引きこもりの監禁生活

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引きこもりの監禁生活

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ふわふわと、揺れているような感覚があった。
寝ている間にどこかに運ばれている?
寝惚けた頭でそんなことを考えたけれど、近くにある体温に、まあいいかと思う。
もう長いこと、こんなにそばで触れたことはないから、きっと夢だろう。
とってもいい夢。
アリッサは、そう思いながらそばにあるぬくもりに頬ずりをした。



ふと、目を覚ましたアリッサは驚いた。
たくさんのことに驚いたのだが、一番驚いたのは、『ふと』目を覚ましたことだ。
起きなさいと同僚の誰かに怒られることも無く、布団をひったくられることも、耳元で鐘を鳴らされることも無く起きた。
とてもいい気分で起きた。うん、寝坊だ。
むくりと起き上がると、見覚えのない部屋だった。
窓は随分高いところにしかないので、屋根裏だろうか。
明るい陽がたくさん降ってくる。多分、もう昼に近いのではないだろうか。
着ているものは昨夜着たものと同じだが、部屋が違う。
そして、足首に固い感触。
アリッサは布団を退けて、自分の足首を見る。鎖が右足とベッドの脚をつないでいた。
「……何事?」
思わずつぶやいてみるが、その声に返事はない。
あったらあったで怖いが、訳の分からない状況で一人ぼっちというのもそれなりに怖い。
チャリ。動くと金属の音がするが、特に痛みもなかったのでベッドから降りてみる。
鎖は長く、部屋をぐるりと動ける。
トイレには行ける。ドアを閉められないが。
水もある。朝食もあるし、果物も準備されている。
そして、机の上には、読みかけの本とその続刊がきれいに並べて置いてあった。
「……うん」
今日のところは、生活するのに何も困らない。
着替えられないし、顔も洗えないのだが、そんなことは些末なことだ。
兄のアルクあたりに言えば、顔をしかめられること請け合いだが、アリッサは寝間着のまま一日中ごろごろしていたいと、常日頃から思っていた。
どこだここ、と思いつつも、右往左往してもこの部屋から出られるわけではないようなので、のんびりと朝食をいただいたあとは、ソファーに横になって読書に勤しんだ。

お昼過ぎ。
今日はお昼ご飯は抜きなのかなあと思っていると、足音が近づいてきた。
そして、ノック。
……監禁部屋をノックした。
「どうぞ?」
ソファーから身を起こしながら返事をする。
ここは、アリッサの部屋ということでいいのだろうか。アリッサがいるのだから、アリッサの部屋ということか。
鍵が開けられる音がしてから開いたドアの先にいたのは、幼馴染だった。
左手にトレーを持った彼――シュート・サイラディング伯爵令息。
サイラディング伯爵家は、建国当時から現在の王家に仕え、騎士として王家を支えてきた伝統がある家柄だ。代々の当主は重役に就き、お金持ちでもある。
その家柄はもちろんの事、騎士団に所属するため、女性には非常に人気がある。
逞しい体躯と強面の男性だ。所謂、綺麗な顔立ちではないが、あまり笑わない彼が、時折見せる笑顔がたまらないと女性たちが噂しているのを聞いたことがある。
アリッサ・メリーナも一応伯爵家の令嬢だが、残念なことに、メリーナ伯爵家には役職がない。細々と領地経営をして、それなりに貴族としての体面を保っているような、ごくごく一般的な貴族だ。
アリッサの六歳上の兄とシュートが同い年で、何故か仲が良いことから、昔からよく家に遊びに来ていた。兄のアルクにくっついて遊んでいたアリッサは、必然的にシュートも遊び相手と認識し、体が大きな彼に肩車をしてもらったり、あちこちに連れて行ってもらったりしていた。
アルクとシュートが学校を卒業して、アルクは領地経営を学び、シュートは騎士として城に居を移した。
そうなると、学生の時のように行き来は出来ず、数年会うことが出来なかった。
アリッサが十六歳のとき、城へ行儀見習いとして奉公に上がることになった。
そこで、シュートと再会したのだ。
学生の頃よりもさらに逞しく、仕草も大人の男性になっていた。
侍女として挨拶したアリッサに、騎士として礼を返してくれたシュートは、武骨ともいえるような外見とは裏腹に、洗練された所作で膝を折ってくれた。
「素敵なレディになったな」
目を細めて、見惚れたように褒められた。
アリッサはお姫様になったような気分にさせられたものだった。

――という相手から、この仕打ち。
そんなこともあったっけかなと、数百年前の話を思い出したような気分になる。
どこか悲しそうな表情を浮かべた彼は、トレーをテーブルに置いて、アリッサに視線を向ける。
「アリッサ」
呼びかけに対し、アリッサは返事をする。
「おかえりなさい?でいいのかしら」
嫌味のつもりだった。おかえりなさいでいいわけがないだろう。
なのに、シュートは嬉しそうに微笑んだ。
「ああ。ただいま」
なんと反応したものか。
ちなみに、アリッサは反抗を示すために、彼が部屋に入ってきても椅子から立ち上がっていない。出迎えてなんてやるものかと思ったのだが、今の言葉で歓迎したような感じになったのだろうか。
アリッサは足首を持ち上げて、チャリチャリと鎖の音をさせた。
「シュート様、何のつもりですか?」
わざと侍女の立場としての口調を使ってみる。
シュートは、アリッサが自分にこの口調で話すのは嫌なようだった。外では兄に対しても丁寧に話すと言っても、やめて欲しいと言っていた。
その口調を、あえて使ってみたのだが。
親しく話して欲しいと言いつつ、アリッサはもう立派なレディなのだからと、シュートは一定の距離を取る。
親しくしたいのか、距離を取りたいのか。
彼の考えていることは難しすぎて、シュートとは距離が出来つつあった。
――というのに。
「ああ……足首を見せつけるなんて」
シュートがいきなり床に膝をつき、アリッサの足首を持ち上げる。
口調には一切触れられなかった。シュートの嫌味スルースキルが高い。
足首を揺らして見せたものの、それは鎖を見せようと思ったもので、足首では断じてない。
夫でもない絶対に異性から触られることのない足に触れられて、アリッサは固まる。
「細いな……。なんて麗しい」
ちゅっ。小さなリップ音とともに、まさかの足の甲に口づけられて、アリッサは一気に顔に熱を上らせる。
「んなっ――!?ちょ、きゃあっ!」
慌てて立とうとして、彼が自分の足を持っていることとつながらなくて、盛大にひっくり返った。
いや、ひっくり返りそうになった。
腰をさらわれるように、浮遊感を感じた次の瞬間には、シュートの腕の中にいた。
「大丈夫か?」
大丈夫ではない。絶対に。
心臓が今まで動いたことがない速さで動き続けている。
「慌てるな」
どの口がのたまうか。
文句が言いたいけれど、心臓が痛すぎて言葉が出てこない。
シュートは、その間に倒れてしまった椅子を片足で蹴り上げて元の場所に戻す。どんな足の使い方をすれば、そんなことが出来るのか。
……こっそり練習してみようと思う。
立てた椅子に、そっと降ろされる。そのついでか、ご褒美を勝手にもらったのか知らないが、頬にキスをしていくのは、幼いころからの名残だ。
何かをせがんでしてもらった後は、頬にキスをするか、されるかだった。
だがしかし。
今は何もせがんでいない。それどころか、倒れたのはシュートのせいであって、助けてくれても、それはシュートが悪いのだから、お礼なんて言ってやるもんか。
「仕事を抜け出してきたので、すぐに出ないといけない。話は、また帰ってきてからする」
「え!?いつ帰ってくるの?」
どうやら、シュートはお昼ご飯を持ってきてくれただけのようだ。
状況も分からないまま、夜までまた一人なのかと文句を口に出した。
文句だ。絶対に文句だったのに、シュートはとろけそうな顔で笑う。
「早めに帰るよ」
いや、だから、いつ。
寂しがったわけでも、離れることを不安に思ったわけではない。この理不尽な状況に対して説明をしろと文句を言ったはずだが、シュートは嬉しかったようだ。
あまり笑わないはずの騎士が、にこにことしながら、部屋を出て行った。
――しっかり鍵がかかる音はした。
監禁であるのは間違いないようだ。
「わけ、わかんない……」
アリッサは天井を見上げてため息を吐いた。

