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30章「世界の苦悩と新たなルート」
第307話「裏からの依頼」
#第307話「裏からの依頼」
ダンジョンの氾濫が世界的に増え、世界会議が荒れ大変なことになっていたその頃、司は今の生活をそれなりに楽しんでいた。
その少し前は大変だった。司がレンたちに自分のグループに入れとちょっかいを出したことで政府の怒りを買ってしまった。
その結果、司のテレビ局の仕事はすぐに無くなった。そして、それだけでなく政府は御影グループに圧力をかけたのだ。
司は御影グループ社長の父親がかんかんに怒っていると聞いた。結果として、家に戻れない立場になってしまった。
だが、現状では本人はそこまで困っていない。
反政府デモに参加していた人間たちにおだてられて合流し、そのまま家出状態を継続していたのだ。
他のメンバーとの共同生活など不便はあるが、自由といえば自由、自宅に帰るよりもましだと考えていた。
そして仕事もそれなりに回ってきた。司自身は器の大きい人間ではないだが……それでもハンターレベル5。御影グループ社長の息子。
肩書だけは立派なので、世間一般的にはそれがそれなりに効く。
例えばマルチ商法のセミナー、その他怪しい投資セミナー。それらに、たまに“アドバイザー”として呼ばれ、数分話するだけで報酬がもらえる。
例えばこんな感じだ。
「これはバックがしっかりしていてリスクが少ない。それなのに利回りが凄い。今しか出てこない、かなりおすすめの投資案件です。これを逃すとしばらくは同じような投資案件は出てこないでしょう」
それなりに信用のある人間がこの手の話をすれば騙されるケースは多い。
もちろん、司はそれ以外の専門的な話はしない。話をすれば確実にボロが出るからだ。
もちろん、それは上の人間の判断。司が話をしないというよりは話をさせなかったということだ。
たまに話の途中で遮られムカつくこともあったのだが司にとってはそれでも満足だった。簡単に金が手に入る。
まあ楽な仕事だった。
それ以外には、たまにハンターとしてレベリングの手伝いもした。レベル1からレベル2へ引き上げる仕事だ。
もちろん司一人では統率が取れないため、レベル3~4のメンバーが同行して行う。
レベル3まで育てるのは手間がかかる。だがレベル2ならそれなりに早い。司はレベル5なので本来はレベル1をレベル2に引き上げるような簡単な仕事はあり得ない。だが実力的には低いのでそれで丁度良かったのだ。
そうやって、ちょっとした小遣い稼ぎをしながら仲間と楽しく暮らす、そんな生活を送っていた。はたからみれば危ういが、まだぎりぎりうまくいっていた。
そんなある日。
いつもとは全く毛色の違う依頼が舞い込んできた。
「北海道鹿部町に行ってほしい」
司は首を傾げた。
北海道鹿部町。そんな田舎に何で俺が行かないといけないんだ。そういう気持ちはあったが仕事がそこまで多いわけではない。
しかも、それなりの報酬だったので受けることにした。
依頼内容は外国人の案内を一緒にして欲しいとのことだった。もちろん通訳などはいるからその点は心配しないでいいとのこと。
ただしハンターレベルがそれなりに高い人間が欲しいとのことだった。
「なるほどそれならば俺が適任だ」ということで司はその依頼を受けた。
その後、司はその依頼の細かい話を聞くことになった。
北海道鹿部町では最近、駒ヶ岳ダンジョンの氾濫があったとのこと。そして外国人チームがそのダンジョン氾濫について調査したいという話らしい。
日本の公式発表では——
小規模で即時討伐、被害ほぼなしということになっている。
外国人チームはその発表に疑いを持っているらしい。そして調査をしたいからとのことだった。
まあ司にとってはその辺りの細かいところはどうでも良かった。とりあえず付いて行って質問を受けたら答えて欲しいとのこと。
まあそれだけでもそれなりのお金になる。もちろん移動費用は全部出るということでそれなりにおいしい話。近くに函館もあるということで時間があれば観光するのもいいだろうと考えていた。
実は裏組織に入るお金は莫大なもので司に入るのはほんの一部。もちろんそんなことは司は知らない。割のいい仕事だと思い込み喜んでいた。
ようするに外国人スパイが今回の北海道、駒ヶ岳ダンジョン氾濫の現地の確認をしたいという話。
裏組織はそこで考えたのだ。
司はちょうどいい。
レベル5なのでレベルとしては文句が付けようがない。更には世間知らずで扱いやすい。
本来なら司は“長く使えるカード”のはずだった。裏組織もしゃぶりつくそうと思っていた。
しかし御影グループからの探索があった。そのため出番を絞っていたのだ。仕事はそれなりにあるが依頼ができない、そんな状況になっていた。
だが、ここに渡りに船の依頼が来た。しかも一件ではない。時間をうまく空ければ、複数国からの依頼も受けられる。
司を案内役として送り込み、しばらく現地に滞在させ、いくつかの国に見せる。それだけで金が入る。
裏組織にとっては都合が良い話だった。そして司もあっさり承諾した。報酬は悪くないからだ。
司は外国人たちを案内するだけの何の問題もない簡単な依頼だと思っていた。
自分が何に利用されているのかなど全く知らない。
