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17. いなくなった子 4
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爽希さんの突然の大声に、その場にいた人間は、全員身をすくめた。
ふだん物静かなのに、こんなに我を忘れている姿、初めて見た。
(なんか、怖い)
志麻さんも同じみたいだった。
ただ、すごい勢いでマサシくんの前に立ったのは意外だった。
とっさに、爽希さんから庇ったんだ。
「あの、いったいどういうことですか。なにも、子供の前で大声を出さなくても……」
あたしも間に割って入って聞いてみた。
本当に質問したかった興味というよりは、この刺々しい空気をなんとか変えたいという気持ちのほうが強い。ジャーナリスト志望としては情けない限りだけど。
「そもそも、彼を連れてきたのは誰ですか」
でも爽希さんは、逆に質問を返してきた。
「あの、それは、私ですけど……。でも、マサシくんはいい子ですよ」
「マサシくん?」
爽希さんは不思議そうな表情になった。
「誰の話ですか」
「いやだから、その、この子……」
あたしがマサシくんに視線を送ると、爽希さんは急に皮肉な笑みを浮かべた。
「なるほど。『いい子』が、小賢しくも偽名を使ったわけですか」
「偽名?」
なんの話をしてるんだろう。
「彼の名前は、『セイジ』ですよ。福繁正嗣。芙蓉さんの息子、僕らの異母弟です」
(えええええ!!??)
あたしは思わずのけぞりそうになった。
「僕しか顔を知らないのをいいことに、この家に入り込んだってわけだ」
爽希さんは低い声で言うと、腕を伸ばし、マサシ……いや、正嗣くんの腕を掴もうとした。
しかし、今やその小さな身体を抱きしめるようにしている志麻さんがとっさにあとざすり、その手は届かなかった。
「僕、僕……」
でも、それまで泣きそうな顔をしながらも黙っていた正嗣くんが口を開いた。
「僕、螺旋階段が見たかっただけなんです。兄さんが落ちたっていう……。で、でも本当は、あなたたちに会ってみたかった。だから、でも、あの……」
それ以上、言葉が見つからなかったのだろう。すぐにまた口を噤んでしまった。頬に、涙が一筋流れる。
それでも、泣き叫んだりしないのはたいしたものだ。
「芙蓉さんの差し金か」
「違います。お母さんは関係ないです。僕が勝手に来たんです。お母さんには言わないで」
必死だ。
(そうだ、さっきからそうだった。お母さんに叱られたくない……っていうか、嫌われたくないのかな)
子供の心理としてはあり得ると思う。
でも、爽希さんは容赦なかった。
「ああ、そういうことか。でも、わかってて来たということは、君は大基くんの仇でも取りにきたつもりか」
突き放すような物言いに、正嗣くんはますます身体を縮こまらせていたけど、それでもしっかりと首を振ってみせた。
「仇なんて……。だって、本当は、全然仲良くなかったんです。兄さんは、その、いつも僕をいじめていたので……。殴られたり、持ち物を勝手に捨てられたり……。母さんは兄さんだけをかわいがっていたから、言っても、助けてくれなかった」
(うわ、本当ならえぐい……)
でもそんなことをされたとしても、なんといっても実の兄、『いなくなってよかった』とは、さすがに続けられなかったのだろう。そのまま黙った。
「じゃあ、あんたもあたしと同じね。あいつの被害者なわけ」
そのとき、突然背後から声がした。
雲雀さんだ。
いつの間にか、降りてきていたらしい。
「雲雀、おまえ……」