夕方。太陽が沈んですぐくらいの時間だ。
この部屋には時計が無くて時間が計りづらい。
「ただいま」
今度は、嬉しそうにシュートが部屋に入ってきた。
「……おかえり?」
疑問符がついているのが分からないのか、シュートは何故か照れ笑いする。
手には、紙袋を持っており、手際よく二人分の夕食を並べていく。
「シュート、私、監禁されてるよね?」
「アリッサ、これ好きだったよな。デザートも準備してきた」
アリッサの問いには答える気がないようだ。
こちらを見ることなく、夕食の準備が整っていく。
お腹はすいているので、有難くいただくが、こちらの問いに答える気がない人と会話をする気はない。
アリッサはムスッとしたままシュートの言葉には答えなかった。彼も、口数が多い方ではないので、自然とお互いが無言になる。
静かな夕食を食べ終えて、シュートが片付けまで一人でやる。
手伝ってなんかやるもんか。
シュートに対して、無駄なこだわりのような気はするが、そわそわする腕を組んで、絶対に手伝わない姿勢を貫いた。
彼が片付け終わるのを見計らって、さすがに歯磨きがしたいと言った。
シュートに洗面台に連れて行かれて、その横にある鏡を開けるといろいろなものが入っていた。鏡が棚のドアになっていたなんて。なんて面白い。
「風呂にも入ろう」
風呂の準備をしてくれるというので、リビングの椅子に座って、おとなしく待っている。
「準備ができた」
風呂場から顔を出したシュートがスタスタとアリッサのところまで歩いて来て、ひょいと彼女を抱えあげた。
「シュート!?歩くわ!」
幼いころのような扱いをされるには育ちすぎていて恥ずかしい。
触れられたことだって、彼が騎士として城に勤め始めてからはなかったというのに。
「鎖を外す」
抱き上げられたまま、足首に何かされると、金属音を立てながら鎖が落ちる。
お風呂の時は外してくれるのか。そうじゃなきゃパンツ脱げないもんね。
なるほどと考えて油断してしまった。
なんと、抱き上げられたまま、風呂場に入った。
え……うそでしょ。
さっきまで、和やかに食事していたじゃないか。キャッチボールになってない会話も繰り広げ、静かに食事をして、それなりに穏やかに過ごしていたというのに。
「アリッサ」
いつ、そんなスイッチが入ったの。
抱き上げられたまま、首にシュートの顔をうずめられる。熱い息が首筋にかかって、背筋にそわりと不思議な感覚が走る。
「いや、ちょっと……」
今、まさに起きている事実が信じられなくて、頭を整理しようと、シュートを止めようとした。
「痛っ……!?」
だけど、言った途端、噛まれた。すごく痛かったから、もしかしたら血がにじんでいるかもしれない。
「嫌という言葉は禁止だ」
首元で低い声が聞こえた。
今のは、シュートの声だっただろうか。聞いた覚えがない低い、低い声が胸元から響く。
「シュ、シュート?」
いや、というのは嫌という意味ではない。
嫌でないかと言われれば、もちろんこんな意思も何も尊重してもらえない行為は嫌だ。
「アリッサ……」
はあ、と熱いため息が首筋にかかる。
さっきの低い声がどこから出たのかというような、甘い声だ。
そんな声で名前を呼ばれるなんて思っていなかったから、勝手に頬が熱を持つ。
ワンピースの形になっている、昨日から来たままの寝間着の裾が、さわさわと上げられて、あっという間に脱げる体勢になってしまう。
そもそも寝間着なので、防御力が低いのだ。
「シュート、自分でできるから!」
するかどうかは別だが。一応言ってみた。
「大丈夫。任せて」
言われると思った。
この雰囲気で、『あ、そう?じゃあ脱いで』とかならないと思っていた。
シュートが首筋を舐めながら寝間着を首の上へとやってしまう。自然と両腕が持ち上がって、寝間着で腕を拘束されているような形になってしまう。
パンツは履いているが、胸当ては寝るときはつけない主義だ!
だからこそ、防御力はないに等しいというのに!
シュートが、アリッサの胸をうっとりと眺めて、唇を近づける。
「待って待って!私、今日はお風呂入ってないから!」
一日、洗うこともしていない体を舐められるのは抵抗がある。
止めるアリッサの言葉を聞かずに、シュートの唇の中に胸の先端が吸い込まれてしまう。
「やっ……うそ、んんんっ……!」
「ン……。だから、洗ってやるから、もう少し」
洗ってから吸え!いや違う、吸わないで!
喉の奥から出したことがないような声がせりあがってくるおかげで、妙なことを口走らないで良かった。
「はっ……ぁ、んっ」
腕が寝間着で拘束されたまま上に上がり、その服の端を捕まえたまま、シュートはアリッサを抱きしめ、胸に吸い付く。
時折、ちゅっと可愛らしい音を立てて唇を離したと思ったら、舌で固くなった先端を転がす。
「シュート、待って、シュート……!」
嫌だと言ったら、今度はそんなところを噛まれてしまうかと思って、待ってとしか言えない。
ダメなのに。嫌なはずなのに。
アリッサの胸を一心不乱に口に含む姿に、胸がざわつく。
無理矢理なはずなのに、優しい手つきが、夢中で抱き寄せる彼の体温が……嬉しくてたまらないのだ。
シュートは一旦胸から顔を上げて、アリッサを見つめる。
「アリッサ。抵抗してはいけないよ?酷くしてしまうかもしれない」
「…………」
初心者に無茶を言う。
こんな恥ずかしいことをされて、『嫌』と言わなかったことを褒めてもらいたい。
抵抗って、何をしたら抵抗なのだろう。
「分かった?」
寝間着がするりと腕からほどけていく。
腕は自由になったが、どうしていいか分からない。
「多分?」
曖昧に首を傾げるアリッサを見て、シュートは眉間にしわを寄せて、彼女を抱き上げる。
「抵抗したら、その時にしていたアリッサが嫌なことを、さらに倍する」
何て非道なことを言うのだ。
どんなことをされるのか、きちんと想像もできない令嬢に向かって親切じゃないと思う。
「体を隠すのはいい?えっと、強くつかんで、爪痕ができるのは?」
「体を隠すのは、アリッサの体を見たいから、しないで欲しいけど。爪痕?どこに?」
浴室に運ばれて、下ろされた。するりと下穿きを取られて、手際の良さに驚く。
しないで欲しいというくらいだったら、しても怒られないかなと、腕を裸の体に巻き付ける。
シュートは少し気に入らなそうにしながら、自分も服を脱ぎ捨てていく。
「どこって、シュートの肩とか背中。抱き付いて力が入ったら、こんな風になると思うの」
さっき胸に吸い付かれていた時、手を強く握りあってしまっていたようだ。そのせいで、左右の手の甲に爪痕が残っていた。
服がこすれて痛くて気が付いた。
シュートはアリッサの手の甲の傷を眉を寄せて、「風呂から上がったら薬を塗ろう」と呟く。そうしてから、何かに気が付いたようにバッとアリッサの顔を凝視する。
「俺に抱き付く……?」
少し低くなった声に、アリッサは目を瞬かせる。
「え、抱き付くのダメなの?シュートは抱っこしたりするのに?」
さっき、腕を拘束されていなかったら、絶対にシュートの頭を抱え込んでいた。もしかしたら、手の甲ではなくて、爪を立てるのは彼の首筋だったかもしれない。
「かまわない……というか、大歓迎だけど、俺に抱き付くのか?」
「ん?うん。さっきみたいなこと、まだする……のよね?そうしたら、目の前のシュートに抱き付くのは当たり前じゃない」
それとも、そんなことができないようにまた手を拘束されるのだろうか。
思い通りに動けないのって、窮屈で痛くないけれど苦しいからやめて欲しいのだけど。
「当たり前……この状況で、当たり前って」
シュートがぶつぶつ呟いているけど、それには返事はしてあげない。
こんな特殊な状況に仕立て上げたのはシュートだ。
この状況で常識を解くなとでもいうのだろうか。
浴室で裸にされたまま話していて、少し冷えてきた。シュートを無視してお湯を使わせてもらおうかと思った途端、のびてきた腕にからめとられる。
アリッサも裸だが、シュートも裸だ。
幼いころなら抱きしめられたことは何度もある。
だけど、お互いに裸で抱きしめあったことなどあるはずがない。
初めて触れた彼の胸はしっとりと温かくて、固いのにやわらかくて、どきどきした。
「アリッサ」
アリッサではなく、彼の方が抱きしめられて苦しそうな声を出す。
いきなりこんな状況にしたシュートが苦しそうなのはおかしいと、文句を言うために顔を上げた。
言葉を発するために、口も少し開けていた。
「――――っ」
口を塞がれたと同時にぬるりと口の中に何かが入って来る。
いや、そこまで純情ではない。初体験だが、知っている。これは彼の舌だろう。そういうキスもあると友人に聞いた。
だが、初めてのキスで間髪入れずにやられるようなものではないはずだ。
シュートの舌は、アリッサの舌をくるりと舐めあげ、歯列を辿る。
彼女の口の中を全て触れたいと言わんばかりに、ぺろぺろと舐めまわすのだ。
そうして、彼女を抱きしめた手は、やわやわと動き出し、お尻を優しく撫でている。
何故お尻なのか。さっきまで可愛がってもらっていた胸が、まだ先を固くして彼の胸板にこすりつけられる。もっとはっきりした刺激が欲しいのに、どこも曖昧で優しい。
背筋を上ってくるもどかしいようなざわざわとした感覚が、どうしようもないのに、もっと欲しいと求めてしまう。
「アリッサ」
