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第60話 4者会談
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国中が祝賀ムードに包まれる中、塞ぎこんでしまった私の様子に気付いたのがリシャール王子の乳母をしていた同僚のマチルダだった。
ちょうどあなたがお腹に宿っていることが判って、マチルダだけには打ち明けたの。
妊娠したことを悟られまいと、マルタン卿にも宰相閣下にも報せずにひっそりと職を辞すと、下町の薬師院で暮らし始めた。自分に認識阻害魔法をかけて、身元が分からないようして。黒髪はどうしても、この国では目立ってしまうから。
そうして月日が満ち、あなたが産まれた。
父親譲りの凛々しい瞳を持った赤子のあなたを見たとき、すごく嬉しかった。ギュスターヴ様を亡くして絶望していた私に、生きる力と希望を与えてくれたの。
でも――。
生後半年を過ぎた頃から黒髪が生えてきて。栗色に見えるよう認識阻害魔法をかけたのに、何度かけてもあなたには効かなかった。
そこで思い至ったの。アクロティア帝国の皇族に、ごく稀に現れる特異体質――魔力無効の力を、デルフィーヌが受け継いでいるんじゃないか、って。
さらにあなたは、陸のアース・アイの持ち主でもあった。
咄嗟に思ったわ。
この力を利用しようと近寄ってくる悪者や人攫いから、この子を守らなきゃって。
ごめんなさいね。まともな説明もせずに、少年のような恰好をさせて髪を栗色に染めたこと。きっと嫌だったでしょう?
でもね、あなたが自分で自分の身体を守れるようになるまでは、できるだけ目立たない方が良いと思ったの。
そうして平穏に時は過ぎていったのに、あなたが8歳のとき、王家の紋章が入った青いリボンを持って帰ってきた。
一瞬、息が止まりそうになったわ。
もう二度と交わることはないと思っていた縁が再び結ばれようとしている、そんな予感がした。同時に、「やっぱりそうか」と、運命めいたものを感じたわ。
たぶん、この時だったかもしれない。
私がひとりでデルフィーヌを守りきることに、限界を感じ始めたのは。
しばらくしてから、偶然、下町であなたを見かけたマルタン卿が薬師院までやって来た。
彼は外交官として長く外国に駐在していたから、顔を合わせるのは9年ぶりだった。姿かたちや声も変えていたのに、マルタン卿はすぐに私だと見抜いたわ。
「この子は?」
「……娘です」
「父親は?」
「……」
「まさか……ギュスターヴ卿、なのか?」
「……はい」
「!! どうして相談してくれなかった? どうして……。僕たちの今があるのは、ほかならぬギュスターブ卿のおかげなのに。なのに、君はたった一人でこの子を――」
あのマルタン卿が、私たちのために頬を濡らす姿を見て、心がとても痛んだ。
誰にも迷惑をかけたくなくてそっと姿を消したのに、そのことが彼らの心にこんなにも大きな傷を残していただなんて。
妊娠が判ったとき、ギュスターヴ様の子を授かったのだと、彼を亡くして途方に暮れているのだと正直に打ち明けていたら、自分も、周りの人も、こんなふうに苦しまないで済んだかもしれないのに、って。すごく反省した。
だから、マルタン卿が「これからは、この子を一緒に育てていこう?」と言ってくれたとき、頼ろうと思ったの。
「お願いします」と伝えると、マルタン卿は嬉しそうに頷いて、私とあなたをロワーヌ侯爵家のタウンハウスへと連れて行ってくださったの。
すぐに当時の宰相閣下も呼ばれて、ミシェル夫人も加わって、4人で話し合いの場が持たれたわ。
ミシェル様は、ものすごく怒っていた。ブリジット夫人にね。
「ブリジットは、マルタンに色目を使っていたの。学生の頃からよ? 私たち、ずっと茶々を入れられてきたの。きっと、マルタンと結婚した私に復讐したかったのよ。お人好しなマルタンの性格に付け込んで、救命という大義名分のもと、貴女の純潔を奪わせるよう仕向けたんだわ。ほんっとに嫌な女。最低だわ!
