[完結]転生したのは死が間近の女王様!? ~超可愛い弟が王になれるよう平凡な女王が抗う奮闘記~

秋刀魚妹子

文字の大きさ
225 / 231

第223話 決着

しおりを挟む
 ドス黒く光るルミニスは絶えず、恐ろしい威力のビームをヨハネに向けて放つ。

 ヨハネだけであれば、以前の時と同じ様に反応も出来ずに殺されていただろう。

 しかし、今ヨハネの目の前には乙女小説ではラスボスと言われた最強の魔王が立っている。

 「ぬぉぉぉぉぉっ!! ヨハネ! メリー! 我の命が尽きる前に勝負を決めるぞ!」

 2人を守る為に、躊躇いなく魔族の奥の手を使用したダイは全身から赤い煙が立ち上り始めていた。

 「分かってるよダイ!」

 「兄上……はい! 必ず!」

 命を削る魔人化を使った魔王ダイは天を突く2本の角を生やし、赤く燃えるように光る腕で全てのビームを弾き続けた。

 『あはハハははハ! 魔族ッてどイつもコいツも馬鹿ねェェェ! 前の魔族ミたイに、命が尽キる前ニ殺しテ上げルぅぅぅぅぅぅ!』

 ルミニスから放たれるレーザーの数が更に増すが、ダイは目で追えぬ速度で拳を繰り出しレーザーを捌ききる。

 「キサラギ、闇の精霊様の力を私の両手には宿せませんか? 今なら、ルミニスの背後を取れるやもしれません」

 「メリー……分かったよ。 少し待ってて……うん、分かった。 出来るけど、メリーの両手は消える事になるって……どうする」

 「構いません、お願いします」

 メリーはヨハネの返答に微塵も怯まず、両手をヨハネに差し出した。

 「……隙ができたら、後は私が必ず倒す。 頼んだよ」

 メリーの覚悟を理解したヨハネは、メリーの両手に闇の精霊の力を一時的に宿した。

 「ぐっ?! ふふ……マリ様を失った痛みに比べたら、これぐらい! ……魔隠密術影渡り」

 メリーの両手は漆黒に染まり、笑みを浮かべたメリーは足下の影へと消えて行った。

 「ダイ、メリーが隙を作る。 そうしたら、直ぐに私をルミニスに向けて投げてくれ! 全力で構わない」

 「ふはははは! 我も大概だが、お主も中々よな! 流石は亜人最強のエルフよ! 任せろ!!」

 ルミニスの耳障りな笑い声と、光の速度で到達するビームの金切り音が凄まじく。 更に弾かれたビームの光が目眩ましになったおかげで、ルミニスは背後から迫るメリーに気付かなかった。

 『あァぁァァァぁ! ウザったイわネ! 早ク死にナさイよ!』

 ルミニスは奥の手を使った事で、内心では酷く焦っていた。

 妖精ティナの力と光の精霊の力を無理矢理混ぜ合わせた事で、ルミニスは最強と云える力を手にしたが代償として休眠期間が必ず必要になるのだ。

 前にこの姿になった後は1ヶ月間丸々眠っていた。

 もし、早くこの3人を倒せなければ無防備な姿を晒すことになる。

 そして、そんな焦りを首狩りメリーが逃す筈は無かった。

 「ルミニス……マリ様の仇! くたばりなさい!!」

 『はァっ?! 何でオ前が其処ニ! ギャぁぁァァァッ!?』

 焦るあまり反応が遅れたルミニスはメリーの漆黒の手刀で首を斬られ、更に心臓を貫かれた。

 「やった! ダイ、頼む投げてくれ!」

 「おうっ! 行けぇぇぇっ!」

 黒い血を吐きながらルミニスの首が落ちたが、直ぐに黒い靄で胴体と繋がってしまう。 だが、闇の精霊の力によりダメージは確実に入っている。 

 ルミニスの苦しむ表情を見れたメリーは微笑み、両手はルミニスを斬ったと同時に役目を果たし粉々に砕け散った。

 『うギャァァぁぁぁァァ! よクもやっタわネェェェ! 私! もウ1人の私! 来テ! 早く!!』

 ルミニスは叫んだ。 眼前にヨハネが迫る中、もう1人のルミニスへと助けを求める。    

 当初の予定では、本体であるルミニスが助けを求めたら直ぐに闇を移動し合流する筈なのだ。

 (アははハハ! 馬鹿め、もウ1人の私ガ来たラ直ぐニ逆転しテ……あレ? ドウしテ来ナいの? ドうシて!? 伝わッてル筈なノにィィィィ!)

