75 / 84
71話良いねぇ〜
しおりを挟む
「はぁ…これは良いねぇ」
『良いねぇ~』
『主人や、冷たい飲み物持って来たぞ』
コリーが宿の女将さんみたいなことしてるよ。持って来たぞと言っても、宙に浮いたおぼん。持ってるのは多分精霊だろう。
『よく冷やしてあるからの。美味いはずじゃ』
「冷やしてあるって、コリー氷出せたの?」
『主人が置いて言った金で必要なものは買わせてもらったぞ』
なんですと⁉︎確かに僕はお金を置いていった。万が一必要に迫られたら使ってねって。必要に迫られたらだからね?
「ちなみに必要なものって…」
『ほれ、ベットのマットやカーテンや保冷庫などを買わせてもらったぞ』
「あの、僕に相談は…」
コリーの解釈は、必要になったら使ってくれと言われたから使ったまでじゃと言われる。いや、解釈の仕方が大雑把過ぎるでしょ!
家の中は見てなかった…。どうなってるんだろう…。とりあえず冷たい飲み物を受け取る。ひんやりと良く冷えたグラスが心地いい。
ルピも甘くて美味しいねー!とゴクゴク飲んでお代わりしていた。宙に浮くおぼんが部屋の中へと戻っていく。
これ真夜中に見たら、ちょっとホラーだよね…。
「他に買い足すものは何かあるの?」
『どうじゃろう。ワシは思い当たらんの』
コリーがこう話すなら、ほぼ買い物は終わったんだろう。僕も一緒に見たかっただけに、残念だな…。
『ただ、ワシが買ったのは必要最低限じゃ。家にひく絨毯やマット、置物などは主人のセンスに任せるぞ』
「そうなの?一通り揃えたんじゃないの?」
『寝泊まりするのに不便せん程度じゃ』
その言葉聞いてホッとする。僕にもまだ買えるものがあるんだ。
『ハヤト、ルピ暑いから出る』
「体洗ったの?」
『クリーンで綺麗にするから大丈夫』
そこに、つつつーーと石鹸が運ばれてくる。色々な花びらを閉じ込めた石鹸。オシャレだ。僕達は今庭にいて、極上の露天風呂を堪能中。
ほどよい湯加減。そこに柚子の香りがする果実が浮いて香りでも楽しませてくれる。
『わぁ!お花のお菓子だ!』
「ルピ、これはお菓子じゃなくて体洗うものなんだよ」
『お菓子で体洗うの?』
石鹸を見たことがないルピにとっては、この楕円形の形の石鹸がお菓子に見えるのかもしれない。
ちなみにロッソは毛が濡れるなんてごめんよ!と、断固お風呂拒否され逃げられた。泉で泳いでるの見たことあるのに、お風呂はダメなんて不思議だな。
「ルピ、これはねアワアワにして体を洗うんだよ」
『あわあわ?』
布を一枚用意してもらい、そこにゴシゴシと石鹸を擦り付ける。良い香りが立ち込めて、あぁこれがお風呂の醍醐味の1つだよね!
「ほら、洗ってあげるからおいで」
『良い香りがする!ルピ、お花になれるね!』
「そうだね。ルピがお花になっちゃうかもね」
まずは体から洗って、羽はどうしようか…と思ったけど、手に石鹸の泡をつけて手洗い。ルピは気持ちが良いみたいで、ピィ…ピィ♪って言っていた。
ちなみにお風呂は、僕の意見を取り入れてくれたコリーが脱衣所と洗い場を設けてくれた。洗い場には屋根が付いており、露天風呂とは別の小さなお風呂も付いていた。
これなら、雨の日にでも入れそうだね!ただ、風呂が風呂なら洗い場もかなり大きい。
これ、僕達だけで入るのは勿体無い気がするなぁ…。でも、呼んだとしてもドラスさん夫妻とゲーハさんぐらいだからなぁ。
「ルピ、体流すから耳塞いでて」
『わかった!』
桶で湯を取り、ザパーッとルピを洗い流す。プハァッ!とするルピのその仕草がまた可愛い!
