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第1章 ~転生しました。~
お次はお水ですか?
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風の魔法を練習し始めてから、おれは必死だった。
アリスに見られる前に、アリスに見られる前に、その思いでなんとか風の魔法を言葉無しでも出来るように練習した。
結果的に、おれは血の滲むような努力の末、今はもう言葉無しでも風の魔法を使えるようになった。こんなに頑張ったのは大学受験の時の追い込みぐらいじゃなかろうか。
現在は風の魔法を使いながら、強弱をコントロールする練習をしてる。
魔法の強弱って簡単そうに見えて実は以外と難しい。常に自分の中のイメージを更新し続けるんだ。
そのイメージに魔力が合わないと霧散したり、魔法自体止まったりしてしまう。
だから今度もその魔力操作に慣れるまでコツコツ積み重ねることが大事なんだな。おれ、この世界に来てから積み重ねてばっかりだな。
でも最近は、大分運動も出来るようになってきたし剣の方も振れるようになってきた。 こうやって努力が目に見えて来るとやる気も出てくるし、力になるよなぁ。
営業も頑張ってるのに結果に結び付かないと結構心にくるもんがあるもんね。
アシナさんがいないときにはかまいたちみたいな魔法ができないか内緒で練習したりしてる。最近ちょっとずつだけど枝が切り落とせるようになってきた。出来るようになったらアシナさんにお披露目したいけど、実はもうバレてたりする気がするな。
アシナはと言えばいつも通りいたりいなかったりを繰り返しているね。帰って来なかった日は今のところないけどいつもいつもどこに行ってるのかね、この狼さんは。
今度内緒で後をつけてみようかな。
でもこの狼さん気配には敏感だし、勘も鋭いからね。きっとすぐに気付かれちゃうね。
「また下らぬことを考えておるだろう。」
アシナにジトッと睨まれてしまった。
何でもありませんよみたいな顔をしてみたけどまだ睨んでるよ。ほんと勘が鋭いんだから。こういうのを正しく野生の勘って言うのかな。
「ジローは見ておらぬとすぐ余計なことを考えるな。」
「ちっちっち。余裕が出てきたと言ってほしいな。」
「そしてすぐ調子に乗るな。」
むっ。
今バカにされたのか?
「そんな余裕なジローには次の課題に移ってもらうか。」
「次?もう次に行くの?」
「集中しろ。魔法を途切らせるな。魔法を行使しながら川から水を掬え。」
川から水を?
よくわからなかったけどとりあえず両手で水を掬ってみせた。
「では風の魔法を行使しつつその水を浮かせてみるがいい。」
「同時に!?」
「余裕なのだろう?」
おっと来たね。
これは挑戦状と受け取ってもいいのかな、アシナさん。
伊達にね、来る日も来る日も魔法の練習をしていた訳ではないのですよ?これまでの日々が走馬灯のように脳裏に浮かぶぜ。
アシナさんが見ていないときもおれはたゆまぬ努力を続けていたのだ!
なんのための基礎だ!
応用するためだ!
応用するために基礎練習はあるのだ。
あえて言おう。
おれはやれる!
風の魔法を行使しつつ、頭の片隅で水を浮かせるイメージをする。 送り出す魔力とは別に新たに魔力を練り込む。
準備はできた。あとは実行するだけ。
行くぞ!
「浮け!水球!」
…………その時、風が止んだ…。
風の魔法は止まるし、水なんて魔力が分散して動きすらしなかった。後ろのアシナを見るのが怖い。顔が熱い。下らないことを考えていただけに余計に顔が熱い!
ちらっとアシナを見る。やばい。すごい目でこちらを見ている。恥ずかしい。さっきまでの記憶を消したい。黒歴史だ!
「もう一回!もう一回おれに挑戦する機会をください!」
アシナは言葉すら発せずにご自由にどうぞみたいな顔してる。くそー、見てろよ!
しっかりイメージしろ。体を魔力で満たせ。風の魔法を行使する。ここまでは順調だ。
ここからだ、集中しろ。水を掬って両手に魔力を集中させる。
せいっ!
