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我に切れぬものなどない!

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 目的はなんにせよリーベルがうちに来ることが決まった。

「ロエが大魔王辞めて研究棟を別の場所に移す話があると言われ、どうしようかと少し悩んでいたんだ」
「そうだったのですか?申し訳ありません……」
「ロエのせいじゃないよ、色々ロエに任せっきりっだったし……こんな性格でごめんよ」
「…リーベル普通に女の子っぽいけどバレないの?」
「人と基本話さないから大丈夫さ」

 女と解ってる人以外は話さない……元々魔族の性別の判断は難しいらしいが、今のところ出会った人は見た目で判断ついてるんだよな。中には思っているのと違う性別の人もいるかもだけど。

「…持って行く物ある?」
「……研究成果など全部持っていきたいが……少し考えさせてくれ……」
「この建物はリーベルが引っ越したら何かに使う予定?」
「兵の訓練場を作ると言っていた、場所がなく門の外で演習を行っていたからな」
「それじゃ建物持ってくか」
「「え?」」
「ヒカリ、強度は行けるか?」

 ヒカリは床や壁をトントンと叩いてる……それでわかるものなのかな?

「…んー……いける!」
「んじゃ外に出よう」
「「……」」

 意味が解らないと変な顔をしている二人。設置するときに補強は必要そうだが切り離しても問題なさそうだとヒカリのお墨付きをもらった、さっさとやっちゃおう!

 全員外に出て建物内に人がいない事を確認して……結構でかいな、5階建てのちょっとしたビルだ。

「…周囲OK!ゴー!」
「ほいよ」
「「……」」

 不懐を伸ばし土台から切り離す、ただの石など豆腐のようなものだ。切り離しが終わった瞬間に収納、倒れたりしたら大惨事だからな!

「…成功、地中の切り離した土台どうする?」
「……そのままで結構です」
「…ん、トシ他にも用事あるんじゃないの?」
「あースー達の後輩に牛丼差し入れしようと思ったんだけど、次でいいかな?」
「…なら帰ろー」
「リーベルは誰かに言わなくていいのか?」
「……あ、はい!報告してまいります!」
「さっきまでのようにしてくれ」

 切り離しから収納までの一部始終を見ていたリーベルはなぜか凄い緊張してしまっている。確かに5階建ての研究棟を一瞬で切り取り、収納なんて目の前でされたら緊張するか。

「…大丈夫、トシは基本女性に手を上げないから」
「……基本……なのかい?」
「…基本、危害を加えてくる人とエロモード以外は平気」
「なに言ってんだ!おい!」
「…結構Sだから」
「おい!おいヒカリ!」
「///」
「ロエはなに赤くなってんだよ!」
「///」
「リーベルもかよ!」

 嫌がることはしませんよ?

「あの……どなたかいらっしゃるのですか?……あれ?研究棟が……あれ?」
「あらコロナ、騒いでしまってごめんなさいね」
「ロエ様!リーベル様も!どうしたのですか?このような時間に」
「コロナが引っ越せって言ったから……」
「え!?そのような事いっておりませんよ!?研究棟を撤去して訓練場の計画は上がりましたがローザ様が却下してくれたと申したではありませんか!」
「冗談冗談!でも研究棟がいらないって思う派閥もあるんだよね?それに研究員は僕一人だし場所はどこでもいいんだよ」
「……そんな……それで研究棟はどこにいってしまったのですか?」
「それはひみつ、あとは残った土台の撤去だけだから、それはお願いね」
「撤去の件は了解ですが……」
「これからはロエも一緒に住むから心配しなくていいよ」
「……リーベル様まで……献上品として持っていくなんて……最悪の人間です!」
「……」
「私はその人間の顔を見ておりませんが、次に出会ったら目にもの見せてやりますよ!」
「…どうぞ」
「はい?」
「…こちらが最悪の人間でございます」
「……」

 
 無言で見つめあう二人……コロナと呼ばれた少女はうさ耳メイドさんだった。
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