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18. 母なるもの
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電話をかけているあいだの爽希さんは、傍から見ても気の毒でしかたなかった。
怒鳴り声らしきものが距離を取っているあたしにも聞こえてきたくらいで、なんなら途中で爽希さんが耳から電話をしばらく離したくらいだった。
それでもとにかく、最後には相手を説得できたらしい。
(さすが腐っても社長。交渉上手)
あたしはついつい感心してしまった。
「これから車で迎えに来るそうだ。それまではこの家で待ってなさい。そのあいだに僕はちょっと仕事を済ます。まったく、たまたま用事ができて戻ってきてなかったら、いったいどうなってたか……」
嫌味ったらしい口調で言いながら、あたしを見る。
言い方はどうあれ、指摘自体はまったくもってその通りなので、あたしは恐縮して頭を下げるしかなかった。
正嗣君はもう静かに鼻をすすっているだけになっていたけど、泣き疲れたのか、ちょっと眠そうだ。志麻さんは相変わらず、その背に手を添えてあげている。
雲雀さんはどこ吹く風、といった表情でお茶をすすっているけど、どうやら成り行きを見届けるつもりらしく、部屋に戻る気配はない。
あたしもこの時点でこの場を離れるにはいかないだろうと判断して、空いていたほうのソファの隅に腰をおろした。
ただ、これがちょっと失敗だった。
電話を終えた爽希さんが、反対側の隅にどさりと座ったからだ。
さっきまで糾弾してきていた相手と、まあまあ近くに座って待つ羽目になってしまった。
(うう……)
そりゃまあ、『家族』に憧れはあったけど。
(まさかこの手のトラブルの渦中の人間になるとは)
人生、一寸先は闇。
芙蓉さんが到着したのは、それから三時間ほどたった頃だった。
せわしなく鳴るインターホンの呼び出し音に、志麻さんがあわててドアを開けに行く。
すぐに、ヒステリックに叫ぶ女性の声が聞こえてきた。リビングにまで響き渡るような声量なのは、元気というかなんというか。
ただ、その声が聞こえてきたと同時に、それまでおとなしく座っていた正嗣くんが、キョロキョロとあちこちを見回し、今すぐ逃げたいといでもいうように中腰になったのにあたしは気づいた。
あの声にいつもさらされ、逃げ場を探すのが、身についた習性になってしまっているのだろう。
本来ならわがまま言い放題の年頃だろうに、なんだか気の毒だった。
「正嗣!」
部屋に姿を現した芙蓉さんは、開口一番大きく叫んだ。
さっきまであんなに怒鳴り散らしてなお、まだこのボリュームの声を出せるとは。
(なんて体力ある人だろ)
あたしは思わず感心してしまう。
一方、正嗣くんといえば、案の定というか、身体を縮こまらせて、できることならソファの隙間に潜りたそうにしている。
どう見ても、護ってあげなきゃいけない小動物のようだ。
でも、さっきまで寄り添っていた志麻さんは芙蓉さんの背後にいるので、こうなったら、あたしが代わりになるしかない。
立ち上がるとちょっと挑発的すぎる気がして、謎の中腰であたしは移動し、向かいのソファに座って正嗣くんの手を握った。
雲雀さんも、車いすの角度を微妙に変えた。
もしも突っ込んできたりしたら、おそらくブロックできるように、だ。
それぞれがそんな風に動いたら、意外なことが起こった。
芙蓉さんが、口を噤んだのだ。
その顔に、鼻白んだ表情が一瞬浮かんだのを、あたしは見逃さなかった。
考えてみれば、芙蓉さんにとってここは敵陣なんだろう。
だから、息子がいじめられてかわいそうな目にあっているところを颯爽と救出しに来たはずなのに、そこで自分から庇われるなんて、予想もしていなかったに違いない。だからこその反応なのかもしれない。
「正嗣、こっちに来なさい」
わずかに震える声で呼びかけてくる。
動揺からくるせいなのか、怒りを我慢しているせいなのか判断がつきにくい。
あたしは、正嗣くんの手を握ったまま、一緒に立ち上がった。
近づくのにも一緒にしたけど、ただ、さすがにちょっと遠慮して、半歩ほど後ろにいた。
するとそこに隙があると判断したのか、芙蓉さんが手を思いきり上げた。
(叩かれる!)