ちゅうっとアリッサの舌を吸い上げて、唇が解放された。
シュートをぼんやりと見上げると、ふっと微笑んでくれる。
その笑顔に、そんな場合じゃないのに安心してしまった。
彼の唇が肌を滑る。唇が通らない場所があってはいけないというように、アリッサの肌を隅々ませ味わいつくそうとしている。
「んっ、んっ……シュート、ぁっ」
アリッサがシュートの肩にてを伸ばすと、上から温かいお湯が降ってきた。
「俺は一日動き回って汗をかいているから、触るなら汗を流した後がいい」
そう言って、ぼんやりしたアリッサを一旦湯船につけて、自分は石鹸で体を洗い始める。
「私も洗いたい!」
「俺を?」
「自分を!」
そういえばそうだ。着替えもしないで一日ごろごろしていた体を舐められていまった。汗も流していないのに!
そんな体のまま湯船に浸かってしまったことに罪悪感を覚えて立ち上がる。
「俺が洗ってやるから待っていろ」
「自分で!」
「よし俺は終わった」
立ち上がった両脇に腕を入れられ、軽く持ち上げられて、鏡に手を付けさせられる。
「じゃあ、綺麗にしような」
背中から覆いかぶさるようにシュートはアリッサを抱きしめ、石鹸が付いた手を胸に滑らせる。ぬるぬると胸を動き回り、もう一方の手は、腹から太腿へ動き始める。
気持ちいいことを覚え始めた体は、あっという間に熱を持つ。
「アリッサ」
耳元で、かすれた声で名前を呼ばれて、全身が震える。
彼は、わざと音を立てて、アリッサの耳をぴちゃぴちゃと舐める。
「ふ……はぁ、ああっ。ひ……ぃんっ」
浴室に、いやらしい水音が響き渡る。
胸を触る手が、時折思い出したように先端をこねていく。少しだけあたえられる刺激は、もどかしさを募らせていく。
――もっと、もっとたくさん。
この行為は無理矢理だ。
閉じ込められて、鎖でつながれて、抵抗も許されず、初めてにもかかわらずお風呂で、洗うついでのように抱きしめられている。
そんなの、知ってるけど。
シュートが、アリッサを抱きしめて名前を呼ぶから悪いのだ。
自分を閉じ込めた相手が、シュートだと分かった時から、嬉しくてたまらなかった。
彼にとっては、相手の了承を得ない行為だ。
何も言わずに自分勝手にしたのだから、そう思いながらやればいい。
だけど、それを受けるアリッサが幸せを感じていけない理由にはならない。
「シュート、もっと、ちゃんと……してぇ」
はしたなくねだったっていいはずだ。
アリッサは今、快感でどうにかしてしまったのだ。
襲われているはずなのに、快感に翻弄されておかしくなっているだけだから、普段のアリッサが淫乱なわけではない。
「アリッサ……!」
切羽詰まったようなシュートの声に続いて、襞の間を分け入るように彼の太い指がぬるりと入って来る。
自分でも気が付いていなかったが、彼の指が、アリッサの潤いを教えてくれる。
「こんな、こんなに濡れて。ああ、アリッサ。気持ちいい?」
シュートは焦らすのをやめた。
指にあふれた蜜をまとわせて、蜜が出てくる場所より少し上の蕾を押しつぶす。
「あっ、ああぁぁっ」
突然の痛いくらいの快感に、アリッサは背中を反らして悲鳴を上げる。
何をされたのか分からない。少し強く触っただけで全身が震えるような場所が体の中にあったなんて知らなかった。
「アリッサ、イッたのか?……もう無理だ。ベッドに連れて行く」
まだ満足に洗い終わってないと訴えたかったが、もう立っていられる自信もなかった。
力が抜けたアリッサを抱えあげて、タオルを取ると、ベッドに向かう。向かう途中で、タオルを被せられて乱雑に拭かれた。
ベッドのシーツが濡れることも厭わずに、彼はアリッサをベッドの上に転がすと、その上に乗りあげる。
アリッサはとろんとした顔をしたまま、シュートを見上げている。
シュートはアリッサを見下ろしてじっとしていた。
すぐに始まると思っていたアリッサは、どうしたのかと首を傾げる。
「アリッサ、悪いと思っているが、今から、お前を俺のものにする」
独り言をいうように呟いて、すぐにアリッサから目をそらした。
シュートが、そのままアリッサの目を見ていれば、恥ずかしそうに染まった目元が見られただろうに、彼は気が付かなかった。
アリッサの両足を抱えて、一気に左右に広げる。
カエルのような恰好をさせられてアリッサは焦る。
何をするつもりだろうか。
アリッサは、もう成人を迎えた。行儀見習いに来ている侍女仲間からもそれなりに話を聞くし、少しだけそういう描写があるものだって読んだ。
だけど、こんな両足を広げた格好は知らない!
「やっ、恥ずかしい!」
今まで我慢していたのに、嫌と言ってしまった。
それまで穏やかだったシュートの目がギラリと光り、アリッサを睨み付ける。
「嫌でも、もう逃げられない。諦めろ」
恥ずかしいって言っただけじゃない!怒らなくてもいいのに。
文句は、悲鳴にかき消された。
シュートが、まだ狭い隘路をぐいぐいと突き進んでくる。
「うあっ……痛いっやだああ」
痛みで手が震えて力が出ない。もう許して欲しいのに、彼を押し退けようとする力さえ出てこないのだ。
「く……っ、狭い。諦めろ。お前は、俺のものになるんだっ……!」
シュートが力任せに腰を進めて、息が止まるほどの激痛がアリッサの身を引き裂く。
痛みのせいで、もう声をあげることも出来ない。
アリッサの中に納まった性器は、彼女に痛みしか与えない。
はくはくと意味がない口の開閉だけするアリッサを、シュートは強く抱きしめた。
「アリッサ、アリッサ……!」
シュートの泣いているような声が耳元で聞こえる。
その声にアリッサが気が付く頃には、どれくらい時間が経ったのか分からなかった。まだ、中には彼が入ったままだが、一気に押し入れて、アリッサが必死で痛みを逃そうとしている間、彼は全く動いていない。
挿入は無理矢理で、どうにかなりそうなほど痛いが、じっとしてくれているおかげで、少し落ち着いた。
「シュート」
呼びかけると、びくりと動いた彼は、体を起こしてアリッサを見下ろした。
その顔は、涙でぐちゃぐちゃで、どちらが犯されているのか分からないような顔をしていた。
アリッサがその表情に驚いている間に、彼はすぐに続きをやる気になってしまったようだ。
涙にぬれた表情を固く引き締め、アリッサを睨み付ける。
アリッサも、シュートの表情を見つめていた。
シュートがゆっくりと腰を動かすと、引きつるような痛みでアリッサの体がこわばる。
この痛みで、さらに動かされるのか。これが好きだという人の気持ちが分からない。気持ちが良いと聞くが、この痛みが気持ちいいことになる想像がつかない。
シュートは、ゆっくりと、小さく動かす。特に入口がぎしぎしと引き攣れたようで痛い。切れてないだろうか。
「ううぅ……」
思わず、アリッサの口から呻くような声が漏れる。
その瞬間、シュートが心配そうな顔をした。
凛々しい眉を下げ、アリッサを見つめる目が揺れる。
だが、唇をぎゅっと噛みしめ、心配する言葉をくれない。
アリッサが泣きそうな顔で見上げても、すぐに目をそらされてしまった。
シュートがサイドテーブルに手を伸ばし、引き出しから何かを取り出した。
彼がグイと横に動くから、それでさらに引き攣れて、アリッサの目から涙がポロポロとこぼれた。
アリッサが泣いていることに気が付いているはずなのに、シュートはそれを見ないようにして、取り出した瓶のふたを開ける。
ふわりと良い香りがする。ローズオイルだ。
そのオイルを、結合部に垂らす。
冷たくて一瞬体がこわばるが、そのオイルを下腹部に塗り広げるようにシュートの手が動く。多分、彼自身にも塗ったのだろう。滑りが良くなった。
痛みがなくなったわけではないが、大分マシになった。
「アリッサ……」
大丈夫か。痛いか。なんて、シュートは聞かない。
大丈夫じゃないし、痛がっているのだから、痛いに決まっている。彼は自分が無理矢理していることを知っているから、アリッサを心配する言葉を吐かない。
だけど、その表情からは泣きたいくらい心配しているのが分かる。
彼の目が、こんなに表現力があるなんて初めて知った。きっと、彼自身だって知らないはず。
それが面白くて、痛みが薄らいだこともあって、ふっと笑ってしまった。
シュートは、アリッサの笑みを見て目を瞬かせ、情けない顔でふにゃりと笑った。
さっき泣いたまま、まだ涙が残っている顔で、そんな無防備に笑わないで欲しい。
思わず、ときめいてしまうじゃないか。
彼は、自分が今どんな顔をしているか分かっているのだろうか。
監禁した女性を犯している最中の表情じゃない。
――まあ、それはアリッサにも言えることだろうけれど。
アリッサはきっと、幸せそうに微笑んだはずだから。
シュートはゆっくりとアリッサの体に自分を覚え込ませるように動く。
引きつるような痛さはなくなったが、苦しさは変わらない。
お腹から胸にかけて圧迫されたような息苦しさに、アリッサは気持ちよさを感じることは出来ない。
アリッサの痛みが少しは治まっていることに気が付いたのだろう。
シュートの動きが少し速くなる。
そうして、ギュッと抱きしめられたかと思ったら、彼の体が痙攣した。
ああ、終わったのか。
ぼんやりとしている間も、シュートはアリッサの体を抱きしめ続ける。離してくれる様子はない。
温かくて大きくて安心できるものに包まれて、アリッサは、ゆっくりと眠りの世界に入り込んでいった。

