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14章
671.戸惑い
記憶を無くして出会った頃に戻ってしまったミヅキを連れてとりあえずベイカー達はギルドに戻ってきた。
ギルドの前ではすでにミヅキ達が用意したご馳走は食べ尽くされて満腹げに寝っ転がった獣人達が溢れている。
「す、凄い…本当にファンタジーの世界だ…」
シルバに乗ったミヅキがその光景をみてボソッとつぶやいた。
興味深く獣人たちの耳や尻尾を見ては頬を染めて目を輝かせ喜んでいた。
「か、可愛い…あっ!あっちの人かっこいいな…」
そうつぶやく先にはユリウスとシリウスがいて、隣にいたレオンハルト王子がミヅキに気がついてこちらに向かってきた。
「ミヅキ!遅いぞ!待ちくたびれた」
レオンハルト王子がミヅキのそばにズカズカと歩きながら話しかけるとミヅキの顔が曇る…
不安げにベイカーを見上げた。
「あー…レオンハルト様ちょっとトラブルがありまして…」
言葉を濁す。
「どうかしたのか?」
するとアトラス様達も様子がおかしい事に気がついて近づいて来た…
「わっ!……ライオンの耳…?」
じっとアトラス様の耳と尻尾を見ながらそれを目で追っている。
ミヅキはミヅキだった…
「実は…」
ベイカーがミヅキが記憶を無くしたことをみんなに説明していると…
「アトラス様ー!」
王宮内で警備をしていた兵士がよろけながら駆け寄って来た。
「た、大変です!ガルバドゥスが逃げ出しました!」
「なに!?あの牢屋からどう逃げた!」
「魔法です…魔法を使って攻撃を…」
「あいつは魔力などもうないはず!」
「それが…何処かにアレを隠し持っていたようで…」
「確認はしなかったのか!!」
アトラスが怒鳴りつけると
「しました裸にして隅々まで…なにも持っていなかったのは確認しています…あったとすれば体の中かと…」
「くそ…すまんがミヅキの事は後で聞く。とりあえず私はガルバドゥスの捜索に向かう!」
アトラスがみんなに声をかけると…
「待てアトラス!もしかしたらミヅキの事とガルバドゥスの事は関連があるやもしれんぞ!」
ロブが捜索に向かおうとするアトラスを止めた。
「そうだな…ミヅキが倒れていた所に灰が落ちていた…多分そのハゲがアナテマってやつに灰にされたんだろ」
「あれが…」
アトラス様がアナテマを思い出して顔を顰めた。
「ミヅキを襲ってアナテマのところに連れていったが逆に自分が殺されたんだろうな…あやつに話など通じないだろう…」
アトラスもそれには納得する。
「しかし証拠もないからな…とりあえず兵士達に指示を出してくる。君たちも十分気をつけてくれ」
「わかった」
ベイカー達は頷くととりあえずギルド内へと入りミヅキの様子を見ることになった。
一番魔力に詳しいアルフノーヴァがミヅキを見ていると…
「きれー…」
ミヅキが自分を診察しようとするアルフノーヴァを見つめてポーっとする。
「ふふ、ありがとう。じゃちょっと見せてね」
アルフノーヴァはミヅキの様子に苦笑するとミヅキの頭など触って確認する。
「んっ…髪に血の跡が…頭を怪我したのかな?」
ミヅキの髪の毛にうっすら残った怪我の痕跡を見つけるとシンクがパタパタと羽ばたいた。
「なるほど、シンクさんが回復したんだね。頭を強くぶつけて記憶が無くなったみたいだなぁ…」
「治るのか!?」
レオンハルトが心配そうに聞くと
「わかりませんね…このままかもしれないしふとしたきっかけで思い出す事も…頭の怪我は繊細で難しいですから…」
「そ、そんな…」
レオンハルト王子が心配そうにミヅキを見つめると…
「あなたは?」
ミヅキが笑顔でレオンハルトに声をかけた!
「「「「えっ!?」」」」
その様子に一同が驚き声をあげた!
「お、おれか?」
レオンハルト自身が一番驚いていると
「うん」
ミヅキに笑顔を向けられて戸惑っていると覚悟を決めて話し出す!
「お、俺はレオンだ!ミヅキとは…友達だ!…まだ…」
語尾がだんだん小さくなる。
「そうなんだ…ごめんね覚えて無くて」
ミヅキが済まなそうに謝ってきた。
「ユリウス!シリウス!」
レオンハルトは二人を呼ぶと
「「なんでしょう?」」
「俺を殴れ!」
顔を二人に差し出した!
「「は?」」
双子らしく同じ顔で戸惑うと
「こんなの夢に決まってる…ミヅキが俺に笑いかけるなんて…」
「レオンハルト様…」
「大丈夫です…これは現実ですよ…」
二人が苦笑する。
そんな二人をミヅキはじっと見ていると…レオンハルトに近づいて…
「ねぇ…あの獣人の人達はお友達?私にも紹介してくれない?」
ミヅキがレオンハルトの耳にそっと話しかけた。
「ふあっ!」
レオンハルトはミヅキの息が耳にかかり変な声をあげる。
「こ、こいつらは…お、俺の…」
声が裏返ってドギマギしていると…
「こいつら?」
ミヅキの顔が曇った…
「い、いや!ユリウスとシリウスは俺の優秀な側近だ!」
「側近…レオンハルトってまさか結構いい身分なんですか?」
急によそよそしくなってしまった!
「い、いや!友達!ただの友達!ほら側近ごっこしてるんだ!」
レオンハルトは慌てて誤魔化すと
「なーんだ!びっくりした」
ミヅキの顔に笑顔が戻る。
「レオンハルト様…何言ってるんですか…」
ユリウスが呆れて声をかけると…
「シッ!!」
凄い剣幕で口を塞ぐ。
「ミヅキがこんなに親しく喋ってくれてるんだ!もう少し夢を見させてくれ!」
必死に頼み込む。
「しかし…」
ユリウスが困った顔をすると…
「はじめまして…」
ミヅキがレオンハルトの肩越しにシリウスとユリウスに話しかけてきた。
「はじめ…まして…」
そう言われてシリウスは少し胸がチクリと痛んだ。
「ミヅキ…私達の事も覚えていないのか?」
シリウスの耳と尻尾がシュンと下がった。
「えっ!ご、ごめんなさい…わからなくて…」
ミヅキのすまなそうな顔を見てシリウスは膝をついた。
「では改めて…俺はシリウスだ。よろしくなミヅキ」
「へへ…よろしく!シリウスさん!隣の人はお兄さん?」
ユリウスを見つめる。
「そうだ…よくわかったな…」
「なんでだろ…なんとなくそう思ったんだよね…」
ミヅキは首をひねった。
その後はバイオレッド様やアルフレッド様達と和やかにミヅキは話していた…そんな様子をベイカーとディムロスは心配そうに見つめる。
「どうする…あれ」
「参ったな…ミヅキなんだが。なんか寂しいぞ」
「俺もだ…」
二人は眉を下げて寂しそうに顔を見合わせると、ため息をついた。
ギルドの前ではすでにミヅキ達が用意したご馳走は食べ尽くされて満腹げに寝っ転がった獣人達が溢れている。
「す、凄い…本当にファンタジーの世界だ…」
シルバに乗ったミヅキがその光景をみてボソッとつぶやいた。
興味深く獣人たちの耳や尻尾を見ては頬を染めて目を輝かせ喜んでいた。
「か、可愛い…あっ!あっちの人かっこいいな…」
そうつぶやく先にはユリウスとシリウスがいて、隣にいたレオンハルト王子がミヅキに気がついてこちらに向かってきた。
「ミヅキ!遅いぞ!待ちくたびれた」
レオンハルト王子がミヅキのそばにズカズカと歩きながら話しかけるとミヅキの顔が曇る…
不安げにベイカーを見上げた。
「あー…レオンハルト様ちょっとトラブルがありまして…」
言葉を濁す。
「どうかしたのか?」
するとアトラス様達も様子がおかしい事に気がついて近づいて来た…
「わっ!……ライオンの耳…?」
じっとアトラス様の耳と尻尾を見ながらそれを目で追っている。
ミヅキはミヅキだった…
「実は…」
ベイカーがミヅキが記憶を無くしたことをみんなに説明していると…
「アトラス様ー!」
王宮内で警備をしていた兵士がよろけながら駆け寄って来た。
「た、大変です!ガルバドゥスが逃げ出しました!」
「なに!?あの牢屋からどう逃げた!」
「魔法です…魔法を使って攻撃を…」
「あいつは魔力などもうないはず!」
「それが…何処かにアレを隠し持っていたようで…」
「確認はしなかったのか!!」
アトラスが怒鳴りつけると
「しました裸にして隅々まで…なにも持っていなかったのは確認しています…あったとすれば体の中かと…」
「くそ…すまんがミヅキの事は後で聞く。とりあえず私はガルバドゥスの捜索に向かう!」
アトラスがみんなに声をかけると…
「待てアトラス!もしかしたらミヅキの事とガルバドゥスの事は関連があるやもしれんぞ!」
ロブが捜索に向かおうとするアトラスを止めた。
「そうだな…ミヅキが倒れていた所に灰が落ちていた…多分そのハゲがアナテマってやつに灰にされたんだろ」