爽希さんは意外な援軍に、たじろぎ始める。
「だましたのは、正直怒ってる。でも、いい機会かもよ。この際だから、ちゃんと話聞くのも悪くないんじゃない」
「いいのか」
「いいもなにも、正直、今の状況にはとっくにうんざりしてる。でも芙蓉さんなんてまともな話ができる相手じゃないし。マ……、違った、正嗣と話したほうがよっぽどマシなんじゃない? 試してみようよ。なかなか見どころがありそうな気もするし」
雲雀さんの提案に、とりあえず誰も反論しない。
そこでいったん、全員でリビングへと戻った。
志麻さんも一緒だった。怯えた正嗣くんが、手を握ったまま離さなかったからだ。
全員でソファに座り、向かい合う。
爽希さんと雲雀さんが同じ側、対面に正嗣くんと志麻さん。
あたしは迷ったけど、この場合完全に部外者だし、かと言ってこのタイミングでこの場を去るとまるで逃げてるみたいなので、部屋の隅の簡易キッチンで、お茶でも淹れることにした。
「わざわざY県から来たのか。電車に乗って?」
爽希さんの質問が聞こえて、あたしはびっくりした。
Y県といえば、東京からは電車でも三~四時間はかかるところだ。小学生が一人で移動するには、なかなかの距離だろう。
「はい」
「よく電車賃があったな」
「今年のお正月に、遠縁のおじさんが、お母さんに内緒でお年玉をくれたんです。それを使いました」
「もしかして、おこづかいはもらってないの?」
志麻さんがふいに訊いた。
なんでそんなことに気づいたのかはわからないけど、正嗣くんは眉を『ハ』の字に下げながら頷いた。
「僕にはまだ早いと言われてます。兄さんは同じくらいの歳だったとき、いっぱいもらっていたらしいですけど」
「あぁ……」
志麻さんは同情のため息をついた。
これには、あたしも同意だ。
(おこづかいが少ない、ということならあたりまえにある話だと思うけど、そもそも、もらってない?)
今どき、友達とちょっと遊ぶのだって、ちょっとしたお金はかかるだろうに。
(しかもお兄さんと比べて、そんなに扱いが違うんだ)
なんだか、正嗣くんの背景、なかなか闇が深そうな気がする。
「しかしわざわざ螺旋階段を見に来て、どうするつもりだったんだ?」
心なし、爽希さんの口調も柔らかくなってきたようだ。
この隙に、と、あたしは急いでお茶のカップをそれぞれの前に置いた。
「わかりません……」
正嗣くんは膝小僧をくっつけたり離したりしながら、消え入るような声で答える。さっきまでの元気が嘘のようで、なんだかかわいそうだ。
「爽希さんや雲雀さんも、とっても意地悪で、悪魔のような人たちだって教えられてました。でも、ひどいことばっかりしてた兄さんのこと、母さんは『天使』って言ってたし、僕、なにがなんだかわからなくなっちゃって……」
「それで、確かめに来たってわけか」
爽希さんは今度は、まるで感心しているような口調だ。
(まあたしかに)
この年齢で、親の言うことの矛盾にちゃんと気づいて、そのうえで自分の目で確かめようとする行動力は、褒めてもいい素質かもしれない。
雲雀さんが『見どころあるかも』と言ったのもわかる。
でもまあ、正嗣くんからしたら、自分が評価されているなんて思いもしないのだろう。ひたすら身体を縮こまらせて、目には涙を溜めて俯いている。
「しかしとにかく、芙蓉さんには連絡を入れるからな。さすがに心配しているだろう」
でも、爽希さんの言葉に、真っ赤になっている顔を上げた。
「だ、だめです。ぼ、僕、すぐこのまま帰ります。だから、黙っててください。僕、僕……」
そこまで言って、唐突に声が途切れた。