「浮けっ!水球!」
すると2回目にして見事に水は丸い形を保ち宙に浮いた。今までの努力は無駄ではなかったのだ。
…………だがその時、風が止んだ…。
ちらっとアシナを見る。どうしましたかみたいな顔でこちらを見ている。
…やっぱりコツコツやろう。
アリスに見られる前に、アリスに見られる前に、その思いでなんとか風の魔法を言葉無しでも出来るように練習した。
結果的に、おれは血の滲むような努力の末、今はもう言葉無しでも風の魔法を使えるようになった。こんなに頑張ったのは大学受験の時の追い込みぐらいじゃなかろうか。
現在は風の魔法を使いながら、強弱をコントロールする練習をしてる。
魔法の強弱って簡単そうに見えて実は以外と難しい。常に自分の中のイメージを更新し続けるんだ。
そのイメージに魔力が合わないと霧散したり、魔法自体止まったりしてしまう。
だから今度もその魔力操作に慣れるまでコツコツ積み重ねることが大事なんだな。おれ、この世界に来てから積み重ねてばっかりだな。
でも最近は、大分運動も出来るようになってきたし剣の方も振れるようになってきた。 こうやって努力が目に見えて来るとやる気も出てくるし、力になるよなぁ。
営業も頑張ってるのに結果に結び付かないと結構心にくるもんがあるもんね。
アシナさんがいないときにはかまいたちみたいな魔法ができないか内緒で練習したりしてる。最近ちょっとずつだけど枝が切り落とせるようになってきた。出来るようになったらアシナさんにお披露目したいけど、実はもうバレてたりする気がするな。
アシナはと言えばいつも通りいたりいなかったりを繰り返しているね。帰って来なかった日は今のところないけどいつもいつもどこに行ってるのかね、この狼さんは。
今度内緒で後をつけてみようかな。
でもこの狼さん気配には敏感だし、勘も鋭いからね。きっとすぐに気付かれちゃうね。
「また下らぬことを考えておるだろう。」
アシナにジトッと睨まれてしまった。
何でもありませんよみたいな顔をしてみたけどまだ睨んでるよ。ほんと勘が鋭いんだから。こういうのを正しく野生の勘って言うのかな。
「ジローは見ておらぬとすぐ余計なことを考えるな。」
「ちっちっち。余裕が出てきたと言ってほしいな。」
「そしてすぐ調子に乗るな。」
むっ。
今バカにされたのか?
「そんな余裕なジローには次の課題に移ってもらうか。」
「次?もう次に行くの?」
「集中しろ。魔法を途切らせるな。魔法を行使しながら川から水を掬え。」
川から水を?
よくわからなかったけどとりあえず両手で水を掬ってみせた。
「では風の魔法を行使しつつその水を浮かせてみるがいい。」
「同時に!?」
「余裕なのだろう?」
おっと来たね。
これは挑戦状と受け取ってもいいのかな、アシナさん。
伊達にね、来る日も来る日も魔法の練習をしていた訳ではないのですよ?これまでの日々が走馬灯のように脳裏に浮かぶぜ。
アシナさんが見ていないときもおれはたゆまぬ努力を続けていたのだ!
なんのための基礎だ!
応用するためだ!
応用するために基礎練習はあるのだ。
あえて言おう。
おれはやれる!
風の魔法を行使しつつ、頭の片隅で水を浮かせるイメージをする。 送り出す魔力とは別に新たに魔力を練り込む。
準備はできた。あとは実行するだけ。
行くぞ!
「浮け!水球!」
…………その時、風が止んだ…。
風の魔法は止まるし、水なんて魔力が分散して動きすらしなかった。後ろのアシナを見るのが怖い。顔が熱い。下らないことを考えていただけに余計に顔が熱い!
ちらっとアシナを見る。やばい。すごい目でこちらを見ている。恥ずかしい。さっきまでの記憶を消したい。黒歴史だ!
「もう一回!もう一回おれに挑戦する機会をください!」
アシナは言葉すら発せずにご自由にどうぞみたいな顔してる。くそー、見てろよ!
しっかりイメージしろ。体を魔力で満たせ。風の魔法を行使する。ここまでは順調だ。
ここからだ、集中しろ。水を掬って両手に魔力を集中させる。
せいっ!
「浮けっ!水球!」
すると2回目にして見事に水は丸い形を保ち宙に浮いた。今までの努力は無駄ではなかったのだ。
…………だがその時、風が止んだ…。
ちらっとアシナを見る。どうしましたかみたいな顔でこちらを見ている。
…やっぱりコツコツやろう。
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