部屋が明るくなって、アリッサは起きた。
誰に起こされるでもない朝。最高。
シーツが綺麗になっていた。寝間着も、同じような形の別のもの。心無し、体も綺麗になっているような気がする。
これだけされて、起きないって、どんな勢いで寝ていたんだ。
ベッドの中は、一人きりだ。
アリッサの横のシーツに手を滑らせてみるけれど、そこにぬくもりはない。
シュートは騎士だ。仕事に行ってしまったのだろう。
これだけ高くまで陽が上ってしまえば当たり前だろうが、シュートがいなくなってからずいぶん時間が経ってしまっているようだ。
寂しさを感じながら、朝食を食べようと体を起こす。
下腹部に、鈍痛が走る。
膣に入れられて、ひきつるような痛みがあったというのに、なぜお腹が痛いのだろう。
そんなどうでもいいことを考えながら、アリッサはよたよたと起き出した。
朝食は、昨日と同じスープとパンと果物。その横にメモがあり、『鍋の中に昼食があるので温めて食べるように』とシュートの字で書かれていた。
何があるのだろうとキッチンに行くと、とてもいいにおいがする。
鍋の中はシチューだった。
昨日までは昼を準備しに来れたけれど、今日はもう無理ということか。
ここはどこなのだろう。
窓は高い位置にあって、外は見えない。
サイラディング伯爵家が持つ屋敷の中のどれか一つだろうか。
考えてみるが、さっぱり分からない。
まあいいかと、アリッサは読みかけの本を持ち上げ、長椅子に寝そべった。

