未希のツイノベ置き場

未希かずは(Miki)

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6.言いたい言葉(双子の兄 翼編)

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 夏木なつきつばさには双子の弟の碧依あおいがいる。同じ顔をしている筈の二人だったが、受ける印象は全く違うものだった。
 碧依は、思慮深く優しい性格だった。一方、翼は人一倍寂しがりやで弟よりも精神的に幼くて碧依にいつも側にいて貰いたがっていた。そんな翼にいつも碧依は寄り添ってくれていた。それでも碧依は、僕が支えてもらっているんだよと優しい言葉をくれる。
 だが、今のままでは碧依に無理をさせてしまう。意を決して碧依と別の高校へ進学することにした。始め碧依は、兄のいない学校生活に戸惑っていたようだった。だが少しずつ気の合う友人もできて楽しそうな様子が見られるようになり、碧依の為に頑張って離れてみて良かったと思えた。
 だが、碧依が側にいない生活は何となく寂しく、学校生活も物足りなく感じた。その為に、翼は本屋でバイトを始めたのである。仕事の簡単な説明は店長である東雲しののめ理人りひとがしてくれた。説明は簡潔で分かりやすく、仕事ができる人という感じなのに、物腰柔らかく柔和な笑顔で人を安心させる雰囲気も纏っていた。理人はこの人が店長なら安心して働けそうだと思えた。
 ただ、店長の理人は、仕事を一人で抱え込んでいるように見えた。突然の休みにもすぐ理人が現場に出て対応し、事務仕事は皆が帰ってから遅くまでやっているようだった。それでも本人は飄々としていて、何でもない風に見せている。それが翼からするとなぜかイライラするのだ。
 ある日、理人にそのイライラをぶつけてしまった。またやる気のない店員の加藤かとうが、体調不良と嘘をついて仕事を休んだのだ。
「店長、そんな店員の嘘信じて仕事引き受ける必要ないですよ。あいつ、昨日仕事休んで遊びに行くって話してたの聞きましたよ!店長は皆のために自分の仕事を後回しにして頑張ってるのにそれが当たり前みたいに思われてるの悔しくないんですか!」
突然翼に詰られた店長は、なぜか笑顔になる。
「ありがとう。心配してくれてるんだな。翼みたいな子がいてくれたら俺はもっと頑張れるよ。ズル休みする人がいるのは知ってるけど、いつでも休めるっていう環境は子供を持つお母さん達には必要だと想うんだよ。働いている人の職場環境を良くするのも責任者の務めさ。ありがとな」
理人は2度もお礼を言って翼の頭に手を置いてきた。翼はそれに顔を赤くしてしまう。
「ば、別に心配なんかしてないですよ!
頭撫でるとか、子供扱いやめて下さい!」
 翼は理人のの手を振り払う様に頭を振る。そしてそのまま店長から離れるように走り去った。それがあってから、翼は何となくバイトの日を心待ちにする様になった。
 理人は相変わらず現場の仕事をしながら管理の仕事もしている。職場の人には、ここは働きやすいと好評だった。
 この本屋は、この街では一番規模の大きい書店だ。時々理人は営業らしき鷹取たかとりさんと難しい話をしては、その度に本の入れ替え作業が行われる。本のラインナップも、他の本屋とラインナップが異なる。絵本やイラスト本等が多い。そして、町の図書館のように時々読み聞かせや小さな子供向け劇場、サイン会など定期的に様々なイベントが開かれていた。翼がここをバイトに決めたのも、大好きな絵本に囲まれて過ごせるからだった。
 ある日、店で本の総入れ替え作業を行う為、臨時のバイトを募集する。それに弟の碧依も誘い、それからは時々人手不足の時に、碧依に頼む事が増えてきていた。
弟とこうして働けることはとても楽しい。
 だが、碧依は本の紹介文を書いてくれないかと店長の理人にたびたび頼まれているようで、それが何となく悔しかった。もしかしたら理人に弟の碧依を取られることが嫌なのかもしれない。