あたしはとっさに正嗣くんの身体を引っ張り、背後に隠した。
でも、手は下りてこなかった。
志麻さんが、その腕に縋りついていたからだ。
「離しなさい!」
「いけません!」
二人はもみ合いになり、見かねた爽希さんが間に入る。
引き離されたあとも睨みつける芙蓉さんに、志麻さんが話しかけた。
「殴ったりしたら、正嗣くんは自分が愛されてないと感じますよ。心配だから、飛んできたんじゃないんですか」
あたしはその言葉にびっくりした。
正嗣くんの話だと、正直、虐待を疑うような母親だ。志麻さんだって、同じ話を聞いてたはずだ。
なのに、まるで、愛情のある母親に話しかけているみたいなことをしてる。
芙蓉さんも驚いたようで、目を見開いて志麻さんをじっと見た。
志麻さんは、言葉を続ける。
「正嗣くんだって、思うところがあって、こんな行動に出たはずです。まず先に話を聞いてあげてください」
「うるさいわね、なにこの女」
しかし、芙蓉さんは取り合うつもりもないらしい。吐き捨てるように言うと、さらに足を踏み出した。
あたしは正嗣くんを背後にくっつけるようにしたまま、後退する。
「失ってからは遅いんです」
志麻さんが取りすがる。
「愛されていないと思った子どもは、思い切った行動に出てしまうことがあります。それで私は自分の子を失いました。あなただって、そんなことは望んでいないはずです。どうか、正嗣くんにもっと優しく……」
ここでさすがに、芙蓉さんも動きを止めた。
「失った……? 自分の子を……? どういうこと」
ここで志麻さんの表情が変わった。
さっきまではきりっとした雰囲気だったのが、突然、かたい殻が砕け散ってしまったような痛々しいものになった。
たぶん、勢いで言ってしまったことなんだろう。
でも、それは一瞬のことで、また断固とした態度に戻る。
それは意志を強めた、というよりむしろ、やけくそっぽい雰囲気。
『こうなったら全部言ってしまおう』
そんな心の声が聞こえるようだった。
「ある朝、あたしと息子はささいなことから、ケンカをしました。学校に行く前の時間で、息子はそのまま学校へ行きました。その途中で、突っ込んできた車に轢かれたんです。即死でした」
そんな、聞いているだけでもひどい出来事を、妙に淡々とした口調で話すのが信じられない。
あまりにも苦しい記憶には、意外とこんな態度になってしまうのかもしれない。
「ケンカのせいで遅刻しそうになって、いつもとは違う近道を……、通り抜けの車がスピードを出したまま入ってくる、狭い裏道をひとりで走っていたところだったそうです。もし、もしも……」
志麻さんの顔がゆがむ。
「いつも、そこを通らないように言い聞かせていたんです。もしも、あの日ケンカなんかしなければ。もしも、遅刻しそうなら車で送ってやっていれば……。何度でも、何度でも、考えてしまいます。でも、帰ってこないんです。いくら考えても、後悔しても、一度失ってしまったら、もう戻ってはこないんです。どうかよく考えてください!」
最後のほうは、もう、哀願に近い。
あたしはふと、お昼のメニューのことを思い出した。
いつもとは違う傾向の、オムライスや肉団子、星の形のニンジン……、あれはもしかして、自分の子供にやってあげたかったことなのかもしれない。
芙蓉さんはといえば、志麻さんの迫力に呑まれてしまったのか、しばらくのあいだ黙っていた。
でも、ふと我に返ったらしい。
肩をいからせ、あたしに向かってきた。正確にいれば、あたしの背後にいる正嗣くんに、だけど。
(うわっ)
あたしは思わず後ろに下がった。
「ごちゃごちゃ言ってうるさいのよ。正嗣はあたしの子よ。どう扱うかを他人にごちゃごちゃ言われる筋合いはないでしょ」