そして次の瞬間、大きな声を上げて泣き始めた。
とうとう、耐えられなくなってしまったようだった。
「母さんは僕なんて、いら、いら、いらないんです。こんなのバレたら、す、す、捨てられちゃう……!」
パニックになりかけているのか、ひきつけを起こしたみたいになっている。
志麻さんが、慌ててその身体を力いっぱい抱きしめた。
「大丈夫。大丈夫よ。お母さんはきっと、お兄さんがいなくなったことがショック過ぎて、そこから心が離れなくなっちゃってるの。あなたが大丈夫だって安心してしまってるから、そんな態度になってるのよ。もしもあなたを失いそうになれば、目が覚めるはず」
そう優しくいいながら、正嗣くんの背をゆっくりとさすっている。
鳴き声が、少しだけ小さくなった。
(志麻さん……。ちょっと、意外……)
主な仕事場であるキッチンが離れになっているせいか、経験からくる知恵からか。いつもは雇い主の牧園家の家族の問題からは、ちょっと距離を置いているように見える志麻さんが、こんなに踏み込んだことを言うとは思わなかった。
爽希さんや雲雀さんも、いつになく、ちょっと戸惑っているらしい。
気まずい空気が流れ、泣いている正嗣くん以外は、みんな黙り込んだ。
「と、とにかく」
口火を切ったのは、爽希さんだった。
「芙蓉さんに連絡して、迎えに来てもらうことは譲れない。このままひとりで帰して、なにかあったら大変だ」
「で、でも、僕……」
「君の気持もわかる。でもこれは、下手したら事件にだってなりかねない。特に芙蓉さんのような人柄では、僕たちを誘拐犯だと訴えることだってやりかねない。ここは道理を通させてもらう」
断固とした口調に、正嗣くんは黙った。
(たしかに、未成年の子を勝手に家に引き入れた、って難癖つけられてもおかしくない状況か……)
うかつだった。
そんなことにまで気が回らなかったことを、今さら反省してしまう。
河川敷ではあたしが唯一の大人だったのに、その手のことに思い至らなかったのが情けない。
いくら、雇い主が揉めてる相手の子供だとは知らなかったとはいえ。
爽希さんは手にしていたスマホでまずさっき連絡していたらしい相手に断りを入れた。
そのあと、大きく息を吸い、ソファから立ち上がった。
窓のそばに立ち、あたしたちに背を向けながら、芙蓉さんへと電話をかける。
肩がひどくこわばっているのが、ひどい緊張状態にあることを示していた。
ふだん物静かなのに、こんなに我を忘れている姿、初めて見た。
(なんか、怖い)
志麻さんも同じみたいだった。
ただ、すごい勢いでマサシくんの前に立ったのは意外だった。
とっさに、爽希さんから庇ったんだ。
「あの、いったいどういうことですか。なにも、子供の前で大声を出さなくても……」
あたしも間に割って入って聞いてみた。
本当に質問したかった興味というよりは、この刺々しい空気をなんとか変えたいという気持ちのほうが強い。ジャーナリスト志望としては情けない限りだけど。
「そもそも、彼を連れてきたのは誰ですか」
でも爽希さんは、逆に質問を返してきた。
「あの、それは、私ですけど……。でも、マサシくんはいい子ですよ」
「マサシくん?」
爽希さんは不思議そうな表情になった。
「誰の話ですか」
「いやだから、その、この子……」
あたしがマサシくんに視線を送ると、爽希さんは急に皮肉な笑みを浮かべた。
「なるほど。『いい子』が、小賢しくも偽名を使ったわけですか」
「偽名?」
なんの話をしてるんだろう。
「彼の名前は、『セイジ』ですよ。福繁正嗣。芙蓉さんの息子、僕らの異母弟です」
(えええええ!!??)
