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つゆだく!

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「いらっしゃいませー」
 「牛丼特盛つゆだくで!」
 「おぉ!迷い人だね!牛じゃないけどかしこまり!」
 「トキも!」
 「?ゆきなも?」
 「二人は並みにしておきな」
 「「はーい!」」
 「それと並3つ!」
 「はーい!3つ?」
 「3つで!」
 「はいよ!」

おぉー本当にだ!かなり嬉しいぞ!

 「やっぱり迷い人だったのかー」
 「俺とトキはそうだな」
 「ヨシダさんこっちは大盛2つと並1つで」
 「かしこまりー!」

 吉田さんか…すこし待つと一気に全員分出してくれる

「おまたせ!珍しいね男性の迷い人!箸使う?」
 「お願いします!」

 自作箸は屋敷と三ッ星食堂で使っているがここにもあるとは…

「「「いただきます!」」」
 「おいしー!」
 「まー!」
 『モグモグ…』
 「美味い!」

 汁はちょっと濃い目だけど…肉に良く合ってる…ここは常連になる予感だ!ロックはどんぶりに頭から突っ込んでいった…あーあべとべとに…

「吉田さん持ち帰りってできますか?」
 「ヨシコでいいよー、できるけど容器が別売りなんだよね、さすがに使い捨てのプラなんてないからさ」
 「ヨシコさん…いくつできますか?」
 「え?まってね」

 裏に在庫の数を確かめに…

「30個なら持ち帰りできるよ、昨日容器の発注が来たばかりだったよ!」
 「すみませんが…全部お願いします!」
 「全部?30個?」
 「はい!家にも迷い人の仲間がいて…ちょっと体調が…ここには来れないと思うので」
 「…わかった!来る時に容器持ってくれば次からは平気だからね」
 「ありがとうございます!」
 「気に入ってくれたみたいで嬉しいよ!」

 俺はすでに食べ終わってしまった…トキとユキナは口が小っちゃいからか遅い…ロックは完食済だ。先に彼女達が食べ終わり…

「ふー美味かった、吉田さんごちそうさまでした」
 「はーい」
 「オレ達は悪いが先に出る、依頼の最中なんだ、また」
 「お兄さん達またねー」
 「またです」
 「いいお店紹介してくれてありがとう」
 「気に入ってくれたならうれしい…では」
 「「またねー」」

こんなに美味いのに人が少ない…俺たち以外には客がいない…

「なんでこんなに美味いのに…」
 「そうなんだよね…お客さん少ないんだよ…」
 「あ…すみません…理由があるんですか?」
 「んー味は気に入ってくれんだけど、獣人は基本的に分厚い肉が好みなんだよね、だからこのペラペラの肉はって…でも分厚くするとポリシーに反するし…」
 「そうなのか…」
 「トキこれ大好きー!」
 「ゆきなも…毎日食べたい!」
 「うれしいね、2人共ありがとね!」

ゆきなは注文が来てから食べ終わるまで一切喋らなかった…一心不乱に…

「別の国でお店やらないんですか?」
 「それもね…考えた事はあるんだけど、自分で素材取るから…この肉は他では取れないしね」
 「余計な事をすみません」
 「いいよいいよ!それだけ気に入ってくれたって事だもんね…はい!30個できたよー」
 「ありがとうございます!今日はあまり時間ないですが必ずまた来ます!」
 「お待ちしていますね!」
 「はい!」

 会計を済ます時にコーヒーを売ってるお店を聞き、早速購入して屋敷に戻る…
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