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66話火山&ドラゴンへ向けて①
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コリーに頼むのぉーと見送られて、ルピとロッソと一緒に家を出た。空の上から家を見下ろすと、建設中の場所はかなり大きな土地なのが分かる。
コリーは、必要があれば増設可能じゃって言っていたけど、そんなに大きな家にする予定は僕にはない。
僕達4人で暮らすのに大きな家は必要ないでしょ。
掃除だって、これどうしよっか…。僕あんまり得意じゃないし、ルピ達が得意そうにも見えないんだよねぇ。
『ハヤト、大丈夫?』
「うん。風が良い気持ちだよ」
『酔いそうならすぐに言いなさいよ』
僕達はなるべく人目につかないよう森の上を飛んでいる。
空を飛ぶ従魔はいるらしいけど、人間浮かせられるほどの従魔はいないみたいだから、見つからないよう気をつけなきゃね。
ロッソが人間の目につかないよう隠せるけど?って言ってくれたけど断った。ルピが自分でここなら飛んでも大丈夫と考えながら飛ぶのも勉強になると思うしね。
「ここからどれぐらいで着くの?」
『そうね。このスピードで行けば片道3日かしら。泊まらず飛び続ければね』
「いや、そこは泊まろうよ。そのために食料かったんだから」
『それなら4日ね。討伐その日で終われば10日かからず帰れるかもしれないわ』
ルピもロッソも別に3日ぐらい寝なくても平気だって言うけど、僕が気にするよ。
寝てても良いと言われたし、飛びながらでもご飯食べれると言われたけど、それはちょっとダメでしょ。行儀悪い。
「飛びながらなんてお行儀悪いからダメだよ。お腹減ったら休憩できる場所でご飯にしよう」
『ルピもう食べれるよ』
「さっき食べたばかりでしょ?あ、でも…そっか。飛んでるんだもんお腹減るよね」
魔力使って飛んでるんだから、お腹空くよね…。飛びながら食べちゃダメと言ったけど、魔力枯渇する方が困る。
今なら枯渇する前に伝えてくれるだろうけど、食べる度に止まっていたらどんどん遅くなるしな。
「ルピもロッソも、お腹減れば食べて良いよ。下にこぼさないように食べてね」
『あるじさっきと正反対のこと言ってるわよ』
「ほら、飛んでもらってるし、見つからずこぼさなければ良いかなって」
ほら。なんでも臨機応変にって言うじゃん?人がいるところでは、ちゃんとしてもらうけどね。
ルピは食べれるけど、まだお腹減ってないから大丈夫と言われた。ロッソも今いらないわというので、しばらく空の旅を楽しんだ。
「すごいね。いつもよりも高いせいか周りが良く見えるよ」
『もっと高く飛ぶ?』
「ううん。これぐらいで大丈夫だよ」
飛んでみて思う。この世界はすごく自然が多いんだなって。ていうか、今のところ森しか見えない。
これを開拓して街を作った人達はすごく頑張ったんだろうな。それに外に出て自然や生き物にふれられて、僕は今とても幸せだなって思うよ。
◇
『ハヤト、お腹空いてきた』
「ここら辺で降りれそうな場所がある?」
『んー、あそこの川の近くは?』
『そこなら問題ないわ。人間もいなそうだし』
ロッソの許可も下りたし、川べりで休憩しよう。ルピにそこでご飯にしようと声をかけて少し開けた場所に降りてもらった。
「ちょっと待ってね。シート広げるから」
『そんなもの買ってたなんて知らなかったわ』
「ふふーん。ご飯買ってる時に見つけてね。ピクニックって言ったらシート広げてご飯でしょ」
『『ピクニック?』』
「え?うーんと。外に出かけてご飯食べることかな?」
改めてピクニックって何って聞かれると答えづらいな。こっちでは通じないのかな。それともルピやロッソが知らないだけかな。
ロッソは、ふーんって興味なさげ。ルピはご飯ご飯って食事待ち。うん。まぁ良いんだけどね。
「今日はマーヤさんのお弁当あるけど、明日からは買ってあるご飯になるからね」
『え!?マーヤおばちゃんのお弁当ないの?』
「ほら、いきなり行くって言ったし急いで作ってもらうのも悪いでしょ」
ルピもロッソもお弁当が無いというと、すごく凹み始めた。大量にご飯買うの見てたよね?一緒にご飯買いに行くのついて来てたじゃん。
「あのね、持ち運びの出来る魔導コンロとフライパンも買ってあるし、お肉も焼けるから」
『お肉って…あのお肉?』
「そうだよ?マーヤさんが下味付けておいてくれたから、美味しいはずだよ」
さらにウゲッて顔をする二人。昨日唐揚げ美味しいってバクバク食べてたじゃん!