その日は、薄暗くなるころに夕食を二人分準備して、シュートは帰ってきた。
「ただいま」
「おかえり?」
昨日と同様、疑問形で答えるが、シュートは気にしていない。
夕食を食べ、風呂に連れて行かれ、昨夜と同じ流れでベッドに入る。
彼は、アリッサを呼びながら果てる。
アリッサはそのまま眠り、翌朝はベッドで一人目が覚める。
次の日も次の日も。
毎日は同じすぎて、何日経ったか分からなくなりそうだ。
「――アリッサ」
「んっ……あ、んんっ……!シュー……はぁっ」
そうして、日に日に、アリッサの体は感じやすくなっていく。
これは気持ちがいいことだと、体に教え込まれているのだ。
あんなに痛かった行為も、水音が立つほど濡れるようになってしまった。
たった数日でシュートに抱かれることに慣れてしまった。人間、気持ちいいことには抗えないということだ。
耳元で、シュートはただアリッサの名前を呼ぶ。
初日に『いや』と言われひどくされたこともあって、アリッサは嫌と言う言葉は使わないようにしている。
あんまり恥ずかしい格好させられたときえでさえ、『だめ』で乗り切った。
ぐしゅっぐちゅっと卑猥な音が聞こえる。
自分の中から出てきたとは思えないほどの潤沢な愛液が、シュートとアリッサのつながりを滑らかにする。
「アリッサ」
ねだるような声を出すシュートが悪いのだ。
そんな声で名前を呼ぶから、アリッサがすぐにその気になってしまうだけだ。
「――っは、今日はさらにぐちゃぐちゃだな」
言われなくても分かっている。
意地悪なことを言うくせに、そんなに嬉しそうに笑わないで欲しい。
恥ずかしがるアリッサの頬をそっと包み込み、優しく自分に向けるなんて、言葉にされなくても、何を望まれているのかが分かりすぎるほど分かって居たたまれない。
――無理矢理しているんだからね!分かっているの!?
そう言ってやりたいほど恥ずかしいことをされても、その言葉は口に出さない。
そんなことを言ったら、シュートは、ひどく怒るだろう。
…………。
それとも、泣きそうな顔をするのだろうか。
もう、奥をシュートに突かれるのを想像しただけでたくさん濡れてしまう。
「シュート、そんなこと、言わないでっ」
いやらしい言葉をかけてくるシュートの顔を掴み引き寄せる。
アリッサがすることには、シュートは基本的にほぼ文句を言わない。
彼のことを嫌がったり逃げたりしない限り、彼はひたすらに甘い。
「あ、あ、あっ……も、ダメ。そんなふうにしたらっ……」
アリッサの声が甲高くなり、わずかに残っていた恥ずかしさが消える。追い込まれて、もう弾けさせてほしい。
シュートが無言でアリッサの両足を抱えあげて大きく広げさせる。少しだけ浮かせた腰へ、たたきつけるように抽挿を繰り返した。
自分本位な動きのはずなのに、アリッサはどんどん高みへと連れられる。
「シュート……!」
ぐりっと最奥をえぐられ、ついに弾ける。
「くっ……はあ」
少しだけ漏れたシュートの声が嬉しい。
初めて中でイッてしまった後は、後は体が欲するままに眠りの世界に旅立った。

