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2章〜フォレスト王国王都〜

99、夢の中で。……ん?貴方は誰ですか?

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 そして全身ピッカピカになった私は疲れてそのままベッドへとダイブする。

 ううぅ、今日でこの高級ベッドとお別れか。今までありがとう、ベッドちゃん。

 そんな考えを見透かしてかフェアディとコムクが私をジトッと見ている。付け加えるとサランはゲラゲラと笑っている。

「いや、流石にサラン笑い過ぎ!!痙攣してないっ!?」
「だっ、だって!ぶは、リティア、言、葉に出てっ、あはははっ!!」

 出てたか。恥ずかしいけどさ。……そこまでツボらないよ、普通。

 しかも笑い方!女の子だよね!……女の子、だよね?


 …………。


 それより、ルビクルはいい子!流石マイスウィート天使ぃっ!!ただ笑顔でいてくれてありがとう!!

 何か私テンションおかしいね。今日一日濃かったからかな。

「おやすみ、皆」
『おやすみ』



 
 太陽の光が当たる。鳥の囀りが聞こえる。

 もう朝なのかと思い目を開け、視界に映ったものはーーーー

「だ、誰ーーーーーー!?!?」

 美青年ドアップ。近い。近過ぎる。鼻がくっついているし、息も掛かってるよ。

 ヤバい、鼻血出そう。で!も!私が変態な訳ではない!決して!!でもやっぱり鼻血出そう……。

 というか私、先に目を開けてよかった。そのまま寝返りでも打っていたら絶対私のファーストキスになってたよ。

 大袈裟ではないからね。実際の距離だから。

「あ、起きたのですね、リティア様」

 美青年が私の視界から消えたところで私はやっと起き上がる。

 そして見えたのは木々。ただ生えているのではない。一本だけを守るように、慈しむかのように、敬愛するかのように避けている。

 その沢山の木々生い茂る中、ぽつんと生えている木はとても大きい。言い表せないから大きいとしか言えない。

 日本で生きていた頃、テレビの特集で見た世界で一番大きい木より大きい。明らかに年数が違う。それぐらいは素人の私でも分かる。

 
 でもテレビで見た木でも凄いと感じたのに、何故かこの木に対して凄いとは思えない。圧倒もされない。

「リティア様、あの木は僕の本体なのです。僕は世界樹と呼ばれています」
「そうなんだ!……じゃあ何故私はその世界樹の前に居るの?」
「精神だけで貴方様をお呼びさせていただいたのですよ」

 ティーアママは私の精神に入って来た系だよね。凄い、まさに多種多様。人の人権は無視されてるけどね。

 そんな事を考えていると、何故か美青年は眉を下げ悲しそうな顔をした。

「どうしたの?」
「なんでもないですよ?」

 すぐニッコーーッと笑って誤魔化された。……初対面だし深追いは駄目だよね。

「リティア様、コノキナーマージャ、迷惑でしたか?」
「…………」
「め、迷惑だったんですね」

 何も言えない私を見て悟ったらしい。しかも何故コノキナーマージャが迷惑で貴方が涙目になるの。

「で、でもっ!体力魔力両方回復出来る優れものですよ?」
「……ところ構わず生えてこなければ、まあ?」
「じゃあそうします!役立てるよう時を見計らいます!なので嫌わないで下さい!!」

 バッ!

 えええぇぇーーー!?

 土下座!生土下座二度目!!この世界の人土下座簡単にするの!?

 
 つーかコノキナーマージャの犯人お前か!!


 コホン。つい言葉が乱れてしまった。あれって喜ぶ人を選ぶよね。

「嫌わないから時と場合は選んでね……」
「はい!」

 パアァ!と満面の笑顔。あ、何か眩しい。私の心が汚れているからかな?

「ありがとうございました。リティア様と話せて良かったです。おやすみなさい」
「私も貴方に会えて良かったよ」

 コノキナーマージャから逃れられる!!

「おやすみなさい」

 段々と視界が闇で塗り潰されていく。
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