あの女、デルフィーヌの存在を知れば、きっとこう言うでしょうね。
“マグダレーナは他人の夫を寝取った悪女。ミシェルは新婚早々、夫を寝取られた惨めな女。マルタンは、正妻よりも先に愛人を孕ませた最低男”と。
安っぽい大衆劇よろしく吹聴してまわる姿が目に浮かぶわ。
でもね、マルタン。どうして9年前、私に打ち明けてくださらなかったの?」
「あの頃の私は、国王夫妻から側妃の打診を受けていたんです。王族のプライバシーに関わることですから、マルタン卿もミシェル様へお話しできなかったのだと思います」
「そんな……。マグダレーナ様、誰にも相談できずお辛かったでしょうね。けれどマルタン、たとえ媚薬を盛られたマグダレーナ様を救うためだったとしても、他に方法があったでしょう?」
「それが、医薬品保存庫にある中和剤が全てなくなっていたんだ。それに、部屋に入った途端に外側から鍵が掛けられて、誰かに謀られたんだと気が付いた。偶然、宰相閣下が秘密の裏通路を知っていたからギュスターヴ卿を呼びに行けたんだが。彼は国王付の護衛として中和剤を携帯していたからね。もっとも、中和剤が効かないほど強力な薬だったんだ」
「謀られたですって!? マルタンはどうやってマグダレーナ様の状況を知ったの?」
「帰国報告をしていたところに、ブリジット夫人が助けを求めに来たんだ」
「宰相閣下のところへは?」
「私のところへはカロリーヌ妃が助けを求めに来た」
「なるほど。犯人と筋書きが見えてきたわ」
「それに――混濁する意識の中でマグダレーナは何度も叫んでいたんだ。お願いだから側妃になる資格を失わせてくれ、と」
「だが、私はその……機能的に、マグダレーナを救うのは無理だったんだ」
「僕も、ようやく求婚を受け入れてくれたミシェルを裏切ることなんてできなかった。だから――」
「だからギュスターヴ卿に全てを委ねたというの? まったく、情けないわね。結局、一番勇敢だったのはギュースタヴ卿だったんじゃない」
「面目ない」
「すまない」
「事情は分かったわ。ただ、その件にカロリーヌ妃が絡んでたというのが厄介ね。彼女、ずーっと側妃の座を狙ってたのよ? きっと、マグダレーナ様に打診がされたことを漏れ聞いたのね。純潔を奪わせて側妃になる資格を失わせようとブリジットと共謀したに違いないわ」
「おそらく、その線で間違いないだろうね。結果として一年後、カロリーヌ妃が側妃に召し上げられたわけだから」
「今一番大事なのは、あの2人からデルフィーヌをどう守るか、だけれど。
そのためには強い後ろ盾と、身を守れるだけの高い教養、それに上質な人脈の構築が不可欠だわ」
「同感だ」
「マグダレーナ様。あの子の教育を私にお任せいただけませんか? 必ず一流の淑女に育て上げるとお約束いたします」
「ミシェル様、どうぞよろしくお願いいたします」
「マグダレーナ。では早速、デルフィーヌをロワーヌ侯爵家の養子にする手続きを行なうが、構わないかい?」
「はい」
「それから――今日の会合のことは、あの子が成人するまでは秘密にしておきましょう。でないと、いつまたあの2人が仕掛けてくるか分からないわ。今度はデルフィーヌに狙いをつけてね。可哀そうだけれど、デルフィーヌには強くなってもらわざるを得ない。義親子の交流を深めることはかえって危険だから。社交界デビューはもちろん、貴族家でのお茶会へも参加させてあげられないし、私が表立って彼女を可愛がることもできない」
「仕方ないだろうね」
「そうだな」
「マグダレーナ様とギュスターヴ卿の子ですから、きっと逞しい女の子に育っているのでしょう?」
「はい。ちょっとやそっとじゃ挫けないくらいには」
「だったら決まりね。――でも、困ったわね。デルフィーヌは黒髪に翠瞳。成長とともに、さらにマグダレーナ様に似てくるでしょう?」
「だから?」