さすがに唐揚げは作れないけど、ロートンのお肉を焼くぐらいなら僕でも問題ないから。食べてはないけど…。
「そんな顔しないでよ。行くって言ったのはルピなんだからね」
『でも、不味かったらまた我慢して食べるの?』
「だから、下味付けてくれてるの。我儘言うなら帰るよ?僕は行かなくても良いんだから。コリーにごめんねって謝って行ってもらうよ」
ロッソはウゲッて顔をしながら文句を言うことはなかった。きっと、あの日僕と話したことでわかってくれてるんだろう。
でも、ルピは食べ物のことになると誰よりも煩い。これはルピも怒らなきゃダメかな…。僕怒るの好きじゃないんだけど?
『ルピ、あるじを困らせちゃダメよ。あるじが大丈夫というんだから大丈夫なのよ。信じてあげるのも従魔の大切な役目でしょ?覚えてないの?あたしは食べるわ』
『…ぁ!覚えてる。うん。ハヤトが美味しいって言うならルピ食べる。我儘言わない』
「う、うん。食べてくれるなら良いんだけど」
この2人の間で何か話しでもしたのかな?僕が知らないところで、2人なりの友情が芽生えてるのかもしれないと思うと嬉しい。
けど、ちょっと蚊帳の外な気がして寂しい気持ちは僕の心の中に留めておこうかな。
===========
※「47話宿到着。従魔の思い」を参考にして頂ければ幸いです
コリーは、必要があれば増設可能じゃって言っていたけど、そんなに大きな家にする予定は僕にはない。
僕達4人で暮らすのに大きな家は必要ないでしょ。
掃除だって、これどうしよっか…。僕あんまり得意じゃないし、ルピ達が得意そうにも見えないんだよねぇ。
『ハヤト、大丈夫?』
「うん。風が良い気持ちだよ」
『酔いそうならすぐに言いなさいよ』
僕達はなるべく人目につかないよう森の上を飛んでいる。
空を飛ぶ従魔はいるらしいけど、人間浮かせられるほどの従魔はいないみたいだから、見つからないよう気をつけなきゃね。
ロッソが人間の目につかないよう隠せるけど?って言ってくれたけど断った。ルピが自分でここなら飛んでも大丈夫と考えながら飛ぶのも勉強になると思うしね。
「ここからどれぐらいで着くの?」
『そうね。このスピードで行けば片道3日かしら。泊まらず飛び続ければね』
「いや、そこは泊まろうよ。そのために食料かったんだから」
『それなら4日ね。討伐その日で終われば10日かからず帰れるかもしれないわ』
ルピもロッソも別に3日ぐらい寝なくても平気だって言うけど、僕が気にするよ。
寝てても良いと言われたし、飛びながらでもご飯食べれると言われたけど、それはちょっとダメでしょ。行儀悪い。
「飛びながらなんてお行儀悪いからダメだよ。お腹減ったら休憩できる場所でご飯にしよう」
『ルピもう食べれるよ』
「さっき食べたばかりでしょ?あ、でも…そっか。飛んでるんだもんお腹減るよね」
魔力使って飛んでるんだから、お腹空くよね…。飛びながら食べちゃダメと言ったけど、魔力枯渇する方が困る。
今なら枯渇する前に伝えてくれるだろうけど、食べる度に止まっていたらどんどん遅くなるしな。
「ルピもロッソも、お腹減れば食べて良いよ。下にこぼさないように食べてね」
『あるじさっきと正反対のこと言ってるわよ』
「ほら、飛んでもらってるし、見つからずこぼさなければ良いかなって」
ほら。なんでも臨機応変にって言うじゃん?人がいるところでは、ちゃんとしてもらうけどね。
ルピは食べれるけど、まだお腹減ってないから大丈夫と言われた。ロッソも今いらないわというので、しばらく空の旅を楽しんだ。
