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63話勘違いとヤキモチ
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『ロッソ!!早くハヤト追いかけて!!』
『いきなりなに!?』
制作中の家に近づくと、すごい勢いでルピが飛んでくるんだもの。びっくりしたわ。
あるじとルピが帰ってきたら、あたしがいない事にビックリしてコリーに聞いてもワシは知らんって。
ワシは知らんって、コリーが取りに行けって言ったんでしょ!
『なんでルピは離れたのよ!』
『ハヤトが、ロッソが戻ってくるかもしれないから待っててって…。コリーも行っちゃダメ…って』
『はぁ!?なにそれ。あるじの気配を追うから良いわ。ルピは待ってて』
コリーが何考えてるのか意味不明ね。あの爺さん、帰ったらただじゃおかないわ…。覚えてなさいよ!
精霊に木を頼みそのままあるじの気配を辿った。
あるじが行ったのは向こうの方向ね。あまり遠くに行くと魔物が強くなるし、あるじが危ないわ。
『ねぇ、コリー本当にこれで良かったの?』
『これで良いんじゃ』
コリーの言うことがルピにはよくわかんない。
ハヤトがロッソ探しに行くと言うから、ルピも一緒に行くと言ったら、コリーにルピはロッソが帰るのを待ってなさいって言うし。ハヤトも、コリーの言うとおりだからちょっと待っててって。
『ほれ、あるじ達が帰ってくる前に風呂を作るからルピも手伝っておくれ』
『ルピも探しに…』
『今はおとなしく待っていることも大切な時間じゃ』
ハヤト達が心配なのにお風呂なんて作れないよ…。
やれやれ。こっちはこっちで少し主人離れが必要じゃの。ベッタリでは主人もルピも成長が出来んぞ。
『主人が帰ってきて風呂があったら喜ぶんじゃがのぉ』
『わかった…。なにをお手伝いすればいいの?』
『この木をの、風呂に使うんじゃ。良い香りじゃろぉ?これを切り出して加工していくんじゃよ』
『良い匂い!でも風呂ってなに?ハヤトが良くお風呂に入りたいって言ってた』
やはり主人は風呂を所望か。ロッソの言う通りじゃな。なら家を作る途中で言ってくれれば、もっと早く木を取ってこれたんじゃが、今回は逆に良い機会じゃな。
『ワシも見たことはないんじゃが、温かい水を入れる大きな桶じゃな!』
『なんでそんなものに入るの?』
『さぁ…。精霊も温かい水を入れる桶に裸で入っていたと言っておったからの。人間にとっての儀式じゃないかの?』
ハヤトがよくお風呂に入りたいって言ってたのは、その儀式がしたかったからなんだ…。
もっと早く言ってくれれば、ルピだって温かいお水出せたのに。
『ルピもお水熱くできるよ?なんでハヤト教えてくれなかったんだろ』
『木じゃないとだめらしいぞ。木のお風呂は格別ね~と入っていた人間は言っておったらしいからの。木の方がより一層儀式が上手くいくんじゃろう!だから主人は言わなかったんじゃ』
なるほど!ルピじゃ木のお風呂は作れない…。ハヤト、ルピ頑張って儀式が出来るようにお風呂作るからね!
◇
「―――ッソー!いたら返事して!ロッソー!」
いたわ。人間の足だとそんなに遠くには行けなくて良かったわ。はぁ…。手間がかかるんだから。
『あるじ、なにしてるのよ。従魔探しに行くテイマーなんていないわよ』
「ロッソ!出て行ったのかと思って心配で探しに来たんじゃないか!!それにそのケガ、どうしたの!?」
『ちょっとした切り傷よ。傷は治ってるけど、血が毛に着いたままだったのね』
あたしの言葉を聞いてるのか聞いてないのか、アイテムボックスからポーション出しかけてくる。ねぇ、とっくにあたし治ってるんだけど…?聞いてる?
『あるじ、あたし傷が治って…』
「ごめんねロッソ。今朝は怒鳴って…。でもね、僕にとって大切なロッソだから、ダメなところはダメだってちゃんと伝えたかったんだ。負担になってたかな?」
『…そんなことないわ。あたしも少し我儘言い過ぎたのよ…。今後は、ちゃんと聞くわ。あるじとルピとコリーだけだと、なんか危ないし…側にいるわ』
「そうしてくれると嬉しいよ。僕はロッソが側にいてくれると嬉しいよ!」
あるじの足にすり寄って顔を隠す。別に照れ隠しとかじゃないんだからね!
その後は、一緒にあるじと歩いて家に戻った。こうやってあるじと二人で歩くなんて初めてかもしれない。いつもルピがくっついてるからね。でも、それが嫌なわけじゃないのよ。
『コリー!ハヤトとロッソが戻ってきた!!』
『そうみたいじゃの。ロッソのあれはヤキモチじゃ。女心は複雑じゃのぉ。ほっほっほーー』
2人が帰ってくる気配を感じる。皆で仲良くすればいいんじゃないの?でも、2人とも元気で戻って来てくれてよかった。
「ただいまルピ、コリー」
『お帰りなさい!ハヤト、ロッソ!』
『爺さんはどこよ!?あの爺さん逃げたわね!!』
「ロッソどうしたの?家の中にいるんだよ。作ってくれてるんだから。それに爺さんなんて言葉使っちゃダメだよ」
あるじがそう言うなら、今日はおとなしく引くわ…。次あるじを危険な目に合わせたら、その時は覚えてなさいよ!