 二人が話をしている時に度々話に割って入ることが増えた。すると理人はなぜだかニコニコして、翼の頭を撫でる。その度に翼は擽ったいようなもどかしいような気持ちが込み上げてイライラが止まらなくなっていた。
「また子供扱いやめて下さい!あと、弟は臨時のバイトなんだからあんまり頼らないで下さいね」
「ごめんごめん、彼の言葉のチョイスがなかなかでね。POPの文句を考えてもらってたんだ。ただPOPをデザインするのは難しいと言われたので、誰かに頼もうとは思っているんだけど」
それを聞いた弟の碧依は、珍しく声を張り上げた。
「それなら、翼が良いと思います!」
翼は慌てて碧依を止めようとしたが、その前に店長が興味を示した。
「へえ、碧依君はどうしてそう思うんだい?」
「兄さんはデザインの道に進みたいと考えるくらい、美術とか絵とか大好きなんです。
しょっちゅう絵とか学校のポスターとか描いたりしてますし。この絵本も兄さんから勧められて読んだんです」
「そうなんだ、じゃあ翼くんに頼もうかな。」
 店長は、取り敢えず一つと言って紙とペンを受けに渡して、弟の書いた文章でPOPを書いて欲しいと頼んできた。あまり店長から頼み事をされることの無い受けは、少し戸惑いながらも「頑張ります」と言って受け取った。
 結果、周囲からの反応は上々だった。店員からは可愛いと褒められたし、理人からもこれは良いねといってもらえた。
 それからはPOPの文章は弟、デザイン作成は受けに頼まれることが増えた。翼は何でも自分でこなしてしまう理人に頼られることがうれしい。褒められたようで誇らしく感じていた。
 ある日、営業の鷹取と店長が話をしていた。翼はお茶を準備し、2人に提供した。
「君は若いのに気が利くね。今店長が褒めてたの君のことだろう?周りをよく見て動いているから、助かるって。あのPOPを作ったのも君だよな。凄く良いね。きみ、大学出たあと我が社で働いてほしいな」
明らかなお世辞だが、悪い気はしない翼は笑顔でお礼を言う。だが、それに対して理人はムッとした表情になり、お茶を一気飲みして、ダンっと音を立てて茶碗を置いた。
「翼くんは駄目だ。それに、あのPOPを作ったのは翼くんだけど、文章は弟の碧依くんだよ。社員なら碧依くんを誘うんだな」
 翼は理人の言葉にショックを受ける。理人に少しは認めてもらえていると思っていた。翼の好きな事を活かして役に立てていると思っていた。でも、理人は碧依の方を認めていたのだ。
 翼はそうだよなと一人納得して失礼しますと言って部屋から出ていった。
(だって僕は店長に食ってかかる事ばかり。一人では何もできない子どもだから)
 理人に出会うまではそこまで人に突っかかることもなかった。おかしいと思うことは率直に言ってしまうが、人を不快にする様な事は言わないように気をつけていた。
 だって、翼は一人だと寂しい。だから人間関係には殊更気を遣ってきた。双子だったからか、そばに誰かが必ずいる生活が当たり前で、一人で過ごす事が苦手だった。一人でいる時の寂しさを埋めてくれたのが、可愛らしい絵本やイラストだった。翼自身も見様見真似で描くこともあった。
 ここの本屋で働くことを決めたのも、たくさんある絵本やイラスト本に囲まれて働けるからだ。そんな風に欠けたものを埋める様にしていたことなんて、評価してもらえないのは仕方なかった。翼は一人では未熟な存在なのだと改めて現実を突きつけられた気持ちになった。
 翼がしょんぼりしながら日々を過ごしていると、碧依からはとても心配された。それでも、店長に迷惑をかけてはいけないと思って、なるべくバイト先では普段通りに過ごしていた。
 ある時、店員の加藤から声をかけられる。加藤は言葉が軽く、その場しのぎの対応をすることも多くて翼は少し苦手に感じていた。
「最近元気無いよね。店長と何かあった?」
