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14章
669.防具
天井を突き破って厨房の前に来て扉に体当たりする!
扉は簡単に外れると地面に倒れ込んだ、その上に脚を乗せて部屋に入るとズンと扉が沈む。
【ミヅキ!!】
構わずに部屋に入ってミヅキが居ないか確認するが…人っ子一人居ない…
【何処だ!】
匂いを嗅ぐが色んな匂いが混ざりあってよく分からなかった。
「シンク!ここにミヅキがいたのか!?」
ベイカーの叫びにシンクがコクコクと頷く。
「ミヅキを攫ったやつがいるのか?しかしなんの目的だ?」
「そんな事をしそうな奴は…まさかアナテマ?」
「いや…あいつならさっき会った時に連れ去ることも出来たはずだ…」
ピクっ!
するとシルバが反応する!
僅かなミヅキの匂いを嗅ぎつけたようだ!
【こっちから微かにミヅキの匂いが!!】
シルバは鼻を地面に擦りつけながら匂いを辿っていった。
◆
「くそ…クソ…グゾ…」
ガルバドゥスはミヅキを抱えながらやっとの事歩いていた…
魔石の力を借りて気を失わせたのは良かったが…何故か倍の魔力で弾き返され体に傷を負わされていた。
「一体何をしたんだ…」
咄嗟にかばった右手があらぬ方向を向いて取れかかっている。
体の魔石のおかげで何とか血を止めたが体を全て元に戻すまでにはいかなかった…
このままでは待つのは…死…
ガルバドゥスは潰れた足を引きずって森の奥へとどうにか進んで行った…
人気のない所に来るとミヅキをドサッと地面に落とす。
その時頭から落ちて血を流したがそんな事に構ってはいられない!
ガルバドゥスは魔石を握りしめて〝あの人〟を呼んだ!
「あの娘を連れてきました!どうか姿を見せて下さい!」
祈るように目を瞑るが反応がない。
魔石を見ると色がくすみピシッと亀裂が入ってしまった。
「そ、そんな…」
頼りの魔石が使えない…ガルバドゥスは絶望のあまりポロッと魔石を落としてしまう。
魔石はガルバドゥスの手から離れミヅキの側へと落ちた…するとミヅキの流した血の上にポチャッと落ちる。
ギュン!
まるで求めていたかのようにミヅキの流した血を吸い込んだ…
その瞬間魔石がオドオドしく光り出す。
「えっ?」
ガルバドゥスは急に光出した魔石を慌てて拾うと…
「ぎゃっ!」
手に痛みが走った!
見ると魔石に触れた場所が爛れている。
「な、なんだ…」
落ちた魔石を見つめていると…
「それを何処で?」
すぐ後ろにアナテマが立っていた!
「あっ!アナテマ様!」
ガルバドゥスは慌てて離れると頭を垂れた。
「すみません…私が不甲斐なく…獣人の国を手に入れられませんでした。しかし!まだ大丈夫です!新しい魔石があればまた必ず…!」
「別に…獣人の国なんてどうでもいいんだけど…」
アナテマはボソッとつぶやくと
「えっ?」
ガルバドゥスは顔をあげてアナテマを見上げた…
「それよりもその魔石…貸して」
アナテマが魔石を指さして手を差し出す。
「そ、それが私は手に触れることが出来なくて…」
ガルバドゥスが戸惑っていると
「僕の言う事聞けないの?」
アナテマがにっこりと笑った。
「ち、違います!私が手に取ると…このように爛れてしまい…」
「それがどうしたの?早く持って」
アナテマは構わずに手を差し出している。
「は、はい…」
ガルバドゥスは恐る恐る魔石に手を伸ばした…
ジュッ!と肉の焼ける匂いがする…ガルバドゥスは脂汗を流しながら震える手で魔石を両手に持ちアナテマに差し出した。
アナテマが手を伸ばそうとすると…
バチッ!
何かに弾かれて触れない…
なんだ…?
アナテマはじっとその魔石を見つめていると…
「ア、アナテマ様…魔石を…」
手がただれ続けるガルバドゥスが耐えられずに声をかけた。
「僕の手まで焼けちゃうから、お前が持ってて。それよりもこの魔石に何かした?」
「い、いえ、何も。落としてしまったら急に光り出し…このように…」
「ふーん…」
顎に手を当てて思案しながら横に転がるミヅキを見下ろす。
「それで?そいつはどうしたの?」
今度はミヅキを指さすと
「はっ!アナテマ様に献上しようと連れてきました!必要ないなら処分しますが…」
ガルバドゥスの言葉に周りの空気がヒヤッとした。
「そんなの許さないよ…」
ギロっとガルバドゥスを睨みつけると
「ひっ…」
ガタガタと震えだす。
「まぁいっか…折角だし連れていくかな…」
そう言ってミヅキの髪をつかもうとすると…
バチッ!
