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神域

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 腹ペコ巫女と腹ペコドラゴンに牛丼を食わせてあげたら予想以上に好評だった。

 「なんだ!なんなのだ!この柔らかく…美味い肉は―!このタレもこの世の物とは…美味すぎる!」
 「数年に1度人の街に降りて、食事をしたけどこんなの知らないぞ!」
 「これはヨシコが作ったんだよー」
 「牛丼作らせたらヨシコは世界一!」
 「ですね、牛丼だけは世界一です」

  なんだろう…牛丼だけは世界一って…おしおきは少し軽めにしてあげるかな…

「とても美味しかった…さてなんじゃったかの?城に侵入してこようとする者達を飛ばしておったダンジョンに魔石を取りに行くって話で合っておるかの?」
 「その通り、飯食って頭も働き始めたか?この鍵は返すぞ」
 「そのまま持っておれ、先ほども言ったがわしにはもう必要ない、この城も好きに使ってくれソレ様の使徒なんじゃから当然じゃ」
 「そんな事言われてもな…」
 「貰っておけばいいじゃない、イーヒッドはトシに付いていくんでしょ?」
 「ルナと言ったか?可能性はほとんどないのかも知れんがソレ様と再会できるのはトシといる事が一番高い、世界も見る旅もしたいが…」
 「1300年前の知識なんてほとんど役に立たないわ、一旦うちに来て情報収集でもすればいいじゃない」
 「…そうか?」
 「やけにルナが積極的だな、なにかあったか?」
 「何言ってるの?トシをこの世界に連れてきてくれた人の部下なのよ?できる限りの誠意を見せるのが普通でしょ?」
 「そうですね、トシ様の恩人の巫女様ならソレ様の代わりにお礼しないとですね」

  そう言われるとそんな感じがしてくるな…今更何人増えたって…

「クレナも来るよね?」
 「ん~どうしようかな、トキ達と一緒にいたいけど…」
 「クレナももう家族だよ?」
 「そっか!家族か!放浪癖あるけど帰る家があるのもいいな」
 「やったー!」
 「ぴー!」
 「くー!」

  トキ達も話が纏まったのかな?

 「ではさっそくじゃが、付いて来てくれるか?」
 「ん?わかった」

  ダンジョンに移動する前に一度地下の神鋼のある場所に案内したいと言われた。元々キャンプで一泊の予定で来ているので時間はあるからな、イーヒッドに連れられてみんなで地下へ移動する。

 「「「おぉおおお!!!」」」
 「ここが神殿になっておる、驚いてくれてわしも嬉しいぞ!」

  地下の扉を開けた先には部屋全体が青白く光っていて真っ白な神殿が不思議な雰囲気に映し出されていた。屋敷の地下と雰囲気は似ているが神殿のインパクトが強烈だった。

 「こっちじゃ」

  イーヒッドを先頭に神殿内部へ…これが1300年前の物と言われてもまるで信じられないな…

「これじゃ、持っていくがよい」
 「これは!…なんだ?今までの神鋼と違う?!」
 「そうなの?」
 「俺が今まで手に入れたものは一度、別の物から作り直した…これは純粋な神鋼…って事かな?」

  俺が加工すると基本茶色になるからな、これは綺麗な白銀だ、インゴットで20本…いいのか?これを俺が持って行ってしまって…

「トシの判断で自由に使ってくれ、龍紋の持ち主に渡すはずだったのじゃが問題ないだろう」
 「トキはいらないよ?トシお兄ちゃんにあげるー!」
 「そうか?それなら受け取っておくよ…あれ?あれはコアか?」
 「神域のコアか?珍しい物でもないだろう?」
 「神域のコア?ダンジョンコアと違うのか?」
 「モンスターが生まれるものはダンジョンコア、生まれないものは神域のコアと判別するのじゃ」
 「それだと俺が設置してる奴は神域のコアって事になるのか―」
 「なんと!?トシはコアの設置ができるのか?」
 「できるぞ、コアを作る事もできるな」
 「流石ソレ様の使徒だな」


  自分の家がダンジョンから神域に変わった…呼び方が変わっただけでとても神聖な物に思えるな…中身は何も変わっていないがな。
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