「陛下は、カロリーヌ妃ともう何年も寝所を共にしていないの。つまり、側妃にデルフィーヌを欲しても不思議ではないわ」
「まさか! ミシェル、デルフィーヌはまだ少女だぞ?」
「女の子の成長は早いのよ? のんびり構えてたら、大変なことになるわ。予防策を考えないと」
ちょうどあなたがお腹に宿っていることが判って、マチルダだけには打ち明けたの。
妊娠したことを悟られまいと、マルタン卿にも宰相閣下にも報せずにひっそりと職を辞すと、下町の薬師院で暮らし始めた。自分に認識阻害魔法をかけて、身元が分からないようして。黒髪はどうしても、この国では目立ってしまうから。
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でも――。
生後半年を過ぎた頃から黒髪が生えてきて。栗色に見えるよう認識阻害魔法をかけたのに、何度かけてもあなたには効かなかった。
そこで思い至ったの。アクロティア帝国の皇族に、ごく稀に現れる特異体質――魔力無効の力を、デルフィーヌが受け継いでいるんじゃないか、って。
さらにあなたは、陸のアース・アイの持ち主でもあった。
咄嗟に思ったわ。
この力を利用しようと近寄ってくる悪者や人攫いから、この子を守らなきゃって。
ごめんなさいね。まともな説明もせずに、少年のような恰好をさせて髪を栗色に染めたこと。きっと嫌だったでしょう?
でもね、あなたが自分で自分の身体を守れるようになるまでは、できるだけ目立たない方が良いと思ったの。
そうして平穏に時は過ぎていったのに、あなたが8歳のとき、王家の紋章が入った青いリボンを持って帰ってきた。
一瞬、息が止まりそうになったわ。
もう二度と交わることはないと思っていた縁が再び結ばれようとしている、そんな予感がした。同時に、「やっぱりそうか」と、運命めいたものを感じたわ。
たぶん、この時だったかもしれない。
私がひとりでデルフィーヌを守りきることに、限界を感じ始めたのは。
しばらくしてから、偶然、下町であなたを見かけたマルタン卿が薬師院までやって来た。
彼は外交官として長く外国に駐在していたから、顔を合わせるのは9年ぶりだった。姿かたちや声も変えていたのに、マルタン卿はすぐに私だと見抜いたわ。
「この子は?」
「……娘です」
「父親は?」
「……」
「まさか……ギュスターヴ卿、なのか?」
「……はい」
「!! どうして相談してくれなかった? どうして……。僕たちの今があるのは、ほかならぬギュスターブ卿のおかげなのに。なのに、君はたった一人でこの子を――」
あのマルタン卿が、私たちのために頬を濡らす姿を見て、心がとても痛んだ。
誰にも迷惑をかけたくなくてそっと姿を消したのに、そのことが彼らの心にこんなにも大きな傷を残していただなんて。
妊娠が判ったとき、ギュスターヴ様の子を授かったのだと、彼を亡くして途方に暮れているのだと正直に打ち明けていたら、自分も、周りの人も、こんなふうに苦しまないで済んだかもしれないのに、って。すごく反省した。
だから、マルタン卿が「これからは、この子を一緒に育てていこう?」と言ってくれたとき、頼ろうと思ったの。
「お願いします」と伝えると、マルタン卿は嬉しそうに頷いて、私とあなたをロワーヌ侯爵家のタウンハウスへと連れて行ってくださったの。
すぐに当時の宰相閣下も呼ばれて、ミシェル夫人も加わって、4人で話し合いの場が持たれたわ。
ミシェル様は、ものすごく怒っていた。ブリジット夫人にね。
「ブリジットは、マルタンに色目を使っていたの。学生の頃からよ? 私たち、ずっと茶々を入れられてきたの。きっと、マルタンと結婚した私に復讐したかったのよ。お人好しなマルタンの性格に付け込んで、救命という大義名分のもと、貴女の純潔を奪わせるよう仕向けたんだわ。ほんっとに嫌な女。最低だわ!