「あれ?」
先程と同じように拒否反応が出た…
「ムカつく…兄である僕を拒否だと…魔石と同じ反応だなぁ、こいつが何かしたのか…」
ミヅキと魔石を見て考え込むアナテマをガルバドゥスは伺うように見つめていると…
「アナテマ様……」
もう限界だと声をかけた。
「なに?」
考えてる所を邪魔されて不機嫌そうにアナテマはガルバドゥスを睨みつける。
「も、申し訳ございません…しかし…私も…限界で…お願いします…魔石を…」
懇願するように頭を地面に擦り付けた。
「そんなに魔石が好きか?」
「はい!」
「なら望み通り…魔石にしてあげるよ…」
「え?ち、ちが…!」
アナテマはニタリと笑うとガルバドゥスを手にかけた…
「ちっさ…まぁこんな奴はこんなもんにしかならないか…」
アナテマは魔石となったガルバドゥスを握りしめるとミヅキを見下ろす。
「やっぱり本人に納得してこっちに来てもらわないと駄目かなぁ…」
もう一度触ってみるがやはり何かに邪魔をされる…よく見ると首から下がっているネックレスの様な物が見えた。
「はーん…これか…」
アナテマはそれにガルバドゥスの魔石をピンッ!と投げつけた!
ピンッ!
ネックレスに付いた宝石に当たりヒビが入る。
「これでよし…」
アナテマは満足するとミヅキの髪を掴んで頭を持ち上げる。
「お前は必ず僕の元に来る…それも懇願してね…真っ黒い魔物に気をつけな…」
そうつぶやくがミヅキは気を失ったままだった。
「さて…じゃあこの魔石を持って帰って見るかな…」
アナテマはミヅキから手を離すとミヅキの血を吸った魔石を見つめた。
「まぁ少しなら大丈夫だろ」
そしてそっと掴むと闇の中へと消えていった。
扉は簡単に外れると地面に倒れ込んだ、その上に脚を乗せて部屋に入るとズンと扉が沈む。
【ミヅキ!!】
構わずに部屋に入ってミヅキが居ないか確認するが…人っ子一人居ない…
【何処だ!】
匂いを嗅ぐが色んな匂いが混ざりあってよく分からなかった。
「シンク!ここにミヅキがいたのか!?」
ベイカーの叫びにシンクがコクコクと頷く。
「ミヅキを攫ったやつがいるのか?しかしなんの目的だ?」
「そんな事をしそうな奴は…まさかアナテマ?」
「いや…あいつならさっき会った時に連れ去ることも出来たはずだ…」
ピクっ!
するとシルバが反応する!
僅かなミヅキの匂いを嗅ぎつけたようだ!
【こっちから微かにミヅキの匂いが!!】
シルバは鼻を地面に擦りつけながら匂いを辿っていった。
◆
「くそ…クソ…グゾ…」
ガルバドゥスはミヅキを抱えながらやっとの事歩いていた…
魔石の力を借りて気を失わせたのは良かったが…何故か倍の魔力で弾き返され体に傷を負わされていた。
「一体何をしたんだ…」
咄嗟にかばった右手があらぬ方向を向いて取れかかっている。
体の魔石のおかげで何とか血を止めたが体を全て元に戻すまでにはいかなかった…
このままでは待つのは…死…
ガルバドゥスは潰れた足を引きずって森の奥へとどうにか進んで行った…
人気のない所に来るとミヅキをドサッと地面に落とす。
その時頭から落ちて血を流したがそんな事に構ってはいられない!
ガルバドゥスは魔石を握りしめて〝あの人〟を呼んだ!
「あの娘を連れてきました!どうか姿を見せて下さい!」
祈るように目を瞑るが反応がない。
魔石を見ると色がくすみピシッと亀裂が入ってしまった。
「そ、そんな…」
頼りの魔石が使えない…ガルバドゥスは絶望のあまりポロッと魔石を落としてしまう。
魔石はガルバドゥスの手から離れミヅキの側へと落ちた…するとミヅキの流した血の上にポチャッと落ちる。
ギュン!
