最強願望～二度目の人生ハードライフ〜

第五章 最終章 異世界最終決戦編

番外編 リリアの嘘

　～リリア視点～

　「アラン勝負よ！」

　「お前さん。また来たのかよ。俺だって忙しいんだ。そんな毎日来られてもね」

　アランは困った顔で言うが私は今までこいつが困っている所を見たことが無い。

　「どうせ暇なんだからいいでしょ」

　「だから！忙しいって言ってるだろうが！」

　「こっちだって忙しいのよ！もしかしたらあんたと戦ってる間に先生とセシリアが何かしてたらどうするのよ！」

　「知らねえよ！そんな忙しならこっちに来るなよ！」

　けどこれは一石二鳥なのだ。

　「しょうがないでしょ。あんたと戦って強くもなれるし、先生におぶってもらえるんだから」

　「俺に一切関係ないんだけどな！」

　うるさい奴ね。そんな事言っておきながらこいつは戦闘狂だから戦いが始まったらウキウキしながらやるくせに。

　「いいからやるわよ！」

　「はあ。どこからでもどうぞ」

　そう言ったので私は魔法を使ってどうにかこいつに攻撃が当てられないか考え攻撃する。

　だけど結果はいつも通り私の敗北だった。

　「はあ。疲れたわ。何か食べ物頂戴」

　「.......お前ってほんとにやりたい放題だよな」

　そう言って私を家に入れてくれる。

　そこでメイドの人に食事を貰いアランと食べていると、アランが、

　「なあ。こういっちゃなんだけどさレイって馬鹿なのか？」

　「あんたの方が馬鹿でしょ」

　「いやいや。だっておかしいだろ。何で毎回お前が気絶して玄関前に放置している事に何の疑問も持たねえんだよ！もしかして俺って鬼畜野郎とでも思われてるのか？」

　それを言われると私は何も言い返せない。

　私も疑問だった。何であの状況で、何の疑問も持たずに普通に帰っているのだろうか。

　「.......私が聞きたいわ。それに手も出してこないしね」

　「お前に魅力が無いからじゃね？」

　私は少しドキっとしてしまった。

　最近少し思うようになったのだ。先生も男だし、女たらしだからすぐに手を出して既成事実を作ろうと思ったけど、中々手を出してこないのだ。

　もしかしたら私に魅力もないし、女とすらおもわれていないのかもしれない。

　「........あー。悪かった。今のは言いすぎたな」

　アランは私が黙っている事で傷ついたと勘違いしたらしい。

　「あんたなんかに言われても全く落ち込まないけどね」

　「その言い方はそれで腹が立つんだけどな！」

　めんどくさい奴ね。

　「それよりもう少しで先生きそうね」

　私は時計を見てそろそろ先生が来そうなので、玄関前に行くことにする。

　勿論気絶したふりをしてだ。

　足音が聞こえる。多分先生だ。

　「はあ。よっこらせと」

　やはり先生だった。

　だけど先生、その言い方何だかおっさんぽいわよっと私は心で思ってしまった。

　はあ。それは置いといて何で手を出してこないのかしら。女たらしの先生だったら出すと思うけど。

　そこで先程アランに言われた、

　『女としての魅力が無いからじゃね？』

　という言葉が思い浮かぶ。

　やっぱり私には女の魅力がないのかしら。

　先生ももしかしたらセシリアみたいな大人の女性が好きなのかもしれない。

　そう思うと落ち込んで、先生にもたれかかる。

　先生には悪いけど今だけはお願いね。

　そう思ったら先生がビックと震えた。

　私は一瞬驚いたがその次の言葉に更に驚いた。

　「......はあ。気絶してるとは分かってるけどほんとこれ勘弁して欲しいよ。我慢大変なんだよな」

　.......え？

　私でも今の言葉は私が重くてとかじゃないってことは分かった。

　私の今までの不安は今の言葉ですぐに消えた。

　先生の事が今日で二つ分かった。

　先生は少しでも私の事を女として意識している事。

　それと先生が少し馬鹿だという事が分かった。

　気絶なんてしてないし、我慢しなくてもいいんだけどね。

　心の中で呟くのだった。