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第3章 ダナシアの祝福
閑話 首座様の愉快な仲間たち5
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5 娘婿その2 タランテラ国主代行
微睡から覚めたエドワルドは、傍らの温もりを確かめるとほっと安堵の息を漏らした。義父を始めとした賓客達の計らいで、前日に正式な妻となった愛しい女性は彼の腕の中でぐっすりと眠っていた。
「……フレア」
つい数日前に知り得た妻の本名を呟き幸せをかみしめる。頬に口づけるが、起きる気配はない。故郷の村で静養も兼ねて過ごしていたのに、何日も旅してタランテラへ戻ってきた。そして休む間もなくラグラスやベルクの捕縛に立ち会い、それに伴う会合にも出席したのだ。しかも夜は赤子の世話もきちんとしている。本人は口に出して言わないが、やはり疲れているのだろう。
しかも初夜となる昨夜は周囲が気をきかせて2人きりにしてくれた。無理をさせるつもりは無かったのだが、彼女を妻とするあまりの嬉しさに歯止めがきかなかったのだ。
「フレア」
エドワルドはその頬にもう一度口づける。1年近い間、度重なる不幸と試練に見舞われた為に、この幸せが夢ではないかと思ってしまう事がある。疑り深い性格になってしまったと自分でも思う。それでも、愛しい家族の存在を感じていないと安心して眠れないのだ。
まだ起き出すには早い。彼女をゆっくり休ませる為にももう少しこうしていよう。その存在を確かめる様に、もう一度彼女を腕の中に抱きこんでエドワルドは目を閉じた。
微睡から覚めたエドワルドは、傍らの温もりを確かめるとほっと安堵の息を漏らした。義父を始めとした賓客達の計らいで、前日に正式な妻となった愛しい女性は彼の腕の中でぐっすりと眠っていた。
「……フレア」
つい数日前に知り得た妻の本名を呟き幸せをかみしめる。頬に口づけるが、起きる気配はない。故郷の村で静養も兼ねて過ごしていたのに、何日も旅してタランテラへ戻ってきた。そして休む間もなくラグラスやベルクの捕縛に立ち会い、それに伴う会合にも出席したのだ。しかも夜は赤子の世話もきちんとしている。本人は口に出して言わないが、やはり疲れているのだろう。
しかも初夜となる昨夜は周囲が気をきかせて2人きりにしてくれた。無理をさせるつもりは無かったのだが、彼女を妻とするあまりの嬉しさに歯止めがきかなかったのだ。
「フレア」
エドワルドはその頬にもう一度口づける。1年近い間、度重なる不幸と試練に見舞われた為に、この幸せが夢ではないかと思ってしまう事がある。疑り深い性格になってしまったと自分でも思う。それでも、愛しい家族の存在を感じていないと安心して眠れないのだ。
まだ起き出すには早い。彼女をゆっくり休ませる為にももう少しこうしていよう。その存在を確かめる様に、もう一度彼女を腕の中に抱きこんでエドワルドは目を閉じた。
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