ダンジョンの氾濫が世界的に増え、世界会議が荒れ大変なことになっていたその頃、司は今の生活をそれなりに楽しんでいた。
その少し前は大変だった。司がレンたちに自分のグループに入れとちょっかいを出したことで政府の怒りを買ってしまった。
その結果、司のテレビ局の仕事はすぐに無くなった。そして、それだけでなく政府は御影グループに圧力をかけたのだ。
司は御影グループ社長の父親がかんかんに怒っていると聞いた。結果として、家に戻れない立場になってしまった。
だが、現状では本人はそこまで困っていない。
反政府デモに参加していた人間たちにおだてられて合流し、そのまま家出状態を継続していたのだ。
他のメンバーとの共同生活など不便はあるが、自由といえば自由、自宅に帰るよりもましだと考えていた。
そして仕事もそれなりに回ってきた。司自身は器の大きい人間ではないだが……それでもハンターレベル5。御影グループ社長の息子。
肩書だけは立派なので、世間一般的にはそれがそれなりに効く。
例えばマルチ商法のセミナー、その他怪しい投資セミナー。それらに、たまに“アドバイザー”として呼ばれ、数分話するだけで報酬がもらえる。
例えばこんな感じだ。
「これはバックがしっかりしていてリスクが少ない。それなのに利回りが凄い。今しか出てこない、かなりおすすめの投資案件です。これを逃すとしばらくは同じような投資案件は出てこないでしょう」
それなりに信用のある人間がこの手の話をすれば騙されるケースは多い。
もちろん、司はそれ以外の専門的な話はしない。話をすれば確実にボロが出るからだ。
もちろん、それは上の人間の判断。司が話をしないというよりは話をさせなかったということだ。
たまに話の途中で遮られムカつくこともあったのだが司にとってはそれでも満足だった。簡単に金が手に入る。
まあ楽な仕事だった。
それ以外には、たまにハンターとしてレベリングの手伝いもした。レベル1からレベル2へ引き上げる仕事だ。
もちろん司一人では統率が取れないため、レベル3~4のメンバーが同行して行う。
レベル3まで育てるのは手間がかかる。だがレベル2ならそれなりに早い。司はレベル5なので本来はレベル1をレベル2に引き上げるような簡単な仕事はあり得ない。だが実力的には低いのでそれで丁度良かったのだ。
そうやって、ちょっとした小遣い稼ぎをしながら仲間と楽しく暮らす、そんな生活を送っていた。はたからみれば危ういが、まだぎりぎりうまくいっていた。
そんなある日。
いつもとは全く毛色の違う依頼が舞い込んできた。
「北海道鹿部町に行ってほしい」
司は首を傾げた。
北海道鹿部町。そんな田舎に何で俺が行かないといけないんだ。そういう気持ちはあったが仕事がそこまで多いわけではない。
しかも、それなりの報酬だったので受けることにした。
依頼内容は外国人の案内を一緒にして欲しいとのことだった。もちろん通訳などはいるからその点は心配しないでいいとのこと。
ただしハンターレベルがそれなりに高い人間が欲しいとのことだった。
「なるほどそれならば俺が適任だ」ということで司はその依頼を受けた。
その後、司はその依頼の細かい話を聞くことになった。
北海道鹿部町では最近、駒ヶ岳ダンジョンの氾濫があったとのこと。そして外国人チームがそのダンジョン氾濫について調査したいという話らしい。
日本の公式発表では——
小規模で即時討伐、被害ほぼなしということになっている。
外国人チームはその発表に疑いを持っているらしい。そして調査をしたいからとのことだった。
まあ司にとってはその辺りの細かいところはどうでも良かった。とりあえず付いて行って質問を受けたら答えて欲しいとのこと。
まあそれだけでもそれなりのお金になる。もちろん移動費用は全部出るということでそれなりにおいしい話。近くに函館もあるということで時間があれば観光するのもいいだろうと考えていた。
実は裏組織に入るお金は莫大なもので司に入るのはほんの一部。もちろんそんなことは司は知らない。割のいい仕事だと思い込み喜んでいた。
ようするに外国人スパイが今回の北海道、駒ヶ岳ダンジョン氾濫の現地の確認をしたいという話。
裏組織はそこで考えたのだ。
司はちょうどいい。
レベル5なのでレベルとしては文句が付けようがない。更には世間知らずで扱いやすい。
本来なら司は“長く使えるカード”のはずだった。裏組織もしゃぶりつくそうと思っていた。
しかし御影グループからの探索があった。そのため出番を絞っていたのだ。仕事はそれなりにあるが依頼ができない、そんな状況になっていた。
だが、ここに渡りに船の依頼が来た。しかも一件ではない。時間をうまく空ければ、複数国からの依頼も受けられる。
司を案内役として送り込み、しばらく現地に滞在させ、いくつかの国に見せる。それだけで金が入る。
裏組織にとっては都合が良い話だった。そして司もあっさり承諾した。報酬は悪くないからだ。
司は外国人たちを案内するだけの何の問題もない簡単な依頼だと思っていた。
自分が何に利用されているのかなど全く知らない。
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『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』