そう言って手を伸ばしてきた。
あたしは思わず背を向け、正嗣くんを抱きかかえるようにした。
「ちょっと、なんであの女の味方してんのよ。頭おかしいんじゃない」
芙蓉さんは急にそんなことを言いだした。
なんでそんなことを言われるのか、わけのわからないあたしが、きょとんとした顔を向けると、忌々しそうにチッと舌打ちをする。
「あんたは別にこの家に、義理も恩もないでしょ。こいつらの悪事に協力するなんて、バカね」
「あ……、悪事……?」
あたしはあっけに取られる。
実の子に虐待まがいのことを日常的にしていたうえ、子供を一時とは言え保護していた相手にいきなり悪態をつきまくるような人が、いきなりそんなことを言い出すことに、本当にびっくりした。
「あの、なにか誤解してないですか。あたしたちは別に、正嗣くんを攫ってきたわけじゃないですよ?」
それでもなんとか精神的な押し返しを試みようと、事情を言ってみた。
でも、逆効果だったみたい。
「あんたみたいなのが、屁理屈こねてんじゃないよ」
(かえって逆上させちゃったよ)
あたしは無駄な努力を悔いた。
どうやら相手は、言ってる内容がどうのというより、下っ端扱いしているあたしみたいな人間に言い返されたのが我慢ならなかったらしい。
「あたしは知ってんだからね」
えらく自信満々に言い出した。
(知ってるって、なにを)
だって、あたしはこの人には初めて会ったくらいだ。どこにも接点がない。はずだ。
でも芙蓉さんは、勝利を確信している身振りで、思いっきり叫んだ。
「あんたが週刊誌のスパイだってこと!」
怒鳴り声らしきものが距離を取っているあたしにも聞こえてきたくらいで、なんなら途中で爽希さんが耳から電話をしばらく離したくらいだった。
それでもとにかく、最後には相手を説得できたらしい。
(さすが腐っても社長。交渉上手)
あたしはついつい感心してしまった。
「これから車で迎えに来るそうだ。それまではこの家で待ってなさい。そのあいだに僕はちょっと仕事を済ます。まったく、たまたま用事ができて戻ってきてなかったら、いったいどうなってたか……」
嫌味ったらしい口調で言いながら、あたしを見る。
言い方はどうあれ、指摘自体はまったくもってその通りなので、あたしは恐縮して頭を下げるしかなかった。
正嗣君はもう静かに鼻をすすっているだけになっていたけど、泣き疲れたのか、ちょっと眠そうだ。志麻さんは相変わらず、その背に手を添えてあげている。
雲雀さんはどこ吹く風、といった表情でお茶をすすっているけど、どうやら成り行きを見届けるつもりらしく、部屋に戻る気配はない。
あたしもこの時点でこの場を離れるにはいかないだろうと判断して、空いていたほうのソファの隅に腰をおろした。
ただ、これがちょっと失敗だった。
電話を終えた爽希さんが、反対側の隅にどさりと座ったからだ。
さっきまで糾弾してきていた相手と、まあまあ近くに座って待つ羽目になってしまった。
(うう……)
そりゃまあ、『家族』に憧れはあったけど。
(まさかこの手のトラブルの渦中の人間になるとは)
人生、一寸先は闇。
芙蓉さんが到着したのは、それから三時間ほどたった頃だった。
せわしなく鳴るインターホンの呼び出し音に、志麻さんがあわててドアを開けに行く。
すぐに、ヒステリックに叫ぶ女性の声が聞こえてきた。リビングにまで響き渡るような声量なのは、元気というかなんというか。
ただ、その声が聞こえてきたと同時に、それまでおとなしく座っていた正嗣くんが、キョロキョロとあちこちを見回し、今すぐ逃げたいといでもいうように中腰になったのにあたしは気づいた。
