未希のツイノベ置き場

未希かずは(Miki)

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9. 140字SS③

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11.
 ねえちゃんと言って。僕が嫌いだって。
ふふっ何その驚いた顔。僕が知らないと思ってたの?
全部お見通しだよ。
 君は僕に復讐したくて近づいたんだろ?
さあ、僕を殺してよ。
 そして君の中で僕は永遠に生きるんだ。
君を愛しているから、君の中で生きられるなら僕の命なんて大した事ないよ。
さあ早く……

 【補足】
 攻めは受けのせいで家族を殺されたと思っていますが、事実は違います。
受けは攻めに見てもらえるなら例え憎しみでも良いと思っていて誤解させたまま今の状況。
攻めは、受けのことが好きになり始めていて苦悩しているはず。
ナーロッパの世界かな。
2人の背後には色々ありそう
うん、また暗い話だ!


12.
「君が世界で一番美しい」
 跪いた男達から聞く言葉に辟易していた。だが、娼館に売られた今。跪いて男達に声をかけるのは自分。
「私にお情けを」
 私など外見以外に何も無かったことに絶望し続ける日々。そこに通い続ける男。
「私はどんな貴方も愛しています」
私はもうすぐこの男に堕ちるだろう。

 【補足】
 以前の受けは、裕福な偉い人の息子で苦労知らず。国が負け、逃げる途中で人買いに捕まり娼館へ。そこで以前敵国の捕虜として出会っていた攻めが客として現れる。攻めは買い上げを求めていたが、自分なんてと思っている受けがうんと言わず娼館に通い続ける。きっと攻めに囲われ幸せな日々が今後待っている筈。


13.
「せんぱーい、だーいすき!」
毎日挨拶とともに告白する毎日。
「お前は毎日うるさい。俺はお前を好きにならないからな」
そして振られる毎日。
それが駄目なら……
僕が先輩から離れてもう10年。
あなたを助けられる立場になれたよ。
もう離さないからね。
だってあなたは僕のもの。

 【補足】
 僕(受け)はヤクザの偉い人になったみたいです。
受けの巧妙な罠に絡め取られて、言うことを聞かないといけない立場になった攻めは、もう逃げられません(ノ∀`)アチャー
嫌々ながら一緒に過ごす攻めが受けに堕ちるのもあと少し。
あれ⋯
爽やかな青春ものにしようとしたのに


14.
「ねえ、いつまで俺のこと子どもだと思ってるの?
 もう子どもじゃないよ。俺は叔父さんが好き。叔父さんも覚悟を決めてよ。叔父さんが一言、好きって言ったら、俺はあなたをここから連れ出してあげる」
君は遅効性の毒。長年浸透した毒に私は侵されていて手遅れなんだ。
「……私も君が好きだよ」

 【補足】
 叔父さんはΩ。姉αが結婚してすぐ義兄αに項を噛まれ別宅に囚われていた。
甥っ子(僕)は上級αなので、項を噛んで上書きできます。叔父さんとは運命の番。
叔父さんは囚われる相手と場所が代わっただけ。
倫理観や良心で苦しみますが、甥が大好き。


15.
「君の書いた文章に俺は嫉妬するんだ。お前の作品が頭を離れない。お前の事を憎まずに居られないではないか!」
 泣きながら訴える受け。それを抱きしめる攻め。
「これは君への恋文だ。君の言葉も愛の言葉に聴こえるよ。恋よりも深い愛だ。憎みたくないと君は言うのか。俺を忘れられないと言うのか」

 【補足】
 攻めは人気作家。
それを読んで才能の差を感じて絶望する受け。受けは売れない作家です。攻めに嫉妬しながらも彼の作品と彼自身に惹かれる自分に苦悩するみたいなお話。
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