「あれが…」
アトラス様がアナテマを思い出して顔を顰めた。
「ミヅキを襲ってアナテマのところに連れていったが逆に自分が殺されたんだろうな…あやつに話など通じないだろう…」
アトラスもそれには納得する。
「しかし証拠もないからな…とりあえず兵士達に指示を出してくる。君たちも十分気をつけてくれ」
「わかった」
ベイカー達は頷くととりあえずギルド内へと入りミヅキの様子を見ることになった。
一番魔力に詳しいアルフノーヴァがミヅキを見ていると…
「きれー…」
ミヅキが自分を診察しようとするアルフノーヴァを見つめてポーっとする。
「ふふ、ありがとう。じゃちょっと見せてね」
アルフノーヴァはミヅキの様子に苦笑するとミヅキの頭など触って確認する。
「んっ…髪に血の跡が…頭を怪我したのかな?」
ミヅキの髪の毛にうっすら残った怪我の痕跡を見つけるとシンクがパタパタと羽ばたいた。
「なるほど、シンクさんが回復したんだね。頭を強くぶつけて記憶が無くなったみたいだなぁ…」
「治るのか!?」
レオンハルトが心配そうに聞くと
「わかりませんね…このままかもしれないしふとしたきっかけで思い出す事も…頭の怪我は繊細で難しいですから…」
「そ、そんな…」
レオンハルト王子が心配そうにミヅキを見つめると…
「あなたは?」
ミヅキが笑顔でレオンハルトに声をかけた!
「「「「えっ!?」」」」
その様子に一同が驚き声をあげた!
「お、おれか?」
レオンハルト自身が一番驚いていると
「うん」
ミヅキに笑顔を向けられて戸惑っていると覚悟を決めて話し出す!
「お、俺はレオンだ!ミヅキとは…友達だ!…まだ…」
語尾がだんだん小さくなる。
「そうなんだ…ごめんね覚えて無くて」
ミヅキが済まなそうに謝ってきた。
「ユリウス!シリウス!」
レオンハルトは二人を呼ぶと
「「なんでしょう?」」
「俺を殴れ!」
顔を二人に差し出した!
「「は?」」
双子らしく同じ顔で戸惑うと
「こんなの夢に決まってる…ミヅキが俺に笑いかけるなんて…」
「レオンハルト様…」
「大丈夫です…これは現実ですよ…」
二人が苦笑する。
そんな二人をミヅキはじっと見ていると…レオンハルトに近づいて…
「ねぇ…あの獣人の人達はお友達?私にも紹介してくれない?」
ミヅキがレオンハルトの耳にそっと話しかけた。
「ふあっ!」
レオンハルトはミヅキの息が耳にかかり変な声をあげる。
「こ、こいつらは…お、俺の…」
声が裏返ってドギマギしていると…
「こいつら?」
ミヅキの顔が曇った…
「い、いや!ユリウスとシリウスは俺の優秀な側近だ!」
「側近…レオンハルトってまさか結構いい身分なんですか?」
急によそよそしくなってしまった!
「い、いや!友達!ただの友達!ほら側近ごっこしてるんだ!」
レオンハルトは慌てて誤魔化すと
「なーんだ!びっくりした」
ミヅキの顔に笑顔が戻る。
「レオンハルト様…何言ってるんですか…」
ユリウスが呆れて声をかけると…
「シッ!!」
凄い剣幕で口を塞ぐ。
「ミヅキがこんなに親しく喋ってくれてるんだ!もう少し夢を見させてくれ!」
必死に頼み込む。
「しかし…」
ユリウスが困った顔をすると…
「はじめまして…」
ミヅキがレオンハルトの肩越しにシリウスとユリウスに話しかけてきた。
「はじめ…まして…」
そう言われてシリウスは少し胸がチクリと痛んだ。
「ミヅキ…私達の事も覚えていないのか?」
シリウスの耳と尻尾がシュンと下がった。
「えっ!ご、ごめんなさい…わからなくて…」
ミヅキのすまなそうな顔を見てシリウスは膝をついた。
「では改めて…俺はシリウスだ。よろしくなミヅキ」
「へへ…よろしく!シリウスさん!隣の人はお兄さん?」
ユリウスを見つめる。
「そうだ…よくわかったな…」
「なんでだろ…なんとなくそう思ったんだよね…」
ミヅキは首をひねった。
その後はバイオレッド様やアルフレッド様達と和やかにミヅキは話していた…そんな様子をベイカーとディムロスは心配そうに見つめる。
「どうする…あれ」
「参ったな…ミヅキなんだが。なんか寂しいぞ」
「俺もだ…」
二人は眉を下げて寂しそうに顔を見合わせると、ため息をついた。
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