 だが、マリの身体を乗っ取ったルミニスが本体の窮地に現れることは無かった。

 「闇の精霊よ、全て受け入れ全てを飲み込む闇の精霊よ。 新しき友が願う。 これが最後だ! ルミニスの闇を飲み込み、解放せよ! 深淵の大口!」

 ヨハネの身体から抜け出た闇の精霊の分身が大口を開けてルミニスを飲み込んだ。

 『ギャぁぁァァァ?! なン゙で!? もウ1人の私ィィィィィィっ!』

 そして、遂にルミニスは深淵の闇に消えた。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

虐げられていた次期公爵の四歳児の契約母になります!~幼子を幸せにしたいのに、未来の旦那様である王太子が私を溺愛してきます~

八重
恋愛
伯爵令嬢フローラは、公爵令息ディーターの婚約者。 しかし、そんな日々の裏で心を痛めていることが一つあった。 それはディーターの異母弟、四歳のルイトが兄に虐げられていること。 幼い彼を救いたいと思った彼女は、「ある計画」の準備を進めることにする。 それは、ルイトを救い出すための唯一の方法──。 そんな時、フローラはディーターから突然婚約破棄される。 婚約破棄宣言を受けた彼女は「今しかない」と計画を実行した。 彼女の計画、それは自らが代理母となること。 だが、この代理母には国との間で結ばれた「ある契約」が存在して……。 こうして始まったフローラの代理母としての生活。 しかし、ルイトの無邪気な笑顔と可愛さが、フローラの苦労を温かい喜びに変えていく。 さらに、見目麗しいながら策士として有名な第一王子ヴィルが、フローラに興味を持ち始めて……。 ほのぼの心温まる、子育て溺愛ストーリーです。 ※ヒロインが序盤くじけがちな部分ありますが、それをバネに強くなります ※「小説家になろう」が先行公開です(第二章開始しました)

【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!

ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。 ※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。

美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ 

さら
恋愛
 会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。  ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。  けれど、測定された“能力値”は最低。  「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。  そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。  優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。  彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。  人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。  やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。  不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……

buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。 みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……

せっかく転生したのにモブにすらなれない……はずが溺愛ルートなんて信じられません

嘉月
恋愛
隣国の貴族令嬢である主人公は交換留学生としてやってきた学園でイケメン達と恋に落ちていく。 人気の乙女ゲーム「秘密のエルドラド」のメイン攻略キャラは王立学園の生徒会長にして王弟、氷の殿下こと、クライブ・フォン・ガウンデール。 転生したのはそのゲームの世界なのに……私はモブですらないらしい。 せめて学園の生徒1くらいにはなりたかったけど、どうしようもないので地に足つけてしっかり生きていくつもりです。 少しだけ改題しました。ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いします。

異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜

恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。 右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。 そんな乙女ゲームのようなお話。

枯れ専令嬢、喜び勇んで老紳士に後妻として嫁いだら、待っていたのは二十歳の青年でした。なんでだ~⁉

狭山ひびき
恋愛
ある日、イアナ・アントネッラは父親に言われた。 「来月、フェルナンド・ステファーニ公爵に嫁いでもらう」と。 フェルナンド・ステファーニ公爵は御年六十二歳。息子が一人いるが三十年ほど前に妻を亡くしてからは独り身だ。 対してイアナは二十歳。さすがに年齢が離れすぎているが、父はもっともらしい顔で続けた。 「ジョルジアナが慰謝料を請求された。ステファーニ公爵に嫁げば支度金としてまとまった金が入る。これは当主である私の決定だ」 聞けば、妹のジョルジアナは既婚者と不倫して相手の妻から巨額の慰謝料を請求されたらしい。 「お前のような年頃の娘らしくない人間にはちょうどいい縁談だろう。向こうはどうやらステファーニ公爵の介護要員が欲しいようだからな。お前にはぴったりだ」 そう言って父はステファーニ公爵の肖像画を差し出した。この縁談は公爵自身ではなく息子が持ちかけてきたものらしい。 イオナはその肖像画を見た瞬間、ぴしゃーんと雷に打たれたような衝撃を受けた。 ロマンスグレーの老紳士。なんて素敵なのかしら‼ そう、前世で六十歳まで生きたイオナにとって、若い男は眼中にない。イオナは枯れ専なのだ! イオナは傷つくと思っていた両親たちの思惑とは裏腹に、喜び勇んでステファーニ公爵家に向かった。 しかし……。 「え? ロマンスグレーの紳士はどこ⁉」 そこでイオナを待ち受けていたのは、どこからどう見ても二十歳くらいにしか見えない年若い紳士だったのだ。

処理中です...