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第1章 ~転生しました。~
アシナの魔法。
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今アシナに魔法を見せてもらっている。
木の葉は舞い上がり、風が躍り、水が打ち上がる。
転生する前に見た遊園地のパレードみたいだな。
「アシナは誰に魔法を教わったの?」
「教わる?」
ふとした疑問をアシナにぶつけると考え込んでしまった。
「そういえば教わったことはないな。」
「え?じゃあなんで使えるの?」
「気付いたら使えたのだ。」
天才児かっ!
「アリスも言っていたが我等は人間よりも世界に近き存在だ。魔素を感じとることもでき自然と取り込むこともできた。そのうちに想像が現実へと干渉を始めたのだ。」
天然かっ!
「アリスのような竜族は親が子に、また兄弟同士などで教え合うらしいな。」
「なんか人間みたいだね。」
「そうかもしれぬな。しかし、人間とは生きる時間も、生来持つ魔力、さらには取り込める魔素自体にも大きな違いがあるからな。強さは段違いだろう。」
ふーん。確かに竜ってすごいイメージがあるな。
「ちなみにアリスとアシナってどっちが強いの?」
竜と狼ってどっちが強いのかな?
大きさ的には竜だけどね。
「アリスと私?どちらだろうな。戦ったことなどないからな。だかもし戦ったとしたら十中八九私が勝つだろうな。」
「そこはわしじゃろうがい!」
あっ、そういえばアリスのこと忘れてた。
「アシナがわしに勝てるわけないじゃろうが!こんなところで隠居してる狼がわしに勝てる訳なかろうが!わしは今でも魔法世界の最前線におるんじゃ。」
「お前の言う魔法世界など人間基準のものだろうが。そんなやつが古き良き魔法を大事にするものに勝てる訳ないだろうが。そんなこともわからぬようになってしまったのか。この駄竜が。」
「誰が駄竜じゃ!この隠居狼が!」
「能ある鷹は爪を隠すという言葉を知らぬのか。」
「お前は狼じゃろうがい!」
アリス、それはそう言う意味じゃない。
ていうかそのことわざこっちでも使うんだ。
「お主のように才能だけのやつはわしみたいな努力家には勝てぬように出来ておるのじゃ!」
「では才能もあり努力もしている私にはお前は一生勝てないみたいだな。」
「ムキー!ああ言えばこう言うやつじやな。」
ムキーって。
アリスは本当におもしろくなっていくな。
「そうじゃ!ジロー!お主はどちらが強いと思うのじゃ?わしとアシナ、どちらが強いと思うのじゃ?」
「いやーでも僕は二人の全力の魔法って見たことないしな。」
「あほかっ!そんなの想像で良いのじゃ!」
「じゃあ魔法を見たことがあるアシナかな。」
するとまるでアリスはこの世の終わりみたいな顔をした。
アシナはアシナで関係ないみたいな顔をしてるけど尻尾はさっきからブンブンと振られて砂ぼこりが大変なことになってる。
「なん…じゃと。わしがアシナに負けた…じゃと。」
アリスは俯いてしまったかと思ったらプルプルと震え始めた。
「ムキー!よかろう!そんなにわしの魔法が見たければ見せてやろう!だがわしの魔法を見終わったときお主の命はないと思え!」
アリスの周りに魔素が集まり始めた…と、思ったらそのアリスの頭にアシナの肉球パンチがお見舞いされた。
「やめろ!馬鹿者!この森を灰にする気か!」
「ええい!止めるなアシナ!この者にわしという存在がどんなに稀有な存在なのか教えてやるのじゃ!お主こそ勝者面してわしを止めるなぞ千年早いのじゃ!」
「そういう問題ではない。冷静になれと言っているのだ!」
その後もいい歳したはずの二人があーでもないこーでもないといい続けている横でおれは魔法の練習を始めた。
「あっ!こらっ!ジロー!話はまだ終わっておらぬぞ!おい!何を聞こえないふりをしておるっ!」
聞いたおれが悪いとは思うけどここまでヒートアップするとは思わなかった。
2度目の人生だけど、いつでも冷静でいられるいい大人になろう。
木の葉は舞い上がり、風が躍り、水が打ち上がる。
転生する前に見た遊園地のパレードみたいだな。
「アシナは誰に魔法を教わったの?」
「教わる?」
ふとした疑問をアシナにぶつけると考え込んでしまった。
「そういえば教わったことはないな。」
「え?じゃあなんで使えるの?」
「気付いたら使えたのだ。」
天才児かっ!
