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59話えぇぇー…。食べなきゃダメ?
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コリーに道具を借りてから、コップを彫ろうと思って悩む。いざ彫ろうとすると目印がないと彫りにくいな…。これはコリーに聞くしかない。
「ごめんね作業中に。聞いても良い?」
『なんじゃ。遠慮せず聞いて良いぞ』
「彫ろうとしたんだけど、下絵がないとどうやって彫って良いのかわからなくて」
なんじゃそんなことかと、コリーは懐から鉛筆のような細長いクレヨンのようなものを出して僕に渡してくれる。なんかすぐ折れそうだけど大丈夫なのかな。
『これで下絵を書けば良いぞ』
「これ、なんかすぐ折っちゃいそうなんだけど大丈夫?」
『大丈夫じゃ!キッコリーナ秘伝のものじゃぞ。人間の間では、けっこう有名なんじゃ。たまに落とすドジがおっての。それを人間が拾って売っているそうじゃ』
わお。これキッコリーナ秘伝のものなんだ。キッコリーナが各自自分でいろいろと調合し作っていくらしい。これはコリー特性鉛筆。
折れにくい・長持ち・滲まない・雨に濡れても消えないという理由で、欲しい人にはかなり重宝されているそうだ。
こんな大事なもの借りて良いのかな。
「大事なもの借りちゃって良いの?」
『おかしなことを聞くの。従魔の持ち物は主人の持ち物じゃろうて』
「僕は従魔のものは僕のものなんてしたくないよ。ちゃんと貸して欲しい時にはお願いするから。みんなの大事なものなんだし」
『普通は従魔を物のように扱う奴が多いが、主人は大事な心をちゃんと持っておるようじゃ。良い主人に出会えたものじゃ』
嬉しそうに笑いながら、続きを始めるかのと作業を始めて行く。従魔を物のように扱うなんて僕は嫌だ。それをしている人を見つけた時、僕はどうするんだろうな…。
「さてと!やりますか!」
あれから2時間ぐらいは必死でやったけど、出来たのはやっぱり不細工な物だった。
でも、スキルで作ったものよりも何倍も満足感が大きい。ルピのコップしか出来てないから、明日からはロッソやコリーのコップやお皿にも取り掛かろう。
『ハヤト!帰ってきたよ!』
「お帰り!楽しかった?」
『いっぱい取れた!お肉も取れた!』
お肉?グロいのはちょっと勘弁だよ…。
首にかけられている巾着をルピが満面の笑みで渡してくる。ロッソも早く見なさいよと大きな目をルンルンとさせて僕を見てくる。
2人ともなんて可愛いんだ!思わず2人を抱きしめてしまった。
『ハヤト、お肉は精霊さんがとってくれたの。イイコイイコしてあげて』
「えぇ…と、イイコイイコって、どこにいるのかな?」
『ハヤトの目の前にいるよ』
目の前って、目の前を見ても庭しかない。もうなるようになれと気配がするような気がする場所にポンと手を乗せると、フワリと軽い抵抗感を感じる。
そのままヨシヨシと撫でてあげると、妖精さん喜んでるー!って言われたので一安心。
『早く出しなさいよ!少し遠くまで行って、いっぱい取ってきたんだから』
『見て見てー!』
遠くまでって、僕あんまり遠くまで行かないようにって言ったけど聞いてなかったな。本当に。これからはもっとちゃんと言わないと。
で、いっぱい入ってるって何が入ってるの……………。って、なにこれ!?誰か説明して…
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
巾着マジックボックス
魔石×239
ホーンラビット肉×13
ロートン肉×21
コカトリス肉×4
スレッドスパイダー糸×10
ジャイアントグリズリー熊胆×9
ジャイアントグリズリー手×5
討伐部位301個
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ねぇ、巾着マジックボックスに入ってる物の数がすごいんだけど…」
『いっぱいとってきた!』
『見ればわかるでしょ。とってきたんだから。』
見ればわかるでしょって。見ても僕わかんないよ。ホーンラビットぐらいしかわかんないよ!?
コカトリスは依然討伐依頼に合ったけど、お肉なんて出なかったじゃん。なんのためにこのお肉持って帰ったの!?
『今日それ食べる!』
「ハイ!?こんなわけのわからないもの食べちゃいけません!」
食べるというルピと、食べちゃいけません!という僕。魔物の肉なんて怖くて食べられないよ…。もう、これどうやって処分すればいいのさ。
『あるじ、精霊が泣いてるわよ』
「なんで!?なんで泣いてるの!?」
『あるじが取ってきた肉をわけがわからないとか言うからよ。一生懸命頑張って取ったのにって泣いてるわよ』
えぇぇぇーーーー……。
ちょっと待って。これ食べなきゃいけないフラグ経ってる?それになに!?僕が悪者なの!?