「すごいね。いつもよりも高いせいか周りが良く見えるよ」
『もっと高く飛ぶ?』
「ううん。これぐらいで大丈夫だよ」
飛んでみて思う。この世界はすごく自然が多いんだなって。ていうか、今のところ森しか見えない。
これを開拓して街を作った人達はすごく頑張ったんだろうな。それに外に出て自然や生き物にふれられて、僕は今とても幸せだなって思うよ。
◇
『ハヤト、お腹空いてきた』
「ここら辺で降りれそうな場所がある?」
『んー、あそこの川の近くは?』
『そこなら問題ないわ。人間もいなそうだし』
ロッソの許可も下りたし、川べりで休憩しよう。ルピにそこでご飯にしようと声をかけて少し開けた場所に降りてもらった。
「ちょっと待ってね。シート広げるから」
『そんなもの買ってたなんて知らなかったわ』
「ふふーん。ご飯買ってる時に見つけてね。ピクニックって言ったらシート広げてご飯でしょ」
『『ピクニック?』』
「え?うーんと。外に出かけてご飯食べることかな?」
改めてピクニックって何って聞かれると答えづらいな。こっちでは通じないのかな。それともルピやロッソが知らないだけかな。
ロッソは、ふーんって興味なさげ。ルピはご飯ご飯って食事待ち。うん。まぁ良いんだけどね。
「今日はマーヤさんのお弁当あるけど、明日からは買ってあるご飯になるからね」
『え!?マーヤおばちゃんのお弁当ないの?』
「ほら、いきなり行くって言ったし急いで作ってもらうのも悪いでしょ」
ルピもロッソもお弁当が無いというと、すごく凹み始めた。大量にご飯買うの見てたよね?一緒にご飯買いに行くのついて来てたじゃん。
「あのね、持ち運びの出来る魔導コンロとフライパンも買ってあるし、お肉も焼けるから」
『お肉って…あのお肉?』
「そうだよ?マーヤさんが下味付けておいてくれたから、美味しいはずだよ」
さらにウゲッて顔をする二人。昨日唐揚げ美味しいってバクバク食べてたじゃん!
さすがに唐揚げは作れないけど、ロートンのお肉を焼くぐらいなら僕でも問題ないから。食べてはないけど…。
「そんな顔しないでよ。行くって言ったのはルピなんだからね」
『でも、不味かったらまた我慢して食べるの?』
「だから、下味付けてくれてるの。我儘言うなら帰るよ?僕は行かなくても良いんだから。コリーにごめんねって謝って行ってもらうよ」
ロッソはウゲッて顔をしながら文句を言うことはなかった。きっと、あの日僕と話したことでわかってくれてるんだろう。
でも、ルピは食べ物のことになると誰よりも煩い。これはルピも怒らなきゃダメかな…。僕怒るの好きじゃないんだけど?
『ルピ、あるじを困らせちゃダメよ。あるじが大丈夫というんだから大丈夫なのよ。信じてあげるのも従魔の大切な役目でしょ?覚えてないの?あたしは食べるわ』
『…ぁ!覚えてる。うん。ハヤトが美味しいって言うならルピ食べる。我儘言わない』
「う、うん。食べてくれるなら良いんだけど」
この2人の間で何か話しでもしたのかな?僕が知らないところで、2人なりの友情が芽生えてるのかもしれないと思うと嬉しい。
けど、ちょっと蚊帳の外な気がして寂しい気持ちは僕の心の中に留めておこうかな。
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※「47話宿到着。従魔の思い」を参考にして頂ければ幸いです
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