あたしは思わずのけぞりそうになった。
「僕しか顔を知らないのをいいことに、この家に入り込んだってわけだ」
爽希さんは低い声で言うと、腕を伸ばし、マサシ……いや、正嗣くんの腕を掴もうとした。
しかし、今やその小さな身体を抱きしめるようにしている志麻さんがとっさにあとざすり、その手は届かなかった。
「僕、僕……」
でも、それまで泣きそうな顔をしながらも黙っていた正嗣くんが口を開いた。
「僕、螺旋階段が見たかっただけなんです。兄さんが落ちたっていう……。で、でも本当は、あなたたちに会ってみたかった。だから、でも、あの……」
それ以上、言葉が見つからなかったのだろう。すぐにまた口を噤んでしまった。頬に、涙が一筋流れる。
それでも、泣き叫んだりしないのはたいしたものだ。
「芙蓉さんの差し金か」
「違います。お母さんは関係ないです。僕が勝手に来たんです。お母さんには言わないで」
必死だ。
(そうだ、さっきからそうだった。お母さんに叱られたくない……っていうか、嫌われたくないのかな)
子供の心理としてはあり得ると思う。
でも、爽希さんは容赦なかった。
「ああ、そういうことか。でも、わかってて来たということは、君は大基くんの仇でも取りにきたつもりか」
突き放すような物言いに、正嗣くんはますます身体を縮こまらせていたけど、それでもしっかりと首を振ってみせた。
「仇なんて……。だって、本当は、全然仲良くなかったんです。兄さんは、その、いつも僕をいじめていたので……。殴られたり、持ち物を勝手に捨てられたり……。母さんは兄さんだけをかわいがっていたから、言っても、助けてくれなかった」
(うわ、本当ならえぐい……)
でもそんなことをされたとしても、なんといっても実の兄、『いなくなってよかった』とは、さすがに続けられなかったのだろう。そのまま黙った。
「じゃあ、あんたもあたしと同じね。あいつの被害者なわけ」
そのとき、突然背後から声がした。
雲雀さんだ。
いつの間にか、降りてきていたらしい。
「雲雀、おまえ……」
爽希さんは意外な援軍に、たじろぎ始める。
「だましたのは、正直怒ってる。でも、いい機会かもよ。この際だから、ちゃんと話聞くのも悪くないんじゃない」
「いいのか」
「いいもなにも、正直、今の状況にはとっくにうんざりしてる。でも芙蓉さんなんてまともな話ができる相手じゃないし。マ……、違った、正嗣と話したほうがよっぽどマシなんじゃない? 試してみようよ。なかなか見どころがありそうな気もするし」
雲雀さんの提案に、とりあえず誰も反論しない。
そこでいったん、全員でリビングへと戻った。
志麻さんも一緒だった。怯えた正嗣くんが、手を握ったまま離さなかったからだ。
全員でソファに座り、向かい合う。
爽希さんと雲雀さんが同じ側、対面に正嗣くんと志麻さん。
あたしは迷ったけど、この場合完全に部外者だし、かと言ってこのタイミングでこの場を去るとまるで逃げてるみたいなので、部屋の隅の簡易キッチンで、お茶でも淹れることにした。
「わざわざY県から来たのか。電車に乗って?」
爽希さんの質問が聞こえて、あたしはびっくりした。
Y県といえば、東京からは電車でも三~四時間はかかるところだ。小学生が一人で移動するには、なかなかの距離だろう。
「はい」
「よく電車賃があったな」
「今年のお正月に、遠縁のおじさんが、お母さんに内緒でお年玉をくれたんです。それを使いました」
「もしかして、おこづかいはもらってないの?」
志麻さんがふいに訊いた。
なんでそんなことに気づいたのかはわからないけど、正嗣くんは眉を『ハ』の字に下げながら頷いた。
「僕にはまだ早いと言われてます。兄さんは同じくらいの歳だったとき、いっぱいもらっていたらしいですけど」
「あぁ……」
志麻さんは同情のため息をついた。
これには、あたしも同意だ。
(おこづかいが少ない、ということならあたりまえにある話だと思うけど、そもそも、もらってない?)