あの声にいつもさらされ、逃げ場を探すのが、身についた習性になってしまっているのだろう。
本来ならわがまま言い放題の年頃だろうに、なんだか気の毒だった。
「正嗣!」
部屋に姿を現した芙蓉さんは、開口一番大きく叫んだ。
さっきまであんなに怒鳴り散らしてなお、まだこのボリュームの声を出せるとは。
(なんて体力ある人だろ)
あたしは思わず感心してしまう。
一方、正嗣くんといえば、案の定というか、身体を縮こまらせて、できることならソファの隙間に潜りたそうにしている。
どう見ても、護ってあげなきゃいけない小動物のようだ。
でも、さっきまで寄り添っていた志麻さんは芙蓉さんの背後にいるので、こうなったら、あたしが代わりになるしかない。
立ち上がるとちょっと挑発的すぎる気がして、謎の中腰であたしは移動し、向かいのソファに座って正嗣くんの手を握った。
雲雀さんも、車いすの角度を微妙に変えた。
もしも突っ込んできたりしたら、おそらくブロックできるように、だ。
それぞれがそんな風に動いたら、意外なことが起こった。
芙蓉さんが、口を噤んだのだ。
その顔に、鼻白んだ表情が一瞬浮かんだのを、あたしは見逃さなかった。
考えてみれば、芙蓉さんにとってここは敵陣なんだろう。
だから、息子がいじめられてかわいそうな目にあっているところを颯爽と救出しに来たはずなのに、そこで自分から庇われるなんて、予想もしていなかったに違いない。だからこその反応なのかもしれない。
「正嗣、こっちに来なさい」
わずかに震える声で呼びかけてくる。
動揺からくるせいなのか、怒りを我慢しているせいなのか判断がつきにくい。
あたしは、正嗣くんの手を握ったまま、一緒に立ち上がった。
近づくのにも一緒にしたけど、ただ、さすがにちょっと遠慮して、半歩ほど後ろにいた。
するとそこに隙があると判断したのか、芙蓉さんが手を思いきり上げた。
(叩かれる!)
あたしはとっさに正嗣くんの身体を引っ張り、背後に隠した。
でも、手は下りてこなかった。
志麻さんが、その腕に縋りついていたからだ。
「離しなさい!」
「いけません!」
二人はもみ合いになり、見かねた爽希さんが間に入る。
引き離されたあとも睨みつける芙蓉さんに、志麻さんが話しかけた。
「殴ったりしたら、正嗣くんは自分が愛されてないと感じますよ。心配だから、飛んできたんじゃないんですか」
あたしはその言葉にびっくりした。
正嗣くんの話だと、正直、虐待を疑うような母親だ。志麻さんだって、同じ話を聞いてたはずだ。
なのに、まるで、愛情のある母親に話しかけているみたいなことをしてる。
芙蓉さんも驚いたようで、目を見開いて志麻さんをじっと見た。
志麻さんは、言葉を続ける。
「正嗣くんだって、思うところがあって、こんな行動に出たはずです。まず先に話を聞いてあげてください」
「うるさいわね、なにこの女」
しかし、芙蓉さんは取り合うつもりもないらしい。吐き捨てるように言うと、さらに足を踏み出した。
あたしは正嗣くんを背後にくっつけるようにしたまま、後退する。
「失ってからは遅いんです」
志麻さんが取りすがる。
「愛されていないと思った子どもは、思い切った行動に出てしまうことがあります。それで私は自分の子を失いました。あなただって、そんなことは望んでいないはずです。どうか、正嗣くんにもっと優しく……」
ここでさすがに、芙蓉さんも動きを止めた。
「失った……? 自分の子を……? どういうこと」
ここで志麻さんの表情が変わった。
さっきまではきりっとした雰囲気だったのが、突然、かたい殻が砕け散ってしまったような痛々しいものになった。
たぶん、勢いで言ってしまったことなんだろう。