 翼はバイト先では特に気をつけていただけに、気づかれていたことに驚く。
「え、いや別に何もないですよ」
「うーそ。だってあんなに店長に懐いてたのに、今は全然話さないじゃん。
 でもさ、俺ちょっとチャンスだと思ってるんだ。店長のガードが固くて受けくんと話できなかったんだもん。今日はもう店長帰ってこないから店じまい俺の役割なの。他の子たちも帰らせたし、ゆっくり俺と話しようよ」
 店員に不穏な気配を感じた翼は、自分の荷物をつかみ、帰ろうとした。その途端、加藤は受けの手首を掴んできた。
「加藤さん?僕、もう失礼します」
 慌てて手を振り払おうとしたが、全く動かすことはできなかった。むしろ、加藤は翼の手を引き、壁に翼を押し付けてきた。加藤は翼の両手をねじり上げ、翼の腰は片膝で壁に押さえつけられた。無理やり身体の自由を奪われた翼は、力の限り抵抗するが、加藤はびくともしなかった。
「こんなチャンス、逃すわけないでしょ。ホントはさ、ご飯食べてすこーしお酒飲ませて気持ちよくなったところ狙おうと思ったんだけどなあ。まあ良いや。どっちにしても同じだから。俺と遊ぼ。どうせ店長とも遊んでるんでしょ?」
「高校生相手に何考えてんだよっ」
 翼は頭を振って頭突きをしようとするものの、それすらも片手で両手を上に纏められ、もう片方の手で頬を抑え込まれてしまった。店員の顔が近付く。キスされると思った瞬間、理人の顔が浮かんだ。
(ああ、僕がキスしたいのは店長なんだ)
 理人に突っかかってしまったのも、ただ翼の方を見てほしかっただけ。こんな時に自分の気持ちに気づくなんて、僕はは馬鹿だと自分自身を責めた。。
 涙があふれて仕方ない。それでも、あきらめてなるものかと加藤を睨みつける。
「はははっ、この状況でまだ抵抗するんだ。良いなあ。ゾクゾクする」
加藤は翼の頬を押さえ込んでいた手を外して、翼のシャツを無理やり開いた。翼のボタンが弾け飛ぶ。そのまま翼の項に顔を近づけ、首筋を舐めあげる。不快感で肌が粟立つ。
「敏感だねえ。店長に相当可愛がられてたんだな」
「店長とは、何にもないっ店長を変な目で見るなよ」
「へえ、ほんとに何にもなかったの?初めてが俺なんて運が良かったな。気持ちよくしてやるから楽しもうぜ」
「誰がお前なんかとっ」
 翼は渾身の力を込めて、脚を蹴り上げる。運良く店員に当たり、拘束が緩んだ所を逃げ出した。いつの間にかかけられてい内鍵を外そうとするが、翼は手が震えてうまくいかない。また加藤に後ろから羽交い締めにされて、テーブルに身体を押し付けられた。
 その瞬間、ドアを蹴破る大きな音がしたあと、加藤が横に吹っ飛んでいた。そこにいたのは店長の理人だった。理人は、翼の姿を見て顔を歪めて自分の服をかけてくれた。理人はそのまま翼を抱きしめる。
「悪かった。無事だったか?」
「うん。………怖かった、店長怖かったよーーー」
 翼はホッとして次から次へと涙が溢れて止まらなかった。わんわんと小さな子どもの様に泣き出す。理人は、それを抱きしめて背中をさすってくれた。
 泣いてしゃくりあげている翼はうまく話せないが、理人に言いたい言葉が内側から溢れてきて止まらなかった。
「っ店長っ、いつも突っかかってごめんなさい。っく、ずっとね、店長の事が気になってて、なぜだかイライラしていたんだ。自分でもっ、そのっ、気持ちが分からなくって、僕はただ店長に当たってばっかりだったっ。僕はっただっ、ひっく、子どもだったんだっ。だけどっやっとっ今気付いたっ。
 店長が好きっ。僕はっ店長がっ好きなんだっ」
えづきながら、やっと言えた言葉。
理人は、ただ優しく抱きしめてそっと言葉を紡いだ。
「ありがとう。君が言ってくれるのを待っていたよ。
私も君が好きだよ」
 そこから翼は、言葉にならずただ抱きしめて泣くだけだった。

 ふいに、コンコンと壁を叩く音がする。
「お取り込み中の所、悪いんだけど、この店員、そろそろ目を覚ますぞ。どうする?警察突き出すか?」
