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49話リリーの話①
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「私がわかってることは話したわ。今度あなたのばんよ。それをどこで手に入れたのかしら?」
「言えません。助けてもらったことに対するお礼なら金貨でお支払いします。冒険者が簡単に情報を漏らすわけにはいきません」
「それもそうね。いいわ…。私の話しを聞いて、言うに値する相手だと思うなら教えなさい。もちろん、情報料は払うわ」
この子僕より少し年上に見えるのに、なんかすごいやり手な感じがするよ…。僕苦手なんだけどな。こういった類の話し。
僕の気持ちは無視されてリリーが話しを続けてくる。
「私のお母様はSランクの冒険者で、商用ギルドエリアで商売を成功させた立派な方よ。けど、そんなお母様は体の中に病気を患い、血を吐いて最期を迎えられたわ…」
リリーの母親はSランクの冒険者か。すごいな!冒険中にリリーの父親と出会い、お腹の中にリリーを宿した。
妊娠を機に冒険者を止めて商売人へと鞍替えしたらしい。元Sランクがやってるお店と宣伝にもなった。
売っているものも良いものを揃えたことで、冒険者に評判上々店も徐々に大きくなっていったそうだ。
そんな中、体の中にできた病気により帰らない人になってしまった。父親は母親が死んでから腑抜けてしまい目も当てられない。
今までは少しでも街を良くするためにと動いていたのに、今ではただの木偶の坊だと。父親にそれは言い過ぎだろうと思ったが黙って聞く。
1年も経つと段々お店の評判も落ちてきて、お母様が頑張って作ったお店をお父様はたたもうとした!自分の役割さえこなせてないのに!
大きくなるリリーの声に、そっとルピがお水を出してあげる。
「え?水?なにこれ?でも、貰っとくわ」
この子空中に浮いてる水を躊躇なく飲んだよ。さすがSランク冒険者の娘なのか…。まだまだ話しは続く。
お父様がたたもうとしてるのを知って、私は奴隷を買って外に買い出しへと行ったの。その帰り道に僕達に会った。
「買い付けたのは、店で売るポーションや防具よ。南の大きな街に行けばある程度お母様の名前で融通は聞くしね。それから、魔石を売ってもらったのよ。闇で買うより安いだろって吹っ掛けられたわ!」
なんで魔石が必要なの?狙われた理由は魔石が原因なのか?
「魔石って何に使うの?闇で取引って聞いたことはあるけど、そんな重要性あるものなの?」
「はぁ!?あんたバカなわけ?」
「いや、まぁ、無知ではあるけどバカではないんじゃないかなって…」
ロッソにも初めって会った時にも、バカって言われたことを思い出す。
リリーが魔石の使い道は街での明かりや水といった生活基盤を支える動力を送るために必要なものだと教えてくれる。
討伐したばかりの魔石では使えないらしく冒険者ギルドが買い取った後、生産ギルドに送り魔石を浄化する。
浄化後操石へと作り変え、装置にはめ込めば水や明かりが使えるようになるそうだ。後は街へ来る魔物の探知装置や、他の街のギルドの通信装置の一部としても使えるみたいだった。
逆に言うと浄化をしなければ、魔物を操るための首輪の部品として。ゴーレムに入れれば戦争で仕える兵士に。
死んだ遺体に埋め込めば、腐りはて動かなくなるまで動くアンデッドの出来上がりらしい。
魔石を埋め込んだだけでは見境なく襲ってくるため、操る術者の情報は書き込まないといけないけどね。と教えてくれた。
戦争をしている国は数多くあり、どれだけ魔石があっても足りないそうだ。
逆に街でも永久的に使えるものではないため、動か無くなれば交換が必要になってくる。
しかし、魔石が毎日手に入るわけでもなく買取できない日もあり、足りなくなれば冒険者ギルド同士で融通しあうらしい。そのため手放したくないギルドも多いとのこと。
「でも、その魔石を何でリリーが買いに行かなくちゃいけないの?」
「買いに行かなきゃ街に明かりも水も通らないじゃない。ずっとロウソクと井戸から水を汲み続けるなんて無理よ」
「いや、それはギルドの人が行けばいいんじゃないの?」
「万年人手不足のギルドに買いに行く余裕なんてないわ」
「なら、他の冒険者に依頼として頼むとかさ」
「お父様が冒険者を受け入れないようにしてるから私が動いてるんじゃない!私はお母様のお店の事だって考えなきゃいけないのに!」
はい??さっきSランク冒険者の娘で商用ギルドエリアにお店出してるって言わなかったっけ?それだけでもすごいと思ったのに、この子どんな娘なの?
リリーのお父さんは普通に見えたけど、この子は無茶言ってくるというか…。ゲーハさんと意気投合しそうだなと思ってしまった。
「私はこれで話せることは話したわ。それを聞いてあなたはどうするの?」
「うーん…大変だなとは思うけど、僕が知ってる情報を話すのには、ちょっと合わないかな」
「それなら、あなたが仕入れてくるポーションを売値の倍以上出して買うわ!お母様が残してくれた莫大な遺産があるから問題ないわ」
「僕もお金には困ってないからねぇ…。それにポロッと言われたら僕には割が合わなさすぎる」
「それなら、制約の指輪に誓うわ」
吹き出しそうになる。なにこの子まで、こんなけったいな指輪つけてるの!?まさかご先祖様が勇者関係云々のくだりがあって、お母様が亡くなった翌日手元にあったのとか言わないよね?
「私のお母様の先祖は勇者パーティーの剣士で…」
はい言ったーー!