とりあえず、うん。ゲーハさんに食べれるか聞いてみよう。うん。それが良い。
「えっとどっちに精霊さんいるのかな?」
『ハヤトの右側』
「えっとね、あのね、食べるよ?ただね、食べ方がわからないからわかる人に聞いてからでも良いかな?」
フワッと僕の右頬に何かがかすめる感じがする。精霊かな。
これはわかってくれたってことで良いのかな。でも、取ってきてくれたものを食べるって言ったようなものだから、早急に聞きに行こう…。
はぁ…。今まで出ても毛皮とか爪とか牙だったから、お肉なんて出るなんて思ってなかったよ。
コリーも帰ってきたルピ達の話しを聞いて、食えんことはないが魔物の肉は獣臭いからの…ワシは遠慮するぞと言って逃げて行った。
なに1人で早々離脱してるのさ。ずるいよコリー…。
「ごめんね作業中に。聞いても良い?」
『なんじゃ。遠慮せず聞いて良いぞ』
「彫ろうとしたんだけど、下絵がないとどうやって彫って良いのかわからなくて」
なんじゃそんなことかと、コリーは懐から鉛筆のような細長いクレヨンのようなものを出して僕に渡してくれる。なんかすぐ折れそうだけど大丈夫なのかな。
『これで下絵を書けば良いぞ』
「これ、なんかすぐ折っちゃいそうなんだけど大丈夫?」
『大丈夫じゃ!キッコリーナ秘伝のものじゃぞ。人間の間では、けっこう有名なんじゃ。たまに落とすドジがおっての。それを人間が拾って売っているそうじゃ』
わお。これキッコリーナ秘伝のものなんだ。キッコリーナが各自自分でいろいろと調合し作っていくらしい。これはコリー特性鉛筆。
折れにくい・長持ち・滲まない・雨に濡れても消えないという理由で、欲しい人にはかなり重宝されているそうだ。
こんな大事なもの借りて良いのかな。
「大事なもの借りちゃって良いの?」
『おかしなことを聞くの。従魔の持ち物は主人の持ち物じゃろうて』
「僕は従魔のものは僕のものなんてしたくないよ。ちゃんと貸して欲しい時にはお願いするから。みんなの大事なものなんだし」
『普通は従魔を物のように扱う奴が多いが、主人は大事な心をちゃんと持っておるようじゃ。良い主人に出会えたものじゃ』
嬉しそうに笑いながら、続きを始めるかのと作業を始めて行く。従魔を物のように扱うなんて僕は嫌だ。それをしている人を見つけた時、僕はどうするんだろうな…。
「さてと!やりますか!」
あれから2時間ぐらいは必死でやったけど、出来たのはやっぱり不細工な物だった。
でも、スキルで作ったものよりも何倍も満足感が大きい。ルピのコップしか出来てないから、明日からはロッソやコリーのコップやお皿にも取り掛かろう。
『ハヤト!帰ってきたよ!』
「お帰り!楽しかった?」
『いっぱい取れた!お肉も取れた!』
お肉?グロいのはちょっと勘弁だよ…。
首にかけられている巾着をルピが満面の笑みで渡してくる。ロッソも早く見なさいよと大きな目をルンルンとさせて僕を見てくる。
2人ともなんて可愛いんだ!思わず2人を抱きしめてしまった。
『ハヤト、お肉は精霊さんがとってくれたの。イイコイイコしてあげて』
「えぇ…と、イイコイイコって、どこにいるのかな?」
『ハヤトの目の前にいるよ』
目の前って、目の前を見ても庭しかない。もうなるようになれと気配がするような気がする場所にポンと手を乗せると、フワリと軽い抵抗感を感じる。
そのままヨシヨシと撫でてあげると、妖精さん喜んでるー!って言われたので一安心。
『早く出しなさいよ!少し遠くまで行って、いっぱい取ってきたんだから』
『見て見てー!』
遠くまでって、僕あんまり遠くまで行かないようにって言ったけど聞いてなかったな。本当に。これからはもっとちゃんと言わないと。
で、いっぱい入ってるって何が入ってるの……………。って、なにこれ!?誰か説明して…
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巾着マジックボックス
魔石×239
ホーンラビット肉×13
ロートン肉×21
コカトリス肉×4
スレッドスパイダー糸×10
ジャイアントグリズリー熊胆×9
ジャイアントグリズリー手×5
討伐部位301個
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ねぇ、巾着マジックボックスに入ってる物の数がすごいんだけど…」
『いっぱいとってきた!』
『見ればわかるでしょ。とってきたんだから。』
見ればわかるでしょって。見ても僕わかんないよ。ホーンラビットぐらいしかわかんないよ!?
コカトリスは依然討伐依頼に合ったけど、お肉なんて出なかったじゃん。なんのためにこのお肉持って帰ったの!?
『今日それ食べる!』
「ハイ!?こんなわけのわからないもの食べちゃいけません!」
食べるというルピと、食べちゃいけません!という僕。魔物の肉なんて怖くて食べられないよ…。もう、これどうやって処分すればいいのさ。
『あるじ、精霊が泣いてるわよ』
「なんで!?なんで泣いてるの!?」
『あるじが取ってきた肉をわけがわからないとか言うからよ。一生懸命頑張って取ったのにって泣いてるわよ』
えぇぇぇーーーー……。
ちょっと待って。これ食べなきゃいけないフラグ経ってる?それになに!?僕が悪者なの!?
とりあえず、うん。ゲーハさんに食べれるか聞いてみよう。うん。それが良い。
「えっとどっちに精霊さんいるのかな?」
『ハヤトの右側』
「えっとね、あのね、食べるよ?ただね、食べ方がわからないからわかる人に聞いてからでも良いかな?」
フワッと僕の右頬に何かがかすめる感じがする。精霊かな。
これはわかってくれたってことで良いのかな。でも、取ってきてくれたものを食べるって言ったようなものだから、早急に聞きに行こう…。
はぁ…。今まで出ても毛皮とか爪とか牙だったから、お肉なんて出るなんて思ってなかったよ。
コリーも帰ってきたルピ達の話しを聞いて、食えんことはないが魔物の肉は獣臭いからの…ワシは遠慮するぞと言って逃げて行った。
なに1人で早々離脱してるのさ。ずるいよコリー…。
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