あの女、デルフィーヌの存在を知れば、きっとこう言うでしょうね。
“マグダレーナは他人の夫を寝取った悪女。ミシェルは新婚早々、夫を寝取られた惨めな女。マルタンは、正妻よりも先に愛人を孕ませた最低男”と。
安っぽい大衆劇よろしく吹聴してまわる姿が目に浮かぶわ。
でもね、マルタン。どうして9年前、私に打ち明けてくださらなかったの?」
「あの頃の私は、国王夫妻から側妃の打診を受けていたんです。王族のプライバシーに関わることですから、マルタン卿もミシェル様へお話しできなかったのだと思います」
「そんな……。マグダレーナ様、誰にも相談できずお辛かったでしょうね。けれどマルタン、たとえ媚薬を盛られたマグダレーナ様を救うためだったとしても、他に方法があったでしょう?」
「それが、医薬品保存庫にある中和剤が全てなくなっていたんだ。それに、部屋に入った途端に外側から鍵が掛けられて、誰かに謀られたんだと気が付いた。偶然、宰相閣下が秘密の裏通路を知っていたからギュスターヴ卿を呼びに行けたんだが。彼は国王付の護衛として中和剤を携帯していたからね。もっとも、中和剤が効かないほど強力な薬だったんだ」
「謀られたですって!? マルタンはどうやってマグダレーナ様の状況を知ったの?」
「帰国報告をしていたところに、ブリジット夫人が助けを求めに来たんだ」
「宰相閣下のところへは?」
「私のところへはカロリーヌ妃が助けを求めに来た」
「なるほど。犯人と筋書きが見えてきたわ」
「それに――混濁する意識の中でマグダレーナは何度も叫んでいたんだ。お願いだから側妃になる資格を失わせてくれ、と」
「だが、私はその……機能的に、マグダレーナを救うのは無理だったんだ」
「僕も、ようやく求婚を受け入れてくれたミシェルを裏切ることなんてできなかった。だから――」
「だからギュスターヴ卿に全てを委ねたというの? まったく、情けないわね。結局、一番勇敢だったのはギュースタヴ卿だったんじゃない」
「面目ない」
「すまない」
「事情は分かったわ。ただ、その件にカロリーヌ妃が絡んでたというのが厄介ね。彼女、ずーっと側妃の座を狙ってたのよ? きっと、マグダレーナ様に打診がされたことを漏れ聞いたのね。純潔を奪わせて側妃になる資格を失わせようとブリジットと共謀したに違いないわ」
「おそらく、その線で間違いないだろうね。結果として一年後、カロリーヌ妃が側妃に召し上げられたわけだから」
「今一番大事なのは、あの2人からデルフィーヌをどう守るか、だけれど。
そのためには強い後ろ盾と、身を守れるだけの高い教養、それに上質な人脈の構築が不可欠だわ」
「同感だ」
「マグダレーナ様。あの子の教育を私にお任せいただけませんか? 必ず一流の淑女に育て上げるとお約束いたします」
「ミシェル様、どうぞよろしくお願いいたします」
「マグダレーナ。では早速、デルフィーヌをロワーヌ侯爵家の養子にする手続きを行なうが、構わないかい?」
「はい」
「それから――今日の会合のことは、あの子が成人するまでは秘密にしておきましょう。でないと、いつまたあの2人が仕掛けてくるか分からないわ。今度はデルフィーヌに狙いをつけてね。可哀そうだけれど、デルフィーヌには強くなってもらわざるを得ない。義親子の交流を深めることはかえって危険だから。社交界デビューはもちろん、貴族家でのお茶会へも参加させてあげられないし、私が表立って彼女を可愛がることもできない」
「仕方ないだろうね」
「そうだな」
「マグダレーナ様とギュスターヴ卿の子ですから、きっと逞しい女の子に育っているのでしょう?」
「はい。ちょっとやそっとじゃ挫けないくらいには」
「だったら決まりね。――でも、困ったわね。デルフィーヌは黒髪に翠瞳。成長とともに、さらにマグダレーナ様に似てくるでしょう?」
「だから?」
「陛下は、カロリーヌ妃ともう何年も寝所を共にしていないの。つまり、側妃にデルフィーヌを欲しても不思議ではないわ」
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