悪役令息と悪役令嬢の兄と姉を守りたいので第四王子との恋愛フラグをへし折りまくります!

いずみ

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占い対決2

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 イモータルをこのテーブルにまず、つかせる事ができた。
 あと、俺がこの勝負で勝てばいいだけ。
 だが、あいつもこの勝負を勝ちにくるはず。
 このカード占いは相手にも自分にも有利に進められる特別効果がある。それぞれ、月の象徴と太陽の象徴と言っているが、きっと相手も一緒のものを選ぶはず。その効果は、特別効果のカードで数字を+1か-1に変更できる効果だ。これがあれば、勝ったも同然だが、このカードの効果は太陽の象徴にある。相手もそれを狙ってくるはず。イモータルがどちらを選ぶのか分からない。
「まず、どちらが太陽か月か決めないといけませんが、俺は月の象徴を選ばせて貰う」
 イモータルが月の象徴を選んだ。
「月の象徴ですか?」
「はい、貴方は太陽の象徴が欲しそうに見えたものですから」
「……構わない、それで頼む」
 俺が太陽の象徴で、イモータルが月の象徴。何故、俺に太陽にさせた。何か狙いがあるはず、いや、太陽じゃなくても俺を負かす何かを持っている?
「それでは、俺は月の象徴の見通す力を特別効果にさせてもらいます」
「俺は太陽の象徴で+と-の力を特別効果にさせて貰う」
 見通す力、俺のカードの数字が分かる能力だが、そんなに恐れる力ではない。
 俺が偶数の10さえこれば、勝ちだ。
 たとえ、あちらが9を持っていても、俺の特別効果で10に出来る。
 俺の負けはないだろう。
 だけど、なんだ。こいつのこの余裕は?
 もう、勝ったも同然に見える。
「それでは、カードをそれぞれ引きましょう」
「分かった」
 俺は一回目のカードを引いた。
 数字は10だ。これで、俺の勝ちが確定した!
 だが、イモータルはニタニタと笑い出した。
「勝ったつもりでいるようですが、勝ったのは俺です」
「どういう事だ?」
「俺カードも見せて差し上げますよ」
 そう言って、イモータルは俺に持っていたカードを机に投げてみせた。
「な、なんで!」
 10のカードを、なんでイモータルが持っている?
「俺はお優しいので、教えて差し上げます。俺の魔法は『偽物作り』というもので、なんでも偽物を作る事が出来るのです。本物があるものならなんでも、偽物を作れます。だから、俺の持っている10が本物か偽物かは俺には分かるけど、貴方には判別は出来ませんから。あははははっ! 俺の勝ちですね。俺の偽物を見破るなんて出来ませんから!」
「ならば、俺のこの10もお前が作った偽物か本物かもしれないのか?」
「そうなりますよ。本物を引いているのかもわからない、偽物の数字も分からないままでは+とマイナスの力も使えませんよね。あー、早くあのお姫様を殺したいな~、そして俺がこの国を好き放題にして遊ぶんだ」
「なるほど、お前は魔法を使ってズルをしているんだな」
「そうだとも、勝つためなら手段何て選んでいられませんからね」
「そうですか」
 占いは運命を決めるもの。だけど、そこに正しさが慣れければただの戯言だ。
「なら、俺もそれ相応の対応をさせていただきます」
「ほう、今更何をしても遅いけどね」
 イモータルがニタニタと俺を笑ってきた。
 俺は最後まで、勝ち諦めない。
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