この恋は報われないはずだった
遠野楓(かえで)には密かにずっと憧れている義兄、響(ひびき)がいた。義兄と言っても、高校生の頃に母親の再婚で義兄になり、大学生の頃に離婚して別離した元義兄だ。
楓は職場での辛い恋愛に終止符を打って退職し、心機一転新しく住むはずだったマンションに向かう。だが、不動産屋の手違いで既に住人がおり、しかもその住人がまさかの響だった。行くあてのない楓に、響は当然のように一緒に住む提案をする。
響のその提案によって、報われない恋を封印していた楓の恋心は、また再燃し始める。
「こんなに苦しい思いをするなら、お兄ちゃんになんてなってほしくなかった」
ずっとお互い思い合っているのに、すれ違ったまま離れていた二人。拗らせたままの心の距離が、同居によって急速に縮まっていく。
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