――木の上から――
『ほっほっほー!ロッソの怒りがすごいのぉ。ルピの結界が張ってあるんじゃ。そうそうやられるはずがないじゃろう。こりゃもうしばらく木の上かの。のう精霊や』
『いきなりなに!?』
制作中の家に近づくと、すごい勢いでルピが飛んでくるんだもの。びっくりしたわ。
あるじとルピが帰ってきたら、あたしがいない事にビックリしてコリーに聞いてもワシは知らんって。
ワシは知らんって、コリーが取りに行けって言ったんでしょ!
『なんでルピは離れたのよ!』
『ハヤトが、ロッソが戻ってくるかもしれないから待っててって…。コリーも行っちゃダメ…って』
『はぁ!?なにそれ。あるじの気配を追うから良いわ。ルピは待ってて』
コリーが何考えてるのか意味不明ね。あの爺さん、帰ったらただじゃおかないわ…。覚えてなさいよ!
精霊に木を頼みそのままあるじの気配を辿った。
あるじが行ったのは向こうの方向ね。あまり遠くに行くと魔物が強くなるし、あるじが危ないわ。
『ねぇ、コリー本当にこれで良かったの?』
『これで良いんじゃ』
コリーの言うことがルピにはよくわかんない。
ハヤトがロッソ探しに行くと言うから、ルピも一緒に行くと言ったら、コリーにルピはロッソが帰るのを待ってなさいって言うし。ハヤトも、コリーの言うとおりだからちょっと待っててって。
『ほれ、あるじ達が帰ってくる前に風呂を作るからルピも手伝っておくれ』
『ルピも探しに…』
『今はおとなしく待っていることも大切な時間じゃ』
ハヤト達が心配なのにお風呂なんて作れないよ…。
やれやれ。こっちはこっちで少し主人離れが必要じゃの。ベッタリでは主人もルピも成長が出来んぞ。
『主人が帰ってきて風呂があったら喜ぶんじゃがのぉ』
『わかった…。なにをお手伝いすればいいの?』
『この木をの、風呂に使うんじゃ。良い香りじゃろぉ?これを切り出して加工していくんじゃよ』
『良い匂い!でも風呂ってなに?ハヤトが良くお風呂に入りたいって言ってた』
やはり主人は風呂を所望か。ロッソの言う通りじゃな。なら家を作る途中で言ってくれれば、もっと早く木を取ってこれたんじゃが、今回は逆に良い機会じゃな。
『ワシも見たことはないんじゃが、温かい水を入れる大きな桶じゃな!』
『なんでそんなものに入るの?』
『さぁ…。精霊も温かい水を入れる桶に裸で入っていたと言っておったからの。人間にとっての儀式じゃないかの?』
ハヤトがよくお風呂に入りたいって言ってたのは、その儀式がしたかったからなんだ…。
もっと早く言ってくれれば、ルピだって温かいお水出せたのに。
『ルピもお水熱くできるよ?なんでハヤト教えてくれなかったんだろ』
『木じゃないとだめらしいぞ。木のお風呂は格別ね~と入っていた人間は言っておったらしいからの。木の方がより一層儀式が上手くいくんじゃろう!だから主人は言わなかったんじゃ』
なるほど!ルピじゃ木のお風呂は作れない…。ハヤト、ルピ頑張って儀式が出来るようにお風呂作るからね!
◇
「―――ッソー!いたら返事して!ロッソー!」
いたわ。人間の足だとそんなに遠くには行けなくて良かったわ。はぁ…。手間がかかるんだから。
『あるじ、なにしてるのよ。従魔探しに行くテイマーなんていないわよ』
「ロッソ!出て行ったのかと思って心配で探しに来たんじゃないか!!それにそのケガ、どうしたの!?」
『ちょっとした切り傷よ。傷は治ってるけど、血が毛に着いたままだったのね』
あたしの言葉を聞いてるのか聞いてないのか、アイテムボックスからポーション出しかけてくる。ねぇ、とっくにあたし治ってるんだけど…?聞いてる?
『あるじ、あたし傷が治って…』
「ごめんねロッソ。今朝は怒鳴って…。でもね、僕にとって大切なロッソだから、ダメなところはダメだってちゃんと伝えたかったんだ。負担になってたかな?」
『…そんなことないわ。あたしも少し我儘言い過ぎたのよ…。今後は、ちゃんと聞くわ。あるじとルピとコリーだけだと、なんか危ないし…側にいるわ』
「そうしてくれると嬉しいよ。僕はロッソが側にいてくれると嬉しいよ!」
あるじの足にすり寄って顔を隠す。別に照れ隠しとかじゃないんだからね!
その後は、一緒にあるじと歩いて家に戻った。こうやってあるじと二人で歩くなんて初めてかもしれない。いつもルピがくっついてるからね。でも、それが嫌なわけじゃないのよ。
『コリー!ハヤトとロッソが戻ってきた!!』
『そうみたいじゃの。ロッソのあれはヤキモチじゃ。女心は複雑じゃのぉ。ほっほっほーー』
2人が帰ってくる気配を感じる。皆で仲良くすればいいんじゃないの?でも、2人とも元気で戻って来てくれてよかった。
「ただいまルピ、コリー」
『お帰りなさい!ハヤト、ロッソ!』
『爺さんはどこよ!?あの爺さん逃げたわね!!』
「ロッソどうしたの?家の中にいるんだよ。作ってくれてるんだから。それに爺さんなんて言葉使っちゃダメだよ」
あるじがそう言うなら、今日はおとなしく引くわ…。次あるじを危険な目に合わせたら、その時は覚えてなさいよ!
――木の上から――
『ほっほっほー!ロッソの怒りがすごいのぉ。ルピの結界が張ってあるんじゃ。そうそうやられるはずがないじゃろう。こりゃもうしばらく木の上かの。のう精霊や』
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