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6.話し合い3

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「も、もう良いだろう!浮気は2度としない!離縁もしない!書面にも記した!もう勘弁してくれ!!」

勘弁して欲しいのはこちらだ…。
色々と言いたい事はあるが、飲み込んだ。

「わかりました。でも…ゲイト様はそうおっしゃっていますが、ダリア様はどうお考えですか…?」

ビクッと肩を震わせるこの女…まだ一言も喋っていないのだ。謝罪の一つも無い。


「あ、あのっ!わ、私…ゲイト様が結婚していらっしゃる事…知らなくて…。もう、ゲイト様には会いません…!!今回の事はどうか無かった事に…!」


「えっダリア?俺が結婚してるって知って……うぐっっ!!」

机の下でつねられたであろうゲイトが苦痛に顔を歪ませる。


「あら…?私、サイラス工房に何度も顔を出していたはずなのですが…。ダリア様と話した事はありませんが、いつも工房にいらっしゃったのに…。ご存知…無い…??」

ダリアの顔からサァーっと血の気が引いていくのが分かる。


「サイラス工房だって…??ゲイト…取り引き先の娘にまで…手を出したのか…??」

お義父さん…信じられないですよね…。私も信じられませんでしたから…。

「いやっあのっダリアが先にっ!!」
「何言ってるのよ!ゲイト様が誘ってっ!!」
ギャーギャー言い合いを始める醜い2人に、義父がキレた。

「黙れ!どちらでも良い!セレーナに謝罪1つもできないのか!!分かっているだろうな!!サイラス工房とは2度と取り引きはしない!!」

「そ、そんな!!セレーナ様、謝ります!知らなかったとは言え、すいませんでした!父や母にはどうか知らさないでください!」

今更謝られても、何も響かないのだけれども。

「そうですね…。ダリア様は、ゲイト様が結婚していると知らなかったようなので、ダリア様も騙されていたのですよね。私の夫がご迷惑をおかけしました。お義父様。ダリア様も被害者です。騙していた上に取引をやめるなんて言ったら、ローランド商会の名が廃ります。」


「そう…なのか…?」


「奥様…!ありがとうございます…!!」


「いいえ、こちらも巻き込んでしまい申し訳ございません。お詫びに、サイラス工房には今まで以上に発注をかけさせていただきます!」


「ほ、本当ですか!?ありがとうございますっっ!!」


「えぇ。これからも…よろしくお願い致しますね。」

ニコッと笑ってみせるのだった。


「もう、もう良いだろう!!これで終わりだ!終わりにしてくれ!!これからの俺を見てくれ!!」


「これからのゲイト様を…。わかりました。ゲイト様、約束は守ってくださいね?絶対ですよ。」

「わかった!わかったって!」

絶対にわかっていないゲイトを見て、静かにため息を漏らし、話し合いは幕を閉じるのだった。



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