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1.不倫現場
しおりを挟む私はエリーゼ・アンハルト。
リアルベイ伯爵家の娘でした。
政略結婚により、
公爵家のウィル・アンハルト様と結婚致しました。
ウィル様は大変美しく聡明でお優しい素晴らしい方です。
私なんかが妻でいる事が、申し訳無い程です。
私は情けない事に、結婚して1ヶ月後に、病を患ってしまい3ヶ月程床に伏してしまったのです。
熱が上がったり、下がったりをしたのですが、近頃はすっかり元気になりました。
流行り病を少し拗らせてしまっていたようです。
そのため、旦那様とは初夜しか床を共にしておりません。
元気になって3ヶ月程経ちますが、
旦那様は私に触れる事もありません。
私がそれとなくお誘いしても、
「エリーゼは無理しないで。」
と、微笑みを溢されるだけです。
少し…いえ、とても寂しいと感じてしまっています。
しかしながら!
もうすぐ旦那様の21歳の誕生日と
私の18歳の誕生日を迎えます。なんと、同じ日なのです。
同じ日という事で、私達は盛り上がったものです。
誕生日の贈り物を旦那様にご心配をおかけしたお詫びも含め、私は旦那様の贈り物を自分の足で見つけに行きたいと思い、本日は城下町へ来ていたのですが…。
そこで、見てはいけないものを見てしまったのです。
旦那様が、美しい女性と腕を組み街を歩く姿を…。
その女性は私もよく知っている
カレン・アルノーニ様
旦那様の幼馴染だったのです。
旦那様の表情は見えませんが、
カレン様の表情はとても幸せそうです。
私は、お二人の姿を見て息ができなくなりました。
怖いほどお2人の姿がお似合いだったのです。
きっと旦那様に限って、そんなやましい事なんてあるはずが無い。
そう自分に思い聞かせても、
全く自分に触れる事の無い旦那様。
昔から一緒に過ごされたカレン様。
もし、お二人が愛し合っていたなら…?
突然の政略結婚で引き裂かれたお2人にとって邪魔なのは…
私、、よね、、。
「エリーゼ様。」
私の様子を見て心配する侍女マリアに話しかけられハッとし、
(いえ、そう決まったわけじゃないわ。)
そう思い直し
旦那様とカレン様の後をこっそりつける事にしました。
その事を、その後後悔することになるとも知らず…。
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