――あたたかい。
明るくなった部屋で惰眠を貪りながら、今日は天気が良いと嬉しく思った。
まだ起きる前なのに、こんなに温かい。
いや、これは日差しが暖かいというよりも、布団が温かい……?
ぱちりと目を覚ました。
温かいはずだ。太い腕がアリッサの体に巻き付いて熱を発しているのだから。
いつもは、起きたら一人でいる布団の中に、今朝はシュートがいる。
そうして、二人とも裸だ。
布団の中にいるのはいいが、いつも通り寝間着は着せて欲しかった。
「起きたか?」
顔を上げると、シュートが見下ろしていた。寝起きの顔じゃないので、少し前から起きてアリッサが起きるのを待っていたのかもしれない。
「よく寝るな。いつ起きるのだろうと思っていた」
文句のようなことを言われながら抱き寄せられ、頭頂部に頬ずりされる。
「夜更かしさせられるからだわ」
夜更かしと言えば、シュートもそうだろうが、彼は自業自得で、アリッサは無理矢理だ。惰眠を貪っても良いはずだ。
ぶ厚い胸板に頬を摺り寄せ、文句を言う。
シュートはくすぐったかったのか、ふっと吐息のような笑いが漏れた。
その笑顔が見たくて、彼の胸板を押して顔をもう一度上げる。
狙い通りに優し気に目を細めたシュートがアリッサに口づける。
「おはよう」
まるで夫婦のように、当たり前にベッドの中で朝の挨拶をする。
「おはよう。起きてもいるなんて初めてね?」
嫌味のつもりで言ったのだが、シュートはあっさりと頷く。
「週末だ」
つまり、一週間経過したということか。
先週の休日に、彼はこの部屋を準備して、アリッサをここに閉じ込めた。
このまま、この生活を続けるのなら、カレンダーくらいは欲しいかもしれない。気が付いたら数年経っていそうで怖い。
「朝食にしよう」
シュートは全く隠す様子も見せずに立ち上がり、近くに置いてあった服を簡単に身に着ける。そしてドアを開けると、ワゴンに乗った食事が運ばれてきていた。
食事や洗濯は、している人がいるのか。
シュートは忙しいし、そうだろうと思っていたけれど、アリッサ一人の時はこの部屋に近づきもしないのだろう。全く気配を感じたことが無かった。
アリッサも起き上がって、新しいワンピースが準備されていたのでそれを着る。ちなみに、下着がない。周りを見回しても、ない。
シュートに目をむけると、心なしか嬉しそうにしているので確信犯だ。
変に恥ずかしがったら、ベッドに連れ込まれそうな雰囲気を感じたため、平気なふりをして食卓についた。
準備を手伝おうかなとも思ったが、シュートに座るように促され、おとなしく座った。
向かいに彼も座り、下着をつけていないこと以外は和やかに食事が終わった。
「アリッサ、書類を一つ片づけたい。ここにサインをしてくれ」
そう言ってシュートが持ってきたのは、綺麗な一枚の書類。上半分が折りたたまれていて、サインする場所だけが見えている。文面は見えないが、枠に美しい金の蔦が入っていて、アリッサがサインする横には、シュートのサインがすでにしてある。
シュートを見ると、無表情でサインをしろとペンを差し出している。
「シュートは、私と結婚をする気なの?」
「……やはり、分かるか」
分からないはずがない。
無表情の中でどことなく悲しそうな顔をしたシュートを呆れて見上げる。
何より、文面を見せないで書類にサインを求めることが間違っている。
彼は、折っただけで隠していた文面を広げて見せる。
結婚誓約書だ。
「嫌だって言ったら?」
「偽装する」
間髪入れずに返事された。
監禁に暴行、文書偽装。……身分剥奪で間に合うかな?
「シュート。ちょっとそこに座りなさい」
アリッサは、目の前の床を指さす。
シュートは首を傾げて、おとなしく床に膝をついた。とても素直だ。
「何のために結婚するの?」
「夫婦になるためだ」
「何のために夫婦になるの?」
「アリッサを俺のものにするためだ」
アリッサが投げかける問いに、シュートはよどみなく答える。
「何故、私を自分のものにしたいの?」
「アリッサが他の奴のものになろうとするから」
問いに対する答えが微妙にずれているが、それは後々矯正することにして、最終的にシュートから言葉をひねり出したい。
どうやら、この監禁は、アリッサが成人して婚活を始めたことが原因らしい。
「私は結婚がしたかったから、相手を探していたの。悪いことなんてしていないでしょう?」
「結婚候補に俺以外を考えたことが悪い」
とんだとばっちりだ。
「シュートは、私には興味がないと思っていた。私と結婚したいなんて、言ったことなかった」
声が震えないようにするのが大変だ。
あんまり感情を高ぶらせてしまうと、きっと、泣きわめいてしまう。
「……アピールしていただろう?」
淡々と答えていたシュートの声が、初めて自信なさげに小さくなった。
「アピール?されてない」
はっきりと答えれば、今度は彼がムッとしたように言い返してくる。
「していた!アリッサにだけ特別扱いをして、わざわざ会いに行っていた」
「兄にもしていたじゃない」
シュートは基本的に無表情だ。
それは、同僚の騎士にも変わらないが、アリッサの兄と、アリッサには笑顔を時折見せていた。仲の良い幼馴染だと、周りからはもちろん、アリッサだって思っていた。
「アルクは友人だから」
「兄が友人なら、私は幼馴染の妹枠でしょう?」
幼いころから変わらない態度で、それを恋愛感情だなんて思えない。
シュートの動きが止まる。今までの自分の行動を思い返しているのか、顎に手を当ててじっくりと考え込んでしまった。
「恋愛感情を抱いていると言われたことも無いのに、昔から同じ態度とられているだけで、私のこと好きなのかも、なんて思わないわ」
「昔から好きだった」
真剣な表情に胸がどきんと高鳴る。
しかし、昔っていつからだろう。
「結婚したいなら、まず言葉が欲しかった。普通に求婚はできなかったの?」
アリッサの言葉に、シュートが情けない顔を伏せる。
「……もう、実質婚約しているようなものだと思っていたから」
「……いつから?」
これには、アリッサも呆れるしかない。
シュートとアリッサはいつでも幼馴染の距離で、親愛の情以上のものを彼が抱いていると考えることはなかった。――はずだ。
「俺が学園に入る前」
開いた口が塞がらない状態に実際になったのは初めてだ。
6才離れているので、城に上がる前からだったら、アリッサは10才だ。アリッサがシュートに淡い恋心を抱くのは許されても、その逆は犯罪臭がする。下から上はいいけれど、上から下はダメな気がする。
気が付かずに胸の高鳴りだけで終わらせていきたかったと思う。
「俺と婚約しているのに、他の男と結婚しようとするから――」
なるほど。それは怒るね。
婚約者の目の前で男漁りか~……って。
「おかしいでしょ!?婚約してないよね!?」
「そうだったな。今気が付いた」
開き直って頷きやがった。
「どうしてそんな勘違いを」
「アリッサは、俺のお嫁さんになると言っていた。アルクにももらうと伝えていたはずだが」
兄に伝えていたって・・・・・・今度、問い詰めよう。
お嫁さんになると言っていたのだって、とても幼いころの話だ。そんなもの、約束にもならない。
シュートはアリッサを見つめた後、視線を落として悲しそうにため息を吐いている。
自分の暴走を改めて振り返っているようだ。
「メリーナ伯爵家が、サイラディング伯爵家に釣り合うはずがないでしょう?」
アリッサの実家メリーナ伯爵家よりも、シュートのサイラディング伯爵家の方が権力も財力も持っている。
メリーナ伯爵家はこの縁談を喜ぶかもしれないが、相手に何の利益もない。
「同じ伯爵家だろう?」
「格が違うのよ、格が!私はシュートと結婚すれば利益があるけど、逆はないでしょう?シュートが私を望むとは思えなかった」
そう言うアリッサを、もう一度首を傾げて見上げながら、シュートはこともなげに言い放つ。
「アリッサと居られる」
「……それが利益だと胸を張って言えるほど、私は自信過剰じゃないの」
ここにきて、いきなりの爆弾発言。
うっかり顔を赤くしてしまった。
しかし、これで許されると思ったら大間違いだ。
アリッサはもう一度息を吸い込んで――
「アリッサ。愛している」
呼吸を止めた。
開けた口が動かない。
何を言おうとしたのかも忘れてしまった。
「結婚して欲しい。今日までしたことは一生かけて償う。俺は、アリッサ以外は性対象に見られない。アリッサをずっとこの腕に抱いていたい」
「んなっ……!」
プロポーズの後に、普通にあからさまなことを言われて、アリッサの頬が瞬時に真っ赤に染まる。
告白の感動が台無しだ。
「許してもらえなくても、結局ここから出さないけれど、自分の言葉が不足していたことを理解した」
「…………」
どこから突っ込めばいいだろうか。
もう少しプロポーズの雰囲気は大切にしてもらいたい。
真剣な表情で見上げてくる彼に、笑いがこみあげてきた。
堪えきれなかった笑いが、零れ落ちる。
「ふふっ。結局、許しても許さなくても結果は変わらないのね」
シュートは、アリッサが笑うとは思わなかったようで、目を丸くして固まっていた。
さっきまでの、嫌だと言われたら飛びかかりそうな雰囲気は無くなった。
「いいわ。今の言葉で許してあげる。一生かけて償ってね?」
初体験が急すぎる上に無理矢理だったことには変わりがない。
実は、アリッサの中では同意のような状態ではあったが、本当にお互いに求め合った結果だったなら、もう少し痛くなかったかもしれない。
アリッサはシュートが準備していたペンを手に取り、彼の署名の横に、さらっと自分の名前を書いた。
「い……いい、のか……?」
信じられないというように結婚誓約書をシュートが受け取る。
まだ膝をついたままなので、騎士が名を受けているような雰囲気になってしまう。
シュートは、アリッサが自分で署名するとは思っていなかったようだ。
アリッサが拒否しても、偽装して提出するから、今日から夫婦だと言う気だったのだろうか。
「アリッサの自由を奪った俺を許してくれるのか」
シュートは二人分の署名がされた誓約書を、すぐに壊れてしまうもののように、静かに、そっと持っていた。
