします♡
具なっしー前世の記憶を持つソフィアは、綿菓子のような虹色の髪を持つオコジョ獣人の令嬢。
この世界では男女比が極端に偏っており、女性が複数の夫を持つ「一妻多夫制」が当たり前。でも、前世日本人だったソフィアには、一人の人を愛する感覚しかなくて……。
そんな私に、20人の父様たちは「施設(強制繁殖システム)送り」を避けるため、マッチングアプリを始めさせた。
最初は戸惑いながらも、出会った男性たちはみんな魅力的で、優しくて、一途で――。
■ 大人の余裕とちょっと意地悪な研究者
■ 不器用だけど一途な騎士
■ ぶっきらぼうだけど優しい元義賊
■ 完璧主義だけど私にだけ甘えん坊な商人
■ 超ピュアなジムインストラクター
■ コミュ力高めで超甘々なパティシエ
■ 私に一生懸命な天才年下魔法学者
気づけば7人全員と婚約していた!?
「私達はきっと良い家族になれます!」
これは、一人の少女と七人(…)の婚約者たちが、愛と絆を育んでいく、ちょっと甘くて笑える逆ハーレム・ラブコメディ。
という異世界×獣人×一妻多夫×マッチングアプリの、設定盛りだくさんな話。超ご都合主義なので苦手な人は注意!
※表紙はAIです
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。