想像通りの答えが返ってきました。創造主、こんなにほいほいとけったいな指輪をあげるの止めた方が僕はいいと思うよ…。
「言えません。助けてもらったことに対するお礼なら金貨でお支払いします。冒険者が簡単に情報を漏らすわけにはいきません」
「それもそうね。いいわ…。私の話しを聞いて、言うに値する相手だと思うなら教えなさい。もちろん、情報料は払うわ」
この子僕より少し年上に見えるのに、なんかすごいやり手な感じがするよ…。僕苦手なんだけどな。こういった類の話し。
僕の気持ちは無視されてリリーが話しを続けてくる。
「私のお母様はSランクの冒険者で、商用ギルドエリアで商売を成功させた立派な方よ。けど、そんなお母様は体の中に病気を患い、血を吐いて最期を迎えられたわ…」
リリーの母親はSランクの冒険者か。すごいな!冒険中にリリーの父親と出会い、お腹の中にリリーを宿した。
妊娠を機に冒険者を止めて商売人へと鞍替えしたらしい。元Sランクがやってるお店と宣伝にもなった。
売っているものも良いものを揃えたことで、冒険者に評判上々店も徐々に大きくなっていったそうだ。
そんな中、体の中にできた病気により帰らない人になってしまった。父親は母親が死んでから腑抜けてしまい目も当てられない。
今までは少しでも街を良くするためにと動いていたのに、今ではただの木偶の坊だと。父親にそれは言い過ぎだろうと思ったが黙って聞く。
1年も経つと段々お店の評判も落ちてきて、お母様が頑張って作ったお店をお父様はたたもうとした!自分の役割さえこなせてないのに!
大きくなるリリーの声に、そっとルピがお水を出してあげる。
「え?水?なにこれ?でも、貰っとくわ」
この子空中に浮いてる水を躊躇なく飲んだよ。さすがSランク冒険者の娘なのか…。まだまだ話しは続く。
お父様がたたもうとしてるのを知って、私は奴隷を買って外に買い出しへと行ったの。その帰り道に僕達に会った。
「買い付けたのは、店で売るポーションや防具よ。南の大きな街に行けばある程度お母様の名前で融通は聞くしね。それから、魔石を売ってもらったのよ。闇で買うより安いだろって吹っ掛けられたわ!」
なんで魔石が必要なの?狙われた理由は魔石が原因なのか?
「魔石って何に使うの?闇で取引って聞いたことはあるけど、そんな重要性あるものなの?」
「はぁ!?あんたバカなわけ?」
「いや、まぁ、無知ではあるけどバカではないんじゃないかなって…」
ロッソにも初めって会った時にも、バカって言われたことを思い出す。
リリーが魔石の使い道は街での明かりや水といった生活基盤を支える動力を送るために必要なものだと教えてくれる。
討伐したばかりの魔石では使えないらしく冒険者ギルドが買い取った後、生産ギルドに送り魔石を浄化する。
浄化後操石へと作り変え、装置にはめ込めば水や明かりが使えるようになるそうだ。後は街へ来る魔物の探知装置や、他の街のギルドの通信装置の一部としても使えるみたいだった。
逆に言うと浄化をしなければ、魔物を操るための首輪の部品として。ゴーレムに入れれば戦争で仕える兵士に。
死んだ遺体に埋め込めば、腐りはて動かなくなるまで動くアンデッドの出来上がりらしい。
魔石を埋め込んだだけでは見境なく襲ってくるため、操る術者の情報は書き込まないといけないけどね。と教えてくれた。
戦争をしている国は数多くあり、どれだけ魔石があっても足りないそうだ。
逆に街でも永久的に使えるものではないため、動か無くなれば交換が必要になってくる。
しかし、魔石が毎日手に入るわけでもなく買取できない日もあり、足りなくなれば冒険者ギルド同士で融通しあうらしい。そのため手放したくないギルドも多いとのこと。
「でも、その魔石を何でリリーが買いに行かなくちゃいけないの?」
「買いに行かなきゃ街に明かりも水も通らないじゃない。ずっとロウソクと井戸から水を汲み続けるなんて無理よ」
「いや、それはギルドの人が行けばいいんじゃないの?」
「万年人手不足のギルドに買いに行く余裕なんてないわ」
「なら、他の冒険者に依頼として頼むとかさ」
「お父様が冒険者を受け入れないようにしてるから私が動いてるんじゃない!私はお母様のお店の事だって考えなきゃいけないのに!」
はい??さっきSランク冒険者の娘で商用ギルドエリアにお店出してるって言わなかったっけ?それだけでもすごいと思ったのに、この子どんな娘なの?
リリーのお父さんは普通に見えたけど、この子は無茶言ってくるというか…。ゲーハさんと意気投合しそうだなと思ってしまった。
「私はこれで話せることは話したわ。それを聞いてあなたはどうするの?」
「うーん…大変だなとは思うけど、僕が知ってる情報を話すのには、ちょっと合わないかな」
「それなら、あなたが仕入れてくるポーションを売値の倍以上出して買うわ!お母様が残してくれた莫大な遺産があるから問題ないわ」
「僕もお金には困ってないからねぇ…。それにポロッと言われたら僕には割が合わなさすぎる」
「それなら、制約の指輪に誓うわ」
吹き出しそうになる。なにこの子まで、こんなけったいな指輪つけてるの!?まさかご先祖様が勇者関係云々のくだりがあって、お母様が亡くなった翌日手元にあったのとか言わないよね?
「私のお母様の先祖は勇者パーティーの剣士で…」
はい言ったーー!
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