ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

三園 七詩

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14章

672.記憶

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【ねぇミヅキ、こっち向いてよ…】

【ぼくのこえ、もう…とどかないの?】

シンクとコハクは笑顔で獣人達と話すミヅキのそばでずっと語りかけていた。

【二人とも…今は繋がりが切れている。私らの声はミヅキには届かないよ】

プルシアがシンクとコハクにそっと声をかけた。

【嫌だよ僕!このままミヅキと喋れないなんて!】

【ぼくも…】

コハクがしゅんと耳を垂れると…

「あれ?どうしたの?」

ミヅキがそんなコハクに気がついて頭を撫でてきた。

【ミヅキ!】

「なんか元気ないね?みんなはここに住んでるのかな?」

ニコニコと変わらぬ笑顔で触りながら話しかけてくる。

その笑顔は見慣れた笑顔だが…なんだかとても悲しかった。

「くぅーん…」

コハクは甘えた声で鳴くとミヅキの体に擦り寄った。

「なんか…寂しそう…どうしたんだろ」

そんなコハクをギュッと抱きしめていると

「グルル…」

シルバがミヅキの前に座った。

「あっ…狼さん」

ミヅキはじっとこちらを見つめてくるシルバを見上げると…

やっぱり銀に似てる。

こんなに大きな獣なのに何故だかちっとも怖くなかった…

それどころかこの子を見ていると胸の奥がキューッと掴まれるような感覚になる。

なんだろ?

ミヅキは胸をさするっていると

【ミヅキ…もう一度契約を交わそう】

シルバが聞こえないミヅキにそっとささやいた。

ミヅキは何か訴えるようなシルバの瞳を見つめて首を傾げる。

【シルバ駄目だ、同じ人への多重契約は何が起こるか分からない…もしかしたら二度とミヅキと話せなくなるぞ】

プルシアがシルバを止めた。

【それならミヅキはいつもとに戻る?ここに居るのは確かにミヅキなのに話す事ができないなど…耐えられない】

【それはみんな同じだよ!シルバだけ寂しいと思わないで!】

シンクが馬鹿!とシルバをつついた!

【それにミヅキなら大丈夫かもしれない…いつも奇跡をおこす子だ】

シルバはミヅキに近づくと…

「ん?なぁに?」

笑顔でシルバを受け止めてくれる。

【ミヅキ…】

シルバはミヅキの顔に自分の顔を近づけた。

そしてもう一度ミヅキと…そう思って契約を交わそうとする。

「駄目!」

しかしミヅキがビクッと反応するとそれを拒否した。

【ミヅキ…なんでだ?】

ミヅキからの拒否にシルバはショックを受ける。

「な、なんだろ…今絶対に駄目だって感じた…それに…私これ…一回した事…ある?」

ミヅキは自分の手を見つめるとそっと顔をあげて目の前にいるシルバを見つめた。

「銀…じゃなくて…シ…ルバ…?」

「クンッ!」

ミヅキから名前を呼ばれて自分でも信じられないほど甘い声が出た。

【そうだ!シルバだ!ミヅキが付けてくれた名前…】

「あっ…たま…いたっ…」

ミヅキが頭をかかえてうずくまる。

【【【【ミヅキ!】】】】

シンクはすぐにミヅキに回復魔法をかけると…

【あーありがとうシンク…】

痛みが消えたのかフーっと息を吐いて笑顔で顔をあげた。

【よかった…ミヅキ頭痛くない?】

【だいじょうぶ?】

シンクとコハクがミヅキの顔を覗き込むと…

【うん、大丈夫!ごめんね心配かけちゃった】

ミヅキが笑顔で二人を撫でた。

【よかった…喋れなくなって只でさえ最悪なのにこれ以上ミヅキに何かあったら……ってえっ!ミヅキ!?】

【ん?何?】

ミヅキはどうしたの?とシンクを見つめると…

【【ミヅキー!】】

シンクとコハクがミヅキに突進した!

「きゃぁ!」

ミヅキが二人に押されてひっくり返ると、ファサッ…と後ろに覚えのある毛皮が…

ミヅキは後ろを振り返るとカッコイイフェンリルを見つめで微笑む。

【シルバ…ありがとう】

【ミヅキ…】

シルバはギュッとミヅキを抱えこんだ。

【よかった…】

ほっとするプルシアもそばに来るとみんなから記憶を無くした時の事を説明される。


【えー?記憶無くしてたの?んーー?なんか頭の中がごちゃごちゃしてよくわかんないなー】

髪の毛をガシガシとかきあげた。

【助けに言った時にはミヅキは頭から血を流して倒れてた…シンクが血を止めたが記憶は俺達に会う前に戻っていたんだ】

【えっ!そうなの?みんなのこと忘れてた?なんか…酷いこと言ったりしてないかな?】

ミヅキが恐る恐る聞くと

【ミヅキはミヅキだった…だが共有した時間が無くなるのがこんなにも辛いとは思わなかった】

【そっか…ごめんね…】

ミヅキは寂しい思いをさせた従魔達を抱きしめると…

【ん?あれ?シルバって今反省中だったような…】

なんだが色々思い出してきたぞ!

【ミヅキ…それはきっと違う記憶だ…肉を食ったのはベイカーとアランだ】

シルバが澄んだ瞳でじっと見つめてくる。

【うそ!ちゃんと覚えてるよ!】

「クウ~ン…」

シルバは耳を垂らすと…

【すまん…肉はもう食べないから一緒に居させてくれ…もう十分反省した…】

離れたくないとミヅキの服をギュッと噛んでいる。

か、可愛いなぁ…

【しょ、しょうがないなぁ…まぁ私も一人になって危ない目にあっちゃったからね…ここはお互い様と言う事でそばに居てもいいよ】

ミヅキは嬉しそうに笑った。

【しかしよかった…すぐに記憶が戻って。ミヅキ、ベイカー達も心配していたぞ。すぐに知らせてやった方がいいんじゃないか?】

プルシアがそう言うと

【そうなの?じゃあ言ってくるね!】

ミヅキが知らせようと立ち上がると…

【待て!】

シルバがクイッと服を引っ張って行くのを止めた。

【わっ!】

ミヅキは再びシルバの上にポスンと落ちると

【もう少しだけ…】

そばに居てくれと瞳を閉じてミヅキの膝に顔をうずめた。

【狡い!僕も!】

【ぼくだって!】

シンクとコハクがシルバの真似をしてミヅキの脇や首元に潜り込んだ!

「きゃあはははは!!」

みんなに揉みくちゃにされてあまりのくすぐったさに声をあげた!

「ミヅキ!」

ミヅキの声にベイカーが慌てて駆けつけてきた!

「どうした!?頭が痛むのか?」

ベイカーはシルバ達と戯れて笑うミヅキを心配そうに見下ろした。
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