僕も体を洗い、もう一度露天風呂に入ろうとすると、ルピは暑いからもう出ると出て行ってしまった。
『主人や、ワシも良いかの?』
「あれ?コリー入ってなかったの?」
『主人の為に作ったのじゃ。主人が入っていない風呂にワシが入れるわけなかろう』
コリーが初めて堪能する露天風呂に浸かる。頭にタオル乗っけて、良い湯じゃぁーと浸かってる姿は、なんか絵になるなぁ。
「どう初めてのお風呂は?」
『悪くないのぅ。これで酒があれば、なお良いのぉ』
「え?コリーお酒飲むの⁉︎」
『そりゃ嗜む程度にはの』
コリーがお酒。小人がお酒…。想像するけど、なんか似合ってない気もする。でも、飲みたいなら遠慮せず飲んでくれたら良いのに。
「コリー、飲みたいなら飲んで良いんだよ?今度街に行った時に買ってくれば?」
『ほぉ!良いのか!主人が飲まない以上飲むのはやめておこうと思っておったが、許しが出たなら街に買いに行こうかの』
そんななんでもかんでも、僕がやらないからを基準にしなくて良いよ。僕はみんなでほのぼのと暮らして行きたいんだからさ。
「そういえばさ、あの魔石どうするの?」
『ちとの。数日のうちには完成するはずじゃ』
頑なに魔石の使い道を言わないコリー。いったい何に使うと言うんだろう?
『良いねぇ~』
『主人や、冷たい飲み物持って来たぞ』
コリーが宿の女将さんみたいなことしてるよ。持って来たぞと言っても、宙に浮いたおぼん。持ってるのは多分精霊だろう。
『よく冷やしてあるからの。美味いはずじゃ』
「冷やしてあるって、コリー氷出せたの?」
『主人が置いて言った金で必要なものは買わせてもらったぞ』
なんですと⁉︎確かに僕はお金を置いていった。万が一必要に迫られたら使ってねって。必要に迫られたらだからね?
「ちなみに必要なものって…」
『ほれ、ベットのマットやカーテンや保冷庫などを買わせてもらったぞ』
「あの、僕に相談は…」
コリーの解釈は、必要になったら使ってくれと言われたから使ったまでじゃと言われる。いや、解釈の仕方が大雑把過ぎるでしょ!
家の中は見てなかった…。どうなってるんだろう…。とりあえず冷たい飲み物を受け取る。ひんやりと良く冷えたグラスが心地いい。
ルピも甘くて美味しいねー!とゴクゴク飲んでお代わりしていた。宙に浮くおぼんが部屋の中へと戻っていく。
これ真夜中に見たら、ちょっとホラーだよね…。
「他に買い足すものは何かあるの?」
『どうじゃろう。ワシは思い当たらんの』
コリーがこう話すなら、ほぼ買い物は終わったんだろう。僕も一緒に見たかっただけに、残念だな…。
『ただ、ワシが買ったのは必要最低限じゃ。家にひく絨毯やマット、置物などは主人のセンスに任せるぞ』
「そうなの?一通り揃えたんじゃないの?」
『寝泊まりするのに不便せん程度じゃ』
その言葉聞いてホッとする。僕にもまだ買えるものがあるんだ。
『ハヤト、ルピ暑いから出る』
「体洗ったの?」
『クリーンで綺麗にするから大丈夫』
そこに、つつつーーと石鹸が運ばれてくる。色々な花びらを閉じ込めた石鹸。オシャレだ。僕達は今庭にいて、極上の露天風呂を堪能中。
ほどよい湯加減。そこに柚子の香りがする果実が浮いて香りでも楽しませてくれる。
『わぁ!お花のお菓子だ!』
「ルピ、これはお菓子じゃなくて体洗うものなんだよ」
『お菓子で体洗うの?』
石鹸を見たことがないルピにとっては、この楕円形の形の石鹸がお菓子に見えるのかもしれない。
ちなみにロッソは毛が濡れるなんてごめんよ!と、断固お風呂拒否され逃げられた。泉で泳いでるの見たことあるのに、お風呂はダメなんて不思議だな。
「ルピ、これはねアワアワにして体を洗うんだよ」
『あわあわ?』
布を一枚用意してもらい、そこにゴシゴシと石鹸を擦り付ける。良い香りが立ち込めて、あぁこれがお風呂の醍醐味の1つだよね!