 営業の鷹取が壊れたドアの近くで壁にもたれていた。人がいると思っていなかった翼は、慌てて理人から離れようとすると、それを引き止めるように理人の腕が強くなった。
「こいつは色々余罪がありそうだ。取り敢えず、翼くんは未遂だったから直ぐには事は大きくしたくない。いくらでもやり方はあるからな。
 まあ、このまま身ぐるみ剥がして親のもとに返しても、また悪いことするだろうから、こちらでどうするか考えよう。悪いけど、こいつを連れて外に出てくれ。詳細は後日だ」
「了解。こいつもバカだよな。
出版社の社長の息子の可愛い子ちゃんに手を出すなんて」
 鷹取は肩をすくめて、加藤を連れて外に出ていった。翼は、話の展開について行けずにあたふたする。理人がそれに詳しく説明してくれた。
 元々、この本屋は絵本を多く取り扱う出版社の直営店だそうだ。そこで絵本を充実させて、世の中の動向を確認したり絵本を広めていたりしていた。理人はその出版社の社長の息子で、実績もないのにどうしても経営者陣に名を連ねたくなく、ここの店長をしていたらしい。そこでは様々試行して、その結果を本社にあげる事が理人の仕事だった。
 ここの社員は小さな子どもを抱えて働く事が難しく、辞めたいと言っている社員が継続して働ける場であったり、新人などの研修の場だった。
 翼を襲った加藤は、交流のある他社から来た研修生で、横柄な態度に辟易した本社がこちらに派遣したらしい。
 理人は、責任者として人一倍働く事は当たり前で、周りからもそれを期待されていた。プレッシャーに感じる暇もないほど、それが当たり前の環境だったらしい。そんな時に、翼が店長ばかり頑張る必要がないと言ってくれて、理人の頑張りを評価してくれた。ただそれだけで、理人はとても嬉しかったのだという。
 翼は、その言葉に戸惑った。
「僕は、ただ店長にイライラをぶつけるばっかりで何も…」
 と言うと「そんな事無いよ」と否定する言葉が返ってきた。
「翼くんが私に言う言葉は殆どが私の為だということは伝わっていたよ。翼くんは葉に衣着せぬ物言いをすることが時々あったが、それは全て誰かの為に言う言葉で、自分の意見を押し通すためではなかった。皆と円滑にやっていけるように細心の注意を払っていることも分かっていた。
 君は寂しがりやだからね。誰かと一緒にいたいという気持ちが、自分より他人を最優先にさせていたんだ。そんな翼くんが、時々自分を見て欲しいと訴えるように私に突っかかる時には、どうしようもなく嬉しかった。
 私にだけは甘えてくれるんだ。どこまでも甘やかしたくなるだろう?
でもね、君はまだ高校生だ。そんな君に私から好きだなんて言えなかった。翼くんが自分の気持ちを言えるようになるまで待ちたかったんだ。隣で君の成長を見ていたかった」
 翼が思っていた以上に、理人は翼のことを分かってくれていた。
 その事に翼は赤面し、つい心にもないことを口走る。
「そんな悠長なこと言ってて、僕が他の人を好きになってたらどうするつもりだったんだよ」
そんな事は絶対無いと受けは分かっているのに。
すると、自信満々に笑った理人が、翼の顎を持ち上げる。
「俺が側にいるんだぞ。他に目移りなんかさせる訳が無い」
 理人は素早く翼の頬にキスをする。翼は顔を真っ赤にして、口を尖らせた。
「もう、その自信はどこから来るんだよ
………今度は口にして」
それを聞いた理人はより深い笑みになる。
「仰せのままに」
と翼の唇にキスを落としたのだった。

 
おしまい
 
 目指せスパダリ店長!とおもって書きましたがいかがでしたでしょうか?
鷹取さんは、理人の従兄弟です。本社と理人の橋渡し役を担っていてそこそこ偉い人でした。
せっかく双子弟 碧依のお話は「言えない言葉」になります。碧依から見た翼はまた違って見えますので、よろしければそちらもお願いします💕
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