アリッサは、ここ一週間の生活を振り返り、正直に答えた。
「・・・・・・自由は奪われてなかったかな」
「ん?」
シュートは首をかしげるが、実際そうなのだ。
どちらかというと、自由を与えられていたような気もする。
「朝寝坊して、着替えもせずにごろごろしてから、ご飯食べて本読んで、またゴロゴロしながらご飯食べて本読んで、夜にはシュートと一緒にご飯食べて寝て。侍女の仕事はもちろん、煩わしい社交もしなくてよかったし、勉強も無し。休日だってこんなにのんびりできないわ」
アリッサは指折り数えて一人頷く。
行儀見習いとして城に奉公に来たのだから、それなりに仕事は申し付けられる。毎日の勉強は当たり前だし、お茶会も舞踏会もこなして、何かの行事があれば参列しなければならない。
そして、勉強とかそんなものがなくたって、世話役の使用人に朝寝坊は許してもらえないし、寝るとき以外にベッドで転がっているのもダメ。
休みの日だって、何もせずにぼんやりできる時間なんて、ほとんどなかった。
「鎖では繋がれていたけど、柔らかくて軽いから、コルセット付けるよりも断然こっちの方が楽だし。とっても自由にしていたわ」
唯一、夜だけは無理矢理抱かれていたけれど、アリッサの中では合意だった。
大好きな彼が自分を求めてくれるのだ。
言葉をくれないから意地悪をしたけれど、気持ちが良かったし、嫌ではなかった。
「自由……自由ってなんだ?」
アリッサの言葉を聞いて、シュートが呆然とつぶやく。
「哲学の話?私、あんまり頭は良くないんだけど」
本はよく読むが、シュートと違ってアリッサが読む本は物語だ。冒険や恋愛を題材にした本で、政治や化学、もちろん哲学などは全く興味がない。
「そんな大層な話ではないのだが……」
困った顔をする彼に、アリッサは、ふふっと小さく笑みをこぼした。
「監禁されて抱かれているから、愛されているんだろうなとは思ってたけど。無理矢理な上に、シュートから言葉がないから、私も言わなかっただけだもの」
「――アリッサは、俺を受け入れてくれるのか。俺は、君を無理矢理閉じ込めてまで自分の思い通りにする男だ」
結婚誓約書を手に入れているくせに、未だに信じられないようだ。
シュートは、アリッサに憎まれても恨まれても、彼女を手放すことが出来なかったのだ。
壮大な愛の告白に、アリッサは少し照れてしまう。
この話の流れで愛を感じて照れるアリッサも、シュートと同じような感性を持っていると言える。
「私も、大好きよ。ずっと、小さいことから大好きだった」
「アリッサ!」
シュートがアリッサを抱きしめる。
「ちょ、シュート!その格好からはっ……!」
膝をついたところから、椅子に座ったアリッサの腰に抱き付いたのだ。
油断していたため、はしたないことに両足の間にシュートを迎え入れてしまった。
「もっ、ちょっと、この格好は恥ずかしいから、どいて!――んっ」
シュートがアリッサを抱きしめる彼の頭がアリッサのお腹に埋まり、思わず甘い声が漏れた。
感動してアリッサを抱きしめているだけのシュートに感じてしまうなんて。
ダメだと思うのに、彼の体がグイと前に出れば、アリッサの足はもっと大きく広げられ、下着をつけていない秘所に、彼の胸元が押し付けられる。
快感を教え込まれた体が、熱を持つ。
「アリッサ。嬉しいよ。愛している」
アリッサの体の変化を、当然理解して、シュートが腰に抱き付いたままアリッサを見上げる。
そこには当然、双丘があり、寝間着の上からでも分かるぷっくりと尖った先端がアリッサの興奮を正確に伝えてしまう。
「可愛い」
言いながら、彼はそこに吸い付く。
ちゅっと可愛らしい音を立てながら、布の上というのを気にした様子もなく、舌で先端を転がす。
「や、もう、シュート……!待ってっ……ぁっ」
彼の頭を抱きかかえた途端、腰に回った片方の手が足の間に入り込んでしまう。
そこはもう、しっかりと潤んで、いやらしい水音を立てた。
シュートが、自分の恥ずかしい場所を触っている。
「気持ちいい?可愛い。アリッサ。愛してる」
アリッサがびくびくと反応するたびに、シュートは嬉しそうに目を細める。
そうして、恥ずかしいほど愛していると言葉にする。口を開くたびに、語尾に愛しているとつけるのだ。言って欲しいとは言ったが、さすがに言われすぎて恥ずかしい。
彼の指が、ぬかるんだ襞をかき分け中に侵入してくる。
少しも苦しさなんて感じなくて、ただただ気持ちがいい。もっと奥まで触って欲しい。
「愛してる」
シュートが首を伸ばして、アリッサに口づける。
初めてするような、かすかに触れるだけの口づけ。
「シュート。私も……んんっ」
愛してると言うのはまだ恥ずかしいから、同意をしてみた。
だけど、彼にはそれだけで充分だったようだ。
喰われるように唇は奪われ、強く舌が絡んでくる濃厚なキスが始まった。
キスの間も、彼の指はアリッサの中をぐちゃぐちゃとかき混ぜて、彼女を追い上げていく。
アリッサは、自分が今椅子に座っていることも忘れ、体を反らし我を忘れて快感を追った。シュートがしっかりと彼女を抱きかかえていなかったら、椅子ごとひっくり返っていただろう。
シュートが、蜜壺の上にある蕾をぎゅっと潰した途端、快感がはじけた。
今までにないほどの絶頂を体験し、アリッサの体が痙攣する。
そんなアリッサを満足そうに眺めた後、彼は彼女の足を掴んで身を屈ませる。
「――アリッサ。もっと気持ちよくなって」
絶頂の余韻でぼやけた頭でも、彼が何をしようとしているのか分かった。
愛液に塗れた汚い場所に、口づけようとしている!
「うそ、ちょ……!やだやだ!シュート!やだあっ!汚いからっ!」
嫌と言わないように気を付けていたが、今は無理だ。
すでに、彼に触られただけでこんなに気持ちいいのに、そんなことをされたらおかしくなってしまう。
「アリッサに汚い場所なんてあるわけがない」
あるよ!
そう叫ぼうとしたのに、声から出たのは、甘ったるい悲鳴だけだった。
ぬるりと、彼のぶ厚い舌が襞をかき分け、蕾に絡みつく。
「ひ、ぁ……っ、あっ、あぁっ」
快感に溺れてしまって、アリッサの口から出るのは、喘ぎ声だけだ。
「んんぅ~~~っ」
またイキそうになって全身突っ張ると、ぐらッと後ろに傾いでいく。
「おっと。椅子じゃバランスが悪いか」
倒れそうになった椅子ごとシュートが抱き上げ、ベッドに運んでくれる。
柔らかな布団の感触に、快楽に溺れていた意識が少しだけ浮上する。
「シュート」
「ん?愛してるよ」
アリッサのかすれた小さな声も聞き逃さずに返事をして、さらに語尾に愛しているとつける。
「抱きしめて欲しい」
力が入らない腕を伸ばせば、彼はそれを受け入れ――
「ぐえ」
感激のあまり、力いっぱい抱きしめられた。
体格差がある上に、騎士に力一杯抱きしめられて内臓が出そうになった。朝食をリバースするような失態を犯さなくて良かった。
アリッサのカエルがつぶれるような声に、シュートが慌てて腕の力を抜く。
一瞬、比喩でなく抱きつぶされるかと思った。
「ああ、ごめん」
「あっ……!?」
体を少し離したと思った途端、何よりも深くつながることになった。
前振りも何もなく、いきなりブスリだ。
「ふっ。抵抗もなく入ったな。俺のために準備された場所だ」
アリッサの体の中に、他人のための場所があるはずがない。
――なんて。可愛くないことを言おうとしたが、言う時間など与えてくれなかった。
「ひゃあぁ……んんっ、急にそんな動かしちゃ、だめぇ」
入ってきた途端、ぐりぐりと最奥を突かれ、急な快感にアリッサは身もだえる。
「こんなに濡れて滑りがいいのに、ぎゅうぎゅうと締め付けてきて。ん、気持ちが良いよ。アリッサ」
繋がっているときの彼の感想は初めて聞いた。
いつも、無言でされるだけだったので、少し驚いた。
アリッサはシュートに何もしてあげていないが、それでも彼がアリッサの体で気持ちよくなってくれていると思えるのは嬉しい。
眉間にしわを押せて頬を染めながら荒い息を吐くシュートは、とても艶めかしい。
苦しそうにしているのに、シュートの動きは止まらない。同じように、アリッサもどんどん高みへ押し上げられていく。
「シュート、シュートっ……!あっ、シュート」
ただ喘いでいる自分が恥ずかしくて、彼に何かを伝えようと思うのだが、それが言葉になることはない。
ただただ、彼の名前を縋り付くように何度も呼んだ。
「アリッサ、アリッサ!」
アリッサが両手を伸ばして彼の頬に触れると、彼は自然と頭を下げて彼女にキスをくれる。
「大好き」
優しいキスを貰って、アリッサが微笑むと、シュートの動きがピタリと止まった。
突然止まった動きに、首を傾げつつも、ほっと息を吐く。
そろそろ休憩が欲しい。
というか、起きたばかりだが、寝たい。
終わったと思い、シュートを見上げると、見たことのない表情をしていた。
「し、シュート?」
涙目で顔を赤くして唇を噛んでいた。
今、何があってその表情なのか?まるで、すごく大切な試合で負けてしまったときのような悔しがり方だ。
「アリッサ……俺は、倍返しどころか、十倍返しをする男だ」
「な、なんのこと?」
さっぱり分からないが、碌なことでないことは分かる。
「大丈夫だ。体力はある」
絶対碌でもない。今、確実になった。
ぐちょぐちょと、さっきよりもひどい水音が結合部からする。いつの間にか、すごい量の液体が溢れ出しているようだ。どんなことになっているのか、確認するのが恐ろしい。
そもそも、連日連夜ヤッている。それに、さらに朝から。
「愛してるよ、アリッサ」
愛してるに名前を付けるのは反則だと思う。
思わずきゅんとときめいてしまい、きっと、体もそれに応えた。シュートが嬉しそうに目を細めたから、絶対に伝わってしまったのだ。
「アリッサ。まだ、休日は始まったばかりだ」
怖いことを言っているのに、シュートは笑み崩れている。――こんな表情、誰にも見せたくない。
男らしく切れ長な瞳が、細くなって垂れさがる。
彼の甘い笑顔なんで、絶対にアリッサしか知らない。アリッサの前だけの表情だ。
そうして、こんな笑顔を見せられたらアリッサはあっさりと陥落してしまうのだ。
諦めときたいの吐息と一緒に、アリッサはシュートに抱き付いた。