まるで求めていたかのようにミヅキの流した血を吸い込んだ…
その瞬間魔石がオドオドしく光り出す。
「えっ?」
ガルバドゥスは急に光出した魔石を慌てて拾うと…
「ぎゃっ!」
手に痛みが走った!
見ると魔石に触れた場所が爛れている。
「な、なんだ…」
落ちた魔石を見つめていると…
「それを何処で?」
すぐ後ろにアナテマが立っていた!
「あっ!アナテマ様!」
ガルバドゥスは慌てて離れると頭を垂れた。
「すみません…私が不甲斐なく…獣人の国を手に入れられませんでした。しかし!まだ大丈夫です!新しい魔石があればまた必ず…!」
「別に…獣人の国なんてどうでもいいんだけど…」
アナテマはボソッとつぶやくと
「えっ?」
ガルバドゥスは顔をあげてアナテマを見上げた…
「それよりもその魔石…貸して」
アナテマが魔石を指さして手を差し出す。
「そ、それが私は手に触れることが出来なくて…」
ガルバドゥスが戸惑っていると
「僕の言う事聞けないの?」
アナテマがにっこりと笑った。
「ち、違います!私が手に取ると…このように爛れてしまい…」
「それがどうしたの?早く持って」
アナテマは構わずに手を差し出している。
「は、はい…」
ガルバドゥスは恐る恐る魔石に手を伸ばした…
ジュッ!と肉の焼ける匂いがする…ガルバドゥスは脂汗を流しながら震える手で魔石を両手に持ちアナテマに差し出した。
アナテマが手を伸ばそうとすると…
バチッ!
何かに弾かれて触れない…
なんだ…?
アナテマはじっとその魔石を見つめていると…
「ア、アナテマ様…魔石を…」
手がただれ続けるガルバドゥスが耐えられずに声をかけた。
「僕の手まで焼けちゃうから、お前が持ってて。それよりもこの魔石に何かした?」
「い、いえ、何も。落としてしまったら急に光り出し…このように…」
「ふーん…」
顎に手を当てて思案しながら横に転がるミヅキを見下ろす。
「それで?そいつはどうしたの?」
今度はミヅキを指さすと
「はっ!アナテマ様に献上しようと連れてきました!必要ないなら処分しますが…」
ガルバドゥスの言葉に周りの空気がヒヤッとした。
「そんなの許さないよ…」
ギロっとガルバドゥスを睨みつけると
「ひっ…」
ガタガタと震えだす。
「まぁいっか…折角だし連れていくかな…」
そう言ってミヅキの髪をつかもうとすると…
バチッ!
「あれ?」
先程と同じように拒否反応が出た…
「ムカつく…兄である僕を拒否だと…魔石と同じ反応だなぁ、こいつが何かしたのか…」
ミヅキと魔石を見て考え込むアナテマをガルバドゥスは伺うように見つめていると…
「アナテマ様……」
もう限界だと声をかけた。
「なに?」
考えてる所を邪魔されて不機嫌そうにアナテマはガルバドゥスを睨みつける。
「も、申し訳ございません…しかし…私も…限界で…お願いします…魔石を…」
懇願するように頭を地面に擦り付けた。
「そんなに魔石が好きか?」
「はい!」
「なら望み通り…魔石にしてあげるよ…」
「え?ち、ちが…!」
アナテマはニタリと笑うとガルバドゥスを手にかけた…
「ちっさ…まぁこんな奴はこんなもんにしかならないか…」
アナテマは魔石となったガルバドゥスを握りしめるとミヅキを見下ろす。
「やっぱり本人に納得してこっちに来てもらわないと駄目かなぁ…」
もう一度触ってみるがやはり何かに邪魔をされる…よく見ると首から下がっているネックレスの様な物が見えた。
「はーん…これか…」
アナテマはそれにガルバドゥスの魔石をピンッ!と投げつけた!
ピンッ!
ネックレスに付いた宝石に当たりヒビが入る。
「これでよし…」
アナテマは満足するとミヅキの髪を掴んで頭を持ち上げる。
「お前は必ず僕の元に来る…それも懇願してね…真っ黒い魔物に気をつけな…」
そうつぶやくがミヅキは気を失ったままだった。
「さて…じゃあこの魔石を持って帰って見るかな…」
アナテマはミヅキから手を離すとミヅキの血を吸った魔石を見つめた。
「まぁ少しなら大丈夫だろ」
そしてそっと掴むと闇の中へと消えていった。
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