今どき、友達とちょっと遊ぶのだって、ちょっとしたお金はかかるだろうに。
(しかもお兄さんと比べて、そんなに扱いが違うんだ)
なんだか、正嗣くんの背景、なかなか闇が深そうな気がする。
「しかしわざわざ螺旋階段を見に来て、どうするつもりだったんだ?」
心なし、爽希さんの口調も柔らかくなってきたようだ。
この隙に、と、あたしは急いでお茶のカップをそれぞれの前に置いた。
「わかりません……」
正嗣くんは膝小僧をくっつけたり離したりしながら、消え入るような声で答える。さっきまでの元気が嘘のようで、なんだかかわいそうだ。
「爽希さんや雲雀さんも、とっても意地悪で、悪魔のような人たちだって教えられてました。でも、ひどいことばっかりしてた兄さんのこと、母さんは『天使』って言ってたし、僕、なにがなんだかわからなくなっちゃって……」
「それで、確かめに来たってわけか」
爽希さんは今度は、まるで感心しているような口調だ。
(まあたしかに)
この年齢で、親の言うことの矛盾にちゃんと気づいて、そのうえで自分の目で確かめようとする行動力は、褒めてもいい素質かもしれない。
雲雀さんが『見どころあるかも』と言ったのもわかる。
でもまあ、正嗣くんからしたら、自分が評価されているなんて思いもしないのだろう。ひたすら身体を縮こまらせて、目には涙を溜めて俯いている。
「しかしとにかく、芙蓉さんには連絡を入れるからな。さすがに心配しているだろう」
でも、爽希さんの言葉に、真っ赤になっている顔を上げた。
「だ、だめです。ぼ、僕、すぐこのまま帰ります。だから、黙っててください。僕、僕……」
そこまで言って、唐突に声が途切れた。
そして次の瞬間、大きな声を上げて泣き始めた。
とうとう、耐えられなくなってしまったようだった。
「母さんは僕なんて、いら、いら、いらないんです。こんなのバレたら、す、す、捨てられちゃう……!」
パニックになりかけているのか、ひきつけを起こしたみたいになっている。
志麻さんが、慌ててその身体を力いっぱい抱きしめた。
「大丈夫。大丈夫よ。お母さんはきっと、お兄さんがいなくなったことがショック過ぎて、そこから心が離れなくなっちゃってるの。あなたが大丈夫だって安心してしまってるから、そんな態度になってるのよ。もしもあなたを失いそうになれば、目が覚めるはず」
そう優しくいいながら、正嗣くんの背をゆっくりとさすっている。
鳴き声が、少しだけ小さくなった。
(志麻さん……。ちょっと、意外……)
主な仕事場であるキッチンが離れになっているせいか、経験からくる知恵からか。いつもは雇い主の牧園家の家族の問題からは、ちょっと距離を置いているように見える志麻さんが、こんなに踏み込んだことを言うとは思わなかった。
爽希さんや雲雀さんも、いつになく、ちょっと戸惑っているらしい。
気まずい空気が流れ、泣いている正嗣くん以外は、みんな黙り込んだ。
「と、とにかく」
口火を切ったのは、爽希さんだった。
「芙蓉さんに連絡して、迎えに来てもらうことは譲れない。このままひとりで帰して、なにかあったら大変だ」
「で、でも、僕……」
「君の気持もわかる。でもこれは、下手したら事件にだってなりかねない。特に芙蓉さんのような人柄では、僕たちを誘拐犯だと訴えることだってやりかねない。ここは道理を通させてもらう」
断固とした口調に、正嗣くんは黙った。
(たしかに、未成年の子を勝手に家に引き入れた、って難癖つけられてもおかしくない状況か……)
うかつだった。
そんなことにまで気が回らなかったことを、今さら反省してしまう。
河川敷ではあたしが唯一の大人だったのに、その手のことに思い至らなかったのが情けない。
いくら、雇い主が揉めてる相手の子供だとは知らなかったとはいえ。
爽希さんは手にしていたスマホでまずさっき連絡していたらしい相手に断りを入れた。
そのあと、大きく息を吸い、ソファから立ち上がった。
窓のそばに立ち、あたしたちに背を向けながら、芙蓉さんへと電話をかける。
肩がひどくこわばっているのが、ひどい緊張状態にあることを示していた。
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