夕食時。
一度は抵抗を諦めたものの、ものには限度があると思う。アリッサは布団の中から、床に座る彼に、懇々と説教をするのだった。



後日談

一週間、仕事を無断欠勤した。
勉強も社交も全部だ。
ひたすらシュートだけのせいにしようと現実逃避していたが、こんなに愛を囁かされてしまったら、彼だけを悪者として差し出せなくなってしまう。
女官長に謝らなければと思っていたら、なんど、アリッサは結婚休暇を取っていた。
しかも、退職をするため、あとは引継ぎへ向かうだけ。
「お兄様が挨拶にいらしたわよ?」
「兄がですか!?」
まさかの家族公認監禁!?
「もともと、結婚すると言うのは聞いていたし、分かっていたから大丈夫よ」
聞いてたの!?いつ!?
分かっていたって、当人が分かっていないのに、上司だけ知っている結婚って何!?
もろもろのツッコミを心の中にぎゅうぎゅうとしまい込んでにっこり微笑んだ。
「――――ありがとうございます。直接お伝えせずに申し訳ありません」
行儀見習いとして城に勤めて学んだ技を全てこの言葉につぎ込んだ。
拳がふるふる震えたって、笑顔がひきつったって、きちんとお礼が言えたのだから及第点だ。
アルクとシュート、ぶっ飛ばす。
アリッサはそのまま、シュートが準備していた新居(監禁場所)に移動し、そこにいたアルクに回し蹴りを贈った。
そのやんちゃな姿を見て、シュートは可愛いなあと目を細めるのであった。


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みんなの感想(5件)

黒ピョコ
2022.01.06 黒ピョコ

アルク兄さんのことがチラついて深夜も一時だというのに眠れません。

アルク兄さんはどんな人何でしょう。
妹を監禁するような男が妹に目を付けてるのに、そのままえっほえっほと一緒に外堀を埋める兄…
監禁に気が付いていたような、いないような…

彼の恋愛観が気になってしまってもうこれはスピンオフをお願いするしかないのでは?という気持ちになってしまったのです。

気が向いたら、アルク兄さんのお話をお願いします。

ざっく
2022.01.08 ざっく

すっごくびっくりしました。
いや、需要ないかと思いますが(笑)
全く出てきませんが、アルクはぼんやりさんです。素直で優しくて、だからこそ、シュートと仲良くできる人って設定です。

解除
黒ピョコ
2022.01.05 黒ピョコ

まだアルク兄さんが潜んでましたっ!
初めての翌朝にアルク兄さんがっ!
シスコンにも程があるぞ!兄さんっ!
そんな忍者兄さん嫌いじゃない…

元々好きだったヒロインは流されヒロインでもチョロインでもないように思うんですがなんていうんですかね?
両片思いヒロイン?棚ぼたヒロイン?

ざっく
2022.01.05 ざっく

ええぇぇぇx(゚Д゚;)エエエ
作者、アルクが好きすぎる( ノД`)シクシク…
ありがとうございます。訂正しました。話の腰を折る誤字、申し訳ありません。

棚ぼたヒロインいいですね!

解除
Emu:N
2022.01.04 Emu:N

誤字報告です。(3つあります)
『だからこそ、防御力はないに等しいというのに!」』となっていますが最後の『」』はいらないと思います。
『「風呂から上がったら薬を塗ろう」と呟いく』とありますが呟くだと思います。
『キスの間も、彼の指はアリッサの中をぐちゃぐちゃとかき混アルク、彼女を追い上げていく。』とありますが、途中の『かき混アルク』の意味がわかりません。
言い方強く感じたら申し訳ございません。

ざっく
2022.01.04 ざっく

誤字報告ありがとうございます!
言い方強くなんて、全く無いです。ここが間違ってるぜ!と、その報告だけでもありがたいのに、さらにお気遣いまでいただいて、ありがとうございます!

解除
1 / 5

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