でも、それは一瞬のことで、また断固とした態度に戻る。
それは意志を強めた、というよりむしろ、やけくそっぽい雰囲気。
『こうなったら全部言ってしまおう』
そんな心の声が聞こえるようだった。
「ある朝、あたしと息子はささいなことから、ケンカをしました。学校に行く前の時間で、息子はそのまま学校へ行きました。その途中で、突っ込んできた車に轢かれたんです。即死でした」
そんな、聞いているだけでもひどい出来事を、妙に淡々とした口調で話すのが信じられない。
あまりにも苦しい記憶には、意外とこんな態度になってしまうのかもしれない。
「ケンカのせいで遅刻しそうになって、いつもとは違う近道を……、通り抜けの車がスピードを出したまま入ってくる、狭い裏道をひとりで走っていたところだったそうです。もし、もしも……」
志麻さんの顔がゆがむ。
「いつも、そこを通らないように言い聞かせていたんです。もしも、あの日ケンカなんかしなければ。もしも、遅刻しそうなら車で送ってやっていれば……。何度でも、何度でも、考えてしまいます。でも、帰ってこないんです。いくら考えても、後悔しても、一度失ってしまったら、もう戻ってはこないんです。どうかよく考えてください!」
最後のほうは、もう、哀願に近い。
あたしはふと、お昼のメニューのことを思い出した。
いつもとは違う傾向の、オムライスや肉団子、星の形のニンジン……、あれはもしかして、自分の子供にやってあげたかったことなのかもしれない。
芙蓉さんはといえば、志麻さんの迫力に呑まれてしまったのか、しばらくのあいだ黙っていた。
でも、ふと我に返ったらしい。
肩をいからせ、あたしに向かってきた。正確にいれば、あたしの背後にいる正嗣くんに、だけど。
(うわっ)
あたしは思わず後ろに下がった。
「ごちゃごちゃ言ってうるさいのよ。正嗣はあたしの子よ。どう扱うかを他人にごちゃごちゃ言われる筋合いはないでしょ」
そう言って手を伸ばしてきた。
あたしは思わず背を向け、正嗣くんを抱きかかえるようにした。
「ちょっと、なんであの女の味方してんのよ。頭おかしいんじゃない」
芙蓉さんは急にそんなことを言いだした。
なんでそんなことを言われるのか、わけのわからないあたしが、きょとんとした顔を向けると、忌々しそうにチッと舌打ちをする。
「あんたは別にこの家に、義理も恩もないでしょ。こいつらの悪事に協力するなんて、バカね」
「あ……、悪事……?」
あたしはあっけに取られる。
実の子に虐待まがいのことを日常的にしていたうえ、子供を一時とは言え保護していた相手にいきなり悪態をつきまくるような人が、いきなりそんなことを言い出すことに、本当にびっくりした。
「あの、なにか誤解してないですか。あたしたちは別に、正嗣くんを攫ってきたわけじゃないですよ?」
それでもなんとか精神的な押し返しを試みようと、事情を言ってみた。
でも、逆効果だったみたい。
「あんたみたいなのが、屁理屈こねてんじゃないよ」
(かえって逆上させちゃったよ)
あたしは無駄な努力を悔いた。
どうやら相手は、言ってる内容がどうのというより、下っ端扱いしているあたしみたいな人間に言い返されたのが我慢ならなかったらしい。
「あたしは知ってんだからね」
えらく自信満々に言い出した。
(知ってるって、なにを)
だって、あたしはこの人には初めて会ったくらいだ。どこにも接点がない。はずだ。
でも芙蓉さんは、勝利を確信している身振りで、思いっきり叫んだ。
「あんたが週刊誌のスパイだってこと!」
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