「アリスも言っていたが我等は人間よりも世界に近き存在だ。魔素を感じとることもでき自然と取り込むこともできた。そのうちに想像が現実へと干渉を始めたのだ。」
天然かっ!
「アリスのような竜族は親が子に、また兄弟同士などで教え合うらしいな。」
「なんか人間みたいだね。」
「そうかもしれぬな。しかし、人間とは生きる時間も、生来持つ魔力、さらには取り込める魔素自体にも大きな違いがあるからな。強さは段違いだろう。」
ふーん。確かに竜ってすごいイメージがあるな。
「ちなみにアリスとアシナってどっちが強いの?」
竜と狼ってどっちが強いのかな?
大きさ的には竜だけどね。
「アリスと私?どちらだろうな。戦ったことなどないからな。だかもし戦ったとしたら十中八九私が勝つだろうな。」
「そこはわしじゃろうがい!」
あっ、そういえばアリスのこと忘れてた。
「アシナがわしに勝てるわけないじゃろうが!こんなところで隠居してる狼がわしに勝てる訳なかろうが!わしは今でも魔法世界の最前線におるんじゃ。」
「お前の言う魔法世界など人間基準のものだろうが。そんなやつが古き良き魔法を大事にするものに勝てる訳ないだろうが。そんなこともわからぬようになってしまったのか。この駄竜が。」
「誰が駄竜じゃ!この隠居狼が!」
「能ある鷹は爪を隠すという言葉を知らぬのか。」
「お前は狼じゃろうがい!」
アリス、それはそう言う意味じゃない。
ていうかそのことわざこっちでも使うんだ。
「お主のように才能だけのやつはわしみたいな努力家には勝てぬように出来ておるのじゃ!」
「では才能もあり努力もしている私にはお前は一生勝てないみたいだな。」
「ムキー!ああ言えばこう言うやつじやな。」
ムキーって。
アリスは本当におもしろくなっていくな。
「そうじゃ!ジロー!お主はどちらが強いと思うのじゃ?わしとアシナ、どちらが強いと思うのじゃ?」
「いやーでも僕は二人の全力の魔法って見たことないしな。」
「あほかっ!そんなの想像で良いのじゃ!」
「じゃあ魔法を見たことがあるアシナかな。」
するとまるでアリスはこの世の終わりみたいな顔をした。
アシナはアシナで関係ないみたいな顔をしてるけど尻尾はさっきからブンブンと振られて砂ぼこりが大変なことになってる。
「なん…じゃと。わしがアシナに負けた…じゃと。」
アリスは俯いてしまったかと思ったらプルプルと震え始めた。
「ムキー!よかろう!そんなにわしの魔法が見たければ見せてやろう!だがわしの魔法を見終わったときお主の命はないと思え!」
アリスの周りに魔素が集まり始めた…と、思ったらそのアリスの頭にアシナの肉球パンチがお見舞いされた。
「やめろ!馬鹿者!この森を灰にする気か!」
「ええい!止めるなアシナ!この者にわしという存在がどんなに稀有な存在なのか教えてやるのじゃ!お主こそ勝者面してわしを止めるなぞ千年早いのじゃ!」
「そういう問題ではない。冷静になれと言っているのだ!」
その後もいい歳したはずの二人があーでもないこーでもないといい続けている横でおれは魔法の練習を始めた。
「あっ!こらっ!ジロー!話はまだ終わっておらぬぞ!おい!何を聞こえないふりをしておるっ!」
聞いたおれが悪いとは思うけどここまでヒートアップするとは思わなかった。
2度目の人生だけど、いつでも冷静でいられるいい大人になろう。
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