「ほら、洗ってあげるからおいで」
『良い香りがする!ルピ、お花になれるね!』
「そうだね。ルピがお花になっちゃうかもね」
まずは体から洗って、羽はどうしようか…と思ったけど、手に石鹸の泡をつけて手洗い。ルピは気持ちが良いみたいで、ピィ…ピィ♪って言っていた。
ちなみにお風呂は、僕の意見を取り入れてくれたコリーが脱衣所と洗い場を設けてくれた。洗い場には屋根が付いており、露天風呂とは別の小さなお風呂も付いていた。
これなら、雨の日にでも入れそうだね!ただ、風呂が風呂なら洗い場もかなり大きい。
これ、僕達だけで入るのは勿体無い気がするなぁ…。でも、呼んだとしてもドラスさん夫妻とゲーハさんぐらいだからなぁ。
「ルピ、体流すから耳塞いでて」
『わかった!』
桶で湯を取り、ザパーッとルピを洗い流す。プハァッ!とするルピのその仕草がまた可愛い!
僕も体を洗い、もう一度露天風呂に入ろうとすると、ルピは暑いからもう出ると出て行ってしまった。
『主人や、ワシも良いかの?』
「あれ?コリー入ってなかったの?」
『主人の為に作ったのじゃ。主人が入っていない風呂にワシが入れるわけなかろう』
コリーが初めて堪能する露天風呂に浸かる。頭にタオル乗っけて、良い湯じゃぁーと浸かってる姿は、なんか絵になるなぁ。
「どう初めてのお風呂は?」
『悪くないのぅ。これで酒があれば、なお良いのぉ』
「え?コリーお酒飲むの⁉︎」
『そりゃ嗜む程度にはの』
コリーがお酒。小人がお酒…。想像するけど、なんか似合ってない気もする。でも、飲みたいなら遠慮せず飲んでくれたら良いのに。
「コリー、飲みたいなら飲んで良いんだよ?今度街に行った時に買ってくれば?」
『ほぉ!良いのか!主人が飲まない以上飲むのはやめておこうと思っておったが、許しが出たなら街に買いに行こうかの』
そんななんでもかんでも、僕がやらないからを基準にしなくて良いよ。僕はみんなでほのぼのと暮らして行きたいんだからさ。
「そういえばさ、あの魔石どうするの?」
『ちとの。数日のうちには完成するはずじゃ』
頑なに魔石の使い道を言わないコリー。いったい何に使うと言うんだろう?
1
あなたにおすすめの小説
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
転生したらスキル転生って・・・!?
ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。
〜あれ?ここは何処?〜
転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
異世界ママ、今日も元気に無双中!
チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。
ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!?
目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流!
「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」
おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘!
魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!
異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。
お小遣い月3万
ファンタジー
異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。
夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。
妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。
勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。
ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。
夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。
夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。
その子を大切に育てる。
女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。
2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。
だけど子どもはどんどんと強くなって行く。
大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
【本編完結】転生令嬢は自覚なしに無双する
ベル
ファンタジー
ふと目を開けると、私は7歳くらいの女の子の姿になっていた。
きらびやかな装飾が施された部屋に、ふかふかのベット。忠実な使用人に溺愛する両親と兄。
私は戸惑いながら鏡に映る顔に驚愕することになる。
この顔って、マルスティア伯爵令嬢の幼少期じゃない?
私さっきまで確か映画館にいたはずなんだけど、どうして見ていた映画の中の脇役になってしまっているの?!
映画化された漫画の物語の中に転生してしまった女の子が、実はとてつもない魔力を隠し持った裏ボスキャラであることを自覚しないまま、どんどん怪物を倒して無双していくお話。
設定はゆるいです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる