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14章
682.過去
「いいか…あれは俺がまだ新人の冒険者の頃だ。その頃セバスさんはもう既にA級冒険者でアランさんとパーティを組んでいたんだ」
「へー!」
なんかこんな時だがみんなの昔の話が聞けてワクワクしてくる。
身を乗り出してベイカーさんの話に聞き入ると、ベイカーさんが先を話し出した。
「その頃セバスさんと同じくらいの同期でなかなかA級になれない奴がいてな、そいつはことある事にセバスさんに絡んでたんだ」
「えー!酷い!」
なんてやつだと私は顔をしかめた!
「だけどセバスさんは全然相手にしてなくてな、のらりくらりとそいつの嫌味なんか躱してたんだ」
「さすがセバスさん!」
「その人…どうなったんですか?」
コジローさんも気になってきたようだ。
「ある時な…そいつは違反行為をしたんだ…」
「違反行為?」
「セバスさんが受けた依頼を横取りしやがったんだ!」
「サイテー!!」
「その依頼がA級の魔物の討伐でな、もちろん力が足りてないあいつは失敗して被害が近くの町にまで及びそうになったんだ。そんな事になればギルドの信用にも関わる、それをセバスさんが見事討伐して事なきを得た」
「さすがセバスさんだね!」
「本当だな!」
私とコジローさんは笑って顔を見合わせた。
「で…いつもならそいつの挑発にも乗らなかったんだが、その事でそのバカが調子に乗ってこんな惨事を引き起こしたもんだからセバスさんがキレてな…」
「ふ、ふうん…まぁしょうがないよね…」
なんか怖い話になってきた?
背筋がゾワゾワする。
「セバスさんは全く反省してないそいつを無言で掴むと…その時のギルマスに少し留守にすると声をかけて森の中に消えていったんだ…」
「あっ…なんかその話、聞いた事あります…都市伝説かと思っていましたが本当だったんだ」
コジローさんの顔色が悪くなった。
「そ、それでどうなったの……」
私はゴクリと唾を飲んでベイカーさんを見つめると…
「何もありませんよ」
すぐ後ろから声が聞こえて飛び跳ねる!
「きゃっ!」
慌てて後ろを振り向くと、渋い顔のセバスさんと下を向き元気のないギルマスにアランさんが立っていた。
「ベイカーさん…一体いつの話をされているんですか?」
セバスさんがギロッとベイカーさんを睨見つけた。
蛇に睨まれた蛙状態のベイカーさんはしどろもどろに目を泳がせた。
「あっ…いや…セバスさんは…規律に厳しいんだぞって事をミヅキ達に教えようと…」
「へぇ?是非とも続きを聞いてみたいです」
「い、いや…もういいよ…」
ベイカーさんが視線を逸らそうとすると
「続きを…」
セバスさんがじっと目を見つめて続きを促した。
ベイカーさんは仕方なく続きを話し出す。
私達もビシッと姿勢を正してセバスさんの圧を後ろから感じて続きを聞いた。
「そ、そいつはその後…行方不明になって…セバスさんはその頃から厳しく…違反者や突っかかって来るやつも容赦無くなったんだ…だから…」
ベイカーさんの声が徐々に小さくなるってセバスさんをちらっと見てから私達に視線を送る。
ベイカーさん言いたいことはわかった。
だから許してくれないって言いたいんだね…
「なんで厳しくなったんですか?」
私は振り返ってセバスさんの方を見ると話しかけた。
「それは…その時は私が我慢すればいいと思いその方の事を無視していましたが、それが原因で他の人に迷惑をかける形になってしまい…これはよくないと思いましてね」
「それにしては厳しすぎだろ」
アランさんが後ろでボソッと呟く。
セバスさんはそれを無視すると
「こういう輩が居ますからやはり締めるところは絞めないといけないと…」
「まぁそのおかげでだいぶギルドの雰囲気もよくなったよな!」
ベイカーさんがフォローする。
うん…やっぱりそうだよね…
私はセバスさんの話に覚悟を決めると…
「セバスさん!すみません、私達嘘ついてました!」
「お、おい!ミヅキ!」
ベイカーさんが慌てだすが、やっぱりああゆう嘘はよくない!
ちゃんとセバスさんに話して、罰を受けよう!
「ミヅキさん、嘘とは?」
セバスさんが感情の読めない顔で聞き返してきた。
「セバスさんに渡した手紙ですが…本物の中身はコレです!あの手紙は誤魔化すために描きました!でも…あの絵の私の気持ちに嘘はないです」
私は頭を下げながら本物のギルドからの書類をセバスさんに渡した。
「ミヅキ!それ処分してなかったのか!」
「うん…一応取っとこうと…でもやっぱりよかった取っといて」
「ミヅキさんはなぜ嘘を?」
セバスさんが書類を受け取り目を通すと理由を聞いてきた。
「セバスさんに怒られるのが怖くて…それに何度も注意されてるのにまた攫われちゃったから…嫌われたくなくて…ごめんなさい」
自分の事ながら…呆れる…これこそ愛想を尽かされてもしょうがないよね…
「セバスさん、俺達が悪いんです…罰なら俺達が」
コジローさんが庇ってくれた。
「ありがとうございますコジローさん、でも罰を受けるなら一緒に、やっぱりみんなの責任だもんね」
「そ、そうだな!セバスさんすまない!保護者として有るまじき行為だった!」
ベイカーさんがゴンッとテーブルに頭をぶつけながら謝罪した。
「全くです、本来なら手本にならなければいけない立場でしょうに…それにミヅキさんもです、私がその程度の事であなたを嫌いになるとお思いですか?私はミヅキさんがもし人を殺すほどの罪を犯したら一緒に罪を償う覚悟であなたの面倒みようと思っているのですよ」
「こ、殺し?」
私が驚き声をあげるとそれを制止して続けた…
「ですから今後ミヅキさんの罪は私も同等に罰を受けると思ってくださいね」
「はい…」
そんなことを言われたら悪い事なんて出来ないや…
私は静かに頷いた。
「へー!」
なんかこんな時だがみんなの昔の話が聞けてワクワクしてくる。
身を乗り出してベイカーさんの話に聞き入ると、ベイカーさんが先を話し出した。
「その頃セバスさんと同じくらいの同期でなかなかA級になれない奴がいてな、そいつはことある事にセバスさんに絡んでたんだ」
「えー!酷い!」
なんてやつだと私は顔をしかめた!
「だけどセバスさんは全然相手にしてなくてな、のらりくらりとそいつの嫌味なんか躱してたんだ」
「さすがセバスさん!」
「その人…どうなったんですか?」
コジローさんも気になってきたようだ。
「ある時な…そいつは違反行為をしたんだ…」
「違反行為?」
「セバスさんが受けた依頼を横取りしやがったんだ!」
「サイテー!!」
「その依頼がA級の魔物の討伐でな、もちろん力が足りてないあいつは失敗して被害が近くの町にまで及びそうになったんだ。そんな事になればギルドの信用にも関わる、それをセバスさんが見事討伐して事なきを得た」
「さすがセバスさんだね!」
「本当だな!」
私とコジローさんは笑って顔を見合わせた。
「で…いつもならそいつの挑発にも乗らなかったんだが、その事でそのバカが調子に乗ってこんな惨事を引き起こしたもんだからセバスさんがキレてな…」
「ふ、ふうん…まぁしょうがないよね…」
なんか怖い話になってきた?
背筋がゾワゾワする。
「セバスさんは全く反省してないそいつを無言で掴むと…その時のギルマスに少し留守にすると声をかけて森の中に消えていったんだ…」
「あっ…なんかその話、聞いた事あります…都市伝説かと思っていましたが本当だったんだ」
コジローさんの顔色が悪くなった。
「そ、それでどうなったの……」
私はゴクリと唾を飲んでベイカーさんを見つめると…
「何もありませんよ」
すぐ後ろから声が聞こえて飛び跳ねる!
「きゃっ!」
慌てて後ろを振り向くと、渋い顔のセバスさんと下を向き元気のないギルマスにアランさんが立っていた。
「ベイカーさん…一体いつの話をされているんですか?」
セバスさんがギロッとベイカーさんを睨見つけた。
蛇に睨まれた蛙状態のベイカーさんはしどろもどろに目を泳がせた。
「あっ…いや…セバスさんは…規律に厳しいんだぞって事をミヅキ達に教えようと…」
「へぇ?是非とも続きを聞いてみたいです」
「い、いや…もういいよ…」
ベイカーさんが視線を逸らそうとすると
「続きを…」
セバスさんがじっと目を見つめて続きを促した。
ベイカーさんは仕方なく続きを話し出す。
私達もビシッと姿勢を正してセバスさんの圧を後ろから感じて続きを聞いた。
「そ、そいつはその後…行方不明になって…セバスさんはその頃から厳しく…違反者や突っかかって来るやつも容赦無くなったんだ…だから…」
ベイカーさんの声が徐々に小さくなるってセバスさんをちらっと見てから私達に視線を送る。
ベイカーさん言いたいことはわかった。
だから許してくれないって言いたいんだね…
「なんで厳しくなったんですか?」
私は振り返ってセバスさんの方を見ると話しかけた。
「それは…その時は私が我慢すればいいと思いその方の事を無視していましたが、それが原因で他の人に迷惑をかける形になってしまい…これはよくないと思いましてね」
「それにしては厳しすぎだろ」
アランさんが後ろでボソッと呟く。
セバスさんはそれを無視すると
「こういう輩が居ますからやはり締めるところは絞めないといけないと…」
「まぁそのおかげでだいぶギルドの雰囲気もよくなったよな!」
ベイカーさんがフォローする。
うん…やっぱりそうだよね…
私はセバスさんの話に覚悟を決めると…
「セバスさん!すみません、私達嘘ついてました!」
「お、おい!ミヅキ!」
ベイカーさんが慌てだすが、やっぱりああゆう嘘はよくない!
ちゃんとセバスさんに話して、罰を受けよう!
「ミヅキさん、嘘とは?」
セバスさんが感情の読めない顔で聞き返してきた。
「セバスさんに渡した手紙ですが…本物の中身はコレです!あの手紙は誤魔化すために描きました!でも…あの絵の私の気持ちに嘘はないです」
私は頭を下げながら本物のギルドからの書類をセバスさんに渡した。
「ミヅキ!それ処分してなかったのか!」
「うん…一応取っとこうと…でもやっぱりよかった取っといて」
「ミヅキさんはなぜ嘘を?」
セバスさんが書類を受け取り目を通すと理由を聞いてきた。
「セバスさんに怒られるのが怖くて…それに何度も注意されてるのにまた攫われちゃったから…嫌われたくなくて…ごめんなさい」
自分の事ながら…呆れる…これこそ愛想を尽かされてもしょうがないよね…
「セバスさん、俺達が悪いんです…罰なら俺達が」
コジローさんが庇ってくれた。
「ありがとうございますコジローさん、でも罰を受けるなら一緒に、やっぱりみんなの責任だもんね」
「そ、そうだな!セバスさんすまない!保護者として有るまじき行為だった!」
ベイカーさんがゴンッとテーブルに頭をぶつけながら謝罪した。
「全くです、本来なら手本にならなければいけない立場でしょうに…それにミヅキさんもです、私がその程度の事であなたを嫌いになるとお思いですか?私はミヅキさんがもし人を殺すほどの罪を犯したら一緒に罪を償う覚悟であなたの面倒みようと思っているのですよ」
「こ、殺し?」
私が驚き声をあげるとそれを制止して続けた…
「ですから今後ミヅキさんの罪は私も同等に罰を受けると思ってくださいね」
「はい…」
そんなことを言われたら悪い事なんて出来ないや…
私は静かに頷いた。
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